桃太郎電鉄11 ブラックボンビー出現!の巻
【ももたろうでんてついれぶん ぶらっくぼんびーしゅつげんのまき】
| ジャンル | ボードゲーム |  
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| 対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ プレイステーション2
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| 発売・開発元 | ハドソン | 
| 発売日 | 2002年12月5日 | 
| 定価 | 6,800円 | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | 良作 | 
| 桃太郎シリーズ | 
 
概要
『桃太郎電鉄』シリーズの第11作。シリーズで初めてGC/PS2のダブルプラットフォームで発売された。
基本的な概要、システムは『スーパー桃太郎電鉄II』と変わらないため省略する。
主な特徴
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前作『X』の九州編から引き継がれたシステムが多い。
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「鉄道省」が全国編で初登場。鉄道路線を購入することで莫大な収入を得ることができる。
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「おいどん」が登場。鹿児島が目的地に設定された場合のみ到着者に憑りつき、誰かが次の目的地にたどり着くまで様々な善行を行う。貧乏神同様に奪うことも可能。
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「?駅」が登場。止まると何が起きるかわからない駅。
 
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東京駅が本社ビルを増築するための専用の駅になった。本社ビルは収入は生み出さないが、キングボンビーでも破壊できない絶対安全な資産になる。
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5段階増資は廃止され、3段階増資に戻った。
GC版とPS2版の違い
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基本的なゲーム内容に違いはない。
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女湯イベントのイラストが差し替えられている。恐らく任天堂チェックの関係と思われるが、イラストの雰囲気そのものがガラリと変わっているため、特にどちらが上ということはない。
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ブーイングの種類がGC版の方が少ない(2種類)。
 
評価点
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デボンドビスが消えた。
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それに伴い、前作まで連続して出現していた「全プレイヤーに共通して被害を与える巨大モンスター」がいなくなった。前作における最大の問題点だっただけに大きな改善点となった。
 
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前作で評価された要素が引き続き登場しており、盛り上がる。
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CGがトゥーンレンダリングになり、前作よりも質が向上した。前作はPS2最初期相当だったが、本作ではそこそこの質感である。
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キングボンビーがかなり強化され、一瞬で資産を食い尽くすことも珍しくなくなった。前作では相対的に弱すぎると言われていたので、逆転要素としては評価できる。それを強調するように、キングボンビーのマップにおけるグラフィックも巨大化している。
賛否両論点
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ブラックボンビーの強さ
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新登場のブラックボンビーだが、正直言ってあまり強くはない。メチャクチャ弱いというほどではないが、戦局を動かす力にはやや乏しい。
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ブラックボンビーの悪行は、「マイナス駅と目的地駅以外の全ての駅をブラック駅に塗り替え、ブラック駅に止まるとデビルやウイルスなどのマイナスカードを押し付けられる」と「憑りつかれているとカードを使えなくなる」の2点。
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まず前者の悪行だが、結局被害を受けるのは現金とカードのみであり、物件にダイレクトに被害をもたらしてくるわけではない。幸福な王子カードのように大した被害のないカードや、稀にだがゴールドカードやダイヤモンドカードのような純粋に激レアなカードまでもらえる可能性があるのでそこまで被害が甚大になるわけではない。場合によっては、ウイルスがデビルを食ってしまうケースすらあり、悪行が自己完結している側面すらある。
 そもそもキングボンビーの悪行に「デビル大量召喚」があるので、1ターンに1枚ずつしかデビルが付く可能性がないブラック駅の被害はさほど凶悪とも言えない。
 結局ブラック駅に止まりさえしなければ被害はないため、夏場のマイナス駅で被害を軽減できると言う小技もある。
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カードが使えなくなるのは非常に痛いが、結局メインである前者があまり強くないので総合的には微妙な強さにとどまっている。
 
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ただし、本作では初登場と言うこともあってか、比較的序盤からガンガンブラックボンビーに変身してくるため、強さ的には穏当なバランスではある。少なくとも通常ボンビーよりは強いのは確か。前述のようにキングボンビーは強化されているため、ミニ<通常<ブラック<キングと考えれば、まぁ妥当と言えなくもないだろう。
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また、初の「移動前に悪行をしてくるボンビー」であるため、そのターン内に他のプレイヤーに押し付けても被害を軽減できない(逆にそのターンですれ違って押し付けられる分には被害はない)という変わった特徴もあり、個性そのものは十分にある方。
 
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鉄道省で鉄道を買ったプレイヤーが有利になり過ぎる。
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絶対安定資産なので、買ってしまえば非常に有利。
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ただし、非常に高価なので「頑張ったご褒美」と肯定的に見る向きもある。
 
問題点
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全体的にテンポが悪い。
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ボンビラス星の車両進行速度が遅いのは、演出として納得できなくもないが、それ以外も全体的にテンポが悪い場面が多い。
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中でも非常に評価が低いのが、気球のミニゲーム。2D時代での桃鉄シリーズでもあった、ランダム発生・全員強制参加でサイコロを振ってゴールを目指す単純なミニゲームだが、テンポがあまり良くない。
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ゴールが非常に遠い上、「サイコロを振る」以外にできることが何もない完全な運ゲー。しかも気球なので動きがゆったりしている上、マス目が1本しかなく手前から奥に向かって整列した気球が入れ替わりでマス目の方に移動するという演出が挟まれるので余計に時間がかかる。
 
 
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前作では「多すぎ」と言われたCPUキャラが逆に一気に少なくなってしまった。
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特に中級者向けの「それなりに強くそこそこに弱い」系のキャラ枠が明らかに足りていない。豆鬼や赤鬼は明らかに弱すぎ、それより上になると逆に一気に強くなる。「きじた」のような特徴的な思考パターンを持つCPUもいなくなってしまった。
 
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キングボンビーがデカくなったのは迫力があっていいが、デカすぎて何があるか見えない場面が結構多い。(他の作品でもこの場面があるため仕方ないのかもしれないが…)
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ロボット研究所で買えるメカボンビーが一人一台になったのに、メカボンビーRXでも勝率が1/2になってしまい、全体的に弱体化。
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しかも公式サイトでは「勝率が上がった」と大嘘が書かれていた。
 
総評
細かい問題点はあるものの、パーティーゲームとしては一定以上のクオリティは保っている。
特に前作で不評だったデボンドビスの削除は大きいだろう。
逆に好評だった部分はしっかりと受け継いでおり、「普通に桃鉄として遊ぶ」分には致命的な欠点は特になく、遊びやすい作品。
最終更新:2024年07月12日 20:20