The Legend of Ninja
【ざ れじぇんど おぶ にんじゃ】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売・開発元 | Prison Games | 
| 配信開始日 | 2020年10月8日 | 
| 定価 | 999円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | IARC:7+ | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 忍者が主役の横スクロールアクション ゲームバランスは極めて大味
 遊べなくはないが微妙な完成度
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概要
海外メーカーであるPrison GamesからリリースされたNintendo Switch専用ダウンロードソフト。
ジャンルはスタンダードな横スクロールアクションそのもので、どのステージも手短で終わりやすい。
忍者を操り、ドラキュラにさらわれた姫を救出するという王道ストーリー。なお、ゲーム中における日本語表示には対応しておらず、全編英語表記となる(とはいえ、中学校クラスの英語力があれば普通に理解できるレベルである)。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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ステージセレクト方式で、全30ステージを順々に攻略していく。最後のステージに待ち構えるドラキュラを倒せばエンディングとなる。
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メニュー画面のアップグレードにて、ステージ内に溜めたコインと引き換えに忍者の性能を強化できる。強化は4種類あり、それぞれ多段階の強化も行える。
 
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操作体系
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一般的な横スクロールアクションと同じ感覚で忍者の操作を行う。
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アナログスティック左右で左右移動。一部の地形に足を着いている状態では、アナログスティック下にて地形からの落下を行える。
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ジャンプボタンでジャンプを行い、二段ジャンプも可能。ジャンプ中における移動制御やジャンプ力調整も可能。
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壁に接触するとしがみつき状態となり、そこからアナログスティックとジャンプの組み合わせで壁ジャンプが行える。
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各種ボタンを押すと接近戦の刀攻撃と飛び道具の手裏剣攻撃を行う。後者は使用回数に制限あり。
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ダッシュボタンでダッシュ移動を行う。ジャンプ中でも使用可能だが、ダッシュ中は移動制御が効かず大きな隙を伴う。
 
 
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アイテムについて
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通常戦のステージ内においては、そのまま放置や時折配置されている壺や宝箱を破壊する等で以下のアイテムが出現する。
 
    
    
        | + | アイテムの種類一覧 | 
| ポーション | ライフを一定量回復する。 |  
| 手裏剣 | 手裏剣の使用回数を増やす。 |  
| コイン | コインを5枚獲得。コインは複数ストック可能で、後のアップグレード強化やコンティニューに活用できる。 |  
| 爆弾 | 厳密にはアイテムではなくトラップ。忍者が爆風に巻き込まれると即ミスだが、敵を巻き込んで倒せる効果もある。 |  
| 巻物 | 各ステージに3つ配置。1UPの効果があるが、取得すると二度と出現しない。ステージセレクト画面において巻物の獲得状況が表示される。 |  
| 鍵 | 鍵のかかった扉を開くために必要なアイテム。 |  | 
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ステージクリアとミス条件について
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ステージは通常戦とボス戦に2タイプがあり、それぞれにクリア条件が異なる。10の倍数ステージはボス戦、それ以外は通常ステージで構成される。
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通常戦においては「ステージ奥にあるゴールポイントに到達」すればステージクリア。大方のステージでは扉や仕掛けを抜けないと奥に進めない局面あり。
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ボス戦においては「ステージ開始すぐに登場するボスを撃破」すればステージクリア。このステージではボス以外の敵は登場しない。
 
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ライフ及び残機制を採用している。残機4以下でステージクリアした場合、次回のステージは残機5から開始される。
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忍者が敵に触れるとライフ減少し、落とし穴転落や即死トラップに触れると即ミス。ミス後の復活時や次回ステージ時ではライフが全回復されている。
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通常戦におけるミス後は戻り復活で、ボス戦は途中復活となる。復活後はそれまでにいた敵や地形等がそのままの状態で再開される。
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残機が0になった後もコインストックを50枚消費する事で復活ができる。コインが尽きるまで延々とコンティニュー可能で、特にペナルティは発生しない。
 
 
評価点
良くいえばテンポ重視なアクションゲーム
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問題点の数々が目立つものの、アクションゲームとしての体裁は保っており、遊べないという程の内容ではない。
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各ステージの構造は非常に短く、攻略に詰まりさえしなければ全体的にさくさくとクリアできる。下記の件もあり、総合的な難易度はさほど難しくはない。
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一応は巻物集めというやり込み要素もあるが、執着しなくともオールクリアは可能。ステージ構造はほぼ一本道なので、進行に迷う心配も薄い。
 
 
アニメ調の味わいグラフィック
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グラフィックはアニメ調で描かれており、忍者を筆頭とするキャラの容姿が可愛らしい。
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主人公は忍者そのものなのに敵全員が洋風モンスターというギャップに味わいあり。また、トゲや刃物などの即死トラップが痛々しい軽微な残酷描写が含まれる。
 
問題点
ゲームバランスが非常に悪い
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忍者の当たり判定がやけに大きく、理不尽気味なダメージや即ミスに遭遇しやすい。
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普通に刀攻撃を行っても相打ちを受けるのは当たり前状態。初見殺しも多く、慎重に進んでも突発的なダメージ及びミスに陥る事態もしょっちゅう起こる。
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ステージ構造が全体的に短いため、後述の件もあってクリアそのものは簡単な部類だが、ゲームバランスの面では相当いびつな内容といわざるを得ない。
 
