DS9 ディベートスクールナイン
【でぃべーとすくーるないん】
ジャンル
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憲法九条改正恋愛AVG
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 ※護憲パッケージ
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 改憲パッケージ
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対応機種
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Windows Vista/7/8/10 |
発売・開発元
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蛇ノ道ハ蛇ソフト
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発売日
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2015年3月27日
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定価
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9,240円(税込み)
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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2015年5月22日/7,128円(税込み)
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判定
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なし
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ポイント
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憲法九条改正ディベート 灰汁の強いキャラクター 周回意欲を削ぐ要素の数々
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概要
エロージョン系ブランド「蛇ノ道ハ蛇ソフト」の10周年記念作品。2パッケージが同時発売されているが内容は同一。
系列ブランドでは「魔物娘」「男の娘」といったややニッチな抜きゲーを発売しており、「新ジャンルの開拓」を生存戦略としている。
そして本作のテーマは「憲法改正」であり、関心を持たせるためにエロゲとして取り上げられた。(シナリオライターのブログより)
パワーのある新人声優にお願いしたいという理由から、名前のある役についたことのない声優を起用している。
ストーリー
主人公・伊早直樹のクラスでは、議論を目的とした授業・ディベート を行うことに。
そして担任の古緋心愛先生が選んだ議題、それは――
「議題は憲法九条改正問題よ♪」
こうして “憲法改正問題” をテーマに、九條真率いる “護憲派” と 大和永遠率いる “改憲派” に別れて支持者を集め、教室は 二つに対立していく……。
そして議題に興味が持てずどちらにも属さなかった直樹にも、勧誘の魔の手が伸びる。
「護憲派に入れっ!!」
「改憲派に入りなさいっ!!」
賄賂! 脅迫! 色仕掛け!! 直樹を自陣営に引き込むために、両勢力の激しい勧誘。
ちょっとエッチでおバカな誘惑に耐え抜き、直樹は自分の答えを導き出せるのか!?
(げっちゅ屋の紹介文より抜粋)
特徴
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エロゲ定番のノベルゲームである。
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いくつかの選択肢でどのヒロインのルートに入るかが決定する。選択肢を散らしすぎるとバッドエンドとなる。(詳細は後述)
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護憲派3人・改憲派3人・中立派2人が攻略対象。
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各派を一人ずつ攻略するとハーレムルートが解禁される。
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ディベート
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護憲派と改憲派がそれぞれ主張するのを聞く。
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プレイヤーは中立派の質問内容を決めたり、論の根拠の詳細を訊くかどうかなどを選択する。
評価点
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ヒロイン8人+αと攻略対象が多い
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後述するが、どのヒロインもなんらかの矜持と主張を持つだけに、全員の個性が確立されている。どこかで見た似たようなキャラばかり……とはなりにくい。
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挑戦的な題材
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エロゲではオンリーワンの題材である。双方の主な主張が述べられ、憲法に興味を持つ切っ掛けにはなる。
賛否両論点
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灰汁の強いキャラクター
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「人望がない」「軍オタ」「ベジタリアン」「フェミニスト」などなど、珍しい属性のヒロインが多く、それぞれが自分の主張こそが正しいと主人公を自分の陣営に入れようとしてくる。非常に押しつけがましい。
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主人公も学校でエロゲの話をするような人物であり、統制を取るべき教師も憲法9条改正問題をテキトーにディベート題材に選んだりと、立ち絵のあるまともな人物がいない。
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どの派閥もこんな感じなので、ある意味では平等ではあるのだが。
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エロシーン
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全ヒロインに自慰シーンがある。それ自体は好みによるがシチュエーションは毎回夢オチである。
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ブラジャーが迷彩柄だったり、性行為中に沢野忠庵の話が出てきたりと、ヒロインの個性はこんなところでも失われていないが、色気には繋がっていないので萎える要因でもある。
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BLネタ
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中立派の悪友がゲイであり、バッドエンドでは主人公がCG付きで襲われる。可愛らしい顔などではなく、がっつり男顔である。
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また、バッドエンド以外でも毎回彼の自慰シーンも見せられる。こちらは選択肢で回避可能ではあるが。
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ハーレムエンドのCGでも、隅の方で主人公を見つめている。
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ギャグの一環と取るか、悪ノリが過ぎると取るかはプレイヤー次第。
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ネタバレ
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どちらの陣営に就いても、不穏なメッセージで終わる。
憲法改正は一概に決められないが故にこれだけ議論になっているので、どちらを選んでも代償があるというのは間違ってはいないのだが、いまいちスッキリしない終わり方である。
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問題点
周回意欲を削ぐ要素
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ディベートの内容が固定
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どのヒロインを攻略しても、同じ意見しか出ないために2周目以降は既読スキップ作業と化す。
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何度も選択肢が挟まれるため、スキップしても頻繁に止まり、テンポが悪い。
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攻略中のヒロインの所属する派閥が確定で勝利する。例えば、九條真と仲良くしていると護憲派が勝利する。
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歴女のヒロインは二人きりの時に、歴史を踏まえたうえで改憲派になったことなどを伝えてくれるが、こういった日常パートのやり取りがディベートで生かされることはない。
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同じギャグの繰り返し
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ヒロインとの性体験後に、悪友が主人公をオカズにするシーンがCG付きで流れる。
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一度は笑えるとしても、ヒロイン毎にこのネタが挟まれるので二度目以降は既視感を覚える。
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テキストも全く同じ。そのためかスキップ選択肢が用意されているが、それを選ぶのもひと手間かかる。
総評
ヒロイン達が対立しておりどちらの派閥につくかというストーリーは他にもあれど、その理由が憲法改正なのは本作くらいであり、挑戦的すぎる題材である。
憲法に興味を持ってもらいたいという試みだが、キャラクター・ストーリーともに灰汁が強いため、とっつきにくいのは否めない。色物の一つといえるだろう。
余談
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小ネタ
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シナリオライター「シロたん」と同じ名前の動物が作中に登場する。
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エロージョン系ブランドで発売されたエロゲ『女装海峡』が、本作の背景にポスターなどで登場している。
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公式サイトには大阪都構想についてディベートするページがある。
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法律タイトルのエロゲは他に『177』が存在する。
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1986年発売で、刑法第百七十七条(強制性交等)が題材である。
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なお、衆議院決算委員会で取り上げられた。(該当リンク)
最終更新:2021年07月12日 21:40