G.Gシリーズ 勇者パズル
【じーじーしりーず ゆうしゃぱずる】
| ジャンル | パズル | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア) | 
| 発売元 | グッドビジョン | 
| 開発元 | 朱雀 | 
| 配信開始日 | 2015年7月1日 | 
| 価格 | 206DSiポイント | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 備考 | 『G.Gシリーズコレクション+』の1タイトルとしても収録 | 
| 判定 | ゲームバランスが不安定 | 
| ポイント | 落ちものパズル×RPG風戦闘 連鎖狙いのプレイは極めて危険
 G.Gシリーズ屈指の運依存性
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| G.Gシリーズ | 
 
概要
かつてジェンダープライスが発売、朱雀が開発を行っていたニンテンドーDSiウェアの『G.Gシリーズ』の一作。
2016年5月にジェンダープライスが倒産したため、現在では引き継ぐ形でグッドビジョンが発売元となる。
元はDSのジャケットソフト『G.Gシリーズコレクション+』の収録タイトルの1つだったが、後に単独配信されている。
ジャンルとしては落ちものパズルにあたるが、RPGにおけるターン式戦闘の要素も含まれている。
勇者が襲い掛かるモンスターたちを退けながら魔王を倒すという非常に古典的な設定。
なお、『G.Gシリーズコレクション+』における本作のナビゲートキャラは軽装な勇者コスプレである。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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スタンダードな落ちものパズルの中で、落ちてくる2つのブロックを操作して出現するモンスターどもを全員倒していくのが目的。
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パズルは下画面左側で行われ、右側に出現モンスターや経験値・レベルの表示がされる。パズルのフィールドは「横7列 × 縦12列」となる。
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「プレイヤーがブロックを落とす」 ⇔ 「モンスターが何かの攻撃を仕掛けてくる」の繰り返しという、RPGのターン式戦闘を意識したシステムとなっている。
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十字ボタン左右で落下ブロックの操作、ボタン下でブロック落下加速、ABボタンでブロックの回転操作となる。ポーションを持っている場合はXボタンで使用できる。
 
 
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モンスターの倒し方とレベルについて
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同種類の武器・防具ブロックを縦と横に3つ以上接すると消滅し、それに応じたダメージをモンスターにあたえられる。
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ダメージを数回あたえるとモンスターを倒せる。その後は倒したモンスターに応じた「経験値」が獲得でき、特定の経験値に達すると「レベル」が上がる。
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レベルが上がると「新ブロック登場」「ボス戦」「ポーション獲得」といった様々な状況が発生する。なお、ブロックの落下スピードはレベルでは変化しない。
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ブロックの落とし方によっては落ちものパズルのお約束である連鎖消しが発生する場合があるが、連鎖カウントや特殊ボーナスは設けられていない。
 
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10の倍数のレベルに到達するとボスモンスターが出現し、通常のモンスターよりも強烈な攻撃を仕掛けてくる。
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ボスモンスターを倒すと背景が変化し、より強力なモンスターが出現する。レベル40に出現するラスボスを倒すとオールクリア。
 
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ブロックがフィールドの最上部にまで達してしまうとゲームオーバー。
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ノーコンティニューで到達したレベルであればレベルセレクトによる途中からのプレイが可能。ただし、選択できるレベルは11・21・31のみとなる。
 
 
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ブロックの種類とモンスターの攻撃について
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以下に主なブロックの種類とモンスターの攻撃について表記する。またポーションの効果についてもここで示す。
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落ちてくる2つのブロックの種類は毎回ランダムとなる。モンスターの攻撃についても同様で、攻撃パターンはランダムで選ばれる。
 
 
    
    
        | + | ブロックの種類・モンスターの攻撃・ポーション効果の一覧 | 
| ブロックの種類 |  
| 武器ブロック | 落ちてくるブロックの一角で、「剣」「槍」「杖」の3種類あり。剣はレベル1から、槍と杖は特定のレベルから登場する。 同種類の武器ブロックを消す事で出現中のモンスターにダメージをあたえられる。
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| 防具ブロック | 落ちてくるブロックの一角で、「盾」「兜」の2種類あり。盾はレベル1から、兜は特定のレベルから登場する。 同種類の防具ブロックを消すと周囲にあったダメージブロックも消してくれる。低威力ではあるが出現モンスターへのダメージもあたえられる。
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| ダメージブロック | モンスターの攻撃で落ちてくるブロック。防具ブロックによる周囲消しやポーション使用で消滅する。 フィールド内のブロック状態を圧迫するので溜め込むのは非常に危険。可能な限りの迅速な排除が求められる。
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| モンスターの攻撃 |  
| ブロック落下 | ダメージブロックを複数落としてくる攻撃。モンスターによって落下の量が異なる。 上位クラスのモンスターは爆発的な量を落とす。また、後述の麻痺・暗闇・混乱の攻撃でも少量のダメージブロックが合わせて落ちてくる場合あり。
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| 麻痺 | ブロックの回転が行えなくなる攻撃。効果はブロック操作1回のみ。 |  
| 暗闇 | フィールドのどこかに暗闇を発生させ、事の状況が把握し辛くなる攻撃。効果はブロック操作2回分。 |  
| 混乱 | 十字ボタン側のブロック操作が上下左右反転となる攻撃。効果はブロック操作3回分。 |  
| 様子をみる | 何の攻撃を行わない。プレイヤーにとっては反撃のチャンスである。 |  
| ポーションの効果 |  
| 使用するとフィールド内にあるすべてのダメージブロックを消滅させる。なお、ポーションは1つしか持てないので、安易な使用はお勧めできない。 |  | 
評価点
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落ちものパズルとターン式戦闘の融合
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落ちものパズルを行いながら、RPGの戦闘感覚でモンスターを倒していくという試みがユニークである。
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RPG戦闘で例えるならば「ブロック操作がプレイヤーのターン」「モンスターの攻撃が敵のターン」であり、お互いのジャンルが見事に融合している。
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プレイヤーはブロック操作のみに集中すればいいので、RPGの戦闘に詳しくないプレイヤーでもルールを理解するのにさほど時間はかからないだろう。
 
