peakvox マジマジョ
【ぴーくぼっくす まじまじょ】
ジャンル
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弾幕防衛アクションパズル
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対応機種
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ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア)
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発売元
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ファンユニット
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開発元
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オーツー
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配信開始日
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2012年9月5日
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価格
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206DSiポイント
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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3マッチ + 防衛戦アクションパズル カラフルなマジョ達が非常に可愛らしい 慢性的な戦力不足と融通の利かない操作性
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概要
ファンユニット発売、オーツー開発による『peakvoxシリーズ』の一作。DSiウェアにおける同シリーズとしては最終作にあたる。
ジャンルとしては『ZOO KEEPER』などで知られる3マッチパズルと、敵からの防衛を目的としたアクション性を合わせたゲームとなる。
可愛らしい魔女である「マジョ」の集団が、前方から迫りくるモンスターをひたすらに倒していくというストーリー設定。
ゲームルール
本作はDS本体を逆時計周りに90度回転させた状態でのプレイを行う。位置的には上画面は「左画面」に、下画面が「右画面」となる。
左利きのプレイヤー向けの操作にも対応している。この場合はDS本体を時計周りに90度回転させた状態でのプレイとなる。
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モードについて
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本作の主なモードは「チュートリアル」と「スコアアタック」がある。
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チュートリアルはゲームの基本的なルールをプレイしながら覚えられるモード。全7ステージ構成のステージクリア制で後発の3ステージは短期間の試験ステージとなる。
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スコアアタックはゲームオーバーになるまでのスコアを競うエンドレスなモード。難易度を「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3段階から選択可能。
難易度によって登場するマジョの色数が異なる。かんたんは4色・ふつうは5色・むずかしいは8色のマジョが登場する。
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スコアアタックではゲームスピードを30段階から設定可能。
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マジョと魔法技について(右画面)
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右画面にいる最大8色の「マジョ」の集団をリアルタイムで入れ替えていき、モンスターを倒していくのが大まかな目的。
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スライド操作で隣接するマジョ同士の入れ替えを行う。マジョの出現範囲は最大で「縦列8マス × 横列8マス」となる。
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マジョは時間経過で左側のマスから順に自動的に補充されていく。また、右画面の上位置にある「早送りアイコン」をホールドすると補充スピードが速くなる。
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消滅したマジョがいたマスには左寄りで他のマジョが移動する性質がある。よって、全体的にマジョの居場所は左側に偏りやすい傾向にある。
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横もしくは縦に同じ色のマジョを3体以上揃える「魔法技」が発動し、そのマジョは画面内から消滅(撤退)する。
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横揃えの場合は攻撃力に長けた魔法技、縦揃えの場合は攻撃範囲に長けた魔法技を左画面に向かって放つ。モンスターによってはどちらかの魔法技でないと倒せない。
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魔法技はモンスターに対する攻撃だけにとどまらず、マジョの周囲にあるおじゃまブロックを消す効果も併せ持つ。
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マジョの魔法技発動中であっても操作が効くので、それを利用した連続同色揃えによるアクティブ連鎖ができる。
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マジョを100体消滅させるたびに「全体魔法」のストックが1つ増え、右画面の上位置にある「全体魔法アイコン」をタッチするとストックと引き換えに魔法を発動できる。
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全体魔法は左画面にいるモンスター全体に大ダメージをあたえ、右画面のおじゃまブロックの多くを消し去ってくれる。
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モンスターとゲームオーバーについて(左画面)
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左画面には様々な「モンスター」が横列8マス間隔で定期出現し、マショ達がいる右画面に迫ってくる。
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発動させた魔法技を同じ横列にいるモンスターに当てるとダメージをあたえられ、特定のダメージで倒す事ができる。魔法技が有効な横列には赤いラインが示される。
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モンスターを倒せないままに右画面まで侵入させてしまうと、右画面の左側縦列数マスに「おじゃまブロック」が発生しマジョの出現範囲を圧迫させるペナルティ。
おじゃまブロックの発生列数は強い敵であるほどに増す。ボスモンスターは時折回避不能なレーザーを発射し、問答無用でおじゃまブロックを発生させてくる。
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モンスターを倒し続けるたびに日数が経過していき、段々とモンスターが手強くなる。また、モンスターラッシュやボスモンスターが警告と共に出現する場面がある。
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おじゃまブロックが縦列の奥まで侵食してしまうとゲームオーバー。チュートリアルの各ステージではすべてのモンスターを倒し尽せばステージクリアとなる。
