マイティガンヴォルト (3DS/Win)

【まいてぃがんゔぉると】

ぎゃるガンヴォルト (PS4/PSV)

【ぎゃるがんゔぉると】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドー3DS
プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
Windows(Steam)
開発・発売元 インティ・クリエイツ
発売日 【3DS】2014年11月26日
【PSV/PS4】2015年8月6日
【Win】2015年9月29日
定価 【3DS】300円
【PSV/PS4/Win】500円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント ファミコン風『蒼き雷霆 ガンヴォルト
インティ他作品とのクロスオーバー
3DS版本編はおまけ相当のボリューム
ガンヴォルトシリーズ
ぎゃる☆がんシリーズ

概要

ニンテンドー3DSにて配信されたロックマンライクのアクションゲーム『蒼き雷霆 ガンヴォルト』(以下「原作」)のスピンオフという位置づけの8bit2Dアクション。 元々は『ガンヴォルト』の購入特典プレゼントとしてダウンロードコードが付属していた非売品だったが、後にソフト単品で一般配信された経緯がある。

後に3DS版のDLCを内包し、タイトルを『ぎゃるガンヴォルト』に改題された上でPSプラットフォームで展開されたが、内容は同一なので同タイトルとして扱う。


システム

  • 操作方法
    • 十字ボタン(スティック)でプレイヤーキャラの移動とジャンプとショットの2ボタンで基本的な操作を行う。
    • これに加えて、選択可能なプレイヤー毎に使用可能なアクションがそれぞれ異なっている。詳細は後述。
  • ゲーム進行
    • データを選択後、3人のうちの1人をプレイヤーキャラとして選択。
    • プレイヤーキャラの選択後はステージ選択画面に移り、本編では全5ステージを順番に攻略していく。
    • DLCをダウンロード済みの場合は、ステージ選択画面からワープする形で専用のステージ選択へと移動。
      DLCは全4ステージで、攻略するステージを好きな順番で選択することができる。
  • スコアシステム
    • 今作は原作同様にスコアシステムを採用しているが、原作からアレンジされたものとなっている。
    • 今作のコンボシステム
      • 今作では敵にダメージを与えたり得点アイテムを獲得したりすることで、画面左下に表示されるコンボ倍率が上昇。倍率が上がっている状態で敵を倒したりアイテムを取得すると、倍率に応じたスコアを獲得できるようになる。
      • 原作では敵の攻撃を1回喰らっただけでコンボ数がリセットされてしまうのだが、今作では攻撃を喰らっただけではコンボがリセットされず、時間経過でのみリセットされる。
        このため、今作におけるハイスコアは「コンボタイマーがリセットされるまでの一定時間内でいかに点数を稼げるか」が問われることになる。
  • 操作キャラクター
    • ガンヴォルト…『蒼き雷霆 ガンヴォルト』シリーズの主人公の雷撃の第七波動(セブンス)能力者。通称「GV」。
      原作での主力攻撃だった雷撃鱗は地面で静止した状態でないと使用する事が出来ないピンポイント型の特殊攻撃に変更。よって今作での主力攻撃は、原作では雷撃輪のサポート技な役割であった避雷針(ダート)であり、ロックバスターのような3連射ショットで敵に直接ダメージを与える。
      また、ジャンプ中に再度ジャンプボタンを押すことで原作よろしく2段ジャンプを行う事ができる。2段ジャンプは敵の攻撃をかわしやすくなるなど単に機動力が上がるだけでなく、他のキャラでは正攻法で抜ける必要があるステージ内の特定の地形を無視して次のエリアへ移動するショートカットができる。
      全体的には癖が少なく、比較的スタンダードな性能になっている。
    • えころ…『ぎゃる☆がん』より登場の見習い天使。
      今作の彼女は雑魚敵にチャージショットで止めを刺すとメロメロ状態にできる。メロメロ状態の敵は補助武器として利用可能で、援護攻撃を行うことができたり、身代わりにして敵の攻撃を防ぐことができたりする。
      また、固有の空中アクションとして、空中でジャンプボタン押し続けで空中を浮遊移動できる。
    • ベック…当時発売を控えていた『Mighty No.9』より参戦。今作が実質的に彼のデビュー作に当たる。
      原作では弱体化した敵を吸収する能力を持つアクセラレートは、地上版は攻撃判定が無いためスライディング感覚で使うことになる。また地上版は移動する姿勢が低いため他2人では入れないルートに進入することもできる。
      空中版はショットボタンのためチャージショットとして扱われていて、エアダッシュよろしく横方向への空中移動はもちろんのこと、体当たりで敵にダメージを与えることができる。
      上記の通り空中移動技の性能が非常にテクニカルであり、熟練者向けの性能と言える。

