超惑星戦記 メタファイト

【ちょうわくせいせんき めたふぁいと】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売元 サンソフト(サン電子)
開発元 東海エンジニアリング
発売日 1988年6月17日
定価 5,300円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2010年6月29日/500Wiiポイント
【3DS】2012年9月5日/500円
【WiiU】2015年5月27日/514円
判定 良作
メタファイト/ブラスターマスターシリーズリンク


概要

  • 惑星戦士ケインとなり戦闘万能車両「メタル・アタッカー」を駆使しつつ惑星内を探索するアクションゲーム。

ストーリー

ソフィア第3惑星はイプシロン銀河のほぼ中央に位置し、高度な文明によって栄える惑星国家である。

時に宇宙暦2052年――
大宇宙の恐怖の魔王・GOZE(ゴウズ)率いるインベム暗黒星団の来襲は、惑星ソフィアの平和に終止符を打った…!
あやうく難を逃れた衛星NORA(ノーラ)の化学アカデミーでは、その総力をあげインベム打倒のための最終兵器…
戦闘万能車両「メタル・アタッカー」を完成。
天才少年パイロット「ケイン=ガードナー」を戦士(コマンダー)として、
「メタル・アタッカー」とインベム暗黒星団との戦いの火ぶたは、今まさに切って落とされた!!
(バーチャルコンソール解説ページより引用)

特徴

  • 全8ステージのサイドビューステージとそこから入るトップビューのダンジョンステージの二つで構成されていて、二つのステージを行き来しながら進んでいく。
  • 各エリアのダンジョンステージのボスを倒すことによって自機メタルアタッカーの強化装備を入手。強化装備を使用し新たなアクションを取得する事で行動範囲が広がっていく。
  • メタルアタッカーからパイロットを降車させて移動させる事も可能。
    • この状態でないと移動できない場所も多く、ダンジョンステージもパイロット状態でないと入れない。
    • パイロット時のダメージは戦車に乗れば全快し、これによって「戦車を盾にしつつパイロットで敵を攻撃」という戦術も可能。
    • パイロット時に高いところから落ちると、高さに応じたダメージを受ける。高さによっては即死ダメージ(後述)を受けてしまう事も…。
  • ダンジョン内ではパイロットのショットをパワーアップすることができるアイテムがあり、それを取るとGUNゲージが上がる。
    • GUNゲージを上昇させることによって、自機のガンをパワーアップさせる事が出来る。初期状態のガンは画面の半分にも満たない射程のショットだが、GUNゲージを取得するにつれてばらまきショット→ホーミングショット→ワイドショット等と様々な種類に変化する。
    • また、ダンジョン内の自機はガンとは別に短射程の手榴弾で攻撃する事が可能。ちなみに手榴弾はGUNゲージによるパワーアップには左右されないのだが、威力が高くダンジョン内の特定のブロックを破壊する事ができる。
  • メタルアタッカーには装備強化とは別に特殊攻撃アイテムも存在。ストック消費で強力な攻撃を行う事が出来る。
    • ホーミングミサイルとサンダー・ブレイクという下方向への雷攻撃、そして3Wayショットを発射する多弾頭ミサイルの三種類。

評価点

  • 軽快な操作性
    • 横スクロールステージでプレイヤーが操作する事になるメタルアタッカーは、砲台の移動やジャンプ、攻撃のモーションなどすべての動作が滑らかに動き、十字ボタン+2ボタンという非常に分かり易い操作方法と相まって、誰でもとっつきやすい。
    • 只でさえも初期状態からできるアクションが多い上、アイテムの取得による自機の強化で壁破壊や空中浮遊、壁及び天井つかまりというようなアクションも増える為、パイロット状態の存在もあってか、ファミコンで発売された探索ゲームにしては非常に多彩なアクションを行う事が出来るだろう。
    • また、パイロット状態も連射可能なショットの他に、立ちやしゃがみ、泳ぎと攻撃可能なシチュエーションが多い。加えて、ダンジョン内では上述の通り、GUNゲージを用いて多彩な攻撃を繰り出す事が出来る。
  • 車輪の回転
    • 車輪の回転で車両のダイナミックな動きが良く表現されている。
    • 後のシリーズでも色々と採用され、ある作品ではFAILEDした際に専用BGMとともに4つの車輪がばらける演出、ある作品ではLOADINGの文字の両脇に車輪を表示して進んでいる感など、個性が盛り込まれている。
  • ボリューミーかつやりごたえのある内容
    • 本作はファミコンで発売されたゲームとしてはとしてはかなりのボリュームを持ち、ステージはかなり広くエリア数も8と多め。
    • また、本作は死にながら敵の攻撃パターンやマップを覚えて探索する、いわゆる「覚えゲー」でもある。しかし、どのステージも理不尽な難易度では無く、無限コンティニューも採用されている為、非常にやりごたえのある難易度を持っていると言えるだろう。
  • 洗練されたグラフィック
    • 発売されたのは88年とファミコン中期のゲームだが後期のゲームに全く負けていない。
    • 敵やステージも作り込まれている。
      • 各ステージはエリア1の森林、エリア2の城塞、エリア3の工場といった様々なシチュエーションが待ち受けている。もちろんステージ内の仕掛けも富んでいて、プレイヤーにマンネリを感じさせない。
      • キャラクターのアニメーションも丁寧に作られている。特に多関節モーションが展開されるボス戦は迫力満点。
  • サンソフトらしい高品質な楽曲群
    • すべての曲の出来が素晴らしく作曲者の本気がうかがえる。
    • エリア1の曲は軽快で耳に残りやすく、故に後の作品でも「ブラスターマスターのテーマ」とも言うべき存在と位置づけられている。
    • また、エリア6とエリア7の曲はサンソフトサウンドの中でも屈指の出来である。

