ザ・ファイヤーメン2 ピート&ダニー
【ざ ふぁいやーめんつー ぴーとあんどだにー】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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ヒューマン
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開発元
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メディアエンターテイメント
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発売日
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1995年12月22日
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定価
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5,800円(税別)
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廉価版
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ヒューマンtheBest 1999年5月27日/1,800円(税別)
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配信
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ゲームアーカイブス 2010年6月9日/628円(税10%)
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プレイ人数
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1~2人(同時プレイ)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※ゲームアーカイブスで付加
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セーブデータ
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1ブロック(3か所)
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判定
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なし
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ポイント
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前作キャラ続投で2Pプレイ対応 フルボイス化・設定追加でドラマ性は向上 1Pプレイで頻繁に暴走するダニー 火災現場の臨場感は前作より劣化
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ザ・ファイヤーメンシリーズ ザ・ファイヤーメン / ザ・ファイヤーメン2 ピート&ダニー
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概要
『ザ・ファイヤーメン』の続編。プラットフォームをスーパーファミコンからプレイステーションに移している。
前作より2年後が舞台で操作キャラは続投。2プレイヤー同時プレイに対応している。
ストーリー
(説明書1ページより引用。)
2012年12月24日、クリスマスイブ。ニューヨーク各朝刊のトップは次のような記事で飾られた。
「レジャー産業界の第一人者NTD社、自由の女神で有名なリバティ島近くに人工島を建設、超高層アミューズメントビルをグランドオープン!本日、オープン記念として抽選で選ばれたニューヨーク市民を無料招待!」
自宅で朝食を取りながらこの記事を読んでいたピートの脳裏を、2年前の同じ日に起こったあのメトロテック社の火災の記憶がふとよぎる。
「まさか、縁起でもない…」ピートはその忌まわしい記憶をふりはらうように、軽く首をふり、隣りのリビングルームへと目を移した。
そこでは、無料招待に当選した妻のニーナと娘のアニーがはしゃぎながら外出の準備をしている。
二人の姿を微笑みながら見ているピートの耳に、ニーナの声が響く。
「あなた、そろそろ時間よ、出かけなくちゃおくれるわ。」「ああ、わかった。じゃあ、行ってくる。」妻と娘と軽くキスをかわし、ピートは玄関へ向かった。
車に乗り込もうとしてふと我が家をふり返ると、ポーチに二人の姿があった。「パパ、今日は早く帰ってね!プレゼント買って待ってるから!」手をふるその姿を見つめながら、ピートは新聞を読んだときに感じたあの不安を打ち消すようにつぶやき、車を発進させた。
「大丈夫、ただの思い過ごしさ…」バックミラーに映る妻と娘はだんだんと小さくなり、そして見えなくなった…。
登場人物
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登場人物
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ピート=グレイ(42歳) 声:内海賢二
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1P担当キャラ。D地区消防署第一小隊のリーダーを務める人望厚いベテランの消防士。
2年前(前作)と同じクリスマスの日に今度は家族が火災に巻き込まれてしまう。
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ダニー(ダニエル=マクリーン)(32歳) 声:古川登志夫
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2P担当キャラ。ピートとは長年コンビを組んできた楽天家。
同じ消防官だった父の影響で消防官になった経緯と同僚のウィノナに好意を寄せる一面が本作で追加された。
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ウィノナ=マクワイルド(23歳) 声:冬馬由美
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D地区消防署第一小隊の司令室オペレーターの女性。オペレーターとして現場の状況を逐一報告する。
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マックス=ブライアント(27歳) 声:菅谷勇
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D地区消防署第一小隊のメンバー。体格のいい熱血漢。幼馴染のウォルターとコンビで活動する。
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ニーナ=グレイ(27歳) 声:萩森侚子
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ピートの妻。新人時代のピートに火災から助け出された縁で結婚。夫を誇りに思い家庭を守っている。
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アニー=グレイ(8歳) 声:鉄炮塚葉子
