LUNAR さんぽする学園

【るな さんぽするがくえん】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームギア
発売元 ゲームアーツ
開発元 ゲームアーツ、スタジオアレックス
発売日 1996年1月17日
定価 5,800円(税別)
判定 良作
LUNARシリーズ
THE SILVER STAR (STORY / LEGEND / ハーモニー) /
ETERNAL BLUE (LUNAR2) / さんぽする学園 (魔法学園) / ジェネシス


概要

LUNARシリーズの外伝作品で、ゲームアーツ唯一のゲームギアでのソフトとなる作品。
LUNARの海を渡る動く島イェンに作られた魔法学園を舞台にエリーとレナが数々の冒険やドタバタを繰り広げる。

特徴

  • 魔法学園を舞台に、新入生の主人公達が魔法を学びながら成長していくストーリー。全12章構成。
    • 基本的にはお使いクエストをこなしつつ話を進めていく。
    • 魔法学園らしく、新たな魔法は「(使えるレベルになってから)先生から教わる」方式。
  • 戦闘画面はフロントビューの一般的なコマンドRPG形式。
    • ただしキャラクターのデフォルトのコマンド位置は「魔法」になっている。
    • 魔法主軸の戦闘ということもあってMP回復手段は以下のものがある。
      • フィールド上で「立ち止まっていると*1」MPが回復していく。
      • 戦闘中に防御行動をとる。
      • 回復アイテムを使用する。
  • アイテムの調合の概念があり、効果の弱い回復アイテムを合成によってさらに強力なアイテムにすることが可能。

評価点

  • システム面ではこれまでのシリーズの積み重ねもあって丁寧な作り。
    • 魔法主軸の戦闘ということもあって攻撃コマンドは魔法がデフォルト位置にあるものの、MP回復手段は豊富に揃っているため魔法を気軽に使えるのは大きい。
    • 戦闘バランスも良質。魔法習得を順当に行えばそれほど難しくなく、回復手段も豊富なのでお手軽に遊べる。
    • アイテム調合の概念も新鮮。回復アイテムのドロップ率が高めでお金も入りやすい構成のため、気軽に調合を行えるのもメリット。
  • LUNARシリーズ特有の温かみのある親しみやすいストーリーは健在。ストーリーの全体的な評価は良好。
    • 吉本新喜劇のノリを目指して作られたというシナリオのためこれまでのシリーズ作に比べかなり明るいノリで進む。
    • 容量が少ないながらも登場人物のセリフパターンもかなり多く、登場人物も一癖も二癖もある個性的な人物ばかりで親しみやすい。
    • アイテムのフレーバーテキストもすべてのアイテムに登録されているため、アイテムの豊富さも相まって収集意欲をそそられるのも大きい。
  • 岩垂徳行氏や溝口功氏の作曲したBGMはどの曲も高いクォリティ。PSG音源のみという制約ながらも完成度の高い楽曲ばかり。

問題点

  • MP回復仕様の問題
    • フィールド上で立ち止まっているとMPが回復していく仕様は燃費の悪いゲームギアでは食い合わせがいいとは言えない。
      • もっとも基本的にゲームギアはアダプタ駆動で動作させるユーザーが多いためそれほど問題にはならないが。
    • また、この作業がゲームのテンポが悪くなってしまう要因にもなっている。
      • とはいえ、前述の通り回復アイテムのドロップ率は比較的高いため時間がない時はそれで対処という選択肢もあるので一概には言えない。
  • 一部習得期間が非常に限定される魔法が存在する。
    • そこで習得できる魔法はどれも最強クラスの魔法であるため、タイミングを逃すと覚えておけないのはいただけない。
    • とはいえ、その魔法がない状態でも十分クリア可能なのは救いか。
  • 主人公のエリーが空気気味。
    • 常識人枠の突っ込み役という立場上仕方ないものの、強烈な個性を持つ相方のレナをはじめストーリー上でも自己主張のかなり激しいセニアやウィンに比べるとどうしても空気気味になりがち。
      • 一応、6章と10章は彼女にスポットは当たっているものの、彼女自身主人公という立場ゆえに自発的な発言に乏しい局面もあるためいまいち目立てていないのも拍車をかけている。
    • それゆえか、後述のリメイク版では設定の大幅な追加などによる強烈なてこ入れが図られている。

総評

ゲームギア末期の作品らしくそつなく楽しめるRPGの良作。
ストーリーも親しみやすくかなり明るめのノリであるので親しみやすく、ゲームギアでお手軽にRPGを遊ぶのであればお勧めともいえる。
とはいえ、ゲームギア末期の作品だけにあまり数が出ておらずVC配信なども行われていないため遊ぶ機会が限られているのがネックともいえるが...


その後の展開

  • のちにセガサターンにて『魔法学園LUNAR!』(1997年11月20日発売)としてリメイクされることになる。
    • また、上記作品を主軸にメディアミックスも多数行われた。
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  • タグ:
  • RPG
  • ゲームアーツ
  • LUNAR

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最終更新:2022年05月16日 21:58

*1 「何も操作しない」状態でいることが必要。ボタン押し等による足踏み早送りではない