桃太郎電鉄2010 戦国・維新のヒーロー大集合!の巻

【ももたろうでんてつにせんじゅう せんごくいしんのひーろーだいしゅうごうのまき】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 Wii
発売・開発元 ハドソン
発売日 2009年11月26日
定価 6,090円(税5%込)
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
廉価版 みんなのおすすめセレクション
2011年1月20日/2,800円(税5%込)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 日本列島が大きい桃太郎電鉄
ゲストボンビーは2種類登場
前作から受け継いだゲームバランス
桃太郎シリーズリンク


概要

従来の桃太郎電鉄と同様に、サイコロとカードを使って日本列島のボードマップを遊ぶシリーズ19作品目の桃太郎電鉄シリーズ。オープニングは桃太郎電鉄のラッピング電車が運行している様子を映しており、「それいけ!桃鉄」の曲が流れている。
当初は『20周年』のDXバージョンとして開発されていたが、開発が進むにつれて変更点が多くなり、新規タイトルとなった。また発売日が予定の1週間繰り上げて発売されている。
ルールの詳細は桃太郎シリーズの桃太郎電鉄概要を参照。

ゲームモード

Wiiで発売された『16』のモードを概ね引き継いでいる。 ニンテンドーWi-Fiコネクションで知らない人と対戦するモードを新たに搭載し、フレンド戦ではシリーズとして唯一のWiiスピークに対応。

  • つづきから
    • セーブデータは10本まで保存できる。
  • ひとりの桃鉄
    • いつもの桃鉄
      • COMキャラは2種類に固定。プレイヤー含めて三人で遊べる。
    • 桃鉄10年トライアル!
      • 桃太郎電鉄を10年遊び総資産を全国ランキングで競い合う1人用モード。対戦相手は風神とあしゅら。
    • 桃鉄3年決戦!
      • 急行周遊カードとぶっとびカードを持ち1億円を持って桃太郎電鉄が始まる。プラス駅、マイナス駅、目的地の金額が従来より多く、デビルカードやキングボンビーまでも多い。
  • みんなの桃鉄
    • いつもの桃鉄
      • 4人まで対戦ができる。COMを入れることも可能。
    • 桃鉄3年決戦!
      • 上記同様。
    • Wi-Fiで対戦!
      • ニンテンドーWi-Fiコネクションで知らない人と対戦するモード。シリーズとして唯一のWiiスピークに対応。喋りながらWi-Fiで対戦できる。現在ではサービスが終了しており、そのモードは遊べない。
  • おまけ
    • 記録室
      • いつもの桃鉄と桃鉄3年決戦!で今まで遊んだ記録の色々なランキングを見る事ができる。
    • スタッフロール
      • 100年プレイを最後まで遊ぶと出現する。
      • 最後に「毎日が 桃太郎電鉄のような 平和な日々で ありますように!」と表示されるが、どう見ても平和ではない。
    • カード制覇
      • カード一覧を見られる。入手していないカードは××××カードと表記される。
    • 温泉
      • 女湯を覗ける。50年目に天草駅が登場し、横の温泉を虫眼鏡で覗くと女湯を覗くことになり、この項目が出現する。
      • 全年齢対象なのでマイルドな表現である。
    • こまかい設定
      • ゲームデータの削除とゲーム設定の変更ができる。

特徴

  • 「歴史キャラ」は「歴史ヒーロー」に改名し、数も増加。
    • 前作同様に、指定の駅を独占するとその駅にちなんだ歴史上の人物が加勢をし援助を行う。前作では20人だったが、本作では27人になった。
  • ボードマップの大きさが1.5倍に拡大。路線図の形が今までの桃太郎電鉄と大幅に変わっている。
    • ボードマップのマス数が増えたので「リニア周遊カード*1」が登場。それによりサイコロの運によってマスに止まれないことも滅多になくなった。
    • マスとマスの間隔がある程度統一されやや長くなった。
  • カードバンク駅が登場した。
    • カードバンク駅に止まると、カード便利にの預け入れ・引き出しが行えるようになり、手持ちのカード枚数の増強、管理の面で便利になった。64年目から出現する。
  • 鉄道省駅が復活し、金額も最小の中国四国鉄道で1000億と上昇し高額になった。物件も全体的に金額が上昇しており、例に出すと桃太郎ランドは1兆円から10兆円と10倍に上昇している。
  • 『16』まで対応していなかった16:9の画面出力とクラシックコントローラーに対応した。
    • クラシックコントローラーではPS作品と同様の操作で楽しめる。

