SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団
【えすでぃーひーろーそうけっせん たおせ あくのぐんだん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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インターリンク
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発売日
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1990年7月7日
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定価
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6,300円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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銃は剣より強し ジバン最強 珍しくガンダム系が冷遇
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コンパチヒーローシリーズリンク
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概要
SD化されたTVキャラクター達が共演する「コンパチヒーロー」シリーズの第2作。
ウルトラマン・仮面ライダー・ガンダム・メタルヒーローの4シリーズのキャラが共演する。
また、以後コンパチシリーズのレギュラーとなるゲームオリジナルキャラ「エミィ」と「ダークブレイン」のデビュー作でもある。
正統派のキャラゲー故に意外だが、後に数々の話題(問題?)作を世に放った飯野賢治氏が本作の製作総監督を務めている。
本人がインタビューで回想しており、スタッフクレジットにも名前が確認できる。
(クレジットでは「かんとく いいの」表記)
ストーリー
SD戦士達が平和に暮らす国『SDネイション』。
そこに突如、謎のUFOが襲来、SD戦士の母というべきガチャポンマシンとそのエンジニアであるエミィちゃんをさらっていた。
犯人は悪の帝王ダークブレイン。ダークブレインはガチャポンマシンで悪玉SDだけを増やして、SDネイションを乗っ取ろうと企んでいたのだ。
正義のSD戦士達はガチャポンマシンとエミィちゃんを救い出し、SDネイションの平和を取り戻せるだろうか。
(取扱説明書より引用)
特徴
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当時のファミコンソフトによく見られた横視点のアクションゲーム。
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ヒーローごとに2つずつ割り当てられた8つのステージを任意の順番でクリアし、その後出現する最終面に挑む。
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各ステージは「怪獣墓場」「不思議宮殿」など、各番組に登場した場所を元にしている。
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ステージのラストには、ボスキャラが待ち構えている。
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ライフ制で、一度死ぬとゲームオーバーだが、コンティニューは何度でも可能。ただしパスワードやセーブ機能は無い。
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一部ステージでは空中にいる敵を踏んでもダメージにならず、踏み台にして飛ぶことができる。これを使わないと渡れない大きな穴もある。
キャラクター
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プレイヤーキャラはアイテムを入手する事で同じ原作シリーズのキャラに変身し、パワーアップできる。同じランクのまま別のキャラ系統に乗り換える事のできるアイテムや、ランクを下げるマイナスアイテムも存在する。
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各系統の変化は、以下の通り。
ウルトラチーム…ウルトラマン(ウルトラマン)→ウルトラセブン(ウルトラセブン)→ウルトラマンタロウ(ウルトラマンタロウ)
ライダーチーム…仮面ライダー(仮面ライダー旧1号)→仮面ライダーX(Xライダー)→仮面ライダーBLACK RX(仮面ライダーブラックRX)
ガンダムチーム…機動戦士ガンダム(ガンダム)→機動戦士Ζガンダム(Ζガンダム)→機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(νガンダム)
メタルチーム…宇宙刑事シャイダー(シャイダー)→超人機メタルダー(メタルダー)→機動刑事ジバン(ジバン)
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ウルトラとガンダム系は第2段階から、あとの2系統は最終段階で遠距離攻撃が可能となる。近距離攻撃時に相手の攻撃を受けるリスクが高まるため、遠距離攻撃可能なキャラクターほど攻略に有利となる。
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ただ遠距離攻撃の出来ないライダーXとメタルダーは攻撃力が強く、特にメタルダーのレーザーアームは他種の最強形態であるνガンダムやタロウを上回るほどなので、スピードあるオールキルな展開を求めるような上級者に向いている。
評価点
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ファミコンソフトとしては、敵を含めた各キャラクターのアクションが非常に細かく用意されている。
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プレイヤーキャラは、ジャンプ時や攻撃被弾時に掛け声の字幕が小さく表示される。
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ハンブラビが攻撃時に手からクモの巣を発したり、サイコガンダムが『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』に登場した知る人ぞ知るサイコロ形態に変形したり。
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ボスキャラのキングダークを倒すと、その中から呪博士らしき小さい人が現れてウロウロし出す。
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ボスキャラのシャドームーンは『RX』版でのシャドーセイバー二刀流という、マニアックなところから元ネタを引っ張っている。
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なお本作の敵キャラは、プレイアブルキャラが主役を担当した作品に登場した敵キャラに限って選ばれている。シャドームーンが『RX』仕様なのも、究極的にはこれが理由である。
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BGMは良好
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飯野賢治氏とかみじま(平沢道也氏)が担当しており、出撃時のノリのいいBGMやテンポよく流れるステージBGM、おどろおどろしいボス戦BGM、勝利BGM等、聞いていて飽きないBGMが多い。
