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SIMPLEシリーズ for Nintendo Switch Vol.2 THE トランプ パーフェクトコレクション ~クロンダイク・フリーセル・スパイダーソリティア・カップル・大富豪・ハーツ・七並べ・ページワン・テキサスホールデム・ブラックジャック~

【しんぷるしりーず ふぉー にんてんどー すいっち ぼりゅーむつーざ とらんぷ ぱーふぇくとこれくしょん くろんだいく ふりーせる すぱいだーそりてぃあ かっぷる だいふごう はーつ しちならべ ぺーじわん てきさすほーるでむ ぶらっくじゃっく】

ジャンル カードゲーム
対応機種 Nintendo Switch
発売元 D3パブリッシャー
発売日 ダウンロード版:2022年3月31日
パッケージ版:2022年9月8日
定価 ダウンロード版:2,000円(税10%込)
パッケージ版:2,800円(税10%込)
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント トランプゲームを1人用4種/対戦6種収録
Vol.1の『THE テーブルゲーム』同様収録数少なめだが、通信対戦あり
1人用ゲームの問題数は非常に多いが、Switchでの操作性などに課題
SIMPLEシリーズ for Nintendo Switch

概要

D3パブリッシャーの低価格ブランド「SIMPLEシリーズ」のSwitch版2作目。
Switch版の初作(Vol.1)である『THE テーブルゲーム』に続くテーブルゲーム系で、本作はトランプゲームに特化した作品となっている。
スタッフロールが存在しないため開発会社が不明だが、『THE テーブルゲーム』と同じUIであるため同一メーカーであることが読み取れる。

『THE テーブルゲーム』ではパッケージ版とダウンロード版が同時に販売されたが、程なくして発売された本作は当初ダウンロード版のみが販売され、約半年後の9月8日にパッケージ版が発売された。


特徴

  • タイトル通り、10種のトランプゲームを収録。
    • 1人用のゲーム(ソリティア)4種と対戦ゲーム(マルチ)6種に分かれる。「クロンダイク」「フリーセル」「スパイダーソリティア」「カップル」が1人用、「大富豪」「ハーツ」「七並べ」「ページワン」「テキサスホールデム」「ブラックジャック」が複数人用となる。
    • 対戦の6ゲームは、CPUとの対戦のほか、部屋を立ててのオンライン対戦も可能。
    • 「テキサスホールデム」「ブラックジャック」の2ゲームは『THE テーブルゲーム』にも収録されたため、内容は重複している。一応、本作は画面レイアウトが多少異なり、上記の通りオンライン対戦も存在する。
    • いずれのゲームも後から解放される形ではなく、最初から全て遊べる。
  • 各ゲームは、主に「フリープレイ」「チャレンジ」「エクストラチャレンジ」「スペシャルチャレンジ」「通信対戦」に分かれる。
    • 「フリープレイ」は1人用であれば制限時間や難易度、対戦であれば対戦の長さ、CPUの強さなど、条件を自由に設定してプレイができる。
    • 「チャレンジ」はルールやプレイ形式などが固定されており、指定の条件で勝利することでクリアとなる面クリア形式のモード。
      • 「エクストラチャレンジ」「スペシャルチャレンジ」は「チャレンジ」と同様に特定の条件でプレイするモードだが、「チャレンジ」をある程度遊ばないと解放されない。
      • 「エクストラチャレンジ」「スペシャルチャレンジ」の有無はゲームによってまちまち。対戦用のゲームには搭載されていないものもいくつか存在する。
    • ゲームごとに個別の実績を持っており、チャレンジ面のクリアや特定の条件達成で解放できる。
      • 『THE テーブルゲーム』と同様だが、前作にあった段位認定は廃されている。
  • 各ゲームそれぞれについて個別に、BGMや画面のデザイン等をカスタマイズできる。
    • BGMのほか、プレイ中の背景、トランプの裏面が選択できる。表面もデザイン重視のものと、見やすさ重視の文字やマークが大きく描いてあるものとが選択可能。
      • 万人向けの定番テーブルゲーム作ということで、模様に派手なものやキャラ物はないが、前作と比べるとシックなイラスト物が多く雰囲気は出ている。
    • カスタマイズ要素は、前述の実績を解放した際の特典として徐々に追加される。
  • 各ゲームの簡単なルール説明も収録されている。対戦中でも見ることが可能。