COMキャラ

COMキャラは12種類登場し、桃太郎電鉄としては2番目に多い。

+ COMキャラ一覧
  • 天邪鬼 (アマノ)
    • 階級は無段。名前の通り行動は目的地をあえて目指さない・他のプレイヤーの名前を勝手に変えるなど奇行を中心としている。(名前を変える行為は数ヶ月で元に戻ったりその他と言うコマンドに段階を経て名前を戻せる)
    • 「金は天下の回り物」と言い他のプレイヤーから10~3000万円を集金する。(金額は年数が上がっていく度に徐々に増える)その代わり他のプレイヤーが本人とぴったり重なったら、お金、カード、物件、をランダムで奪える。(本人が上記の物を持っていない場合は重なった方がランダムで飛ばされる)
    • 汽車ではなく本人がマップを移動する。
    • 絶好調になると、他のプレイヤーを海上に吹き飛ばされ、サイコロが3個になり、プラス駅とマイナス駅とカード駅全般が特定のマスに塗り替えられてしまう。特定のマスに止まると強制的にマスの効果が発動し非常に厄介な絶好調である。
  • まめ鬼 (まめオニ)
    • 階級は初段。桃太郎電鉄シリーズの中でも一番弱く、サイコロの数も1~3しか出ない。(移動するサイコロのみ)
    • 絶好調になると、サイコロの出目が1~6になり他のプレイヤーにカードをあげたりする。
  • 赤鬼 (あかオニ)
    • 階級は二段。カードは急行系とふういんと冬眠と徳政令を使う。
    • 絶好調は通常状態と変わらない。
  • むじゃ鬼 (むじゃき)
    • 階級は三段。賢さは赤鬼とそんなに変わらないが、絶好調が弱いCOMキャラの中では非常に厄介な効果である。
    • 絶好調になると、左下の項目の中に「うんち」が追加され、「うんち」を押すとうんちカードととびちりカードと指定うんちカードが使える。また本人はうんち突入カードの効果を発揮しており、絶好調の間はうんち禁止カードが使えない。
  • 黄鬼 (キキ)
    • 階級は四段。手に入れたカードは無制限に使え尽きることはなく、*2損害系カードは効果を発揮せず、そのまま消去する事が出来る。*3
    • 絶好調になると、持っているカードを他のプレイヤーに与え、他のプレイヤーが得をするような形となっている。
  • 馬鬼 (うまオニ)。
    • 階級は五段。農林物件を愛するCOMキャラであり、絶好調も農林物件に関連している。
    • 絶好調になると、所有している物件が10%上昇し、カード駅に止まると急行系カードの割合が高まる。
  • 餓鬼 (ガキ)
    • 階級は六段。これまでのCOMキャラは攻撃系カードをそれほど進んで使わなかったが、本人は攻撃系カードを積極的に使い、絶好調もそれに関する物となっている。*4
    • 馬鬼は農林物件の好むのに対し、本人は食品物件を好んでいる。
    • 絶好調になると、サイコロが2~4個に増え攻撃系カードの命中率が3倍に上がる。また一定の期間が経つと確率で、異例なPERFECT状態になったりする。攻撃系カードの命中率が100%になったり、相手に食品物件を買えなくさせる。PERFECT状態が終了すると絶好調も終了する。また絶好調とは別でスランプ状態になる事があり、サイコロの数が1~3しかでず、攻撃系カードの命中率が10%を下回る。スランプ状態の効果は『2017』の絶不調に似ている所があるかもしれない。
  • 妖気妃 (ようきひ)
    • 階級は七段。前作で二段だった本人は大幅に昇格し七段に、これ以降の作品では上級者となっている。
    • 絶好調になると、瞳が妖しく光り毎ターン他のプレイヤーの一人に妖しい踊り(カードを毎ターン一枚落とさせる)・妖しい目つき(眠らせる)・妖しい炎(物件を一件燃やす)のどれかをしてくる。またこの攻撃をしてもターンは終了しない。
  • 風神 (ふうじん)
    • 階級は八段。ぶっとび系カードが大好きで、カード駅ではぶっとびカードが手に入れやすく、その為かカード駅に止まりに行く傾向がある。
    • ヘリコプターの速度が本人の時だけやや速くなっている。
    • 絶好調になると、サイコロが2~4個になり左下の項目の中に「術」が追加され、ぶっとびの術(風の流れをよみ目的地に近くに飛ぶ)・つむじ風の術(他のプレイヤーのぶっとび系カードを消滅させる)・竜巻の術(全員が持っているカードをシャッフルさせる)かのどれかを行う。またぶっとびの術では目的地にひとっ飛びする事が稀にあり、急いで目的地に近づかなければならない。
  • あしゅら
    • 階級は九段。上級者向けのCOMキャラであり、貧乏神を積極的に避ける習性を持つ。意地悪なプレイを嫌いあっちいけカードを除き攻撃系カードは使わず、歴史ヒーローの加勢を断る。
    • 絶好調になると、一度に3回行動できサイコロが2個になり、武器よさらばカードを手に入れる。また貧乏神が近くに居たら貧乏神が付いているプレイヤーを吹き飛ばす。
  • エンマ
    • 階級は名人。攻撃系カードを積極的に使い、貧乏神を積極的に避け、目的地を目指す統合性の高いCOMキャラである。
    • 徳政令カードを自分が借金じゃない時でも使う事がある。
    • 絶好調になると、サイコロが4~6個になりふういんカードを手に入れ、鬼族の長・エンマの絶好調を祝って鬼たちからお祝い金が貰える。またあしゅらを除く全員を絶好調にさせる事もある。 (エンマがあしゅらにさせないのではなくあしゅら自身が断る)
  • さくま
    • 階級は鉄人。史上最強のCOMキャラであり、ラッキー運が組み込まれている。(貧乏神が変身する可能性が低い・目的地に到着されて貧乏神が付いたら次の目的地の近くになる場合があるなど)
    • 相手の物件を三倍の値段で吸収合併する場合があり、払った金額は相手に渡る。
    • 絶好調になると、ラッキー運がさらに上昇しマイナス駅がプラス駅になり、プラス駅の金額が5倍に上がりサイコロが6~8個になり、攻撃系カードを跳ね返す。また本作から絶好調期間がプレイヤーと他のCOMキャラより長く設定された。またCOMキャラが全員さくまの時はさくま全員が絶好調になる時がある。

