クラッシュローラー
【クラッシュローラー】
| ジャンル | アクションゲーム |  | 
| 対応機種 | アーケード | 
| 販売元 | クラール電子 | 
| 開発元 | アルファ電子 | 
| 稼動開始日 | 1981年 | 
| プレイ人数 | 1人 (交代プレイは2人)
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| 判定 | 良作 | 
| ポイント | シンプルで分かりやすい操作 奇妙な世界観と味のある音楽が魅力
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概要
クラール電子が『ドラちゃん』の一年後に発売したアーケードゲーム。
特徴
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主人公の刷毛を4方向レバーで東西南北に操作してステージの床を全て塗る。ステージは画面全体を覆う広さで上下と左右はそれぞれつながっており、壁の部分には猫や車が描かれている。また道は交差している箇所がある。
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しかしステージにはエイに似た見た目の敵がいる。彼らはインストカードでは「オジャマン」と表記されており、青と黄色の各一体しかいない。しかしオジャマンは執拗に迫り捕まったらミスとなる。
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オジャマンのスピードは主人公と同程度だが、永久パターン対策として少しずつ早くなる。ステージには高速で転がせるローラーがおいてありこのローラーごと体当たりすることで彼らを倒せる。しかし彼らはすぐ復活する。
 
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また途中に床を足跡で汚すおじゃまキャラとして猫や車のタイヤが動き回るという要素がある。汚されると塗り直しで、汚されないためにつかまえる必要がある。
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基板のディップスイッチ設定によっては、初期位置に戻されるワープ穴がステージ上に現れる事がある。
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エクステンドとして、10000点到達で残り機体が1ふえる。残り機体がゼロになるとゲームオーバー。
 
 
評価点
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シンプルで分かりやすいルールと操作。
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床を全て塗るというルールは初見でも分かりやすく楽しみやすい。
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またオジャマンの追尾アルゴリズムもよくできている。オジャマンは二体しかいないがチームワークはかなり上出来で、オジャマンの挟み撃ちによりミスする事が多い。敵ながらあっぱれといえる。
 
 
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奇妙な世界観。
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主人公が自走する刷毛で敵がエイに似た謎の生物、そして背景は猫や車といった具合で他のゲームには見られない気味の悪いキテレツさを醸し出し、逆にひとつの魅力に仕上がっている。
 
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味のある音楽。
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本作はゲーム開始時に「ねこふんじゃった」に似た高速ジングルが流れるが、半音階ずらされた部分がありやや不気味である。
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それとは裏腹にゲームを攻略する間は、物悲しげな単音のフレーズがずっと繰り返される。
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こうした妙な雰囲気がゲーム内容やキテレツさにマッチしているため、本作は唯一無二の作風を得ることができた。
 
 
問題点
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全て塗らないとステージクリアにならない。
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なぜ問題かというと、カーブすると角に塗りのこしの箇所が現れるため、これらの塗り直しが面倒である。
 またこのわずかな塗り残しが見つけ辛く、クリアしたと思ったらクリアにならずパニックに陥る事にもなる。
 
総評
シンプルで分かりやすいルールと、不気味でキテレツな世界観が独特の味を生み出したアクションゲーム。なかでもオジャマンの追尾アルゴリズムはAIの概念が薄かった時代の作品でありながらチームワークが非常によくできており一見の価値があるので、ゲームセンターで見かけたら追尾アルゴリズムと雰囲気の不気味さを味わいつつ遊んでおきたい一作と言えよう。
余談
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本作はその不気味な見た目や音楽、シンプルなルールの分かりやすさからかなりの人気となった。そのため、マイナーチェンジとして主人公がイカとなりボタンによる緊急回避ワープ機能が追加された『コロスケローラー』も作られた。
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家庭用移植はネオジオポケットのみ…と、大変珍しい事になっている。
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ネオジオポケット版は1999年4月15日にネオジオポケットカラー対応で発売された。
 
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また、1982年に学研より「ペイントローラー」と改題されてLSIゲームとして販売されていた。
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蛍光ディスプレイの都合上おじゃまキャラは猫のみでステージ構成も異なるものの、ゲーム的な再現度は非常に高い。
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また、1Pが刷毛、2Pがオジャマンを担当する対戦プレイにも対応。
 
最終更新:2023年10月31日 20:13