各ゲーム個別の特徴

各ゲームのゲームとしてのルールは基本的に省略。

  • クロンダイク/フリーセル/スパイダーソリティア/カップル
    • 1人用の上記4ゲームは、チャレンジで350問、エクストラチャレンジで150問、スペシャルチャレンジで100問の計600問をそれぞれ収録。
    • 経過時間や操作回数などに応じて、問題ごとにハイスコアが記録される。
    • スパイダーソリティアについては、初級(カードのスートが1種類)、中級(スート2種類)、上級(スート4種類)を600問の中で分けて収録している。
    • 1手戻し(アンドゥ)の機能があり、連続して戻すことも可能。ただし、累計使用回数に応じてスコアが引かれるほか、問題によっては使用回数が制限される。
    • スパイダーソリティアは、1列のカードの枚数が規定数を超えると強制的にゲームオーバーになるシステムがある(後述)。
  • 大富豪/ハーツ/七並べ/ページワン
    • ハーツは3人、それ以外は4人対戦専用である。
    • 大富豪や七並べは、1ゲーム毎に「1位:1000点/2位:500点/3位:100点/4位:10点」の点数が加算される。チャレンジモードでは、規定ゲーム数を経過した後に合計点が特定の順位以上になっていればクリアとなる。
    • 大富豪や七並べは、各コンピュータ毎に思考を設定可能。大富豪は「普通」「慎重」「強気」の各傾向を、七並べは「初級」「中級」「上級」の強さを設定できる。
  • ポーカー/テキサスホールデム
    • ゲームを始めた時点でコインが各プレイヤーに配られ、それを賭けて進行する。最初に持っているコイン数と、1ゲーム当たりの規定BET数を設定できる。
    • 規定ゲーム数が終わる前にコインが無くなったプレイヤーはゲームから脱落。操作しているプレイヤーが脱落した場合はその時点で終了(チャレンジモードの場合は失敗)となる。

評価点

  • 幅広いジャンルのトランプゲームを収録している。
    • 1人プレイ用から対戦用、おなじみのものからややマイナーなものまでと、バラエティ性にはそれなりに富んでいる。
  • 1人プレイ用ゲームそれぞれの問題収録数はかなり多い。
    • 600問×4ゲームで2400問収録されている。各問題単位でちゃんとクリア判定されるため、単にランダムで問題が出題されるより達成感を感じられるだろう。
    • フリーセルやスパイダーソリティアといった、00年代のWindows系OSに付属していた作品もあり、パソコンの付属ソフトで遊んでいた人は(後述の問題はあるが)懐かしく遊べるだろう。
  • 実績は無理のない範囲に収まっている。
    • 前作の『THE テーブルゲーム』同様、ロイヤルストレートフラッシュを何回も達成しろ、などといった無茶な実績はない。
    • 通信対戦は実績に絡まないため、義務感を感じずに遊べる。