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余談だが、キャラクターチェンジアイテムを入手した際は、それぞれのシリーズ作品にちなんだジングルが鳴るが、宇宙刑事シリーズのみ、本作に参戦していない『宇宙刑事ギャバン』の主題歌から取られている。
賛否両論点
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メタルチームの最終段階にあたるジバンが優秀すぎる。他のキャラも個性はあるのだが、あまり活かせる場面が無い。
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ジバンのダイダロスによる攻撃は2発の弾が扇状に広がる。2ヒットした場合の火力は最強。さらに上下を攻撃できるので後述の嫌らしい敵の配置にもある程度対処が可能。遠距離で真正面の敵には当たりにくいが、それが不利になる場面は少ない。
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νはビームライフルとファンネルの二段攻撃だが、間隔があるので片方しか当たらないことが多く、両方当てる前提でも攻撃力が最終段階キャラで最低。至近距離にいる段差上の敵に一方的に攻撃できるメリットはある。
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説明書には「ビームライフル&ファンネル1コのお買い得!」とあるがジバンの2WAYが強すぎてお買い得感があまり感じられない
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タロウのストリウム光線はシンプルな飛び道具。弾速が速いので連射が利いて、判定も広めなので扱いやすい。
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RXのリボルケインは直接攻撃と飛び道具の二段判定なので、近距離戦ではジバンには及ばないもののかなりの攻撃力。敵から攻撃を受けた直後の無敵時間の仕様上、ジバンより使いやすいと感じることもあり。さらに一部の地形を貫通する効果もある。
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キャラ変更アイテムは固定出現なので、ステージによっては不利なキャラクターを使わざるを得ない場面もある。
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ダークブレインにさらわれたという設定のエミィちゃんが、助けたと思ったとたん無言で突然変形して襲い掛かってくると言う子供にトラウマを与えかねない演出。あろうことかこのエミィちゃんが真のラスボスである。
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黒幕というわけではなく、倒すと元の姿に戻って一緒に帰還する。改造及び洗脳されていたものと思われるがゲーム中での説明はない。
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ちなみに今作のみに限らず、後にGBで発売されたコンパチヒーローズシリーズの格闘ゲーム「バトルクラッシャー」、及び「スパロボOG外伝」でもやはりエミィが洗脳・憑依されて襲い掛かってくる等の演出がある為、エミィは洗脳や憑依をされやすいのかもしれない。
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なお、エンディングはエミィと各シリーズの代表者たち(最初の連中)が5人そろって飛びながら帰還するのだが絵的に飛行が不自然なメンツがちらほらいる。
問題点
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ザコキャラがかなりいやらしく配置されており、ダメージを食らった上で通るのが前提としか思えない場所も少なくない。
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特に「狭い通路で、ベルトコンベアの上にトゲがあり、その先に敵が潜んでいる」地帯を無傷で抜けるのは難しい。
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ダメージを受けた際の無敵時間が少ない。敵にぶつかるとキャラクターが重なったまま連続でダメージを食らってしまう。
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やたらと敵がプレイヤーに重なるように動くので、連続でダメージを受けやすく、この仕様は辛い。
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パッケージの中央でνガンダムと戦うサザビーが描かれているが、サザビーはゲーム中にはまったく登場しない。
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『逆襲のシャア』からは代わりにαアジールがステージボスとして登場する。
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ステージ「宇宙コロニー」がガンダムではなくメタルヒーローのステージ扱いで、ボスはなぜか『ジバン』に登場したマッドガルボ。原典にコロニーなど出てこないが…? (メタルヒーローシリーズという括りで考えると『宇宙刑事ギャバン』由来だろうか?)
総評
多少の粗はあるが、キャラゲーとしては問題なく遊べるアクションゲームである。
後発のシリーズに与えた影響は少なくないだろう。
余談
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隠しコマンドによってイージーモード及びハードモードへと切り替えたり、アイテム無しで自由に変身できるようになる。
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自由に変身できるコマンドはきちんとしたコマンドがあるのだが、ポーズをかけてぐちゃぐちゃボタンを押していると成立してしまう。
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基本的に「プレイヤーが使用できるキャラの作品に登場した敵キャラ」で構成されたゲームだが、『仮面ライダーZX』のタイガーロイドや、『機動戦士ガンダムZZ』のゲーマルクやハンマハンマ、ズサ等も敵キャラとして登場している。
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メタルヒーローは「宇宙刑事」⇒「軍の秘密決戦兵器」⇒「ヒラ警察官」と、パワーアップするほど設定上の肩書きがしょぼくなっていく。単純に作品の放映順で並べたのだろうが、この枠だけは逆順で並べた方が自然だったかもしれない。
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ステージを選んだ後に流れる出動シーンでシャイダーはバイクに乗って飛んでいくのだが、
何故か首を左右に振っている
。そのためか見ようによっては
嫌々出動させられているように見える
なんて言われることがある。
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両手足を拘束された捕らわれのエミィちゃんの
けしからん姿が映るゲームオーバー画面は有名。
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3DSソフト『ロストヒーローズ』に、初回限定特典として本作の3DS移植版がプレイできるダウンロードコードが同梱された。
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移植技術に定評のある有限会社M2(エムツー)によって制作されており、同社制作のゲームギアのバーチャルコンソール同様、上画面の余白に表示される壁紙の変更、キーコンフィグ等の細かいオプションが用意されている。バグも含めて再現度は高い。
最終更新:2024年04月27日 19:18