Teenage Mutant Ninja Turtles: Shredder's Revenge
【てぃーんえいじ みゅーたんと にんじゃ たーとるず しゅれっだーずりべんじ】
ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐
【みゅーたんと たーとるず しゅれっだーのふくしゅう】
ジャンル
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ベルトスクロールアクション
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4 Xbox One Windows/Linux (Steam) プレイステーション5
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発売元
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DotEmu ハピネット(パッケージ版)
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開発元
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Tribute Games
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発売日
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ダウンロード版:2022年6月16日 Switch/PS4スペシャルエディション:2022年8月25日 PS5パッケージ版:2023年1月26日 Switchアニバーサリーエディション:2023年11月30日 Switchアルティメットエディション:2024年11月26日
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定価
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ダウンロード版:2,599円 Switch/PS4スペシャルエディション:5,280円 PS5パッケージ版:4,180円 Switchアニバーサリーエディション:4,180円 Switchアルティメットエディション:4,180円
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プレイ人数
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1~6人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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良作
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ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズシリーズ
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概要
DotEmuから発売されたティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのベルトスクロールアクション。
1987年から放送されていた初代アニメ版(以下、原作)がベースで、キャラクターデザインなどを踏襲している。
同作の放送当時、コナミが展開していたタートルズのゲームシリーズ、特に『タートルズインタイム』をリスペクトしており、ベルトアクションというジャンルや拡大縮小を使って画面手前に敵を投げるギミックなどを採用。
最大6人でのオンライン協力プレイにも対応した、現代ならではの要素も取り入れた作品となっている。
発売はダウンロード版が先行しており、SwitchとPS4のパッケージ版は後日発売された。リリースが遅い代わりにサントラなどの特典が収録されている。
タイトルもDL版は原語版と同じ英語表記だが、パッケージ版の公式サイトやパッケージ背表紙などは日本語訳されたタイトルに変更されているため、この記事では併記する。
特徴
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奥行のあるステージを敵を倒しながら進んでいく昔ながらのベルトスクロール方式。
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オフライン、オンライン共に協力プレイ可能で、最大6人でプレイできる。
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全16ステージ。ライフ+残機制。残機は一定スコアごとに1UPする。
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ライフはお馴染みステージ中に落ちているピザで回復する。『タートルズインタイム』に存在した取ると一定時間無敵になるピザや、本作オリジナルの一定時間ニンジャパワーを無限化するピザも登場する。
基本アクション
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攻撃ボタン連打でのコンボ、ジャンプ(2段まで)、ゲージ消費型の必殺技、投げ、ローリング回避が用意されている。
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移動は左右を2連続で入力するとダッシュになる。
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攻撃はコンボの他、空中で前方に飛び込みながら攻撃する「ダイブアタック」、2段ジャンプから放つ強化版「サマーソルトスライス」、回避から前方に高速移動しながら放つ「フライングアタック」、ダッシュ中にジャンプボタンで発動する「スライディング」、攻撃とジャンプ同時押しでジャンプしながら攻撃する「ライジングアタック」など多彩な技を出せる。
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敵に近づくと自動的につかみ状態になり、この時に方向キー入力と組み合わせることで「背負い投げ」「つかみ投げ」「つかみスラム」の3種の投げが可能。
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必殺技は敵を攻撃していくと溜まる「ニンジャパワー」が最大の時に発動可能。
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種類もその場で周囲を攻撃する通常必殺、ジャンプから放つ「必殺ダイブアタック」、回避から放つ「必殺フライングアタック」がある。
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挑発アクションが用意されており、最後まで挑発しきるとニンジャパワーゲージが1本分溜まる。
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回避はダメージを受けた直後やダウン中も発動可能で、敵と距離をとることが出来る。また、ダウン中にジャンプボタンで即時復帰ができる。
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協力プレイ時のみのアクションとして、ダメージを受けた味方に近寄って「励ます」ことで自分のライフを2メモリ渡すことができる。
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また、協力プレイ時のみライフがゼロになったプレイヤーは残機を失うまでのカウントダウンが発生し、カウントダウン中に仲間が近づいてボタン連打すれば蘇生が可能。
ゲームモード
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ゲームモードはストーリーモードとアーケードモードが用意されており、ニューゲーム時に「よゆう」「ふつう」「ムズい」の3段階から難易度を選択できる。
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上級の難易度になると被ダメージの増加、一撃喰らうだけでニンジャパワーゲージがなくなるといった制限が追加される。