評価点

  • 8bitでアレンジされた『蒼き雷霆 ガンヴォルト』の世界
    • ガンヴォルト自身は雷撃鱗が別物になったりスキルが削除されたりしているものの、極力原作のGVに近づけた姿と性能になっている。
    • オープニングステージのエレベーターやストラトスステージの蟲の群れといった削除されたギミックが存在するものの、基本的に地形やボスの攻撃はアレンジされつつ原作に近いものとされている。
      • 中には、原作では対処方法が分からないと即死になってしまう初見殺し技であったストラトスの「デスティニーファング」が回避可能になったり、デイトナの「サンシャインノヴァ」の弾幕が削除され回避に専念しやすくなったりと、アレンジにより戦いやすくなったボスも見られる。
+ 更には…(ラスボス戦ネタバレ注意!)
  • 今作の最終ステージはボス戦のみの展開になるのだが、同作オリジナルボスとして、原作ではアキュラに一発退場させられたことにより唯一戦う機会が無かった七宝剣の変態色惑う夢幻鏡(ラストミラージュ)パンテーラ」との戦いとなっている。
  • このため、今作のラスボス戦はパンテーラの攻撃のお披露目となるシーンとなっているのだが、彼は鏡を利用した攻撃に加えて「性別を男性から女性へ、女性から男性へと変える」という行動パターンが存在しており、今作を遊んだ原作ファンを驚愕させることになった。
  • なお、彼を倒した後のエンディングの文章には意味深な物があり…
  • 自社IPによるクロスオーバー
    • 今作は『蒼き雷霆 ガンヴォルト』の世界観を8bitで再現した物ではあるものの、『ぎゃる☆がん』『Mighty No.9』と、ガンヴォルトシリーズ以外のインティ・クリエイツのオリジナル作品からのキャラやステージが登場するクロスオーバー作品になっている。
    • プレイヤーはGVに加えて天使のえころとベックがプレイアブル参戦。
      • 各プレイヤーキャラはそれぞれ能力が異なるため、道中やボス戦ではキャラ毎に行動パターンを組み立てていく戦略性がある。
    • ステージの中にも『ぎゃる☆がん』『Mighty No.9』を出典とするステージも登場。
      • ボスも原作を再現した構図になっていて、「荒野を走るトラックの上でのブランディッシュとの決闘」や、「野々かなめを捉えている怪物の撃退」、「プールサイドの特訓マシーン」等々、原作を知っているプレイヤーならニヤリとすること間違いなしなシチュエーションが多い。
  • 非常にシンプルなゲーム性
    • 今作の基本的な操作方法は、十字ボタン(スティック)を用いてのプレイヤー移動とショット&ジャンプの2ボタン。装備などのカスタマイズも無く、各プレイヤーの特殊操作も簡単に発動でき、非常に取っつきやすくシンプルな操作系統になっている。

賛否両論点

  • DLCステージの急激な難易度上昇
    • 今作のDLCで追加されるステージは道中自体は本編とさほど変わらないような難易度なのだが、ボス戦になると一転してかなりの難所となる。
    • 「パイロジェン」と「しあわせくん」は初見殺しが存在する程度なのだが、残りの「エリーゼ」と「ブランディッシュ」の場合は前者2体と比べて非常に強力。
      エリーゼはパターンこそ決まっているものの、クナイの着弾点から召喚される蛇が厄介なテクニカルボスである。ブランディッシュは基本的にどの攻撃を行ってくるかどうかは分からないランダム性の塊ともいうべき存在。
      今作では特殊武器が存在せず攻撃方法が限られている点やボス戦中の体力回復手段が存在しない点も相まって、DLCステージのクリアは今作制覇における一番の山場となっている。

