真魂斗羅
【しんこんとら】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売・開発元
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コナミデジタルエンタテインメント
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発売日
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2002年11月14日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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廉価版
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コナミ ザ ベスト 2003年8月7日/2,800円(税別)
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配信
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【PS3】PlayStation Store(ゲームアーカイブス) 2012年7月25日/1,200円(税別)
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判定
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良作
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魂斗羅シリーズリンク
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概要
ファミコン時代からのコナミのアクションシューティングを代表する『魂斗羅』がPS2で初登場。
日本で発売された魂斗羅シリーズ作品としては、1994年発売の『魂斗羅ザ・ハードコア』以来、8年振りとなる。
パッケージにも書かれているが、『魂斗羅スピリッツ』『ザ・ハードコア』でプロデューサーを務めた中里伸也氏が中心となって作られている。
ストーリー
エイリアン戦争(魂斗羅スピリッツ)から11年後の西暦2647年…
超磁力兵器の暴走により地球環境は崩壊、人口の8割を失う。
そして僅かに生き残った人類に更なる試練が訪れる。
謎の武装テロ組織「ブラッドファルコン」の台頭である。
人知を超えた生体兵器を駆使する彼らの前に、人類は為す術も無く敗走。
追い詰められた統合政府の最高意思決定機関「元老院」は、ある苦渋の選択を下す。
「毒をもって毒を制すべし」
召喚された男の名は、ビル・ライザー。かつて5度に渡るエイリアンとの戦いを勝利に導いた英雄。
そして、人類史上最悪の特Aクラスの犯罪者でもある。
かつての戦友であるランス・ビーンの殺害、軍事基地占拠、超磁力兵器の暴走の張本人。
懲役一万年の減刑と引き換えに、再びビルは戦場へ赴く!
特徴
本作はハードをPS2に移し、キャラクターや背景のグラフィックは3Dとなったがゲーム性は従来の2Dアクションである。よって過去のシリーズ作品と比較して特徴的な点のみ列挙する。
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武器システム
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アイテムを拾って武器をチェンジ・強化するという恒例のシステムから、3種類の武器を標準装備する仕様に変わった。
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いずれの武器も攻撃ボタン押しっぱなしで連射、また溜め撃ちで性能の異なる攻撃が可能であり、都合6種類の武器を常備している事になる。
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武器一覧
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ヘビーマシンガン:シリーズ従来のマシンガンに相当。連射性能と弾速に長ける。
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ラウンドスウィープ:ヘビーマシンガンの溜め撃ち。前方にポッドを射出し全方位に弾をばら撒く。
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ファイヤーウィップ:火炎放射器。射程は短いが一部の敵弾を消せる。
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エナジーショット:ファイヤーウィップの溜め撃ち。高威力の貫通弾を発射する。
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ダイバーマイン:地面を転がる爆弾を射出する。
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ホーミングミサイル:ダイバーマインの溜め撃ち。敵を追尾するミサイルを一斉に8発射出する。
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L1ボタンを押している間は立ち位置を固定し任意の方向へ攻撃、またR1ボタンでは攻撃方向を固定し左右に移動可。
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ボムおよび『ザ・ハードコア』で初実装されたスライディング攻撃も廃止された。
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撃破率と総合ランク
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特定の敵を倒したり、オブジェクトを破壊すると「撃破率」が加算される。
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これに1ミスにつき-2%、コンティニュー1回につき-10%のペナルティを合わせた数字がその面における「ステージクリアランク」となる。
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また、それまでにクリアした面における「総合ランク」も計測され、エンディングの分岐に影響する。
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全6面(+真ラスボス戦)で、1~4面はプレイする順番を選べる。
評価点
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21世紀にもなって「死んで覚える硬派な2Dアクションシューティングゲーム」が発売されたこと
