G.Gシリーズ The Last Knight

【じーじーしりーず ざ らすと ないと】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア)
発売元 グッドビジョン
開発元 朱雀
配信開始日 2015年7月8日
価格 204DSiポイント
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 G.Gシリーズコレクション+』の1タイトルとしても収録
判定 なし
ポイント 騎士が主役のRPG風アクション
経験値を稼いで性能強化
剣一本で弾幕に挑む騎士
G.Gシリーズ


概要

かつてジェンダープライスが発売、朱雀が開発を行っていたニンテンドーDSiウェアの『G.Gシリーズ』の一作。
2016年5月にジェンダープライスが倒産したため、現在では引き継ぐ形でグッドビジョンが発売元となる。

元はDSのジャケットソフト『G.Gシリーズコレクション+』の収録タイトルの1つだったが、後に単独配信されている。
ジャンルとしてはトップビューによるアクションゲームに該当する。経験値を稼いでレベルアップするというRPG風の要素も含まれる。

騎士を操作しダンジョン奥に待ち構える凶悪モンスターどもを倒して姫を救うという設定。
『G.Gシリーズコレクション+』における本作のナビゲートキャラは姫騎士のコスプレである。


ゲームルール

  • 操作体系
    • 主に騎士の移動と剣攻撃のみで操作を行う形となる。
      • 十字ボタンで8方向移動兼向き調整。騎士の移動速度は全体的に鈍足気味なので、あまり機敏な行動は起こしにくい。
      • Aボタンで騎士の向いている方向に剣を振って攻撃する。剣攻撃は敵に対して3回までの「連続斬り」が可能だが、当て方が悪いと攻撃が空振りする恐れがある。
      • Aボタンを一定時間押しっぱなしにしてから離すと「チャージ斬り」を行う。ボタン押しっぱなし中は移動速度が少し低下し、騎士が無防備になるリスクあり。
        チャージ斬りは攻撃判定及び攻撃力が高く、さらには一部の敵弾を跳ね返して打ち返しダメージをあたえる性能がある。
  • フロア構造について
    • 本作におけるフロア(ステージ)はダンジョン風の構造になっており、すべての戦闘においてスクロールは発生しない。
      • フロアは複数のフィールドで繋がっており、ボス戦以外のフィールドは自由に行き来が可能。画面左上にMAP表示がされ、騎士がどの位置にいるかが確認できる。
      • 各フィールドの四隅は壁に覆われており、他のフィールドへと行き来は壁の通路を通過する形となる*1。なお、トラップなどの仕掛けは全編通して存在しない。
      • ボスは必ずフロア奥のフィールドに存在し、ボス戦が発生してしまうと倒すかゲームオーバーになるまでフィールドを抜ける事はできなくなる。
      • スタート地点とボス戦以外のフィールドには必ず複数の雑魚敵が存在する。これらをすべて倒すと経験値とアイテムが獲得できるボーナスとなる。
  • 経験値とレベルアップについて
    • 上記の条件を満たすと「経験値」が1ポイント獲得でき、それを5ポイント分集めると「レベルアップ」が発生する。
      • レベルアップ後は「連続斬りの強化」「チャージ斬りの強化」「最大HPの増加」のどれかにレベルを振り分ける事ができる。
      • 各レベルの最大値は10までとなる。また、一度振り分けたレベルを他のレベルに振り分け直す事はできない。
      • 一度倒した雑魚敵は二度と復活しない。よって、フィールドの行き来を繰り返して無限に経験値やアイテムを稼ぐという行為はできない。
  • アイテムについて
    • 同じく上記の条件を満たすと、宝箱が出現した後に以下のアイテムが獲得できる。
      • ポーションは即時効力でストック不可。各種エンブレムはゲームオーバーになるか他のエンブレムを取得するまで効果が続く。
+ アイテム一覧
ポーション
アイテムの中でもっとも出現率が高い。HPを少し回復させるアイテム。「小」と「大」の2種類が存在し、後者の方が回復量が多いが出現機会が少ない。
エンブレム
攻撃力UP 剣攻撃及びチャージ斬りの攻撃力が増す。
防御力UP ダメージによるHP消費を抑える。
移動力UP 騎士の移動速度が増す。
衝撃波 チャージ斬りを行うと、同時に飛び道具である「衝撃波」が発生し敵に二段ダメージをあたえる。
HP吸収 チャージ斬りで敵を攻撃すると、ドレイン効果によりHPが少し回復する。
  • フロアクリアとミス条件について
    • フロアの奥のフィールドに待ち構えるボスを倒せばクリア。全18フロア(6フロア × 3周)構成。
      • ボスを倒しても経験値やアイテムは獲得できない。また、HPの回復もされないまま次のステージへと挑む事になる。
      • 早期にボス戦へと到達すると、クリア後に高いスコアボーナスが入る。どの位のスコアが入るかは画面下部のカウンターで表示されている。
    • HP制を採用しており、これが0になるとゲームオーバー。ダメージ数はものによって異なる。
      • 騎士が敵及び敵弾に触れるとダメージによるHP消費。なお、本作にはダメージ後の無敵時間というものがなく、状況次第では連鎖ダメージをもらう可能性がある。
      • 上記で述べた通り、最大HPはレベルアップによるレベル振り分けのみで増やせる。また、回復手段はポーション獲得とHP吸収のエンブレム特性のみでしか行えない。
    • コンティニューは無制限。『G.Gシリーズコレクション+』ではノーコンティニューでそれまでに到達した範囲でのフロアセレクトが可能。
      • コンティニュー後はHPが全快するが、各レベルはそのフロアの最初の状態に戻される。また、経験値やエンブレムの効力がすべてリセットされる。
      • フロアセレクト後はゲーム開始前に特定回数のレベルアップが発生し、回数分のレベル振り分けが可能。回数は先のフロアを選ぶほどに増える*2

