Ninja Warrior Epic Quest
【にんじゃうぉーりあー えぴっくくえすと】
Ninja Buddy Epic Quest (ニンジャバディ)
【にんじゃばでぃ えぴっくくえすと】
ジャンル
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アクション
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ジャケットNintendo e-shopより
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対応機種
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PC
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Mac OS X
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CS機
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Xbox One Nintendo Swtitch
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メディア
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共通
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ダウンロード専売
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発売元
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Pix Arts
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発売日
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Mac/One
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2020年9月21日
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Switch
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2021年6月17日
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定価(税10%込)
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Mac
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480円
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One
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580円
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Switch
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599円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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作成不可
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レーティング
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One
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IARC:3+(3歳以上)
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Switch
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IARC:7+(7歳以上) 軽い暴力
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備考
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日本語非対応
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判定
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クソゲー
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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無限ジャンプとダッシュでゲーム性大崩壊 一方回復手段など難易度曲線は更に歪に 至る箇所に潜んでいる進行不能バグ
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Explore wonderfull worlds as you lead Ninja Buddy in his quest to save Princess Zebda.
「Zebda姫を救うためにNinja Buddyを率いて、素晴らしい世界を探検しましょう。」
概要
Pix Artsが贈る『Ninja Epic Adventure』に次ぐ2タイトル目の忍者アクションゲーム。プレイヤーは忍者Buddyとなり、ドラキュラに拐われたZebda姫の救出に向かう。
またSwitch版(日本での配信)には例に漏れずタイトルに「ニンジャバディ」なる日本語表記が入っているが、日本語には一切対応していない。
ゲームルール
ゲームの流れ
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モードは三つで、キャラのアップグレードを行う「SHOP」とメインモードと設定がある。
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ステージセレクト方式で、計30ステージを順に攻略していく。10ステージごとに3セクション分けられており、舞台が「山」「砂漠」「夜の火山」となる。それぞれ10の倍数ごとにボス敵が待ち構えており、最後のステージに待ち構えるドラキュラを倒せばエンディングとなる。
アップグレード
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メニュー画面のアップグレードにて、ステージ内に貯めたコインと引き換えに忍者の性能を強化できる。強化は4種類あり、それぞれ多段階の強化も行える。
+
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アップグレード一覧
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項目
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強化できる箇所
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段階数
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Sword Power