問題点

  • 1人プレイ用のゲームはSwitchとの操作相性がイマイチ。
    • フリーセルやスパイダーソリティアを遊んだことがある人はわかるだろうが、これらのゲームは「この列のカードの山をあっちに持って行って、くっついた列を今度はこっちの列に戻して…」と、忙しなくカードを並び変えるゲームである。1ゲームを数分程度として、クリアまでに100回~150回程度は移動を行う必要がある。
    • しかし、本作にはパソコンのようなカーソルでの移動がない。コントローラーで操作する場合、例えばある列のカードの山を他へ移動したい時は、まず移動元となる列までキーで(1列ずつポチポチと)移動し、列をキーで選択してから移動先の列まで(1列ずつポチポチと)キーで移動、再度選択する、という手順を踏むことになる。
    • これはパソコンでのドラッグという「クリック→移動→離す」の動作と比較してかなり手間が大きい。互いに離れた列の間でカードの山を移動する場合、その分だけ手間も大きくなる。
    • タッチ操作は可能であり、これであればパソコンと比較的近い操作ができるが、タッチペン無しでは細かい操作が難しい。これらのゲームは「7枚並んでいるカードの山から、5枚だけ移動する」というようなケースも多く、指で重なったカードを指定の枚数だけ選択して移動させるのは困難。1回2回ならともかく、上記のようにテンポ良く動かすゲームで正確に移動させ続けるのはほぼ不可能である。
    • 結果として、操作が煩雑なのを承知でキー操作するか、別売りのタッチペンで操作するかのいずかにならざるを得ない。
    • ゲームコントローラでの操作との相性の面が強く致し方ない部分はあるが、アナログパッドでカーソルを動かしてマウスポインタの代わりにするなど、専用の操作を用意すればある程度改善できそうには感じられる。
  • 一部ゲームに特異な挙動・仕様がある。
    • 本作のスパイダーソリティアには、「1列に24枚以上のカードを重ねるとその時点で強制的にゲームオーバーになる」という仕様がある。本来のスパイダーソリティアには無い仕様であり、意識しておかないとそれなりに発生するため中々に不便。
      • 特に警告もなく即座にゲームオーバーになるという仕様も厄介で、たとえクリアが見えた状態でもこれが発生した瞬間、その問題は最初からやり直しになってしまう。かなり徒労感が強い。
      • 一応、この仕様についてルール説明には「ゲームオーバー条件」として記載されているのだが、「一つの列に並びきれないほどのカードを並べるとゲームを終了いたします」と書いてあるだけで、具体的な枚数も書かれていない。
      • この仕様が画面表示上の問題に起因するのか、内部処理上の問題に起因するのかは不明だが、せめて警告が出て移動できないだけなら問題は少なかったと思われるのだが…
    • フリーセルにおいて、列から別の列へカードの山を移動させる際の移動可能枚数カウントがおかしい場合がある(本来より移動可能枚数が少なくなる)。
      • 空いている列を経由してカードの列を移動させる場合にしか発生しないようなので、ゲーム自体の難易度を大きく変えているという程ではないのだが、やはり違和感は残る。
  • 大富豪については、ルール設定にやや片手落ち感がある。
    • 階段の有り無しが選択できず、階段ルールは強制的に採用される。階段は比較的メジャーなルールとは言え、好き嫌いもある程度見られるルールであり、無しのルールで遊べないのは頂けない。
    • 禁止上がり*1も同様に強制的に採用され、無しにできない。ルール説明を自主的に読まないと採用されていることも分からないため、採用しないプレイに慣れているプレイヤーは知らずに禁止上がりしてしまい苦々しく感じること必至である。
    • 「縛り」のルールが設定できない。比較的メジャーなローカルルールだけに、これが設定できないのはルール設定が豊富とは言えないだろう。
  • 前作同様、各ゲームのルール説明はややあっさり気味。
    • ほとんど絵での説明がないため、初めて遊ぶゲームのルールがすぐ分かるとは言い難い。

総評

Vol.1の『THE テーブルゲーム』同様、トランプゲーム集としては大きく褒められるところは無いが無難な出来。
やはり価格を踏まえてももう少しゲームの種類数が欲しいところではあるが、本作はオンライン対戦も存在するため『THE テーブルゲーム』よりはフォローできるところである。
1人プレイの問題数も非常に多く、暇つぶしにシンプルなゲームをだらだらとやっていたいという需要には応えてくれるだろう。

ただ、コントローラー操作が不便なのは1人プレイの際に遊びづらさに繋がりやすい。
また、問題点に挙げた一部ゲームの問題は遊ぶとどれも気になってしまいがちなところだろう。
『THE テーブルゲーム』より単純なボリューム不足は気になりづらいが、この辺りの配慮不足にややストレスは感じられる。

最終更新:2022年10月13日 19:06

*1 ジョーカーや2のカードで上がろうとすると最下位に落ちるルール。