バトルマニア

【ばとるまにあ】

ジャンル シューティング
対応機種 メガドライブ
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売・開発元 VIC東海
発売日 1992年3月6日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1人
判定 良作
バカゲー
バトルマニアシリーズ
無印 - 大吟醸


トラブル・シューター。
危険な仕事を金で請負い、解決する。

時に非・合・法………。


概要

メガドライバーにビック東海の名を大きく知らしめることとなった、メガドライブ屈指のカルト系シューティング。
犯罪結社「アナグラン商会」の会頭ドン・モルグスティンにさらわれた某国の皇太子デンカを救うために、トラブル・シューターである大鳥居マニアと羽田マリアが出撃する。

システム

  • 基本システムは横スクロールのライフ制シューティング。地形に接触してもダメージにはならないが、地形に挟まれるとどれだけライフがあってもゲームオーバーとなる。
    • コンティニューは回数制。プレイ中にアイテムを取ることでコンティニュー回数を増やすことができる。
  • 敵弾はこちらの攻撃で破壊可能なため、敵弾の回避よりも群がる敵をとにかく破壊していく方面が強い。
  • プレイヤーには相棒のマリアが無敵オプションとして随行し、ボタンで攻撃方向を前後に切り替えられる。
  • また上記とは別にオプション兵器もあり、ステージ開始時に4種類の中から選択可能。
    • 特殊兵器には弾数制限はないが、一度放つとチャージが完了するまで放つことができず、また使用した回数分ステージクリア時のボーナスが減点される。

評価点

  • その馬鹿さ加減とは裏腹に高度な技術に裏打ちされた演出は高いレベルを誇る。
    • グラフィックの描き込みもかなりレベルが高く、多重スクロールによる演出や多関節キャラの完成度の高さは特筆もの。
  • 難易度も比較的抑えめで操作性も優秀なためとっつきやすい。
    • 敵の攻撃は割と激しいが、相手の敵弾はこちらの攻撃で相殺可能で自機の火力も高くライフも比較的増えやすいためシューティング初心者でも比較的楽に進める。
      • コンティニュー回数アップのアイテムも比較的多く配置されているので、火力の高さも相まってコンティニューからの復帰が比較的楽なのも大きい。
    • 横スクロールシューティングでは定番となっている地形接触のダメージも撤廃されており、ダメージを受けても無敵時間が発生するためあまり神経質にならずに楽しめる。
    • オプションの特殊兵器も時間チャージ式の制約があるとはいえ使用回数無制限で使えるため、初心者であればごり押しがある程度通用するのもうれしいところ。
    • とはいえクリア時のライフが少なかったり特殊兵器の使用数が多いとステージクリア時のボーナスが減額されるので、ハイスコアを狙うなら被弾を避けつつ特殊攻撃の使用も最小限にして進むという楽しみ方もできるのは大きい。

バカ要素

本作を語るうえで欠かせないのはその大量に放り込まれたバカ要素であろう。

  • 電源投入後のセガロゴを主人公たちの乗る車がひき逃げする。
    • さらにセガロゴ画面時に裏技コマンドを入力すると某弁当箱を主人公が踏みつける演出が入る。
  • ステージ1が当時のセガの地元である京急線ガード下を模している。
    • そもそもが大鳥居マニアの名字はセガ本社(当時)の最寄り駅、羽田マリアはセガ本社(〃)の所在地から取られている。 これセガのゲームでしたっけ?
  • ステージ1のボス敵からとにかくギャグが連発。
  • ステージ間のデモもネタが連発。
  • コンティニュー画面に現れる賽銭箱に「魂亭入」と書かれている。
  • いろいろとあふれまくっている開発陣のセガLOVE具合。
    • その愛がセガにも受け入れられたのか、何世代も後のセガハードでリリースされたセガ謹製ゲーム「セガガガ」の真EDムービーにて本作の主人公が、セガ陣営としてセガオールスターと肩を並べて参戦した
      • その戦いの相手は、他社のゲームハードやゲームキャラオールスターである。あれ?怒られた件(後述)は?

賛否両論点

  • れっきとした商業作品であるが、やや同人臭さが鼻につくため人によっては合わない可能性も。
  • オプションのマリアはボタンで左を向かせることは出来るものの、自機のマニアは右にしか攻撃できないため、やや面倒なステージがある。

問題点

  • ステージ数が6と少なく、難易度的にもやや簡単。
  • ステージ間のデモは若干簡素な傾向。

総評

バカゲー要素が目立ちがちな作品だが、基本となるシューティング部分は完成度が高いため単なるバカゲーで終わらない魅力を持った作品。
難易度的にもとっつきやすく、演出の完成度や多彩な展開はプレイヤーを飽きさせないので、一風変わったシューティングを遊びたい場合はお勧めではある。
とはいえ、後述の通りVCや配信は絶望的なため、遊ぶハードルが高すぎるのが厳しいが...

余談

  • 本作は北米にて『TROUBLE SHOOTER』と改題されて発売されている。
  • 本作は元々アーケード向けで2人同時プレイ可能なシューティングとして開発されていたが、後にコンシューマ向けに切り替えられた経歴を持つ。
    • その際にコンシューマ向けで2人同時プレイ対応してもあまり遊んでくれないという理由でマリアがオプション扱いになったとのこと。
  • 本作で有名な裏技を入れたきっかけは、予算と人員をSFCの開発チームに取られた恨みであるとのこと。
    • ちなみにその裏技を入れた件についてはセガから直接怒られる事は無かったものの、後日サードパーティ各社に「他社のハードを侮辱するような描写は控えるように」との通達が回ったらしく、確実に”弁当箱の裏技”が原因だっただろうと開発者は述べている。
  • こういった作風ゆえにVCや配信は絶望的なため、中古価格はかなり高騰している。
    • とはいえ、配信が過去になかったかというとそうでもなく、過去にはセガのゲーム配信サービス「セガゲーム本舗」にて続編共々配信されていたことはあった(参照)。
  • 1988年にSNKより、『パドルマニア』と言う非常に名前の似たアーケードゲームが出ている。
最終更新:2024年08月01日 17:15