にほんごであそぼDS
【にほんごであそぼでぃーえす】
ジャンル
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にほんごであそぼ
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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DSカード
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発売元
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IEインスティテュート
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開発元
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ボトルキューブ
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発売日
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2008年10月9日
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定価(税込)
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5,280円
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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3箇所
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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暗誦力がものをいうゲーム
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NHK関連作品リンク
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概要
NHKの教育番組「にほんごであそぼ」をベースとした問題集のようなソフト。製作側は、名句名文の朗読や暗誦を通じて「良質な日本語の伝達」、「豊かな言語感覚育成」を目標としている。
システム
にほんご寺子屋・にほんご道場
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寺子屋で50つ、道場で50つの名句名文を掲載。それぞれの名句名文に対して3段階の難易度の問題が出題される。
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寺子屋では短めで理解しやすいものが掲載されている。道場では長めで難しい名文名句が掲載されている。
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問題の難易度
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難易度は難しい順に「松」「竹」「梅」。「松」はいきなり遊ぶことが出来ず、「竹」か「梅」をクリアすることで解放される。
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「梅」では名句名文を朗読する(声に出して読む必要は無い)。ソフトが読み上げてくれるのを視聴してもいい。
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「松」「竹」は名句名文の暗誦を前提とした問題が出題される。
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「松」と「竹」での出題の例
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(1)名文が虫食い状態になっているので穴埋めする。
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穴埋めの手段が出題によってまちまちで、8つほど置かれた文字から正しい文字を順番に選んだり、原稿用紙に見立てた画面に対してタッチペンを使って書き取りをしたり、マイクに向かって実際に朗読したり、抜けている漢字に対応するイラストを選んだりする。
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(2)名文に誤字が混ざっているので、その部分にアンダーラインを引いて指摘する。
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(3)いくつかの行に分割してシャッフルされている文を並べ替え、元の名文に直す。
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原則、1つでもミスがあると成功とみなされない。8文字から文字を選ぶ出題のみ、3回のお手つきが許されている。
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昇級
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にほんご寺子屋・にほんご道場では、上記のミニゲームをこなしているうちにポイントが蓄積して昇級する。
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松クリアで3点、竹クリアで2点、梅クリアで1点。
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一度クリアしたことのある問題をもう一度やっても点が入らない。各名文で、クリアしたことのある難易度はアイコンで表示される。
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十級からスタートし、最終的に十段までランクアップする。
その他
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かるたとり
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対戦型のかるたをDSで行う。
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かるたの読み札の内容や、取り札のデザインは原作番組のコーナーからの流用。
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全札の過半数をとると勝利確定。おてつきすると5秒間なにもできなくなる。
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1人プレイではNPCとの対戦となる。通信で別プレイヤーとの対戦も可能。
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かるたの取り札は一画面ですべてが表示されているわけではなく、適宜盤面を見回して札の位置を覚えておく必要がある。
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おたのしみ
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収録ミニゲームや特典映像を楽しめるコーナー。
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最初は1種類のミニゲームしか収録されていないが、にほんご寺子屋の制覇や、にほんご道場の攻略状況に応じて随時追加されていく。
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一覧
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オープニングゲーム
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「に」「ほ」「ん」「ご」「で」「あ」「そ」「ぼ」を正しい順番でタッチしていくゲーム。3段階の難易度がありそれぞれクリアタイムのベスト5が記録される。
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スタッフロール
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スタッフの名前を順番にタッチしていくゲーム。制限時間は特に無い。
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早口言葉
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ゲームコーナーではなく、単に早口言葉が閲覧できるコーナー。番組のナレーターをつとめる榊寿之氏が早口で読み上げるのを聞くことも出来る。
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エンディング
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こちらもゲームではなく、にほんご寺子屋・道場を完全にクリアすると見られる簡単な挨拶文である。
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ボタンによる操作、タッチペンによる操作の両方を受け付けている。
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Aで決定、Bで前の画面に戻る、Rでヘルプ閲覧。
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開始時に、プレイ状況やプレイ時の時候を反映して挨拶文が毎回出てくる。
評価点
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読み書きの両方の切り口から学べる
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本作に収録されている文章は、原作番組と同様に榊寿之氏がフルで朗読してくれる。読むスピードも遅い、標準、速いの3段階で調節が可能。
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後述のように問題点がないわけではないが、ただ読むだけでなく声で吹き込んだり、文字を書き取りで入力したりするシステムもあり、バリエーションがある。
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名句名文のラインナップ
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万葉集にはじまり近代までと幅広い文学から名句名文をピックアップしている。海外文学の和訳が収録されていることも。
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春望、寿限無、いろは歌といった比較的有名な文章もきちんと収録されている。
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作者の名前の情報は載せてくれるので、原作番組で取り扱われていた文章を書いた人は誰かといった情報は本作から調べることができる。
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その他
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文字は大きめで読みやすい。難しい漢字も使用されるが、きちんと全部に振り仮名がふられている。
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ページをめくる際は十字ボタンの左右や、タッチペンのスライドなど多様な入力方法に対応している。
賛否両論点
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難易度
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ただ文章を鑑賞する内容ではなく、一種の歯ごたえのあるゲームになっている。
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総じて子供向けと呼べる難易度ではなく、どちらかというと大人向け。本作を淀みなくプレイしたいのであれば、中学校の国語を余裕でこなせる程度の知識は必要と思われる。
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単なる四字熟語を暗記させる場合もあるが、にほんご道場では中原中也「サーカス」、宮澤賢治「雨ニモマケズ」の全文を暗記した前提の出題をするなど、瞬間記憶でどうにかなるレベルではないこともある。プレイヤーによってはメモをとるといった対策が必須か。
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小学生レベルの書き取り問題も出される傍ら、「芍薬」「牡丹」といった難しめの漢字をお手本なしで書き取りさせるなど、大人も頭を悩ますような出題もある。
問題点
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反応にクセがある
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お手本の文字が下に書いてある場合は、そのお手本の線ピッタリになぞらないと字として認識してくれない。
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マイクに実際に音声を吹き込んで回答する出題については一発勝負である。なぜか不正解にされるケースもあり、1文につき大体は2~4箇所答えさせられるのだが、1箇所でも不正解が出るとクリア扱いにしてくれない。
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枕草子の書き出し部分(春はあけぼの~)からの出題は10箇所、雨ニモマケズからの出題は20箇所以上も音声吹き込みする箇所があるのである意味本作の鬼門となっている。
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読み書きや出典について特に勉強にはならない
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プレイヤー側がある程度読み書きができることを前提とするゲームバランスである。本作を介して、古典に興味を持つようなことはできるだろうが、読み書きそのものを学ぶツールではない。
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古典を読むこと自体が好きな人、本作を踏まえて古典の文意をネットで勉強できる人にはいいが、本作から作者がどんな人か、どういう状況で名句名文を遺したかといった情報や、名句名文のもつ意味をしっかり解説してくれるわけではない。
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グラフィックの地味さ
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本作は淡々と文章を読んだり問いに答えるだけの内容となっている。
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視覚効果によるにぎやかさはあまりなく、せいぜいかるたの絵柄が少しかわいらしい程度。
総評
プレイヤー側がゲームとしてこなせるような要素もあり、文章の鑑賞が主体だった原作番組とはまた異なる視点から教育に重きを置いているソフトである。
ゲームとしては若干殺風景なデザインで、また難易度も子供がやるにしては総じて高め。古典の暗誦が好きかどうかで、本作の評価が分かれるのではないかと思われる。
最終更新:2024年03月21日 19:39