Crystal Caves

【くりすたる けいぶ】

ジャンル 2Dプラットフォーマー
対応機種 MS-DOS
Windows(Steam)
発売元 Apogee software
開発元 Apogee software
発売日 1991年10月23日
判定 良作
ポイント パズル要素強めの2Dプラットフォーム
豊富なボリューム
難易度は高め


概要

Commander Keen』の成功を受け、翌年の1991年に発売されたApogee software(後の3D realms)の2Dプラットフォーム作品。
Miner 2049er』に影響を受けて製作されており、炭鉱夫という設定などにその名残が見られる。


ストーリー

マイロ・スチームウィッツは、一攫千金を夢見てさまざまな惑星を巡る宇宙探鉱夫。

彼の銀河では今、新しいペットとして宇宙生物「ツイブル」が大人気となっていた。

ツイブル牧場を建設し、ペットを飼育して億万長者となるため、マイロはアルタイリアン星系の危険な鉱山惑星へ到着。ロケットガンを手に、クリスタルの眠る洞窟へと潜っていくのだった。


ゲームシステム

  • 炭鉱夫マイロ・スチームウィッツとなり、炭鉱惑星にあるクリスタルをかき集める2Dプラットフォーム。
    • 全3エピソードで構成されており、各エピソードごとにハブレベルから各レベル(16個、順不同)に侵入、クリスタルを全て取得してゴールへと向かう。
    • 全てのレベルをクリアするとエピソードクリア。残機の概念はなく、何度やり直してもゲームオーバーになることはない。
    • プレイヤー体力は3で、敵や針などに接触するとダメージを食らう。一部地形は即死。

基本操作

  • アローキー左右で移動し、Altキーでロケットガン発射(スイッチの起動)、Ctrlキーでジャンプを行う。
    • Qキーでメニューを開き、リスタートやヘルプを参照できる。ハブレベルの場合のみセーブが可能。

アイテム・クリスタル

  • クリスタル
    • レベルのクリアに必要なアイテム。全て収集すると出口が開くようになる。
  • 工具
    • スコップやピッケルといった工具。取得するとボーナスが入る。
  • 果物
    • ランダムで出現する得点アイテム。取得するとボーナスが入る。
  • 宝箱
    • 黄色のキーを取得した状態で接触すると開けられるアイテム。取得するとボーナスが入る。
  • タマゴ
    • 破壊すると文字の現れるタマゴ。「BONUS」の順に取得すると高得点が得られる。
  • ロケットガン
    • マイロの主力武器。取得すると弾数増加。クリア後もリセットされず、ほかのステージにも持ち越しが可能。
  • Pピル
    • 一定時間ロケットガンを高威力のロケットに置き換えるアイテム。通常のロケットガンでは破壊できない敵も破壊することができるようになる。
  • Gピル
    • 一定時間重力が反転する。取得すると消えてしまう。
  • Stop標識
    • 一定時間敵の動きを止め無力化する。

ギミック

  • リフト
    • 縦方向と横方向の二種類が存在。上に乗って移動することができる。
    • 最初から動いているものもあれば、スイッチを押すと動き始めるものも。
  • レバー・ドア
    • 赤・緑・青の三色のドアがあり、対応するレバーを作動させるとレバーと同じ色のドアが開く。
  • エアジェネレーター
    • 炭坑内に空気を供給する装置。攻撃を加えて破壊すると一瞬で死亡してしまう。
    • マイロが唯一破壊可能なブロック。ただしロケットガンは水平方向にしか発射できないため、破壊する順番を考えなければ詰む。

評価点

動かしやすい操作性

  • コマンダーキーンに存在した慣性の概念はなく、『マリオ』などと同様に機敏なジャンプを繰り出せるようになった。
    • 精密なジャンプを要求される場面は多いが、慣れればストレスなく進んでいくことができる。

よくできたパズル要素

  • スイッチや氷などのギミックを駆使したパズル要素の濃いレベルデザインとなっており、一筋縄ではいかない難関ステージも多い。
    • とはいえ突破に精密動作を要求されるというわけでもなく、程よい難易度となっている。

豊富なボリューム

  • 全48面となっており、個々のステージの難易度も相まってボリュームは多め。

何度でも挑戦できるリプレイ性

  • 残機の概念がなく、何度でも挑戦可能。また、いつでもハブレベルに戻れる仕様となっており、難しい場合でもハブレベルへ戻って別のステージを選びなおすこともできる。

問題点

色合いの不気味なグラフィック

  • MS-DOSの性能の都合上色合いはかなり独特となっており、マイロの肌の色などおかしい部分も多い。

BGMがない

  • 『コマンダーキーン』同様にBGMがなく、プレイ中に鳴るのは効果音のみとやや寂しめ。

詰み前提のマップデザイン

  • 一度使うと消える重力反転ピルや、水平方向からでしか破壊できない氷を使う謎解きなど、一部ステージは正解の方法を取らないと最初からやり直さなければならなくなる厄介な構造を採用している。
    • 解法が分かりにくいわけではないものの、2Dプラットフォームとしてはやや不親切。

総評

堅実な2Dプラットフォーマーとして作られており、シンプルながらも遊びごたえのある作品。
グラフィックやBGMなど、MS-DOSの性能に起因する問題点も見受けられるものの、無理なく遊びやすい作品に仕上がっている。

現在もSteamにて安価で販売中。HDリメイク版も発売されており、Apogeeファンを中心に高い評価を得ている。


余談

  • 2020年10月には、Emberheart Gamesによって『Crystal Caves HD』が発売された。こちらは新たにBGMが追加され、グラフィックもより色鮮やかなものとなっている。
  • 本作の発売後、本作で使用されたエンジンを利用して『Secret Agent』という作品が作られた。ゲームシステムなどに多くの共通点が存在するが、こちらは鉱夫ではなくスパイ映画を題材としたアクションゲームとなっている。
最終更新:2021年07月27日 12:43