ここでは、AC/GBA/PS2で発売された『ZOOO』と、そのアレンジ移植作であるDS版『ZOO KEEPER』を扱う。
ZOOO
【ずー】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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アーケード ゲームボーイアドバンス PlayStation 2
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発売・開発元
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サクセス
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発売日
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【AC】2004年6月 【GBA】2003年10月31日 【PS2】2004年2月12日
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定価
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【GBA】3,480円 【PS2】2,000円(共に税別)
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プレイ人数
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【AC/PS2】1〜2人 【GBA】1人
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備考
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GBA版は『みんなのソフトシリーズ ZOOO』 PS2版は『SuperLiteシリーズ ZOOO』
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判定
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良作
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ポイント
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動物園を題材にしたパズル スコアアタック色が強いシステム シンプルさを追求したゲームデザイン
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概要
動物園を舞台にしたBejeweledクローンのFlashゲーム『ZOO KEEPER』をアーケード向けに移植したもので、のちにGBA/PS2に廉価版扱いで移植された。タイトルが変更されたのはアーケードに同名ゲームがあったためで、移植版もそれに倣ったタイトルとなっている。
特徴・システム
プレイヤーは動物園の飼育員(ズーキーパー)として、園長の過酷な飼育に耐えかねた動物が暴動を起こした動物園に秩序を取り戻すことになる。
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画面には8×8のマスに動物が並んでいる。カーソルを動かして動物を上下左右に入れ替え、3匹以上が縦または横に並ぶと消える。動かしても消せない場合は元の位置に戻ってしまう。
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動かせる動物が分からない時は、画面左下の「双眼鏡」を使えば可視化される。初期値は2回分だが、一定得点に達する毎に1回分ずつ増え、3回分までストックしておける。
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動物は最初はサル、ゾウ、ワニ、キリン、パンダ、ライオン、カバの7種類。ある程度レベルアップするとウサギも追加される。
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たまにルーレット方式のスペシャルパネルが落ちてくる。好きな時にタッチして止めることができ、止めた時に出た動物は全部消える。
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画面端には緑色のメーターで制限時間が表示されている。時間切れ間際になると動物がゴニョゴニョ動き出し、0になる動物が逃げ出してしまいゲームオーバーとなる。制限時間は動物を消す毎に少しずつ回復する。
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どう動かしても動物を消すことができなくなると「NO MORE MOVE」となり、ボーナス点が入った上で動物が総入れ替えされる。また、スペシャルパネルが出る確率が上がる。
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画面右に表示されている動物はボーナスの対象で、その動物を消すとスコアが2倍になる。また、消すと同時に動物がリアクションする。
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画面上には消した動物の数とノルマが表示されている。全ての動物をノルマの数だけ消せばレベルアップ(「クエスト」除く)。1つだけノルマ未達成の動物がいる場合、その動物はパズル画面で怒り顔になる。
ゲームモード
アーケード版では1人プレイで25ステージクリアを目指す「1人でガンバル」と、2人プレイ用の「2人でガンバル」のみだったが、移植版で難易度選択が導入されると同時に以下の通りモードが再編された。難易度は「かんたん」「ふつう」「むずかしい」「げきむず」の4段階。
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ノーマル
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ノルマを達成してレベルアップしていく。レベル20をクリアすればエンディングとなる。
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とことん
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ノルマが全て100になる(通常は多くても20くらい)。じっくり楽しみたい人はこれ。
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クエスト
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「制限時間を満タンにしろ」「パンダとキリンを消した数の差を15以上にしろ」など、園長から出されるお題の通りに動物を消していく。全10ステージ。
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園長による昇給試験という設定で、高い評価でお題を達成すると自分の日給が上がる。逆にお題に失敗したり、達成できても評価が低いと日給が下がってしまう。
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そのためこのモードのみスコア単位は「円」。日給の初期値はブラック企業も真っ青の300円である。
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きょうりょく
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PS2版のみ収録。マスのサイズが8×16になっており、片方が動物を操作している間はもう片方は操作できない。双眼鏡とスコアは分けられている。
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SuperLiteシリーズでは、他にも『テトリス〜KIWAMEMICHI〜』などにも同様の「画面共有モード」が存在していた。
評価点
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単純ながら奥深いゲーム性
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消す数にノルマが定められているのが面白い。どんなにスコアを稼いでも、ノルマが達成できなければ先へは進めないのである。
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適度なスリルと達成感
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昨今の3マッチパズルには「ダラダラと遊ぶもの」というイメージがつくこともあるが、このゲームには制限時間が用意されており、いかに途切れずに動物を揃えるかが鍵となっている。
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連鎖を狙って熟考する余裕はなく、常にアドリブのような感覚で動物を消す必要がある。しかし、そのアドリブで次々と消していく気持ち良さは、他の3マッチパズルには無い良さとなっている。
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動物が7種類から8種類に増えた途端にスピーディーに消せなくなるが、この消せるポイントを探している時の焦りがスリルに繋がり、また連続して消せるようになった時の爽快感につながっている。
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動かせるコマがなくなった時の「NO MORE MOVE」もストレスになりにくい。スコア加算・制限時間の上昇・スペシャルパネルの出現確率上昇など様々な恩恵があり、手が詰まっている時はかえって「NO MORE MOVE」になって欲しい時も。
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制限時間が近づくと動物がその場で動き出すのも面白い。双眼鏡を使うべきか、自分で見つけ出せそうかのラインが絶妙に保たれているため、ピンチになった時にその選択を常に迫られるスリルが心地よい。
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ゲームオーバーになった時、動かせる場所が表示されてから(双眼鏡の効果と同じ)動物たちが逃げ出すため、「もしそこに気付けていれば…」という気分になるのもまた一興。
