SDザ・グレイトバトル 新たなる挑戦

【えすでぃー ざ・ぐれいとばとる あらたなるちょうせん】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 バンプレスト
開発元 ノバ
発売日 1990年12月29日
定価 8,200円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント グレイトバトルシリーズ第一弾にしてシリーズの土台を確立
最初ゆえの荒削りさもあり
コンパチヒーローシリーズ


概要

  • バンプレストのSFC参入第一弾ソフトで、グレイトバトルシリーズの第一弾。
    SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団』の続編にあたり、後のシリーズでも活躍するロアが初登場した作品。

ストーリー

環境管理装置の完成により、平和を手に入れたSDネイションだったが、ある日装置が暴走して邪悪な怪物たちが復活してしまった。
前作『SDヒーロー総決戦』で倒したダークブレインもこれによって復活してしまったようだ。
ウルトラマンタロウ、仮面ライダーV3、ナイトガンダムが原因究明のために調査に乗り出したが、消息を絶ってしまった。
それから1か月、第二次調査隊としてウルトラマン、仮面ライダー1号、ガンダム*1がメンバーに選ばれ、調査に向かった。


特徴

  • 全部で7つあるステージをクリアしていき、最後に待ち受けているネオ・ダークブレインを倒すのが目的。
  • トップビューのアクションゲームで、各キャラを操作して敵を倒したり、リフトを乗り継いで谷を渡ったりしながら進み、ステージの最後にいるボスを倒すとステージクリア。
  • プレイヤーキャラはワンボタンで即時交代可能である。交代によるコストや回数などの制限も特に存在しない。
+ ステージ紹介
  • 第一話 出撃!SDヒーロー!!
    • まずは小手調べ的なステージで、移動、攻撃、ジャンプなどの操作を学べるようになっている。
    • 登場するのはウルトラ怪獣たちで、途中でピグモンが特殊攻撃ゲージを増やしてくれる。ボスとしてゼットンが登場。
  • 第二話 恐怖!ショッカー軍団の復活
    • 名前の通りショッカー軍団が登場するステージで、城の中を進んでいく。ここにはリフトに乗って進むポイントが存在しない。
    • 道中にはモグラ獣人がいて、特殊武器ゲージを回復してくれる。ボスとしてオリジナルのボーンファイターがおり、倒すとV3を救出できる。
  • 第三話 潜入!敵宇宙基地をたたけ!!
    • モビルスーツ系が登場するコロニー基地で、外観にはジオンのマークもある。
    • このステージで初めて分岐が登場し、どちらに進むかで出会うキャラが変わる。ステージ開始直後にハロがいて、特殊武器ゲージを回復してくれる。
    • ボスとしてジオングが登場、ちゃんとヘッドもある。
  • 第四話 戦慄!クリスタルキャッスル タロウ処刑せまる
    • ウルトラ怪獣たちが出現する水晶のステージで、道中はリフトが小さかったり、振動を起こしてこちらを動けなくする水晶が出現するなど難易度が上がっている。
    • 隠しに近い形ながらロアが初登場。ライフと特殊攻撃ゲージを全回復してくれる。ボスはオリジナルのクリスタルドラゴンで、倒すとタロウを救出できる。
  • 第五話 灼熱!魔の溶岩地帯
    • ライダー系の敵が出現する溶岩地帯で、溶岩に触るとダメージだが強引に突っ切ることもできる。最終盤は道がかなり分かりにくい。
    • ここにも分岐があるが、通路が円の形になっているだけでどちらに進んでも同じ。ただ中ボスの部屋に先に着くか、ロアの部屋に先に着くかの違いだけで、中ボスの部屋に先に着くルートでも、これをスルーして左に進めばすぐにロアの部屋がある。道中には暗闇大使もいて、特殊武器ゲージを回復してくれる。
    • ボスとしてアポロガイストが登場。かなりの強敵。
  • 第六話 狂気!MS研究所の野望!!
    • モビルスーツ系の敵が出てくる研究所だが、自分の周りしか見えない暗闇の迷路ステージになっている。
    • 所々にある入口に入ると他の入り口にワープしたり、ボスや味方がいたりする。入口の上に数字が書いてあり、これがヒントになっている。ただ、ワープしないと行けない飛び地などは存在せず、全ての場所が繋がっている。
    • ここにもロアが登場して助けてくれる。他にナイト百式もいて特殊武器ゲージを回復してくれる。ボスはオリジナルのデブデダビデで、倒すとナイトガンダムと合流する。
  • 第七話 血戦!6大ヒーローVSダークブレイン