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ストーリーモードでは敵を倒して経験値を溜め、レベルアップしていく要素が追加される。レベルアップすると最大ライフ、最大ニンジャパワー、必殺技やラディカルモードの解禁といった強化が行われる。
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レベルはキャラクターごとに管理され、セーブデータをロードする際にキャラを変更可能。
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ニンジャパワーゲージは最大3ゲージ。3ゲージ溜まった状態で挑発ボタンを押すと強化状態の「ラディカルモード」を発動できる。
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ステージ選択が可能で、一度クリアしたステージを何度でもプレイ可能。残機がなくなるとステージセレクトに戻されるが、コンティニュー制限はない。
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ステージクリアするごとにオートセーブされ、続きからプレイ可能。ニューゲームを選択すると難易度を変更でき、レベルを引き継ぐか選択できる強くてニューゲームも用意されている。
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アーケードモードはレベルアップ要素のないシンプルなモード。オンラインランキングに対応している。
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ニンジャパワーは1ゲージのみで、ラディカルモードも使用できない。中断セーブは不可、コンティニュー回数に制限がある。
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プレイアブルキャラクターはレオナルド、ミケランジェロ、ラファエロ、ドナテロのお馴染みタートルズ4人組と彼らの師匠スプリンター、彼らの友人のTVリポーター・エイプリル、そして隠しキャラクターでホッケーマスクの自警団ケイシーの7人が使える。
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攻撃力、スピード、射程が異なる他、それぞれに得意技を有しており特定の攻撃の出が早かったり、他キャラより強力に調整されている。
評価点
美しいドット絵
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ゲーム中のグラフィックは全て昔ながらのドット絵で、なおかつ現代らしいアニメチックなアートスタイルで表現されている。
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キャラクターごとに同じ攻撃でも異なるアクションが用意されており、それぞれの個性が際立つ。例えば、つかみスラムは敵を左右に叩きつける技だが、最後の一撃だけは叩きつけと同時に踏むキャラもいれば、エイプリルに至っては叩きつけた敵を撮影するなどキャラクター性を活かした描写がされている。
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背景も非常に美しく、原色のキャラクターに比べて淡い色使いで差別化されており、細かい部分まで描きこみつつも見づらさは一切ない。
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よく見ると本当に細かい部分まで描かれているが、ゲームプレイを邪魔しない塩梅でゲームの背景美術として非常に優秀。
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また、コナミのゲームを意識したトラップなども用意されているが、『スーパー亀忍者』では完全に初見殺しだった街中で突然背景の車が発車して轢かれるトラップは今作では車にフットソルジャーの乗っているので見分けられるようになっているなど、現代らしい配慮も行われている。
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ステージ間にはストーリーデモ用の一枚絵も用意されており、こちらも原作の絵柄・デザインを忠実に再現しており美麗。
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OPとED以外は台詞は用意されていないが、ステージクリア直後に挟まれる短いデモと合わせてストーリー展開を分かりやすく表現している。
BGM
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全体的にタートルズらしくノリのいい曲で構成されており、全てのステージに専用曲が用意されている。
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強制スクロールとなる3面や8面は軽快な曲だったり、後半ディメンジョンXが舞台になると表現が変化したり、ボーカル曲も用意されていたりと多彩で楽しませてくれる。
ゲーム性
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動作が非常に軽快で、動かしているだけでも楽しい作品に仕上がっている。
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アクションが『タートルズインタイム』以上に豊富で、敵にも攻撃を防御したり、こちらを捕縛しようとする敵も登場するため、各種アクションを駆使して攻略していく楽しみもある。敵をなぎ倒していく爽快感もなかなか。
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飛び蹴り同士で敵に撃ち負けたりする点は昔から全く改善されていないが、こちらも出せる技が増えているおかげで必ずしも飛び蹴りだけに頼らなくてもよくなったため、対処しやすくなっていると言える。
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キャラクターごとの性能差も顕著で、自然とそのキャラの使い方がわかる調整になっている。作りは非常に丁寧。特に使いにくいキャラがおらず、どのキャラでもそれなりにこなせるのも有難い。
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敵の種類も多彩でボスの攻撃パターンも比較的読みやすいなど、ゲームバランスは昔ながらのアーケードゲームレベルで攻略しがいがある。
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無敵状態になる必殺技を連発しやすいので「よゆう」難易度なら初心者でも遊びやすい。
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ニンジャパワーゲージシステムのおかげでライフを消耗する特殊攻撃が無くなり、ある意味安心して技を出せるようになった。
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ベルトアクションらしく多人数プレイが盛り上がる作品となっており、今作ではプレイ開始時にオンラインとオフラインを切り替えられるので、気軽に乱入可能となっている。オンライン状態でない場合は絶対に乱入されないので一人プレイを楽しみたい場合も安心。
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キック機能はないが、フレンドリーファイアは存在しないため乱入してきたプレイヤーに嫌がらせを受けるといったこともまずない。
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なお、一部クロスプラットフォームでのプレイにも対応している。
キャラゲーとして
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原作である87年版アニメベースのため、登場キャラクターのデザインもそちらに寄せており旧来ファンから好評を受けた。なおかつコナミの発売したタートルズ作品へのリスペクトも好意的に受け止められている。