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刀の攻撃力
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7段階
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Dart Power
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手裏剣の攻撃力
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7段階
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Dart Holder
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所持できる手裏剣の上限 ※最大10個まで
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4段階
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Dash Time
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ダッシュ時の持続時間
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5段階
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操作体系
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一般的な横スクロールアクション。アナログスティック左右で左右移動。足場の細い地形に足を着いている状態では、アナログスティック下にて地形からの落下を行える。
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ジャンプボタンでジャンプを行い、三段ジャンプも可能。ジャンプ中における移動制御やジャンプ力調整も可能。
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壁に接触するとしがみつき状態となり、そこからアナログスティックとジャンプの組み合わせで壁ジャンプや上方向へのジャンプが行える。
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各種ボタンを押すと接近戦の「刀攻撃」と飛び道具の「手裏剣攻撃」を行う。後者は使用回数に制限があり、最初の段階では6回までとなる。
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ダッシュボタンでダッシュ移動を行う。ジャンプ中でも使用可能だが、ダッシュ中は移動制御が効かないため、使用は計画的に。
アイテムについて
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ステージ内に時折配置されている壺や宝箱を破壊すると、以下のアイテムが出現する。
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アイテムの種類一覧
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ポーション
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ライフを一定量回復する。
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手裏剣
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手裏剣の使用回数を1回増やす。
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コイン
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コインを1枚獲得。コインはゲーム内通貨となっており、アップグレード強化やコンティニューに活用できる。
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爆弾
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厳密にはアイテムではなくトラップ。忍者が爆風に巻き込まれると即ミスだが、敵を巻き込んで倒せる効果もある。
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巻物
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各ステージに3つ配置。1UPの効果とコイン100枚のボーナスがあるが、取得すると二度と出現しない。ステージセレクト画面において巻物の獲得状況が表示される。
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鍵
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一部ステージのみ登場。鍵のかかった扉を開くために必要なアイテム。
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ステージクリアとミス条件について
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ステージは通常戦とボス戦に2タイプがあり、それぞれにクリア条件が異なる。10の倍数ステージはボス戦、それ以外は通常ステージで構成される。
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通常ステージにおいては「ステージ奥にあるゴールポイントに到達」すればステージクリア。大方のステージでは扉や仕掛けを抜けないと奥に進めない局面あり。
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ボスステージにおいては「ステージ開始すぐに登場するボスを撃破」すればステージクリア。このステージではボス以外の敵は登場しない。
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ライフ及び残機制を採用している。残機はショップで補充するか巻物の1UPボーナスで増やす。
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忍者が敵に触れるとライフ減少し、落とし穴転落や即死トラップに触れると即ミス。ミス後の復活時や次回ステージ時ではライフが全回復される。
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通常戦におけるミス後は戻り復活で、ボス戦は途中復活となる。復活後はそれまでにいた敵や地形等がそのままの状態で再開される。
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残機が0になった後もコインストックを50枚消費する事で復活ができる。コインが尽きるまで延々とコンティニュー可能で、特にペナルティは発生しない。
問題点
歪なバランス
忍者の当たり判定
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忍者の当たり判定が見た目以上に大きく、理不尽気味なダメージや即ミスに遭遇しやすい。ギミック自体も後半になればなるほど細かい操作を要求する箇所が発生するため、ストレスフルになる要素として立ちはだかる。
