トレジャーリポート 機械じかけの遺産
【とれじゃーりぽーと きかいじかけのいさん】
ジャンル
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ドラマチック・ナゾトキ・アドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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DSカード
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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マトリックス
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発売日
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2011年5月26日
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定価
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5,040円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個(クリア後にチャプターセレクト可)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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テーブルパズルに特化した内容
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あらすじ
セントラル新聞社に採用された新人カメラマンのエミリーは、上司のジョンと共に、冒険小説家・フェローネの取材に向かう。
しかしオフィスにフェローネは居らず、しかも何者かに荒らされていた。その翌日、ジョンの元にフェローネからの小包が届く。
それは19世紀末の富豪のアレックス・ワッツマーが遺したダイヤルシリンダだった。それをきっかけに、ジョンたちは事件に巻き込まれ、古代のアブヌス文明に関わっていく。
(Wikipediaより引用)
概要
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バンナムが贈るパズルとADVを融合させたゲーム。
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序章、1~5章、終章から構成されるストーリーを読み進めつつ、適宜挟まされるパズルを解いていくといった内容。
操作方法
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探索パート
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エミリーやジョンたちを操作して周囲を調査するパート。
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マップ内にあるあやしい場所をくまなく調べてヒントを入手し、最終的にしかけを解くためのパズルに挑むことになる。
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人物や背景を2回タッチすると主人公たちがそのギミックの元に駆け寄り、何かしらの反応を示す。
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1回目にタッチすると主人公たちの頭に「!」が出現。このときにもう一度同じものをタッチする必要がある。
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初見のギミックをタッチすると主人公の頭上に赤い「!」が出てくる。
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すでに調べている設備をタッチすると青い「!」が出現する。青い「!」からはさきほど聞き逃した発言と感想をもう一度聞くことができる。
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今いる場所を移動できる場合がある。その場合は、DS下画面左上の靴マークをタッチすると下画面端に矢印が出現するので、それをタッチすることで移動する。
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パズル
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シナリオを進めると探索パートから画面が切り替わり、パズルを解くことになる。
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探索パートで調べた物体からも時々パズルが見つかることがある。
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スライドパズル、ルービックキューブといった平面図形・空間図形の出題が多め。タッチペン操作で回答していく。場合によっては制限時間が課される場合もある。
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シナリオは1本道であり、進めるには立ちはだかるパズルを解かなくてはならない。
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AP(アドバイスポイント)
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ヒントはAPを1ポイント消費することで閲覧できる。また1つのパズルに対して使えるのは3回まで。
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ひとつのパズルに対して4回目のAPを使用すると、答えが表示されるとともにそのパズルはクリアしたことになる。
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APは章をクリアしても回復することはないが、パズルと直接関係のない日常の会話を展開することで1~6ポイント回復する。
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シナリオとは直接関係の無いパズルを解くと5ポイントもらえる。
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クリア後、各章の頭からスタートさせた場合はAPの持ち点は10となる。
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DS上画面
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現在地、シナリオ上の小目的、所持しているAP、持ち物(最大10個)が表示される。
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問題数
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シナリオ本編で解くことになる問題数は70問程度。クリア後の特典で35問が追加される。
評価点
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設問以外の探索
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探索パートでもタッチペンで作動できるギミックが存在する。
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ペンキで汚れている壁をタッチペンの往復で吹き消してみたり、棚の本をスライドタッチすることで引き出してみたりできる。
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堅実なシナリオ展開
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本作の黒幕が誰か、主人公たちに昔どんなことがあって今どうしたいのか、といった伏線はきちんと張られている。
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ゲーム再開時、オプションのメモ帳からシナリオはおさらいできるので、お話の流れは見失いにくい。
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パズルの出題も、全体低にシナリオの流れに沿ったものであり世界観を壊してはいない。
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アニメーション
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本編中ではところどころでアニメーションムービーが挿入される。
賛否両論点
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レイトンシリーズとゲームコンセプトが似ていること
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レイトンシリーズと似通っている点は多いので見劣りして感じられるかもしれない。
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シリーズファンから拒否反応を示されることもあるが、クオリティに関して別段致命的な問題はない。
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ゲームの難易度
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シナリオ本編で挑むことになるパズルの難易度は全体的にやさしめ。
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問題を間違えたところでペナルティは実質存在せず、多少の当てずっぽうが通用する設問もある。
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ひとつの設問に対して、はじめて使用するAPは役に立たないことが多いが、3つ目のAPは殆ど答えに近いことを言っているケースも多い。
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4つ目のAP使用でパズルが自動的に解かれてしまう。レイトンのように詰む心配は殆どない
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またチマチマと周りの物体やNPCと会話する癖をつけておけば、APが枯渇することはまず無い。
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パズルジャンル
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上記の通り、積み木パズル、平面パズル、秘密箱の開錠といったジャンルからの出題が多め。
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立体的なガジェットをDS画面上でクルクルと回しながら、パズルとして解いていくこともある。本作の特色といえるか。
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とんちを利かせるような嫌らしい出題は無いので気軽に出来るという見方ができる一方で、どこか作業的になってしまうきらいもある。
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レイトンと比較されることは多いが、問題の毛色はかなり異なる。
問題点
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パズル時の操性性
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タッチペンの判定調整に不備あり
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探索パート時にタッチペンで判定されにくいような、小さい物体を調べなくてはならない場合もある。
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パズルのピースを操作するパズルでは、「動かす」「回転させる」の2種類の操作を行うことになる。このときいずれの動作もDSタッチペンのスライドタッチで行うことになるので、この2つの使い分けが難しい。動かしたいのに回してしまったり、回したいのに動かしてしまったりと誤操作しやすい。
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探索パートが重たい
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物を調べる際、3Dのキャラモデルがわざわざタッチした場所に駆け寄ってからコメントを入れるので時間の無駄に感じやすい。
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シナリオ関連
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設定やシナリオ運びは一応手堅いが、かといって特筆すべき長所があるわけではない。ありきたりなB級推理物といったところ。
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主人公のジョンと、キーパーソンであるフェローネ、さらにスチュアートの3人が過去に起こした事件が本作を理解する上では重要なのだが、説明される機会が限定的でしかも急ぎ足。ジョンの回想シーンで唐突に登場し、その後しばらくたってからジョンの口からことのあらましが語られるというもの。
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主人公サイドにも犠牲者を出しつつ、終盤の5章へと向かうはずなのだが、この5章がNPCのお使いや探索で町を右往左往することになるなどダレる印象。
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タレント声優関連
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主人公のジョンとエミリー、ニノ(フェローネの子供)には声優経験の少ない俳優を起用。
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全体的にやや棒読みで、威勢よく敵に飛び掛る時の掛け声は特にマヌケに聞こえる。
総評
パズル・アニメーションムービーを挟みつつ、ミステリー作家への取材から古代文明の調査へとスケールアップする物語を読み進めるアドベンチャーゲームである。
良くも悪くも勘で解けてしまう出題は多く、決して見ごたえのある読み物ゲーとはいえない。
平面図形・空間図形をテーマにしたパズルが多いため、こういったパズルが好きな人はプレイしてみてはいかがだろうか。
余談
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本作のアニメーション制作はA-1 Picturesが担当している。
最終更新:2021年06月27日 19:52