    • 最終ステージで、ダークブレインの宇宙基地に乗り込む。
    • ゼットン、アポロガイスト、ジオングが強化されて再び登場し、これらを撃破した後、ネオ・ダークブレインとの決戦となる。
    • 味方キャラなどは一切おらず、戦いあるのみのステージである。
  • 画面下に2本のゲージがあり、左の赤いゲージがライフゲージでこれがなくなるとミスになる。その右にある数字が残機(オプションで3機か5機を選択できる)で、これがなくなるとゲームオーバー。コンティニューは2回まで可能だが、ステージの最初からになり特殊攻撃ゲージが0になる。
    • 右の青いゲージは特殊攻撃ゲージで、これを消費することで各キャラごとの特殊攻撃を使ったり、仲間になったオプションキャラを呼び出したりできる。
  • ステージでは基本的に中ボスを倒さないと道が開かなかったり、リフトが出現しないが、オプションキャラや特殊武器ゲージを増やしてくれる仲間の所は必ず通る所*2でなければスルーして進むことが可能。
  • 操作出来るキャラは3人からスタートし、ステージをクリアしていくことで6人まで増える。それとは別にオプションキャラも存在する。
+ 6人のキャラとオプションキャラ
  • ウルトラマン
    • 通常攻撃はスペシウム光線。
      • 光線という名の通り4マスの長さがあり当てやすい。これに限らず飛び道具系の攻撃は8方向に撃てる。
      • ウルトラマン系はウルトラ怪獣以外とは相性が悪い。
    • 特殊攻撃は八つ裂き光輪(消費4)
      • 直線状に光輪を投げる。敵を貫通して連続ヒットするが弾速が遅く、素早く動き回る敵には当てづらい。
  • ウルトラマンタロウ(ステージ5から使用可能)
    • 通常攻撃はストリウム光線。
      • スペシウム光線の色違いで、性能は全く同じ。
    • 特殊攻撃はウルトラダイナマイト(消費4)
      • 画面全体を攻撃する技で、威力も高くボスも数発で沈めてしまうが、どういう訳かウルトラ怪獣に対してのみ与えるダメージが少し低い。
  • 仮面ライダー1号
    • 通常攻撃はライダーキック。
      • 名称だけだとわかりにくいが、実際は靴だけが直線に飛んでいくビジュアルなので見た目はシュール。しかし連射はしやすく使い勝手はよい。
      • ライダー系はウルトラ怪獣と相性が悪い。
    • 特殊攻撃はタイムストップ(消費4)
      • 一定時間敵の動きを止める。強力に見えるが後述の問題点のせいで使い勝手が悪い。
  • 仮面ライダーV3(ステージ3から使用可能)
    • 通常攻撃はV3キック。
      • 1号のキックの色違いで、赤いキックを飛ばす。威力などは同じ。
    • 特殊攻撃はハリケーン号(消費4)
      • ハリケーン号に乗って無敵で走り回れる。スピードはかなり速く、すばやく遠くに移動できる上、ステージ5などではショートカットにも使える。
      • 体当たりで攻撃することも出来る(威力は通常攻撃とあまり変わらないが)のでかなり役に立つ。
  • ガンダム
    • 通常攻撃はビームライフル。
      • 基本的なことは他のキャラと同じだが、上下に関しては弾が中央ではなくライフルのある方に出るのでやや癖がある。
      • ガンダム系は不得手がなく、ほかのキャラより少し足が速い。
    • 特殊攻撃はハイパーバズーカ(消費2)
      • バズーカ弾を撃つ。撃った弾は少し進むと爆発して大きな爆風が広がる。爆発する前の弾にも攻撃判定があり、弾速は遅いが爆風の範囲が広い&燃費が良いこともあってぶっ壊れた性能。
  • ナイトガンダム(最終ステージのみ使用可能)
    • 通常攻撃はスピア。
      • スピアを飛ばして攻撃するが、ガンダムと同じく癖がある。
    • 特殊攻撃はホーミングショット(消費2)
      • 敵に向かって飛んでいくウェーブ弾を放つ。燃費が良く使いやすいが後述の問題があり微妙な扱い。
  • オプションキャラ 1回呼び出すたびに特殊武器ゲージを4消費する。こちらはヒーローとは違いきれいな三角関係の相性になっている*3
    • バルタン星人
      • ステージ1で敵として登場し、倒すか助ければ仲間になる。
      • 前後に弾を撃って攻撃してくれる。
    • ナイトサザビー
      • ステージ3で登場し、爆弾でドジって自爆した後助ければ仲間になる。
      • 爆弾を投げて攻撃してくれる。
    • 地獄大使
      • ステージ5でボーンファイターがやられた責任を取らされ処刑されそうになっている所を助ければ仲間になる。
      • 誘導弾で攻撃してくれる。