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ピートとアニーの一人娘。素直だがわがままな面も持つ。最近は消防官である父親に影響されて人助けを始めようとしている。
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特徴
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前作と同様のトップビュー視点、全方位任意スクロールのアクションシューティング。
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本作は進行によって特定ステージのスキップがあるため、ステージ数は一定ではない。
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主な操作方法は前作から共通。
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方向キーで8方向に移動。R1ボタン押しっぱなしで方向固定。
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□ボタンで上放水・×ボタンは下放水。ダニー操作時は後述。
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○ボタンで伏せ。高い位置の炎の回避が可能で、ボタンを押しながらの伏せ移動は高い位置の障害物をくぐることができる。
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△ボタンで消火爆弾。高威力で周囲の炎をまとめて消化するが消耗品。本作はプレイヤーごとに2個までストック可能。
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2個ストック時に消火爆弾を取得することでピートはハイパーウォーター、ダニーはハイパーアックス状態となり攻撃力がアップする。
前作からの変更点
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メモリーカードによるセーブ機能が追加。ファイルは3か所使用可能でステージクリアごとにオートセーブされる。
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2Pプレイに対応し、2プレイヤーは前作のNPCであるダニーを操作できるようになった。1Pプレイ時は前作同様にNPCになる。
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□ボタンで消防斧を振るっての消火・×ボタンはストンピングで足元の火だけを消せる。ピートに比べると射程は短く移動しながらの攻撃ができないが攻撃力・移動速度は速い。
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ダニーは消防斧の扱いに磨きをかけたのか、今作では斧からソニックブームめいた波動を放ち、攻撃範囲が広がっている。
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R2ボタンを押しながら方向キーでダッシュ移動が可能になった。
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ライフゲージの目盛り表示による数値化。最大で12つ分あり、すべてのダメージが目盛り1つ分に固定化された。
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残機制に相応する救急箱システムが導入。
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ライフが0になった時点でストック分を自動消費してライフを全快する。
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2Pプレイにおいて片方のプレイヤーがスタートボタンを押すことで救急箱のストックを消費し、ゲームオーバーになったもう片方のプレイヤーを復帰させられる。
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コンティニュー回数は無制限になった。ただしコンティニュー後は各ステージの最初からやり直しになる。
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マップ機能は廃止され、生命反応センサーが代わりに機能の一部を担うことになった。
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生存者だけでなく自キャラも表示されるようになり、部屋内での位置がわかるようになっている。
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生存者の救出は固定イベントになり、救出によるライフ回復は無くなった。
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ステージクリア時の消火率が100%を達成した時に消防士の帽子マークが表示されるようになった。
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エンディング後の採点・プレイヤーランク表示は廃止された。
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タイムカウントがゼロになってもライフは最低値にならなくなったが、一度でもゼロになった状態でステージクリアすると最終ステージに挑戦できず、スタッフロールが流れない中途半端な結末になる。
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最終面ではカウントがゼロになると強制ゲームオーバーになる。
評価点
セーブ機能対応により中断プレイが可能になった。
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クリアまで1時間程度であったものの、中断不能だった前作よりも気軽にプレイできるようになっている。
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1Pプレイのデータを2Pプレイで再開したり、その逆も可能。
キャラクター描写が増え、ドラマ性が増した。
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ピートは前作で存在だけ語られていた家族が物語に関わるようになり、ダニーは過去の経歴や想い人について語られるなど、キャラの掘り下げが行われている。
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生存者のセリフも全体的に増加している。
CD媒体の容量を生かしたフルボイス化。
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ピート役の内海賢二氏、ダニー役の古川登志夫氏をはじめとした声優陣の演技もピッタリ。生存者一人一人にも声が付き個性化が図られている。
ロケーションが豊富になった。
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アミューズメントビルが舞台になったため、遊園地・バーチャルシアター・水族館・コンベンションホール・結婚式場といった施設がステージに採用された。