評価点

  • RPG風の斬撃アクション
    • 騎士の攻撃手段は剣のみというシンプルなものだが、その制限ゆえにどう攻撃していくかという面白みがある。
      • 攻撃判定の高さを活かしたチャージ斬りによる敵のなぎ倒しがかなり爽快。斬った後はスローモーション演出が入り、攻撃状況が一目瞭然なのも気持ちいい。
      • 単純なダメージ量でいえば連続斬りが有効だが、敵弾の跳ね返し能力をもつチャージ斬りも有効な攻撃手段となる。この使い分けが重要な攻略要素になってくる。
    • 原則として目の前の敵を倒していく事に集中すればいい内容なので、トラップなどの妨害を気にする必要はない。
      • 単発斬りや連続斬り・チャージ斬りを使い分けて敵をなぎ倒していくスタイルは、どちらかといえばベルトスクロールアクションのそれに近いといえる。
  • 王道なるダンジョン活劇のデザイン
    • 「騎士がダンジョンをひたすらに攻略していく」という、星の数ほど存在する王道RPGのデザインが描かれている。外観としては非常に硬派かつ渋いテイスト。
    • 騎士や敵すべてが頭上からの視線で描かれているというのが少々変わっている。それでいて、騎士の攻撃アニメーションはなかなかに凝っているのが見所。
    • BGMは王道RPGらしい戦闘感のある壮大な楽曲がメインとなっている。フロアクリア時は騎士の剣を振るポーズと共に安らかな楽曲が流される。

問題点

  • 容赦のない敵の猛攻
    • 騎士は基本剣による接近戦しか行えないにもかかわらず、敵の大半はシューティングばりの弾幕攻撃を出してくる
      • チャージ斬りによる敵弾跳ね返しが行えるので、弱い敵相手位であれば無理に避けなくともチャージ斬りで跳ね返せばいい話で済むのだが…。
      • 中~上位のボスの弾幕は「跳ね返し不能」「高速弾幕」という鬼畜気味な攻撃を仕掛けてくる。騎士の移動速度の鈍足さも相まって避けるのがかなりきつい。
      • 実は騎士の当たり判定は小さく設定されているので、突発的な弾幕でもない限りは比較的避けやすい。とはいえ、敵を攻撃できないと根本的な解決にならないが…。
    • 騎士のダメージ後の無敵時間が皆無なので、容赦のない連鎖ダメージに遭遇しやすい
      • 弾幕を避けられないとみるみるとHPが減る。中~上位のボス戦はその弾幕があられの如く出してくるので、無暗な特攻は自殺行為以外の何物でもない。
      • ダメージを受けやすい仕様である事を考慮してか、個々のダメージは低めに抑えられている。流石に即ゲームオーバーになるような理不尽さはほぼない。
    • 明らかにボス戦の方が苦戦しやすいゲームバランスとなっている。
      • 雑魚戦は全体的に耐久度が低く、攻撃もボス戦より大分大人しいので苦戦する要因は少ない。敵全滅後に高確率でポーションが出現するのでHPの確保に余裕がある。
      • 雑魚戦だけでいえば『G.Gシリーズ』の中でも撃破が容易なゲームである。耐久度があり熾烈な弾幕を出してくるボス戦こそが本作における本番といえる。
  • コンティニュー後の厳しい弱体化
    • コンティニューをすると各レベルはフロア初期状態に戻り、経験値とエンブレム効力が失われるので明らかに戦況が不利になる。
      • ノーコンティニューで進めた場合の各フロアのレベルアップの限界は約2回だが、コンティニュー後は1回のみとなるため相対的に弱体してしまう計算となる。
      • 当然ながら先のフロアに進むにつれ敵の強さは上がっていく。それなのにレベルアップの回数が減るのは、熟練者ならともかく通常プレイヤーにとっては厳しい。
      • ものにもよるがエンブレムの効力は強力なものが多く、それが失われるのも痛手。とはいえ、各フロアには何かのエンブレムがどこかで入手ができるのが救い。
    • さらにいえばフロアセレクトをした場合のレベルアップ回数は、ノーコンティニューで進めた場合と比べて少ない。事実上のハンデプレイを強いられる事になる。
  • フィールド・敵の種類の少なさ
    • フィールドは全フロアを通して同じ地形ばかりなので、ゲームとしての変化性が乏しい。
      • 各フィールドは「何もない場所」「雑魚の集団がいる場所」「ボスのいる場所」の3種類に分けられる。何かの仕掛けや特殊な演出が発生するフィールドはない。
    • 雑魚・ボス共に敵の種類がかなり少なく、先のフロアに進んでも同じ敵が使い回される。
      • 奇数フロアのボスはすべて「小型ドラゴン」の使い回し。偶数フロアは総計3種類のボスがいるが、こちらも攻撃強化や数の増強が施されているのみ。
      • 素材の使い回しは『G.Gシリーズ』全般にいえる事だが、本作ではフロア構造の変化も少ない。他シリーズで見られる雑魚敵の配置の工夫もほとんど感じられない。

総評

RPG風のシステムを取り込んでいると同時に、ベルトスクロールや弾幕といったジャンルの要素が絡んでいる異色作といえる一作。
『G.Gシリーズ』の例に漏れず難易度はかなり高く、ゲームバランス的にもいびつな面が多々見受けられるが、やりがいのあるアクションを求めるならば触れておきたい。

最終更新:2020年08月16日 08:02

*1 有名どころでいえば、初期2D版の『ゼルダの伝説』におけるダンションをイメージすると分かりやすい。

*2 初期のレベルで先のフロアをプレイするにはゲームバランス的にかなりきついものがあるので、それに対する救済処置といえる。