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「難易度変更なし、キャラの強化要素なし、ボムや緊急回避行動もなし、一撃死」というファミコン時代のアクションゲームを地で行くような仕様。しかしランダム要素が少ない為、最初は難しいがパターン化すればクリアも容易なバランスとなっている。
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過去作のような「ミスした時に使っていた強力な武器を失い、一気に火力不足に陥る」という事態が起こらない為、プレイヤースキルさえ上げればパターン化しやすい。
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クリアした面はいつでも練習モードで遊べるので、練習でミスを減らして本番に臨むことが可能。
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撃破率にはゲームランクの役割もあり、撃破率の対象をスルーすれば後の敵の攻撃が緩和される。また、ボスのパーツ毎にも撃破率が設定されている為、慣れないうちは本体だけ攻撃してクリアし、慣れてきたらボス発狂を承知で全パーツ破壊といった様にある程度の調整が利く。
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演出面
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ノリノリなハードロック調のBGMが、ミスしてもプレイヤーにリトライを促してくれる。
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シリアスな雰囲気の中に漂うバカゲー臭も健在。
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恒例のミサイル芸、本作ではなんとミサイルにぶら下がって上下左右に移動できるようになった。しまいにはミサイルをきりもみ回転させることが可能で、回転中にマシンガンを左右に撃つと綺麗なsin曲線の弾幕が描かれるというシュールな光景が拝める。
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ファンサービス・過去作からのリメイクの多さ
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1面ボスの奴隷獣タカ改、2面ボスのヨコヅナジュニア、5面ボスの陰獣キムコウや天王鬼ギャバ等、過去作に登場した敵や演出も多い。
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勿論造形や挙動は焼き直し新規に作られており、決して手抜きにはなっていない。シリーズファンも新鮮味を持ってプレイできるだろう。
賛否両論点
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撃破率を採用した弊害だろうが、全体的に中ボス戦が多い。
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ハードの性能が上がったことで、グロテスク表現に気色悪さが増した。特に奴隷獣タカ改やミンチワームに顔をしかめた人は多いだろう。
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ストーリー上仕方ないが、「ビルとランスのコンビでプレイしたかった」というファンは多い。
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代役のパートナーであるルシアはストーリーに殆ど絡まず影が薄い。
問題点
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ボリュームの少なさ
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慣れれば1周40分ほどでクリア。全ステージ撃破率100%を達成したらやる事が無いのもマイナス。
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アーケードを源流とする本シリーズは過去作もボリュームが少ない傾向にあるが、ファンでさえ「この内容で6,800円はちょっと高い」と感じる人が多かった。
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初心者おことわりの難易度
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ステージセレクトを採用することで、初心者にも多くのステージを体験してもらう意図があったのかもしれないが、当の初心者にとってはどの面も相当難しい。
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オールSランクを狙うと更に上昇。2人プレイでは片方が片方を引っ張って行くプレイはまず不可能。
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キャラにボイスが無い。やられた時に何か悲鳴っぽいのを上げる程度。PS2にもなってこれは痛い。
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BGMの音量が小さく、逆に爆発音や銃撃音などのSEがやたら大きくアンバランスである。音量調整機能も無い。
総評
日本未発売のPS作品で相次いでやらかした為、シリーズの終焉を心配されていた中で発売された本作にシリーズファンは歓喜した。
そこにあったのは、ライフ制やアイテム強化でのゴリ押しなど甘ったれた事を許さない、これまで以上に「漢な」魂斗羅だった。
「豊富なやりこみ要素の提示」「UIの洗練」など、雌伏8年の間に家庭用ゲームが大きく進化したため目に付く点があるのは確かだが
2020年代にプレイしても、その骨太なゲームデザインは熱心なアクションゲームファンに受け入れられるだろう。
余談
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同じくPS2専用ソフトの続編『ネオコントラ』が2004年11月3日に発売。
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撃破率、武器3種標準装備、練習モードなど大半のシステムは続投されているが、シリーズで初めて俯瞰視点となりジャンプが廃止された点を中心に賛否両論となった。
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ルシアも意外な形で続投する。一定の評価は得られたのか、以降ルシアがプレイアブルキャラとして採用される事が在る。
最終更新:2024年03月19日 03:14