問題点

  • ボリュームが薄い
    • 今作は元々ゲームのおまけとして付属されていた作品ということもあり、DLC無しの本編のみで遊べるステージは5つと非常に少ない。うち一つはボス戦のみなので尚更である。
    • 加えて、今作はプレイヤーのカスタマイズが存在せずやり込み要素も3DS版ではスコアアタック程度と非常に乏しく、マンネリや飽きも引き起こしやすい。
    • 一方でDLC込みの状態ではボリュームが幾分かマシになるのだが、新規DLCの配信が打ち切られてしまった以上、ゲームの内容が薄い状態のまま展開が終わってしまったのは残念。
  • ゲーム本編では殆ど語られないストーリー
    • 今作は「悪徳芸能事務所であるスメラギの野望を打ち砕くため、ガンボルトら3人の戦士が立ち向かう」というギャグめいたストーリーになっているのだが、これが語られるようなシーンはゲームを最初から始めた際とエンディングの際に表示される文章のみである。
    • せめてステージ内で会話やデモムービーが挿入されていれば理解しやすくなっていたのだが…
  • その他システム面
    • 今作はロックマンXにおけるエスケープユニットのような「ステージから脱出する」系統のシステムが存在せず、各ステージはボスを倒すかゲームオーバーにならないとステージから脱出できない。
      • このため、「ステージ攻略中にやり直しコマンドで最初から仕切り直す」ということができず、ノーダメージやスコアを目当てにプレイする場合は基本的に一発勝負という事になりやすい。

総評

「ゲームのおまけ」から出発し、定期的なアップデートやDLCの配信により内容の充実化を図っていくと思われていたが、早期にそれらが打ち切られてしまったことにより中途半端な幕引きとなってしまった作品。
とはいえ、ファミコンテイストで再現された『蒼き雷霆 ガンヴォルト』やインティ作品の世界観に加えて、オリジナリティ溢れるストーリー等々、見るべき点は存在しているのは確かである。


余談

  • DLCについて
    • 今作のDLCは第2弾以降も配信されるアナウンスがなされていたのだが、人気が無かったのか、結局第1弾のみでDLCの配信が打ち切られることになってしまった。
    • ちなみに動画サイトで公開されているPVでは「ダウンロードコンテンツで広がっていくガンヴォルトの世界」と謳っていたのだが、新規DLCが打ち切られた現在となっては皮肉としか言いようが無い。

その後の展開

  • 後に発売されたガンヴォルト本編の続編となる『蒼き雷霆 ガンヴォルト爪』と時期を合わせるように、今作の続編となる『マイティガンヴォルトバースト』が配信された。
    同作は国内では配信限定だが、海外ではマイティシリーズ初となるパッケージ版も発売されている。
    • 同作は今作で行われた『Mighty No.9』とのクロスオーバーを強く意識したオリジナル作品となっていて、ボリュームやプレイヤーのカスタマイズ、やり込み要素といった様々な点でパワーアップを果たした作品となっている。
    • なお、同作に登場するボスのうち2体は今作未登場の七宝剣2体(メラク、カレラ)を意識した攻撃を行っている。ピクセルシールの存在も相まって、未登場に終わってしまったキャラのフォローも同作で行われていると言えなくもない。
  • インティ・クリエイツは更に後にサンソフトのFC『超惑星戦記 メタファイト』のリブート作品である『ブラスターマスター ゼロ』を発売。
    • 同作はマイティガンヴォルトシリーズと同様のレトロテイストの作品として開発され、計3作ものシリーズ化を果たしていたことから、実質的にマイティガンヴォルトの系譜を引き継いでいると思われる。
    • また、同社は同じくレトロテイストの『Bloodstained: Curse of the Moon』の開発も手掛けている。
最終更新:2023年01月05日 19:31