Devious Dungeon 2
【でゔぃあす だんじょん つー】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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Nintendo Switch PlayStation Vita プレイステーション4 Windows(Steam)
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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【Switch/PSV/PS4】eastasiasoft 【Win】GrabTheGames、Ratalaika Games
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開発元
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Ratalaika Games Woblyware
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配信開始日
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【Switch】2019年11月7日 【PSV/PS4】2019年11月8日 【Win】2020年10月22日
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定価
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【Switch/PSV/PS4】880円 【Win】820円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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3箇所・オートセーブ方式 |
レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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なし
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ポイント
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ローグライクなダンジョン探索型横アクションRPG ゲームバランスはかなり大味 セーブデータ消去の危険性
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概要
Ratalaika GamesとWoblyware開発のマルチプラットフォームによるダウンロード専売ソフト。
ジャンルはダンジョン探索型の横スクロールアクションRPGだが、ステージクリア方式でありメトロイドヴァニア系とは趣旨が異なる。
邪悪な召喚士によって生み出された凶暴なモンスターがはびこる城内を舞台に、命知らずの3人の男が城内のダンジョンへと乗り込み財宝獲得を目指すという設定。
ゲームルール
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プレイヤーキャラについて
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ゲーム開始時ではセーブ画面にて3人のいずれかからプレイヤーキャラを選択できる。
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3人には明確な性能差があり、それぞれに使い勝手が異なる。セーブデータは選択したキャラで固定され、同一データにおけるキャラの変更はできない。
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以下に3人のプレイヤーキャラの性能差を表記する。
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プレイヤーキャラ一覧
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バーサーカー
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狂戦士。武器攻撃の当たり判定が大きく、防御性能に優れる。
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メイジ
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魔術士。武器攻撃が半飛び道具タイプなためリーチが長く、ジャンプ中の一時滞空が行える。
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ローグ
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盗賊。移動速度に長け、さらには二段ジャンプが行える。
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ゲームの流れ
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城内にあるダンジョンを部屋及びバトルの順番に攻略していく。全6部屋×5バトル構成。
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部屋全域における攻略順としては「バトル1 ⇒ バトル2 ⇒ バトル3 ⇒ バトル4 ⇒ バトル5(ボス戦)」という流れとなる。
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各部屋におけるバトル1~4とバトル5はクリアまでの経緯が異なる。詳しくは下記のバトルクリア条件を参照にして頂きたい。
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バトル1~4は敵や仕掛け等の配置が毎回変化するローグライク方式、かつ上下左右にスクロールする迷路構造。バトル5はボス戦のみでほとんどスクロールしない。
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一度足を踏み入れたバトルであれば、城内のセレクト画面にてそこからの再開が行える。邪悪な召喚士が待ち構える最後のバトルをクリアすればエンディング。
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ダンジョン攻略の前には城外にて、装備品の購入や有料でのライフ全回復が行える施設を利用できる。
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また、各バトルを到達した後は休憩地点として、先述と同じ施設が利用できる。なお、休憩地点を通過してしまうと後戻りはできない。
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操作体系
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プレイヤーキャラの基本操作は移動とジャンプ及び攻撃がメイン。比較的オーソドックスな操作体系となる。
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アナログスティック等で左右移動、ジャンプボタンでジャンプを行う。メイジ使用時は滞空ジャンプ、ローグ使用時は二段ジャンプも行える。
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攻撃ボタンでプレイヤーキャラに応じた武器攻撃を行う。ボタン押しっぱなしで連続攻撃も可能。攻撃範囲はプレイヤーキャラ前方のみ。
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その他にもアナログスティック等とジャンプの組み合わせで一部地形からの落下操作ができる。また、ゲートへの侵入は攻撃ボタンで行う。
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専用ボタンを押すとダンジョンの地形とプレイヤーキャラの位置などを知らせてくれるMAPを表示できる。
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レベルアップと装備品について
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プレイヤーキャラにはレベルが設定されており、敵を倒すなどで経験値を一定まで溜めるとレベルアップする。
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レベルアップ後は「攻撃力」「HP」「クリティカル率」のいずれかの最大ステータスをどれか1つだけ上げられる。また、自動的にHPが全快する効果もある。
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城外などで売られている装備品を購入及び装備する事でも各種ステータスの上昇が行える。
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装備品は大きく分けて「武器」「防具」「装備アイテム」「アクセサリー」があり、装備アイテム以外はそれぞれ1種類ずつの装備ができる。
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各装備は後のものになるほどの高価格化・高性能化する傾向にあるが、前の装備をすべて購入しないと後の装備は購入できない。
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武器に関しては装備によって攻撃のリーチが異なり、さらには敵に「毒ダメージを追加」「凍結で動きを鈍らせる」といった付加効力が発生するものもある。
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装備が売却等で消失する要因はなく、購入したものは永久的に所持された状態となる。施設内であれば他の装備への付け直しも可能。
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アイテムについて
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ダンジョン探索中は「そのまま放置」「敵を倒す」「置物や隠し通路の先に配置されている宝箱を破壊」等で以下のアイテムが手に入る。
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アイテム一覧
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コイン 宝石