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普通に刀攻撃を行っても相打ちを受けるのは当たり前。初見殺しも多く、慎重に進んでも突発的なダメージ及びミスに陥る事態もしょっちゅう起こる。
暴発しやすい操作性
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地形からの落下操作が異様に暴発しやすく、意図しない落下が頻発する。アナログスティックを少し下側に入れるだけでも感知されるらしく、他のアクションゲームではありえないレベルで暴発落下が起きる。もちろん下が落とし穴や即死トラップがあってもお構いなし。
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壁ジャンプの入力方法に特有のクセがあり、慣れるまでに熟練を要する。壁ジャンプ中でも即死トラップの配置率が多い点も厄介。
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一応操作のコツとしては「壁しがみつき状態からワンテンポ置いてからの操作入力」を行うと成功しやすい。尤も今作では壁に張り付いてる状態でも上方向にジャンプもできるため、そんなことをしているくらいなら普通にジャンプした方が早い。
ボス戦
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ボスの体力は意外と少なく、開幕で手裏剣を投げまくり、切れたらジャンプで攻撃を避けながら隙を見つけて剣攻撃でひたすら斬りまくる、と言ったルーチンを行えばひとまず攻略できる。
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ただし、向こうの攻撃を1発喰らえば体力を最大値の3分の1ほど持っていかれる上、攻撃を受けている間はダメージが通らないため、まさに殺るか殺られるかである。
シビア過ぎるリソース管理
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コインを手に入れたら1枚入手である。ところが本作ではアップグレードを筆頭に3〜4桁ほどの対価を求められるうえ、その他で求められる対価も2桁が殆どであるため、低難易度ステージで稼ぎプレーで着実に貯めていくことすらも面倒な作業に陥りやすく、全体的に支出に対して収入が間に合わない。
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ライフや手裏剣に対してもシビアな管理を求められる。ステージクリアしても一定量回復される措置は一切無く、「巻物ボーナスで回復を狙う」「ステージ中で手裏剣を回収する」「ショップで対価を払って回復する」のどれかとなる。特にライフは回復できるチャンスがとても少ないため、ミス上等のゴリ押しプレーは実質不可能である。低難易度ステージでコインを稼ぎショップであらかじめ回復させることを激しく推奨する。
アップグレードの不備
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バグとは無関係に「防御力を上げる」アップグレードが存在しないため、ただでさえ被ダメージ量の多い敵から受けるダメージを軽減させる方法が全く無い。
システム面など
小さくて見辛いUI
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現在のプレイヤーの状況が把握しにくいほどに小さくて見辛い。特に左上の体力ゲージが小さいため見落としやすい。
悪趣味になった即死トラップ
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いたずらに悪趣味なグラフィックが一部存在しており、即死トラップの「回転カッター」「振り子カッター」「可動式トゲ」には簡単に目視できるレベルの血痕が追加されている。
IARCレーティングも低年齢層向けで、見るからにカジュアルなゲームであるため、迂闊に目に入って気分を害することも十分あり得るだろう。
ボリューム
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手短のステージが30つしかなく、プレー時間の殆どがトラップに手間取る時間と言える。更に本作はジャンプとダッシュを駆使すればあっけなく終わるため、オールクリアまでの時間は1時間も掛からないだろう。
セーブ自体ができないのに進行不能バグも頻発するためボリュームが増えたところでなんだ、と言う話ではあるるが。
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エンディングに至っては非常にあっけなく、ただ拡大されたシルエットの画像が出るだけと言う、苦労した割には達成感が感じられない代物である。続編を予告するような終わり方になっているが、たとえ出たとしても世界観の繋がり等は全くないものになるだろう。
その他
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ステージ攻略型のアクションゲーム且つ育成機能が搭載されているのにもかかわらず、Pix Arts製Switchタイトルの例に漏れず、本作もセーブ機能が当然の如く搭載されていない。
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設定という項目があるが、変更できる箇所はなんと「音のON/OFFの切り替え」だけという衝撃的なもの。
不具合やバグ
無限ジャンプや空中ダッシュでゲーム性大崩壊
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以上の歪なゲームバランスも以下の致命的な仕様を駆使すれば、ゲーム性を一気に崩壊させてしまえる。
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ダッシュは隙なく何度でも使用可能であるため、「ジャンプ→ダッシュ」を駆使すれば実質無制限ジャンプとなりステージ最上部をはみ出して画面外へ出ることが可能に。
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壁伝えにジャンプすれば何度でもジャンプできてしまうため、これを駆使すればステージ最上部をはみ出して画面外へ出ることが可能に。
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当然ゴール地点が「壁に囲まれておりギミックを解除しなければ到達できない場所にある」と言ったシチュエーションには対応することができないが、いすれにせよ道中のギミックを概ね飛ばすことが可能となってしまうため、せっかくの「ギミックを攻略する楽しさ」が台無しになっている。
進行不能バグだらけ
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操作不能バグも
当然完備。基本情報欄からもわかる通り今作はセーブ機能自体が搭載されていないため、「操作不能=最初からやり直し」であり、今まで進めてきた分が全てパァになってしまう。
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時折ステージを選んだ後にローディング画面でフリーズすることがある。
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3つ目のステージに到達した直後、何もエリアを選ばず1ステージ目に移動すると操作不能に。
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「Sword Power(刀の攻撃力)」のアップグレードを最大にまで強化すると操作不能に。