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スコアランキングについて
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ゲームオーバー(ステージクリア)後はそれまでに獲得したスコアによってスコアランキングに登録される。
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スコアアタックは難易度別でベスト5までの、チュートリアルの各試験ステージもベスト3までのスコアランキングが登録される。共にネームエントリーはない。
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スコアの稼ぎどころとしては「モンスターを倒した総数」「できるだけ早くモンスターを倒す」「アクティブ連鎖の発生回数」などが深く関わってくる。
評価点
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3マッチパズルと防衛戦の融合
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「右画面で3マッチパズル」「左画面がモンスターの進行」という別々の画面表示でありながら、お互いの要素が絶妙に絡み合っている。
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ほとんどの3マッチパズルゲームはブロックそのものを消す事が目的だが、本作では消滅させた後の魔法技でモンスターを倒すという別の目的がある。
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モンスターと同じ横列を狙って同色マジョを揃える必要があるため、「右画面と左画面の関係性」を考えながら操作するのが非常に重要となる。
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一見では別のシステムに思える3マッチパズルと防衛戦の各要素を、上手く融合させている点は大いに評価できるだろう。
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マジョが非常に可愛らしい
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本作の登場人物兼ブロックであるマジョの面々がキュートに描かれている。
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古典的な魔女ファッションでありながらもコミカルタッチで描かれた容姿のマジョ達が愛おしい。何かの行動を起こすたびに細かい仕草を行ってくれるのも可愛い。
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簡素な絵面になりがちなDSiウェアのゲームとしてはグラフィック使いが非常にカラフルで、最大8色のマジョ達が画面内に密集している様が賑やかである。
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タイトル画面のマジョ達が集合する絵も大変可愛らしい。なお、この絵は公式サイトにおいて、より綺麗な画質で鑑賞できる。
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ファンジーなBGMと豪快なオケヒ音
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曲数はあまり多くはないものの、ファンタジー色に強いBGMが場の雰囲気とマッチしている。モンスターの発生状態によっては緊張感のあるBGMへと変わる場面あり。
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アクティブ連鎖を行う度に「ジャン」というオーケストラヒット音が発せられる。連鎖を連続発生させるとオケヒ音の連続が鳴り響いて気持ちいい。
問題点
本作のゲームバランス上の問題として挙げられるのは以下の2つ。
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慢性的な戦力不足
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本作をプレイする上で直面する問題、それがマジョの慢性的人員・戦力不足である。
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特にマジョの色数が少ない難易度ではマジョを少し入れ替えるだけでも意図しない暴発連鎖により大量の魔法技が発動し、その場にいたマジョの多くが消滅する。
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本作における目的は「マジョの魔法技をモンスターに当てて倒す」事であり、無駄に魔法技が発動するだけでは戦力の浪費でしかない。
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それでいてモンスターは容赦なく連続発生してくるので、モンスターが迫りくる最中に肝心のマジョがほとんどいないという事態となりやすい。
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このマジョ不在の状態は相当深刻で、早送りアイコンを常時ホールドしてもなかなかマジョが集まらないほど。
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こういう環境であるが故にスコアアタックの生き残りはおろか、チュートリアルの試験ステージですらもクリアが容易ではない。
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融通の利かない操作性
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本作におけるもう一つの問題として思い通りの操作がやり辛いという点が挙げられる。
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マジョが魔法技を発動している最中はその周辺のスライドが行えない。そして、魔法技の発動モーションが地味に長い。
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このため、スライドさせたいマジョが思い通りに動かせず、その結果モンスターの対処が億劫になってしまうという事態になりがち。
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おじゃまブロックが大量発生している場合はさらに悲惨で、戦力不足と操作困難のダブルショックにより全体魔法ストックがない限りはほぼ攻略が詰む。
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むずかしい難易度ではマジョの色数が多いので暴発連鎖は発生しにくいものの、操作の融通が利きにくいという問題により結果として生き残りが困難となる。
その他、ゲームバランスの問題ではないが、こんなネックも。
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クリアの概念がない
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迫りくるモンスターの襲撃から魔法学園を守れ!というストーリーのはずなのだが、モンスターは永遠に湧いてくるため、最後は必ず戦線が崩壊して終わる。魔法学園を守ることは絶対にできない。
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プレイヤーがどんなに熟練しても頑張っても、劇中の時間軸で考えてみたら、全滅をほんのわずかに引き延ばした程度の話でしかなくなる。
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この可愛らしいマジョたちは、破滅を宿命づけられた悲劇のヒロインたちでもあるのだ……。
総評
3マッチパズルとモンスターとの防衛戦を融合がさせた試みが光る一作。マジョ達の可愛らしさもあって一見ではカジュアル趣向のゲームに思える。
しかし、異様なまでの戦力不足の陥りやすさや操作性の効きにくさのせいで、ゲームバランス的にはかなりの問題が目に付いてしまう。
最終更新:2020年06月26日 13:37