賛否両論点

  • パイロット時に高所から落ちると即死
    • 小さい敵を片づけてるときに攻撃を喰らって落ちてしまうケースがある。
    • 他、長いはしごを降りる際には途中でジャンプをすることによって降りる時間を短縮する事ができるが、操作ミスではしごを掴み損なってしまうと途端に転落死という、リスクのある紙一重な行動を強いられる事になる。
    • トップビューでも水地形などに落ちたら即死である。
    • 後のシリーズでは、落下ダメージが採用されない作品など、もしくは落下に弱い事を前提にしたステージが用意されたりする作品など、このあたりは製作者達の間でも本当に賛否が分かれたと言える。

問題点

  • バックアップやパスワードコンティニューが無い
    • 前述の通り今作はかなりボリュームたっぷりなゲームの為この点がかなり痛く、またワープポイントやシーケンスブレイクといったショートカットも存在しない為、ゲームをクリアするには電源を切らずに最後まで進むしかなく、例え手順やマップを熟知していたとしてもクリアまでに1時間を超えてしまう事はザラだろう。
  • 探索関連
    • エリア間のつながりが分かりにくい個所がある
      • エリア4の入り口はエリア1にあり、エリア7はエリア2にあり、エリア8はエリア3にある、といった具合でややこしい。特にエリア4の入り口のある場所は非常にわかりづらい。
      • エリアのつながりに関しては取扱説明書やバーチャルコンソール公式HPに記載されているが、中古でカセットのみ購入した場合はこれが分からなくなる。
    • また、本作は探索アクションの先駆者である『メトロイド』の例に倣ったのか、エリアマップ表示が無い為か迷いやすい。踏破したマップをメモ帳に書き込む等のマッピングスキルが必要になる事も。
      • 一応、一旦ゲームオーバーになりコンティニューをするとエリアやダンジョンの入り口に戻されるので、これを足がかりにして攻略するのも良いだろう。
  • クセのあるダンジョン内の自機ショット
    • ダンジョン内でのトップビューのシーンではアイテムを取得する事によって自機のガンをパワーアップさせる事が出来るのだが、ダメージを喰らってしまうとGUNゲージが下がってしまい、同時に自機のガンも弱体化してしまう。
    • このため、最大までガンを強化していると道中・ボス共に大分楽になるのだが、最悪の場合は低射程ショット+手榴弾という最弱状態でボスと戦うハメに……
    • このシステムの存在により、ダンジョン内では慎重に移動する事を優先しがちであるが、ダメージを喰らい続けてしまうと、あっというまに最弱状態になってしまう。このため、ダンジョン内では基本的にゴリ押しは禁物。
    • また、GUNゲージ増加で使用できるショットも強化に伴い上書きされてしまう関係で、自由に切り替えられず融通が利かない。おまけに各ショットの性能にもムラがある。最強状態のウェーブこそ連射攻撃範囲共に非常に強いが、一旦ダメージを喰らってしまいガンレベル下がると、画面内に残せる数に限りがあり弾切れの危険があるホーミングショットに変わってしまう……など。
    • とどめと言わんばかりにGUNアイテムの数も抑えられていて、POWアイテム程多く入手出来ない。これにより、只でさえ慎重なプレーが求められるのに、更に慎重にダンジョンを進める事になる。
  • 小さい敵が鬱陶しい
    • メタルアタッカーの通常攻撃では当たらず攻撃を与えるには降りてパイロットの状態で攻撃するか特殊攻撃しかないのだが、前者は高所での戦闘は即死の危険があり、後者は特殊攻撃のストックが尽きると一気に不利になってしまう為、どちらも欠点があるのが玉に瑕。
  • ボス戦
    • ボスが固い上にHPが表示されないのでプレーヤーにとっては非常に辛い。
    • 兵装が弱い状態でのボス戦では立て直しは困難である。
  • ラスボスの最終形態の曲が流用曲
    • その曲は今作屈指の名曲の7面の曲である。良いBGMだが、ラスボスの曲がステージの曲というのも切ない話である。
    • 忍者龍剣伝』や後年の『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』などにも同様にステージ曲をラスボス戦に使い回している例が存在する。本作含め、いずれもラストバトルの雰囲気には合っているのだが…。
  • パッケ絵にも描かれてる少女「ジェニファー=コルネット」がゲーム中では空気
    • NORA化学アカデミーの天才科学者(年齢はケインより2つ上の17歳)で、メタルアタッカーの開発にも携わっているという設定なのだが、肝心のゲームには全くと言って良い程活かされていない。
    • 後発作に登場するエルフィやイヴのように作中でサポートしてくれる訳でもなく、そもそも本作にはイベントシーンというものすら殆ど存在しない作品であり、ゲーム中唯一の登場の場は、スタッフロール後のエンド表示にてケインと一緒に映るのみ。本当に最後の最後である。
    • 「敵に拉致される」「ボスから手に入れたパーツの解説」など、見せ場を作ろうと思えば作れたはずなので、非常に惜しいキャラとなっている。

