Quartett!
【かるてっと】
ジャンル
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FFDアドベンチャー
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対応機種
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Windows 95/98/Me/2000/XP
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発売・開発元
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Littlewitch
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発売日
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2004年4月23日
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定価
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9,240円(税込み)
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レーティング
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アダルトゲーム
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廉価版
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スタンダードエディション 2006年12月22日/4,180円(税込み)
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配信
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2017年7月7日/4,180円(税込み)
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判定
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なし
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ポイント
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漫画のような演出 ボリュームは薄い
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概要
大槍葦人氏の立ち上げたアダルトゲームブランド「Littlewitch」の2作目。
処女作『白詰草話 -Episode of the Clovers-』と同じくジャンル名は「FFDアドベンチャー」。
ストーリー
IMG1コンクール開催まで、あと84日――。
3月17日、音楽祭のファイナルとして『マグノリア・カルテット・コンクール』は開催される。
全国から選ばれた24組96名の若者たちが腕を競い、優勝者には大きな名誉と成功への切符が約束されるのだ。
若者たちは、それぞれの夢や願いを抱いてコンクールを目指す。
かつての天才少女『シャルロット・フランシア』
陽気なムードメーカー『ユニ・アルジャーノ』
物静かな優しい少女『リ・スンファ』
主人公『フィル・ユンハース』
時にはぶつかり合い、悩みながらも、彼と彼女は、音楽から生まれたほんの小さな絆を信じて――。
(公式サイトより引用)
ゲームシステム
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FFD(フローティング・フレーム・ディレクター)
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多くのノベルゲームと違い、立ち絵がない。静止画とフキダシ内に表示されるテキストによる会話文で物語が進行する。
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フキダシは丸形やとげ型など多岐に及び、キャラクターの心情や発言者を表現している。
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場面に応じて扉を開ける効果音などが挟まれる。
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なお、ギャグとして一般的なノベルゲームのように、一時的にテキストウィンドウが表示される演出もある。
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分岐
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いくつかの選択肢で3ヒロインの個別ルートに入る形式。
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選択肢の数はほどほどだが、特にひっかけもないため易しめ。
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FFDと違い、ここは一般的なノベルゲームと大差ない。
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コンフィグ等
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フキダシ・コマ絵を任意のタイミングで一時的に消去できる。
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フキダシ内に表示されるテキストスピードや演出の感覚を設定可能。
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バックログは、一般的なADVのように発言者とテキストが表示される。
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オートモードは等速のほか、2~32倍速まで2の倍数単位で設定可能。
評価点
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FFD及び演出
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漫画のように流れるようにキャラクターの掛け合いが演じられ、視覚的な楽しみが強い。
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効果音やBGMといった要素により、漫画とノベルゲームの良いところどりをしたような出来に仕上がっている。
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『北へ。シリーズ』等で著名な大槍葦人氏の画風は本作においても好評であり、(差分を含む)180枚のCGはギャグやちょっとした会話にも用いられている。
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本作最大の特徴にして白眉である。
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良好なBGM
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音楽を題材にしただけあり、BGM・楽曲ともに力が入っている。
賛否両論点
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シナリオ
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下記のようにボリュームは薄く、基本的に会話劇のみで進行するため、テキストは軽め。
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キャラクターへの思い入れがしにくいという批判的な意見があるが、さっくりしていると好意的に見る意見もある。
問題点
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ボリュームの薄さ
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手の込んだFFDの代償として、ボリュームは相当薄い。
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ボイスもなく、読み進めるのが早い人なら5時間もかからない。
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エロシーンにおいては地の文が用いられ、自動で局部に視点が向くなどする。
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日常と違う演出だが、視点が定まらずCGとテキストを落ち着いて見にくい。
総評
FFDによる力の入った演出と大槍葦人氏の美しい絵による雰囲気は極上。
ただし代償としてシナリオは相当短く、フルプライスに見合ったボリュームとは言い難い。
長所と短所がはっきりした作品であるため、短時間で独自性を楽しみたい人にはお勧めできる。
余談
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2006年4月28日『リトルウィッチファンディスク ~ちいさな魔女の贈りもの~』が発売された。
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『白詰草話 -Episode of the Clovers-』『Quartett!』『少女魔法学リトルウィッチロマネスク』の合同ファンディスクである。
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2006年9月28日にプレイステーション2に移植された。タイトルは『Quartett! ~THE STAGE OF LOVE~』。
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通常版と限定版の2種類が発売され、限定版は著名絵師によるポストカードセットが付属している。
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Littlewitchの作品は過去に「白詰草話」がDCに移植されているが、そちらと同様に本作でも全台詞が移植に際してフルボイス化されている。知名度のある声優を多数起用し違和感もなくこの点は評価されており、ファンアイテムとしての価値はある。
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一方、移植度は低く、FFDが見るからにガクガクだったり、セーブの際をはじめとするロード時間が長かったり、ゲームからやや浮いたデザインのインターフェイスが追加されていたり、果ては「
プレイ中、PS2の本体からガガガガガ! とディスクドライブから変な音が鳴る
」など、劣化要素や問題点も目立つ。
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また前述のDC版「白詰草話」が移植良好であるだけでなくイベントCGも多少追加されているといった要素があったが、本作ではこれといった追加要素はない。
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Windows 10等の対応外OSでは起動時に警告が出るが、特に問題なくプレイできる。
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絵・演出共に古臭さを感じさせず、ダウンロード版をミドルプライス感覚で購入できるため、発売から年月が経った現在でも購入を検討できるだろう。
最終更新:2021年07月04日 18:15