ボンビー

  • 新ボンビーは「エアプレンボンビー」と「バクレツボンビー」。
    • エアプレンボンビーは、ターン終了後にとりついている汽車を掴んで一緒に飛び、ランダムで物件駅に移動させてしまう。さらに移動後は航空運賃として持ち金を請求される。キングボンビーのお金捨てよりは優しめ。
      • 毎ターン自由気ままに飛ばされるため、目的地周辺に飛ばされてラッキーと思いきや、すぐに別の場所に飛ばされて無駄になることが多い。なすりつけるのも難しく、上位COMですらなすりつけを放棄して明後日の方向に動くことがよくある。
      • 目的地から最も遠いプレイヤーにとりついている場合でも他のプレイヤーは全く油断できない。突然目的地寄りに飛んでいって目的地レースに追いつけなくなってしまうことも。
      • 厄介なボンビーだが宇宙空間では動かないので銀河鉄道カードを使うのも一つの手だろう。
    • バクレツボンビーは特に何もしなければ被害はないが、とりついている汽車がワープ以外で9マス移動すると大爆発し、手持ちのカードが全部焼けて使えなくなり修理料金まで発生する。金額はキングボンビーのお金捨てより厳しい。
      • 相手の汽車と重なったら9マス以上移動してもOK。その場合はいつものボンビーのように相手に付いて行く。他のボンビーと同じく、移動やカードを使ってターンを消費し、数か月経過すると貧乏神に戻る。爆発した場合はその直後に貧乏神に戻る。
      • バクレツボンビーが爆発した場合、近くにいるプレイヤーも巻き添えで持ち金の被害を受けてしまう。
      • なお、バクレツボンビーがいるときに急行系カードを使うと、秘書が「なすりつける自信があるのですね?」と確認してくれるので、誤って急行系カードを使ってしまう事故は起きにくい。
      • 一方で絶好調状態だとサイコロの数が強制的に増えてしまい、一変して地獄を見る羽目に。 上位COMほど自滅に追い込まれやすい。
  • 貧乏神・ミニボンビー・キングボンビー・ハリケーンボンビー・ボンビーモンキーは本作も登場する。
  • キングボンビーの変身演出が、「3・2・1・GO」の「1」の所で変身する場合を除き、雷の景色がほぼ見えなくなるほど大きくなった。

