ドラちえ ミニドラ音楽隊と7つの知恵
【どらちえ みにどらおんがくたいとななつのちえ】
| ジャンル | 学習ソフト |  
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| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| 発売元 | 小学館 | 
| 開発元 | ジュピター | 
| 発売日 | 2013年11月14日 | 
| 定価 | 4,571円(税別) | 
| セーブデータ | 3個 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 配信 | 【Switch】2021年2月4日/1,125円 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 知育ソフト ゴリ押し気味のミニゲーム
 キャラゲーとしてはダメダメ
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| ドラえもんシリーズ | 
 
概要
ドラえもんの学習ゲームシリーズ「楽習ソフト」第3弾。「ちえ」として「構成力」「観察力」「理解力」「思考力」「推理力」「記憶力」「弁別力」を鍛えるソフトと謳われている。
ストーリー
しずかちゃんのバイオリンとスネ夫のピアノで演奏することを自慢されたのび太は、つい「だれも見たことのない楽器で参加する」と言ってしまいました。
もちろん、そんな楽器は持っていません。
どうしようかと悩んでいるとき、音楽を奏でて楽しく暮らすネイロ国の人のお話が描かれた「ネイロひめものがたり」という絵本を思い出します。
ドラえもんは「絵本入り込みぐつ」を取り出し、絵本の中に入って楽器をもらいにいこうと提案します。
「えほんの せかいに しゅっぱ~つ!」
絵本の世界はどうなっているのでしょう?さぁ、ドラえもんとのび太の大冒険が始まります!
(公式サイトより抜粋)
ゲーム内容
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ストーリーに基づいてマップを進んでいく。マップにはステージごとにミニゲームがある。
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メインとなるミニゲームは「ミニドラ音楽隊」。
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自動で右へ進むミニドラがゴールに辿り着けるように、地形を補ってブロックを配置していく。1ステージに幾つかのパートがあり、全部ゴールさせることでクリア扱い。
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ブロックは複数種類があり、次に使えるブロックの形は上画面右上に表示される。次のブロックの方が良い場合はボタン操作で取り替えられる。
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ブロックはボタン操作で設置する。一度設置したブロックは移動したり消したりすることはできない。なお落とす前なら回転させられる。
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ミニドラは1ブロック分なら登ることができる。登れない場合は折り返す。ミニドラが穴に落ちたりブロックで潰されたりした場合はスタート地点に再びそのミニドラが出現する。
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道中にはどら焼きとプレゼントボックスがあり、ミニドラが接触すると獲得できる。ただし3つ目のマップ以降は「トゲが生えたどら焼き」が出現し、これに当たるとミニドラが消えるので注意。
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ゴールした際は「かかった時間」「使ったブロックの数」「どら焼きの数」が評価項目となる。ノルマは下画面に表示されており、3つともクリアすればプラチナ判定。
 
 
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この他ミニゲームは以下の7種類。
    
    
        | + | ミニゲーム一覧 | 
シルエットクイズ
上画面のシルエットから判断して、下画面の選択肢からそのシルエットが何かを選ぶ。
 
アミダだいこうしん!
数階ある道をミニドラが進んでいくので、アイテムを取れるようにあみだくじの要領でロープを張っていく。
 
これはどのおと?
「じゅんばんにえんそう!」と基本的に同じだが、お手本で演奏された楽器が見えないので音色だけで判断する必要がある。
 
ピッタリおえかき
下画面の方眼をスライドして、上画面と同じ図形を作る。
 
なかまをみつけて!
上画面に表示された物と同じ形状のものを下画面から選ぶ。
 
かじゅえんのもり
上画面に何個かの物体が規則性を持って並んでいる。その規則に当てはまるものを下画面から選ぶ。
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ミニゲームはその出来によってプラチナ~銅の4段階で評価される。マップ上ですべて金以上の評価を取ると隠しステージに進めるが、これは通常よりも難しい。
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ストーリー中で一度遊んだミニゲームは、後から「いろいろなもんだい」としてやり直しができる。
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ブロック積みゲーム中に取得できるプレゼント箱にはひみつ道具が入っており、コレクション要素として記録される。
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マップ全てのステージでミニゲームをクリアすると、次のマップに進める。
評価点
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楽しく知育ができる
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スコアアタックの要素があったり、コレクションによるやり込みが可能だったりと、学習ソフトながら上手くゲーム性が織り込まれている。
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問題が上手く解けていると隠しの発展問題に挑める、という学習要素も。
 
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ミニゲームの内容
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本作のミニゲームはどれも知育に大きく役立つものばかり。近年盛んなプログラミング学習に対応しうるものも多く、この時期の作品としてはなかなかに先を進んでいたといえる。
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クリアだけなら幼児にも簡単だが、最高ランクを取ろうとすると小学生でも一苦労。やりがいがある。
 
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ストーリーそのものは良質。
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ミニドラとキャラクター達の絡みは心温まる。後述のように出番は少ないものの、のび太たちも遠くからサポートする様子が見られて良い。
 
問題点
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キャラゲーとして悲惨。
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「ストーリー」の項では書かれていないが、絵本の世界に入ったドラえもんとのび太は投獄されてしまう。
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よってストーリーのほとんどが、脱獄したミニドラとオリジナルキャラだけで進んでいく。ドラえもんとのび大の登場は少なく、しずかちゃん達に至ってはほとんど出ない。
 構成を変えるなどしてもう少しメインキャラの登場を増やすべきだろう。
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また、原作ファンからは「のび太が普通にエスパー帽を使える」ことへの疑問があがっている。
 
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ミニゲームもリトライに「逆時計」を使う以外はドラえもんらしさ皆無。背景もブロック積み以外は同じ画面がフラフラ動くだけでつまらない。
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さらに、楽習ソフト中で本作のみフルボイスではない。
 
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流れが単調。
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ただひたすらにミニゲームをクリアしていくのみ。ボス戦といったものもなく、最初から最後までほとんど同じことの繰り返しである。
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『ドラがな』のような起動ボーナスや表彰といったモチベーション要素にも欠け、だんだん飽きやすくなってくる。
 
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ミニゲームの内容にも偏りがあり、実に8割以上がブロック積み。マップごとに違うギミックがあるとはいえ、さすがに多すぎる。
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公式サイトではあたかもミニゲームがバランス良く入っているかのように見える。
 
 
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やり直しのテンポが悪い。
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毎回スタート/ゴールの発表が入るため、せっかく逆時計があっても使うのが億劫。
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また、前のパートで低評価を取ってしまったために戻りたい場合は一度マップに戻らなければならず面倒。
 
総評
知育ミニゲームそのものはかなり良質なものの、それを包容する部分がキャラゲーとしてもアドベンチャーとしても残念な出来である。
楽習シリーズの中でも完成度が低く、ターゲット層にもあまりお勧めはできない。
余談
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2021年2月4日にNintendo Switchで本作単体のダウンロード版が配信され、パッケージで発売された『ドラえもん学習コレクション』にも本作が収録されている。
最終更新:2021年10月21日 13:23