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登場する敵・ボスキャラもアニメやコナミ作品に登場したものばかりで、シュレッダーやクランゲ、ロックステディにビーバップといったお馴染みのキャラは勿論、日本未放映話に登場したキャラなども登場。
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なお、メタルヘッドが再プログラムされて再び敵対するなど、アニメ版の延長的なストーリーであることが仄めかされている。
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ストーリーモードではフット団に囚われた味方キャラを救出し、彼らの望むアイテムをステージ中から探し出して渡すといった要素も追加される。
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ここで登場するのはエイプリルの同僚アルマやディメンジョンXからやって来た3人組「ニュートリノス」、タートルズ同様ミュータジェンで変身したカエル「ミュータントフロッグス」といったやはりアニメ版で活躍したキャラクターばかり。
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OPムービーでは原作アニメのテーマソングのカバーバージョンを使い、完全新規のアニメが用意されているのも好評。当時のファンなら懐かしさがこみあげて来ること間違いなし。
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キャラボイスも原作の原語版を担当した声優を起用している。
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残念ながら日本語吹き替えは無いが、原作の日本語版はBS2版、東和ビデオ版、テレビ東京版とそれぞれ担当声優が違う上、既に鬼籍に入っている声優も多いので再現は厳しいだろう。
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前述の通り、コナミ作品へのリスペクトも豊富で、アクションからステージ中のギミックまで多彩に用意されている。
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タートルズが使うアクションのほとんどは『タートルズインタイム』がベースになっている。
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とあるボス戦では『タートルズインタイム』のシュレッダー戦同様、画面が敵側の視点になり、画面手前にいる敵に向かってザコを投げつけて攻撃することになる(必ずしも投げる必要は無いが)。
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ステージ中には叩くと壊せるオブジェクトが多数配置されており、一部(駐車メーターや消火栓を)は殴ると直線に飛んで行って敵を攻撃できるのは『スーパー亀忍者』のリスペクト。前述したように背景の車が轢いてくるトラップなども再現されている。
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ステージ2のタイトル「ニューヨーク、午後3時(Big Apple, 3 PM)」は『タートルズインタイム』のステージ1「BIG APPLE, 3 AM(ニューヨーク、午前3時)」に対応していたりと細かいネタも。
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ストーリーもフット団によって自由の女神像が奪われ、チャンネル6が襲撃される場面から始まるなど、とにかく多くのリスペクトがあり懐かしさ満載。
問題点
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スライディングの操作がダッシュ中ジャンプボタンになっているため、ダッシュしながらジャンプすることが出来ない。本作のアクションで唯一不便なところと言える。
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挑発で簡単にニンジャパワーを(1回につき1ゲージ)溜められるため、敵を一掃したら次に進む前に挑発というプレイになりがち。
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高難易度で簡単にゲージを失いやすい救済とも言えるが。
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ラスボスの攻撃パターンはかなり単調で拍子抜けしやすい。
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常時無敵状態で、一定の攻撃を繰り返した後、疲労状態になって初めて攻撃が通る。このため、疲労するまでは常に逃げ続けたりボスの出す幻影を破壊するだけとやる事が少ない。
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攻撃パターンも簡単に回避可能なので単調さは否めない。
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実績について。
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「ノーダメージ」や「障害物でダメージ●回以内クリア」という実績、ただでさえ敵や仕掛けが多いため、達成が困難過ぎる。ゲーム自体はFC版などの頃よりやりやすくなっているとはいえ、敵が前後から攻撃してきたりミサイルが降り注ぐステージでそれを達成しろというのは、鬼としか思えない。
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「コンボ●回」も、1回ダメージを受けるとカウントがリセットされるため、実質ノーダメージで進めと言われているのと同じことになり、かなり難しい。一定時間敵に攻撃しなくてもリセットされるため、敵が出ないエリアに入ってしまうと、次の敵が出るまでになすすべなくリセットされてしまう。理不尽。
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強くてニューゲーム。
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このゲームではキャラチェンジは自由(ただしフィールドのみ)だし、交代したキャラでラスボスを倒せば全パターンのエンディングを見るのも容易い(ただし、最終ステージは2連戦であり、レベルが低いとライフ最大値が少ないため、辛くなる場合がある)。さらに、クリアしたステージは自由に再挑戦できる。
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なので、ステージ進行状況がリセットされないことを除けば何も変わらないため、わざわざ強くてニューゲームで最初からやり直すメリットが、全くと言っていいほど無い。むしろ、レベル以外リセットされて最初からやり直しになる分、デメリットになってしまっている。
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ただ、難易度を変更する唯一の方法が、最初からのやり直しなのだが、メリットと言えるほどのことではない。
総評
87年版アニメとかつてのタートルズゲームを強くリスペクトし、当時のファンを中心に好評を得た良作アクションである。
ゲーム自体も非常に丁寧な作りになっており、単独のゲームとしても良好な出来栄え。
最大6人というプレイ人数の多さもあり、オフラインはもちろん現代のオンライン環境を使ってわいわい楽しめる作品に仕上がっている。
余談
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本作の発売後、コナミからタートルズ作品をまとめたオムニバスソフト『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection』が発売された。
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リスペクト元である『スーパー亀忍者』『タートルズインタイム』も収録されているので、リスペクト元と比較してみるのも面白い。
最終更新:2025年02月27日 01:59