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溜めておくと装備品購入などに使用できる通貨アイテム。共に複数種類あり。 コインは置物破壊や敵を倒すと頻繁に出現。宝石は宝箱の破壊で出現し、コインよりも入手できる通貨量が桁違いに多い。
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財宝
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獲得するとコレクションとして登録される低出現率アイテム。全20種類あり、初回のみ新たな財宝を獲得すると報酬として大量の通貨も手に入る。
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本
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経験値が大量に増える低出現率アイテム。入手経験値はプレイヤーキャラのレベルが高いほどに増す。
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ポーション
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HP回復アイテム。出現率は高めだが全編通して1種類しかなく、雀の涙ほどの回復量しかない。
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鍵
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バトル1~4のどこか1箇所に放置されている重要アイテム。これを獲得しないとゲートが機能しない。
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バトルクリアとミス条件について
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バトル1~4とバトル5におけるクリアまでの経緯は以下の通りとなる。
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バトル1~4においては鍵を取得した状態でダンジョンのどこかにあるゲートへと到達すればステージクリアとなり、これを3ステージ分行えばバトルクリア。
必ず3回分のステージクリアが必要で、それまでにミスするとどれだけ進行していようがそのバトルが最初からやり直しとなってしまう。
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バトル5においては即ボス戦が始まり、ボスを倒した目先にあるゲートに到達すれば部屋全体のクリアとなる。ボスは部屋によって顔ぶれが全く異なる。
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敵ダメージなどでプレイヤーキャラのライフが0になると戦死となり、レベルや装備品等はそのままにライフ全快の状態で城外に戻される。
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本作にはゲームオーバーとなる要因はなく、プレイヤーキャラが弱体化する心配もない。実質上の残機無制限&無限コンティニュー状態といえる。
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報酬と称号について
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特定数の敵討伐やアイテム獲得の累計が特定値に達すると、報酬として通貨が大量にもらえるボーナス。報酬条件は達成するたびに別のものへと入れ替わる。
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アイテムの財宝を獲得したり、時折出現する12体の賞金首の敵を倒すと、報酬による通貨ボーナス獲得と共にコレクションとして登録される(初回のみ)。
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やり込みの一環として条件を満たすと称号の項目に印が付く。全24項目あり。称号はすべてのセーブデータ共用での記録となる。
評価点
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アクションゲームとしての単純明快さ
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アクションゲームとしては「鍵を取ってゲートに入り、ボスを倒す」という単純明快な内容で、特別に難解な要素はない。
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ゲームバランスは問題点の通り著しくないが、腕前と運次第では比較的短時間でオールクリアできる。操作性に関しても軽快かつオーソドックスで遊びやすい。
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迷路構造といってもそこまで迷わせるものではなく、攻略が順調であれば3分位でステージクリア可能。そのためテンポに関しても軽快な部類に入る。
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おどろおどろしさ溢れるグラフィック
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いわゆるレトロ調に描かれた粗いドットのグラフィックでありながら、その描き込みはなかなかに丁寧。
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ダンジョン内におけるおどろおどろしい雰囲気が上手く表現されており、生きるか死ぬかの激しいバトルがひしひしと伝わってくるグラフィックとなっている。
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装備品によってプレイヤーキャラの容姿や武器のグラフィックが毎回変化する。それぞれ3キャラ分用意されているのも嬉しい。
問題点
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プレイヤーキャラの虚弱体質ぶり
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プレイヤーキャラの当たり判定が尋常じゃない位に大きく、ダメージ回避がかなり困難となる。
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敵やその攻撃にかすっただけでも余裕でダメージを食らうほどの深刻さで、さらにはダメージ後の無敵時間が短いため連鎖ダメージによる致命傷も普通に起きる。
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それに加え敵がやたらと多く配置されており、ノーダメージで進ませてくれる気配が感じられない。ジャンプ中に死角からの敵へと激突という罠にも遭遇しがち。
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メーカーの公式HPプレイ動画ですらもダメージをまともに回避しきれていない有様で、いかに本作の当たり判定が異常なのかが確認できる。
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ダンジョン攻略中におけるHPが回復する機会が少ないのもきつい要因。
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ポーションは1つあたりの回復量がたったの5。しかもそれほど頻繁には出ないため、全く当てにならない。先の部屋に進むと敵ダメージが段階的に増してくるのも厄介なところ。
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レベルアップによる全回復が唯一のまとまった回復手段だが、そう易々とはレベルアップできないため、これも大きな期待はできない。
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こういった環境のため、バトル1~4のステージは「敵とはあまり関わらず、必要最小限の行動を心がけ、後は運次第」といった攻略法でないと厳しい。
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一方でボス戦のみのバトル5はボスだけに集中すればいいため、バトル1~4に比べると安定した撃破が行いやすい傾向にある。
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ダンジョンのバリエーションに乏しい
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一見ではローグライクで繰り返しプレイに耐えうる内容に思えるが、実際のところは敵や仕掛けの種類が少なく飽きやすい。
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先の部屋に進んでも外見とステータスを変更しただけのコンパチの敵キャラがひたすらに使い回され、新たな敵に遭遇する面白みがいまいち感じにくい。
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仕掛けに関しても似たり寄ったりのものが多数で、この部屋ならではのダンジョン構造という個性がほとんどなく、同じようなプレイとなってしまう。
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実は各部屋におけるバトル1~4に登場する敵や仕掛けは共通なので、実質は同一ダンジョンを12ステージ分繰り返し行っているに過ぎない。
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コイン
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敵や置物から出るコイン、やたら飛び散る。しかもその方向が全然予測できないため、回収が面倒。1度出現したらたとえ画面外に出ても消えないのが救いではあるが、登っている途中で下に落ちたりすると、特に鬱陶しい。
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セーブデータ消去の危機
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セーブデータの選択画面のカーソル初期位置が、あろうことかデータ消去アイコンに合っている。
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うっかりそのままボタンを押そうものなら、セーブデータ消去の危険を伴う。幸いにも消去をするかの滑り止め選択があるため、いきなりの惨事にはなりにくい。
総評
主にゲームバランスの面でいくらか問題はあるものの、アクションゲームとしては分かりやすい内容ではある。
完成度はお世辞にも高いとはいえないが、決して遊べないほどのものでもない。この微妙な雑さ加減がある意味、本作における味といえるかもしれない。
最終更新:2024年07月03日 19:44