 
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王道RPGライクな演出の数々
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誰もが思いつくであろうレトロ感溢れるRPGの戦闘画面が、ゲーム中に上手く表現されている。
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「粗いドットで描かれたほぼ静止画のモンスターの絵」「メッセージで表示される戦闘状況」「懐かしさのあるBGM」の数々がいかにもレトロRPGっぽくて味わいがある。
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ボスモンスターが出現するとデカデカと「○○○があらわれた!」と表示される演出も、他とは明らかに違う強敵感があって味わい深い。
 
 
問題点
本作のゲームバランス上の問題として挙げられるのは以下の2つ。
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高すぎる運依存性
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本作は数ある『G.Gシリーズ』の中でも、運依存が非常に高いゲームである。
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落ちてくるブロックの種類やモンスターの攻撃がランダムなので、攻略パターンがとにかく安定しない。同じプレイでも毎回戦況が変わるのが当たり前状態。
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他の落ちものパズルとは違い、ブロックを落とす度にモンスターの攻撃が入るので狙ってブロックを置くという行動が非常にし辛い。
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連鎖狙いでブロックを組み立てても、直後にダメージブロックが投下されて連鎖経路が断たれる事が非常に多い。そのため、連鎖狙いのプレイはほぼ期待できない。
 
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とにかくダメージブロックを溜めないプレイが求められるので、防具ブロックの置き方が非常に重要となるが…。
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防御ブロックの置き方次第では効率よくダメージブロックを消滅できるので、お互いのブロックの関係性を意識したプレイが求められる。
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しかし、いくら防御ブロックを適切に置こうがその上からダメージブロックを落とされると対処が困難となってしまうので、結局は運に祈るプレイとなりがち。
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ポーションを持っていても下記の理由から安易な使用ができないので、ダメージブロックの排除には色々とあくせくする事になる。
 
 
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難易度の極端なアンバランスさ
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プレイを進めるうちに難易度に変化が生じるのは他のゲームでもいえる事だが、本作ではその変化が激しすぎる。
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初期のレベルでは敵の攻撃がかなり大人しいので、わざとでもない限りはピンチになる要因がほとんどない。ほぼヌルゲーといっていい程に簡単であるのだが…。
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レベル20代に突入したあたりから難易度が跳ね上がっていき、初期レベルとは比較にならない位の苦戦地帯となる。
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特にレベル30と40のボスモンスターはほとんどの行動が封じられるといっていい程のダメージブロックを大量投下してくる割合が高い。
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ポーションがない状態でダメージブロックが蓄積されるとほぼゲームオーバー確定。ポーションの使用は先述のボスモンスター専用と割り切らないとクリアは絶望的。
 
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攻略に運が絡むというのは裏を返せば運さえ良ければオールクリアはさほど難しくない難易度でもある。
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ブロックの落下救度は全体的に遅めで、操作の忙しさで苦労する事はほとんどない。強いて言えば混乱時における操作の上下左右反転に惑わされやすい位のもの。
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運が良ければモンスターの攻撃への対処がしやすくなる。まさに「敵の機嫌は運次第」なゲームバランスである。
 
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「あまりにも無理ゲー」と絶望する者と、「驚く位にあっさりとオールクリアしてしまった」と拍車抜けする者の二極化に分かれやすいのが本作である。
 
総評
『G.Gシリーズ』らしいゲームシステムのアイディアが面白いゲームであり、落ちものパズルとターン式戦闘を融合させた試みに魅力を感じる。
しかし、ゲームバランス的な意味ではあまりにも運依存性が高く、真面目に攻略してもオールクリアができるとは限らないのがつらいところ。
ゲームバランスが重視されている『G.Gシリーズ』としては珍しい、「腕前だけではどうにもならない」系のゲームといえる。
最終更新:2022年02月14日 03:38