これらの点の多くは後続のシリーズ作で改善されていく事になる。

総評

セーブやパスワードの類がない点は否めないものの、
操作性、グラフィック、難易度、そしてBGMとすべての点が非常に高い品質でまとまった隠れた良作である。

余談

  • 本作はWii・3DS・WiiUでバーチャルコンソールとして配信されている他、PS『メモリアル☆シリーズ サンソフト Vol.4』にも移植されている。
    • また、海外限定タイトルとしてFC版をアーケード向けに移植した「VSブラスターマスター」もリリースされている。
      同作の基本システムは基本的に原作を踏襲しているが、マップが一本道に変更されていたり、ボスを倒すと即座に次のエリアに移動するなど、アーケード向けの調整が成されている。
  • 2019年1月16日にはNintendo Switchのオンラインプレイサービス「Nintendo Switch Online」の入会特典『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』にて本作が配信された。
    • 2019年2月13日には本作のSPバージョンとして、最終エリアから始まる「クライマックスバージョン」が追加された。
    • なお、3DS・WiiUのバーチャルコンソール版やNintendo Switch Online版ではどこでもバックアップ機能が搭載されている関係で、難点のセーブ不可能が改善されているので、今現在本作をプレーするのならこちらをオススメする。
  • 海外版のタイトルは『Blaster Master(ブラスターマスター)』。ゲーム内容自体は本作と同じだが、ストーリーは主人公「ジェイソン」がペットのカエル「フレッド」を追って地下世界に向かい、戦闘車両「ソフィア・ザ・サード」を発見して乗り込む…という全く違うものになっている。
    • それに伴い、ゲームスタート時の発進シーンも基地から発進した本作に対し、洞窟内部からの発進に変わっている。後年のリブート版『ブラスターマスター ゼロ』もこの流れを踏襲している。
    • エンディングで崩壊する敵本拠地のデザインも微妙に違っている。それを眺める主人公の後ろ姿は変わっていないが、これもケインではなくジェイソンという事になっており、傍にはフレッドの姿が追加されている。
      • スタッフロールのエンド表示もケインとジェニファーの絵は無くなっており、洒落たTHE ENDの文字が表示される。
    • 海外のみだが小説化もされている。内容は、ストーリー描写がほぼ無かった本編(Blaster Master)に明確なストーリーを与えて拡張したもの。登場人物も追加されており、特にこの小説版オリジナルのヒロイン「イヴ」の設定は後にゲームに逆輸入された。
  • 今作は日本では隠れた名作扱いだが、海外では人気を博し、続編やノベライズ版が発売されるなどでシリーズ展開が行われた。日本でも未発売作品こそあれどシリーズ作品は発売されている。
    • 『Blaster Master』で描かれたジェイソンの戦いは続編の『Blaster Master 2』(日本未発売)、PS版『ブラスターマスター』へと続いて行き、『ブラスターマスター ゼロ』の土台にもなっている。
      • 一方、「メタファイト」としてはGBCで続編の『メタファイトEX』が出るに留まっている。また、この『EX』も海外版は『Blaster Master: Enemy Below』というタイトルで、ジェイソンの物語の一部とされている。
    • 日本でもPS版『ブラスターマスター』以降のタイトルは「ブラスターマスター」に統一された。
  • 同社の『ボンバーキング シナリオ2』は海外では『Blaster Master Boy』や『Blaster Master Jr.』のタイトルで発売されており、本シリーズの関連作という扱いになっている。
    • こちらでは主人公もやはりジェイソンという事になっている。確かにスーツのデザインはナイトに似通っているので違和感は少ない。しかしあくまで元は『ボンバーキング』なので戦車は登場せず、武器も爆弾のみ。説明書にも「今回は戦車が使えないので一人で戦わなければならない」「爆弾で武装した」と言った旨が書かれている。
  • 同社の製品『バーコードワールド』に、ディフォルメされた主人公のカードが同梱された。
    そのポーズは、本ソフトのパッケージイラストと同じ構図である。