評価点

  • どのキャラをどこで使ってもクリアできるゲームバランス
    • 前述の通りキャラによって得手不得手はあるが、クリア不可能なまでではなくどのキャラを使ってもクリアできるように調整されている。
    • ずっと1人しか使わずにプレイしたり、そのステージの敵キャラを苦手にしているキャラのみ起用するなど、自由度が高い。
  • 充実のBGM
    • ウルトラマン、ライダー、ガンダムそれぞれに原曲をアレンジした専用BGMが用意されていて、チェンジする度に切り替わる。曲自体の評価も高い。
    • 最終ステージでは決戦を思わせる勇ましい専用曲があり、どのキャラを使ってもBGMが変わらないが、この曲と最終ボスの曲がともに評価が非常に高い。
    • 作曲はNoririn(富樫則彦)氏。
  • 便利なオプション
    • オプションメニューでは難易度とコントローラーの設定、そしてサウンドテストがある。
    • 難易度はイージーとノーマルがあり、イージーにすると受けるダメージや落下ダメージが半分になり、敵の移動速度や弾の速度が遅くなり、1UPまでに必要な点が下がるなどかなりプレイしやすくなる。
      • ノーマルならやり応えがある難易度になるため上級者でも安心。
  • コントローラーの設定は1つ1つのボタン設定はできないものの8パターンものボタン配置設定が用意されている。
  • サウンドテストは言わずもがな、上記の名曲たちを好きなだけ聴ける。

賛否両論点

  • ガンダムが強すぎる
    • 初期メンバーのガンダムが強すぎて他の2名が霞んでしまう。
    • 苦手な場面がほぼ無い上に必殺のハイパーバズーカがぶっ壊れ性能で、広範囲かつ高威力のためほとんどの敵を一方的にかつ楽に倒せてしまう。相性が悪いのは的が小さいうえに素早く動き回るクリスタルドラゴンの第2形態くらい。
    • ただ、これは初心者や当時のメインプレイヤーだった小学生にも配慮した面もあるため完全な問題点とも言えない。

問題点

  • ライダー1号のタイムストップが使いにくい。
    • タイムストップは一定時間敵の動きを止めるという効果で、一見強力に見えるがボス戦などで使うとすぐに敵の当たり判定がなくなってしまう。当てられて4発というところで、もっぱら移動用である。
    • 当て続けてそのままハメ殺されるのを防ぐためなのだろうが、それならばV3のハリケーン号と合わせて燃費をもっと悪くすれば「ライダーの技は燃費が悪いが強力」という悪くない個性ができたはず。
    • そもそも、基本肉弾戦主体の仮面ライダーにこんなオリジナルの超能力を与えること自体、いくらSD世界とは言っても違和感は拭えない。原作出典の技でももう少しゲーム映えする必殺技を選出することは可能だっただろう。
  • ナイトガンダムが不遇
    • 当時かなりの人気キャラだったにもかかわらず、使えるのは最終面のみで、最終面にはお助けキャラがいないので前のステージから特殊武器ゲージを持ちこさなければホーミングショットも使えない。
    • ただでさえガンダムに性能で劣っているのに、これはあんまりな扱いであろう。
  • オプションキャラの使い勝手が悪い。
    • 出すのに特殊武器ゲージを4消費するうえ、出現している時間が短く、攻撃力も低い。同じ消費なら必殺を使った方がましで、仲間にしない方がいいとまで言われるレベル。特にラスボスには相性が悪い。
    • 地獄大使だけはスルーできないと思いきや、敵を倒した後メッセージが出る前に素早く部屋を出てしまえば仲間にせずに済む。
  • ガズL・ガズRが間違っている。
    • 登場時に向かって左に赤・右に青い機体が立っており「おれは、ガズL。」「おれは、ガズR。」と名乗るが、強化されてる腕が逆になっている。ガズLは赤・左腕でガズRが青・右腕が正しい。
      • 原作劇中では向かって左にR(青)右にL(赤)が立っていることが多いので腕は正しく名前と色が取り違っている、というべきだろうか。

総評

  • まだまだ荒削りな部分もあるにはあるが参入第一弾としては申し分ない出来であり、難易度も程々だがやりごたえもあるのはもちろんだが、なにより3体(+3)のヒーローを操り活躍させることができる楽しさも魅力的だった。 まさしく後のシリーズの礎となった良作といえるだろう。

余談

  • ステージ5で地獄大使が仲間になる時、彼を責めたてて処刑しようとしているのはなんとクモ男である。立場が逆だろ……。
  • 本作スタッフの多くはN.H.System出身。
    • N.H.Systemが1990年2月に倒産、開発中だったPCE版『メルヘンメイズ』を大半のスタッフがノバに移籍して開発を続けた経緯による。

最終更新:2023年02月18日 01:12

*1 ファーストガンダムつまりRX-78-2 ガンダム のこと。この時代では「~ガンダム」または「ガンダム~」のモビルスーツが今ほど多くなかったため区別がついたことや、当時は「ガンダム」という語に現在のような複雑な意味・定義はなかったことにより型番でモビルスーツであることを明記する必要がなかった。

*2 ステージ2のモグラ獣人の所とステージ5の地獄大使の所は必ず通ることになる

*3 ガンダム>ウルトラ>ライダー>ガンダム