イベント

  • スリの銀次
    • 時事ネタが廃止され、歴史上の人物に変装して悪行を行うように。
    • これまではマイナス駅、カード駅、カード売り場駅が出現対象だったが、本作からプラス駅にも出現するようになった。
  • 里見八犬伝イベント
    • 8つの玉を全て集めると、目的地に移動し10倍の援助金がもらえる。ここまでは前作と同じだが、倍率は10倍止まりで増えることはなくなった。
    • 一方、到着時に新たなカード「3つの願いカード」がもらえる。強力なカード3枚の中から1枚選んでカードをもらえるというもので、3回まで使用可能。
      • 中でも「シンデレラカード」は桃太郎ランドを除いた全ての物件を無料で買えるという強力な効果を持つ。ただし、12月になると徳政令カードに変化するという仕様も。
  • 長期プレイでは空港に怪盗ジパングが登場することがある。これは前作にもあった要素。
    • 初めに3人が登場するが、本物が1人だけで、本物が止まっているマスに止まるとぴったりカードがもらえる。捕まえられなかった場合は怪盗ジパングが美術館の物件駅に行って美術品を盗み、美術館は信用を失い倒産、購入していたプレイヤーは保有権を失う。
  • 『G』以来出番がなかったドジラースが復活した。長期プレイの中盤以降に出現。
    • 内容は過去作とは異なり、ドジラースが目的地を破壊し1年以上通過させなくするというもの。破壊された駅の物件の所有権は消滅してしまう。
    • 破壊中は貧乏神がどこかに遊びに行ってしまうので、悪行を受け続けることはない。

評価点

  • COMキャラが12種類と多く、個性豊かなCOMキャラがを楽しませてくれる。
    • 中でも天邪鬼や黄鬼など一部のCOMは、最初から人間プレイヤーにない特殊能力を設定されている。どちらもあまり強いCOMではないが、ゲームを盛り上げる要素としては申し分ない。
  • 前作で厄介だった水戸拷問が削除された。
  • 歴史ヒーローのゲームバランスが少し改善された。
    • 大久保利通が「廃刀令」として自分含む全員のカードを消滅させたり、福沢諭吉が持ち金を平均化させた結果持ち金が大きく減少したりと、加勢しているプレイヤーにも被害を与えるパターンが増え、強さ一辺倒ではなくなった。
    • 一部ヒーローの独占駅が変更されたことで加勢にかかる期間も手間も増え、被害を与え続けることが減った。この傾向は次回作『2017』以降でも顕著になっている。
      • 例えば全国から選ばれた任意の8駅に飛べるという強力な効果を持つ源義経は、独占対象が平泉から京都に移動したことによって必要額が21億3000万円から397億円にまで上昇した。
  • ターンを終了しないカードが何か分かりやすくなった。
    • 文章文の末尾に◎があるカードはターンを使わないカード。一定期間プレイすると画面が切り替わり夜叉姫が説明してくれる。どのカードを使うかという戦略が初心者でも立てやすくなった。
  • 徳政令カードの0円化。
    • 借金をチャラにしてくれるお馴染みの徳政令カードは、本作からカード駅で0円で売られるようになった。
    • 非常に思い切った処置ではあるが、このカードが必要なプレイヤーは大抵の場合度重なる貧乏神の悪行などにより莫大な借金を負っているので、0円化の恩恵は大きい。
      • カードを倍の値段で買ってくるという悪行をするその貧乏神でさえも、この徳政令カードに限っては全くのタダでもらってくるようになっている。
  • 決算前の演出が『V』同様スキップできるようになった。