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実はミスの許容回数がかなり多く、ミス上等のごり押し進行でも難なくクリアできてしまう。
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普通にプレイしてもコインストックが飽和気味になるため、ほぼコンティニューし放題となる。これを利用すればミス連発お構いなしでいつかはクリア可能。
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もしコインは少なくなったとしても、簡単なステージで繰り返しコイン稼ぎをすれば容易くストックが稼げるため、事実上のコイン稼ぎ無限状態となる。
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コンティニューをしたからといってコイン消費以外のペナルティはない。ボス戦ステージに至っては近づいて刀攻撃連発でほぼ100%撃破できる。
 
一部の操作性が悪い
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地形からの落下操作が異様に暴発しやすく、意図しない落下が頻発する。もちろん下が落とし穴や即死トラップがあってもお構いなし。
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アナログスティックが微小に下側へと入っているだけでも感知されるらしく、他のアクションゲームではありえないレベルで暴発落下が起きる。
 
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壁ジャンプの入力方法に特有のクセがあり、なかなか思い通りの操作が効きにくい。壁ジャンプ中でも即死トラップの配置率が大いのも厄介なところ。
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操作のコツとしては「壁しがみつき状態からワンテンポ置いてからの操作入力」を行うと成功しやすい。
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それ以外の操作性に関しては大きな問題はなく、むしろ軽快な操作性で遊びやすい。
 
 
ゲームシステム上の不具合
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「Sword Power(刀の攻撃力)」のアップグレードを最大にまで強化すると、以後のアップグレードの操作を受け付けなくなり、他の未完了のアップグレードができなくなってしまう致命的なバグがある。
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対策は「Sword Power」のアップグレードを完了する前に他のアップグレードを全て完了させ、最後に「Sword Power」を完了させること。こうすれば全てのアップグレードを完了することが可能となる。とはいえ、強化をしなくともオールクリアの影響はない。
 
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ステージ29のとある場所に仕掛けの配置ミスと思われし箇所がある。
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このステージでは「踏む系のスイッチに重しを乗せて、通行を塞いでいる扉を開ける」と推測される場面があるのだが、実際は重しを乗せても何も起こらない。
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この場面の攻略方法は「忍者自身がスイッチを踏み、即興でジャンプとダッシュボタンの同時押しすると扉を潜り抜けられる」というのが正解となる。
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重しがダミーとして配置されているとは到底考えられないため、単なる配置ミスである可能性が高い。
 
 
プレイボリュームが薄め
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手短のステージが30つしかなく、その気になればあっけない位にオールクリアができてしまう。
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同時期における同ジャンル・同価格帯のダウンロードソフトと比べてもボリュームは一回り劣る。オールクリアまでの時間は1時間超あたりと推測される。
 
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エンディングが非常にあっけなく、いまいち達成感が感じられないのも微妙。なお、続編を予告するような終わり方になっている。
ツッコミどころ
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上記ゲームイメージイラストを見るとわかる通り、主人公のデザインがどう見ても『NARUTO』に登場するうずまきナルトを筆頭にした忍者っぽい。
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その癖、ゲーム中操作することになるプレイヤーキャラは伝統的な黒装束忍者であり、イメージイラストと似ても似つかないキャラを使う破目になる。
 
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そもそも根本的な世界観自体謎が多い。「姫」と「忍者」が明らかに世界線が違いすぎる印象を受ける。というかシナリオのイラストの雰囲気が明らかに浮いておりここだけクオリティが全然違う。
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雑魚キャラも、紫色の豚もどき、ミイラの魔法使いや、ゴブリンっぽい亜人など「忍者の敵」として見ると明らかに違和感を感じるものである。
 
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もっとも、この辺の変な世界観はいわゆる「勘違い日本」に限らず、日本国内の伝統的な忍者モノを題材にした作品(『忍たま乱太郎』など)でもありがちなことなので、そこまで気にするものでもないかもしれないが…。
総評
アクションゲームとしては遊べる内容ではあるものの、ゲームバランスの大味さやシステムの不具合などの粗さが目立つ。
複雑さのないライトな横スクロールアクションをプレイする分には悪くないが、価格相当のクオリティがあるのかといわれると非常に疑問な一作。
余談
アセットフリップ
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Unityで販売されていたゲームテンプレート『NINJA RIAN - COMPLETE GAME』の流用が指摘されている。
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先述のイメージイラストのツッコミどころは、市販テンプレートの一部を画風の異なるイラストに差し替えた事が原因と推測される。
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Pix Artsが発売した『Ninja Buddy Epic Quest』も同様の疑惑が持たれている。
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同様のゲームはスマホゲームとしても他社からリリースされているが、それらは無料である。
 
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発売及び開発元のPrison Gamesは本作以外にも多数の作品でアセットフリップが指摘されてしまっている。
 
最終更新:2023年12月27日 14:09