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遊園地ではジェットコースターに乗っての移動、水族館では火災に巻き込まれたペンギンたちの救出、恐竜展が催されているコンベンションホールでは火災で暴走した恐竜ロボットがボスで登場するなど、各ロケーションを生かしたイベントもある。
方向性が変わったが、火災現場のイメージに合った良質なBGM。
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前作はロック調のBGMだったが、今作は映画の劇伴を意識したような緊迫した雰囲気のBGMが中心になっている。
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バーチャルシアターでは電子音がBGMに含まれていたり、恐竜展が催されているコンベンションホールではトライバルじみた曲調になっているなど各ロケーションに合った内容になっている。
問題点
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本作はセリフの字幕が廃止され、状況に関する情報が音声のみとなった。
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聞き逃しのフォローが無く、音声もところどころで聞き取り辛い部分があり、情報把握がし辛い部分がある。
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前作で可能だったイベントシーンの早送りができなくなった。そのため、ゲーム開始の度に挟まれるイベントが長く感じやすい。
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若干ではあるが、1Pキャラのピートの性能が前作より低下した。
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非放水時でも旋回に多少時間がかかるようになり、特にボス戦での立ち回りで前作のようにいかない部分がある。
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1Pプレイ時、CPU操作のダニーが積極的に行動しなくなり、前作でもあったある問題点が頻発するようになった。
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前作では近くの炎を積極的に動いて消してくれたが、今作では常にピートの後ろをついていき、接触した炎くらいしか消してくれない。
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1Pプレイではダニーが無敵化になるため、その代償としてバランスを取っているとも言える。
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前作での問題点だった「ダニーと離れすぎるとダニーの動きが挙動不審になる」現象が本作では頻発するようになった。
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ダニーの追従速度が放水しながらの移動中のピートよりも遅く、プレイヤーがある程度の距離をノンストップ移動するだけでダニーが挙動不審になってしまう。
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状況によっては、ダニーが壁を突き抜けて壁の向こう側へ行ってしまったり、壁の中に埋まったまま動けなくなる現象も発生する。
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イベント発生場所に到達したときダニーが挙動不審状態だと、ダニーが合流するまでゲーム進行が止まってしまう。
その間タイムは減少しないのは救い。
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上記の問題点から常にダニーと付かず離れずの操作をするか、ダニーを完全に無視するかを1Pプレイでは強いられる。前作の感覚でプレイしづらくなっている点の一つである。
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消火爆弾の入手機会が極端に減少した。
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1ステージ中に全く出てこないこともあり、ハイパーウォーター(アックス)状態になり辛くなっている。
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前作に比べて、火災現場の臨場感が劣化している。
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現場に立ち込める煙のエフェクトが無くなり、床の崩落や器物落下・倒壊、バックドラフトといったギミックとしてのゲーム中のアクシデントもほとんど起こらなくなった。
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PS初期のゲームなので仕方のない面もあるが、ゲーム起動からタイトル画面表示までが遅く感じやすい。
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CD-DA音源を使用している都合上、画面の切り替わりやイベント発生時、BGMが最初からかかり直しになる。
総評
2人同時プレイにより遊び方の幅が増え、ドラマ性がフルボイス化やキャラクターの掘り下げによって前作よりも充実した。
その反面、火災現場の臨場感の低下や1Pプレイ時のNPCキャラの暴走など、無視できない問題点も目立つようになってしまった。
消火アクションゲームとしては十分遊べる内容だが、前作に愛着のあるプレイヤーほど本作に違和感を覚えやすいだろう。
シネマティックライブシリーズだった前作の続作としては、ハリウッド映画に見られる「前作を凌げなかった続編作」のような作品と言える。
余談
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発売元のヒューマンは今作発売から程なき1999年末に事実上倒産しており、本シリーズも今作が現状最終作となっている。
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パッケージイラストのピートとダニーは通常版・廉価版共にゲーム中のグラフィックと全くの別人になっている。
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2Pプレイ時、片方のプレイヤーがゲームオーバー状態であることを説明書ではゾンビ状態と記載している。
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言うまでもないが見た目がゾンビのようになるわけではないのでご安心(?)を。
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ダニー操作時、伏せ移動中でも攻撃ボタンを押せば攻撃可能なため、移動しながら攻撃できない欠点をカバーできる。
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伏せ移動のスピード自体も速いため、高速で伏せ移動しながら波動をバラ撒くという変な光景を作り出すことも可能。消防士とは一体…
最終更新:2024年06月12日 06:24