問題点

  • 歴史ヒーローが相変わらず強すぎる。
    • 特に伊達政宗は、前作と変わらず進行形カードのランクアップと周遊化を行ってくれるが、急行系最強かつ伊達政宗の加勢でしか手に入らない「リニア周遊カード」も生み出すため、本作屈指の強キャラとなっている。
    • 織田信長、坂本龍馬、平賀源内など独占の金額が強さに比例しないパターンもまだ多い。
    • マップが広大になった本作では歴史ヒーローたちの強さも相応に上昇しており、強すぎると言われた『20周年』と比べても更に強すぎるという代物になっている。その結果、有用な歴史ヒーローの場所や存在を知っている人と知っていない人で埋めようのない大きな格差が生まれることとなった。
      • 知っていると有利になる要素を組み込むことはバランス取りとして決して間違いではないのだが、本作のそれは強力すぎた。上位プレイヤーに複数の有力歴史ヒーローがついた場合、数多くの逆転手段をもってしても初心者や下位の逆転が非常に難しくなってしまう。
  • 怪人二十一休さんが本作から登場。7個のサイコロを振り、20以下なら今いる場所で21か月休み続ける、21以上ならカードが貰えるという仕様。
    • 負けたら1年以上の非常に長い期間を休まなければならず、対人戦では気まずい。一方で勝ってもやや強力なカードが貰えるだけであり、ペナルティと明らかに釣り合っていない。休んでいる間に貧乏神がつくことはないという隠れたメリット?もあるが…
      • 次回作以降も相変わらず登場しており、厄介な存在である。
  • 北海道地方の岩見沢のカード売り場駅では「だじゃれカード」という行動不能にさせるカードが最初から売っている
    • 便利系いっぱいに買われると8か月間行動不能になる。それだけでも問題だが、尽きる前に繰り返し買われると、場合によっては永遠に行動不能になってしまう。かなりの金額が必要になるが、ゲームバランスが崩壊しかねないハメ戦法であり、当然ながら対人戦では禁止必須である。
      • たちの悪いことに、だじゃれカードが売っているカード駅の周りは細かいループや多数の分岐点があり非常に止まりやすい作りとなっているため、尚更ハメやすい環境が出来てしまっている。
      • だじゃれカードの性能そのものについても、「剛速球カード」のような確率による失敗もなく、発動時点で自分以外のプレイヤーを確実に1ターン休みにできる、しかもターン無消費で使用可能という、ハメ戦法抜きにしても店売り品にするには強すぎる性能である。実際過去作では非売品であったり、購入可能にしてもある程度年数がたってから特定の売り場で1枚限定という形であった。
    • COMキャラは上記の行為を行わないので、1人で遊ぶ分には問題ではない。また上記の通り64年目のカードバンク駅解禁以降は売られなくなるため、最後までずっとこのままというわけにはいかない。
  • 上位COMの理不尽さが増している。
    • 本作の上位COMについては、それまでと比べても絶好調時の特殊能力が凶悪化していたり、物件駅にぴったり止まる確率が大幅に上昇したり、貧乏神が大した悪行をしなかったり、変身してもミニボンビーばかりなど、前作以前に比べCOM独自の特殊能力による補正がかなり露骨になっている。
    • 一方で、カードを捨てないといけない場面で「乗っ取りカード」など強力カードをあっさり捨てる、例え貧乏神がついていてもカード駅で資金限界までカードを買い続けて自滅する、といったプレイングの拙さはほぼ改善されていない。こういった思考パターンの欠点を改良するのではなく、ラッキー運を含む特殊能力を凶悪化させて歯ごたえを生み出すというやり方については、不公平かつ安直であるとしてあまり好意的に見られていない。
  • 1人プレイだとCOMの人数調整が面倒。
    • 本作での人間1人プレイではなぜか「人間1+COM2」の3人プレイ固定となっており、そのままだとCOM1人や3人と戦うことができなくなってしまっている。
    • 1人プレイではなく「みんなで桃鉄モード」→「人間2+COM2を選んでスタート」→「設定を変える」→「対戦相手の設定欄で人間1人をCOMにする」という手順を踏めば本作でもCOM3人相手は可能。しかしながら手順がかなり面倒であり、最初から選べるようにした方が良いのは言うまでもない。
      • ちなみに、上記の通り本作でもさくま3人をCOMにした時限定の、全員が一斉に絶好調モードになる派手な演出は健在である。なおさら3人固定にする意図が不明としか言いようがない所である。

総評

良くも悪くも前作の要素を受け継いだ桃太郎電鉄。マップが1.5倍大きくなり、今までの感覚では進めなくなった。
歴史ヒーローとカード売り場駅の影響でバランスはさらに悪化しているため、長期戦で対人プレイをする人にはお勧めしにくい。だが短期戦の対人プレイをする人や、1人で遊ぶ人には相変わらずお勧めできる作品となっている。

余談

  • PSPで発売された『桃太郎電鉄タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!』は本作をベースにした移植作品となっている。
    • タイトルにもなっているタッグマッチモードの追加や、新ボンビーである「ツルギボンビー」の追加など、携帯機ながらもただの移植に終わっていない。
  • 本作で本格的に登場し物議を醸した歴史ヒーローたちについては、その後数年のブランクを経て発売された『2017』や『令和』といった作品にも、大元の仕様はそのままで引き続き登場している。
    • しかしながら、本作と比べてもかなり物件駅を守りづらいバランスになっており、結果的に歴史ヒーローたちも思うように活躍させるのが難しくなっている。効果自体は発動確率が抑えられたとはいえまだまだ強力であるため、これにより「強力だが守るのが大変」というバランスで落ち着くこととなった。
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最終更新:2021年09月14日 00:25

*1 『16』で仕様変更された「リニアカード」と同じくサイコロ8個を振れる。周遊化されているので何度か使える。

*2 破損した場合は除く。

*3 時限爆弾カード・ラストデビルカードは除く。

*4 例えば刀狩りカードでカードを奪ってプレイヤーを陥れたり、冬眠カードで相手を冬眠させたりなど