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キャラデザイン
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コミカルにデフォルメされた動物達はかわいい。
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また、「ナレーションの声がかわいい」という意見も(声はサカイサチエ氏)。ゲームをやめるときには「バイバーイ」とかわいらしい声をかけてくれる。
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GBA/PS2版ではタイムアタック・クエスト・スコアアタックが追加
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家庭用移植にあたってシステムが作り直されており、長く遊べる作品になっている。
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BGMが秀逸。
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FlashやACではドラム音の無機質なBGMだったが、家庭移植版で作り直された。
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しっかりとメロディラインが存在し、なおかつパズル中に邪魔にならない出来。
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特にGBA版は特筆に値し、AC版以上と言われることも。GBAへの移植作品といえばBGMの劣化が問題点として挙げられることが多いが、今作はPSG音もうまく使っており、あえて言うならば「荒削りさ」がよく生きている。
問題点
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モード数の少なさ
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GBA版では5種類、PS2版でも6種類。基本的に「揃えて消す」ことに変わりはないため、最初にハマらなければ微妙に感じることも。
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元々のアーケード版がゲームモードが2個しかなかったため、仕方ない面もある。しかし、ストーリーモードを加えるとか、対COM戦を作ってみるとか、ボリューム増加の手段は何かしらあったはずである。
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視認性の問題
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カバとウサギの色が似ており、ぱっと見で判断しづらい。ウサギの色を白にしたりなど対処はできたはずなので、故意の可能性もあるが。
総評
パズルゲーム自体は面白く、デザインなどでも評価が高い。見た目とは裏腹に非常にシンプルで競技性の高いパズルゲームであり、やり込み型のスタイルであるため、一度ハマればとことんプレイできる。DSで続編が発売されたり、後述のようなガワ変え作品が登場するほどである。
難しいことを考えずにただ動物を揃えて消す没入感に虜になったユーザーも多く、ハイスコアの隣に表示されるプレイ時間では1時間超というのもよく見られるほど。
唯一の難点はモードが非常に少ないことである。AC版はともかく、家庭用版ですら「クエスト」以外は変わり種のモードもないため、ハマれるのを確認してから購入するのをお勧めする。
ZOO KEEPER
【ずーきーぱー】
ジャンル
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アクションパズル
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 ※通常版
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 ※廉価版
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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サクセス
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発売日
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2004年12月2日
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定価
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3,800円(税別)
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廉価版
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2009年3月19日/2,800円
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プレイ人数
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1〜2人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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備考
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廉価版パッケージは、会社ロゴと園長の札が異なる
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判定
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なし
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ポイント
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やりこみ要素の強い完成されたシステム ゲームモードの減少が難点
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概要(DS)
PS2版からしばらく経って発売された移植版。ここでなぜかゲームタイトルが元に戻された。DS最初期の作品ということもあって、下画面によるタッチ操作をよく生かしている。
『ZOOO』からの変更点
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「スコアアタック」が削除され、「対戦」が追加された。
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DSダウンロード通信で対戦するモードで、動物を消しても制限時間は増えない。多く消しているプレイヤーには、動物の色を分からなくする「バケツ」など相手に攻撃するアイテムが渡される。
評価点(DS)
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タッチペン操作もできるようになり、「3つ一直線にする」という本作のスタイルにピッタリ合致した良好な操作性になった。また、既に動物が消えて連鎖が発生している場所を除いてどのタイミングでも操作できるようになった。
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動物が消えている間に他の動物を消すアクティブ連鎖もやりやすい。これにより、GBA版よりもアクション性が高くなった。
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スペシャルパネルの放出頻度がやや上がり、コンボ発生確率が高くなった。
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ロードが爆速。ゲームを始める時も終わる時も一瞬で次の画面に変わる。DS版のダウンロードプレイでも他のゲームに比べ圧倒的に待ち時間が少ない。
問題点(DS)
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モード数の少なさは変わらず
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DS版ではなぜか「スコアアタック」が削除。その代わりの対戦モードともいえるが、対人戦専用なので1人プレイでは実質ゲームモードが減少。過去作からのボリュームダウン感は否めない。
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ゲームを起動したままDSを閉じてもスリープ状態にならない。
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移動するときにDS本体を閉じ、長時間経ったあとで開いてみると充電が切れていた、ということになってしまうので、移動の際にはゲームを一旦終了しておくのが望ましい。
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BGMがかなりチープ。
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GBAとPS2では音楽の観点でもデザインの良さを後押ししていたが、DSへの移植にあたって再び全曲作り直され、ピコピコ感を強く出してループの多い曲に変更された。
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これはこれで印象に残るが、音数が減って短縮されたのはやや理解しがたい。
総評(DS)
過去作と比べたときのゲームモードの減少は無視できないが、アクティブ操作の追加によりプレイの幅は広がった。
DSの魅力であるタッチ操作による簡単プレイのゲームとして知名度はそれなりに高い。
余談(DS)
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キャラ変え版として、サンエックスキャラの『モノクロブー&ベビーブー くるりんBOO』がある。
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内容は本作とさほど変わらない薄さだが、決められたレベルをクリアすると簡単なストーリーが見られる機能が追加されている。
最終更新:2023年10月31日 03:38