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ステージ29をクリアーするとなぜかオールクリアーを祝うウインドウが表示される。これを閉じると操作不能になる。
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閉じなくてもカーソル操作ができるため、これが表示されている間はくれぐれもウインドウを閉じず、他のステージを選んでウインドウを消すこと。
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ラスボスは上空へ飛行しこちらへ突進してくるアクションを取ってくるが、本作でこの動作を行なわれたら最後、アニメーションを取りながら動作が止まってしまう。しかも
ラスボスにダメージを入れられなくなる
ため、メニュー画面に戻るしか無くなってしまう。対策は「技を発動される前に倒す」しかない。
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この状態でステージを抜けると、エンディングをすっ飛ばされてメニュー画面に戻り、ここでもゲームクリアーを祝福するメッセージが表示される。その後ボックスを閉じるとトドメと言わんばかりに操作不能に。
一部ギミックの不具合
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ステージ29のとある場所に仕掛けの配置ミスとしか思えない箇所がある。このステージでは「踏んだら仕掛けが動作するスイッチに重しを乗せて、近くの扉を開錠する」と推測される場面があるのだが、実際は重しを乗せても何も起こらない。
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ではどうやれば良いのかと言えば「忍者自身がスイッチを踏み、僅かなタイミングを見計らってジャンプとダッシュボタンの同時押しをすると通過できる」と言うバグ技じみたものである
…が、この場所にはすぐ側に垂直な壁があるため、そのまま壁に張り付きながら一番上までジャンプしてスルーすれば良い話である。
評価点
一応の評価点
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1面開始時のオープニングのスキップが可能
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タイムアタックなどで1面を何度もプレーしたい人の需要に応えられているかもしれない。
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ライフと手裏剣のストックを予め購入可能
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コインさえあればと言う条件付きだが、好きなタイミングで補充可能。
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キャラクターをアップグレードできるため、「次にどのパラメーターを上げていくのか」と言う楽しさがある。報酬が少ないのもさることながら、純粋な本作随一の評価点と言えるかもしれない。
怪我の功名
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無限ジャンプやダッシュは、(結果論であるのは言うまでも無いとして)建設的な活用法がある。
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即死穴に落ちそうになっても、壁に張り付いて上方向にジャンプしたり、ダッシュを駆使することで復帰させることができるため、迂闊な事故死を防ぐことができるかもしれない。
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「バグによって詰んでしまうポイントを回避して強引にステージクリアに持ち込むことができる」と言った活用ができるため、理論的には「ゲームクリア不可能になってしまう」と言う最悪の事態に陥らないようになっている。もっともフリーズバグのせいでどっこいどっこいではあるのだが。
総評
後述のアセットの時点で、ただでさえ「遊べなくはない」大味なバランスのアクションゲームであったのだが、劣悪な収支のバランスやライフ回復機会の大幅減少と言った形で(真面目にプレーした際の)難易度曲線はさらに歪となってしまい、とても気軽に手を出せない代物になってしまった。
ところがそうした障壁も、無限ジャンプやダッシュにより一転、コツさえ掴めればゲーム性の根本を概ね崩壊させることが出来てしまうため、それを知った日には真面目に進む気も失せるだろう。
さらに(回避できなくはないが)普通にプレーしていれば間違いなく遭遇するフリーズバグを筆頭とした進行不能バグもあり、一つのアクションゲームとして成立していない内容と言える。
諸々の事情を鑑みれば、IARC審査を通したゲームの流通が可能になったコンシューマゲーム業界の抱える問題と、同じアセットを使用していながらもゲーム制作者の手腕次第でゲーム性が大幅に変わってしまうと言う現実を、身をもって証明していると言える。
そういった意味では、反面教師としての存在意義があるのかもしれない。
余談
アセットフリップ
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本作もUnityアセットストアで発売されていた「NINJA RIAN - COMPLETE GAME」(リンク)から、何も手を加えずそのまま使用してしまっている。しかもコピペ範囲はキャラグラフィックやUIのみならず、ストーリーのテキストなどの細かい部分も含めてであり、手が加えられている箇所はフォント設定やショップにおける広告削除項目の削除と言った程度と僅少。
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本作以外でも2022年10月3日にXbox One向けに配信開始した『Super Ninja Run - Princess Rescue』が全く同じ行為をやらかしている。発売元のGames Developpers LTD社の実態が不明であることも含めて、アセットフリップ問題の深刻さを物語るエピソードとして十分過ぎると言える。
比較対象
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興味深いことに、同じアセットを丸ごと流用していながら単体のゲームとしての完成度に大きな差が付いている事例も確認されている。同じエンジンや素材を使いながらもゲーム制作者の力量次第でどうとでもなる事例としては理解しやすいものだろう。
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主に挙げられるタイトルとして『The Legend of Ninja』が存在する(動画での比較)。
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「見やすいHUD」「わかりやすい操作説明やメニュー画面」「攻撃時の挙動がクイックレスポンス」「ジャンプは2段まで使用可能」「壁伝い時は上方向へのジャンプ不可」「ダッシュの連続使用不可」「コイン報酬が1枚につき5枚」といったゲーム性や、
ゲーム中に登場するキャラと最早別人とはいえストーリーで登場する画像を別物に差し替えるなどの調整がされているため、本作と比べればまだフォロー可能な類だろう。
トレーラー無断転載
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あろう事か『One版』のストアページのトレーラーは流用元のアセットのトレーラーの(切り抜き方式での)無断転載である。あえて切り抜きにする事で違和感を減らし、無断転載の判明を防ごうとしたのだろう。以下、比較としてそれぞれのリンクを掲載する。
最終更新:2023年12月23日 15:05