D.C.4 ~ダ・カーポ4~

【だ・かーぽふぉー】

ジャンル こそばゆい学園恋愛アドベンチャー

対応機種 Windows 7/8/10
発売・開発元 CIRCUS NORTHERN
発売日 2019年6月23日
定価 9,800円(税別)
判定 なし
D.C. ~ダ・カーポ~シリーズリンク

概要

CIRCUSの看板タイトル「D.C.シリーズ」のナンバリングタイトル第4弾。
今までは同一の世界観の中で物語を展開していたが、本作は別の世界の物語となっており、過去作の物語とは一切繋がっていない。
そのため、今までのシリーズをプレイしていなくとも物語の理解に影響はない。
また『III』と同じく初出は18禁ではないが、多少のお色気は健在である。


ストーリー

「天空に浮かぶ桜」
そう呼ばれる桜が、ここ香々見島にはある。
そんな香々見島にある香々見学園に、
自分だろうと他人だろうと、鏡越しに覗くと笑顔に見えるという、
中途半端にメルヘンなチカラを使う少年がいた。

笑顔を褒めると怒るくせに機嫌のよくなる妹、
だだ甘で世話焼きなお隣のお姉さん、
恋愛請負人として人気の破天荒な残念美人、
無口系クールでちょっとぼっちな毒舌少女、
謎の情報通の悪友。
そして、不思議の国のメインキャストにそっくりなお嬢様。

空に最も近い島での、こそばゆい恋物語が始まる―。

(公式サイトから一部抜粋)


キャラクター

+ 主人公&ヒロイン
  • 常坂 一登(ときさか いちと)
    • 本作の主人公。付属3年1組所属。
    • 10年ほど前、5歳の誕生日に事故で両親と妹を亡くしており、現在は隣の叔父の家で暮らしている。
    • 主人公の例にもれず魔法使い。性格も概ね今までの主人公と同様だが、ノリの良さは随一で杉並に協力することも多々ある。
  • 鷺澤 有里栖(さぎさわ ありす)
    • 本作のメインヒロイン。付属3年1組所属。
    • 作中における大財閥の一人娘。いわゆるお嬢様だが、明るく飾らない人柄で、学園ではアイドル的存在。男子の間では抜け駆け禁止の協定が暗黙の了解となっている。
    • 家の繋がりでひよりや未羽とは幼馴染であり、それぞれ「ひよりん」「みうたん」の愛称で呼んでいる。
    • 鷺澤グループが運営するテーマパーク「ワンダーランド」のメインキャスト「アリス」は自身をモデルとした人工知能。ホログラムでどこにでも現れるため、同じ姿と声も相まって有里栖の悩みの種。
    • やや小柄な見た目に反して大食いと言う意外な一面を持っており、家のメイドからは食べすぎを心配されている。また、自身のブログではスイーツ系の食レポをやっており、好評の模様。
+ ネタバレ注意
  • 鷺澤 有里咲(さぎさわ ありさ)
    • 本作の真のメインヒロイン。今までのシリーズ作品と同一世界からやって来た魔法使い。
    • 簡単に言えばもう一人の有里栖であり、見た目は完全に瓜二つ。本人の説明によれば「有里咲」とは魔法使いとしての真名。
      • ただし、性格などは異なる他、ユーザー視点では横向きの立ち絵が異なる点で二人を見分ける事が可能になっている。
    • とある目的のために物語開始よりも前から有里栖と入れ替わっており、作中で登場する有里栖はほとんどが有里咲。瓜二つの容姿に加えて有里栖の記憶を有しているため、ハッキリと入れ替わりに気づいていた者はいない。
  • 常坂 二乃(ときさか にの)
    • 一登の義妹。付属3年1組所属。
    • 元々は一登の従妹であり、一登の実妹「三美」とは妹と言う関係を取り合う仲だった。トレードマークの小さな帽子も生前の三美からもらった形見の品。
    • 過去作の妹達と同様、学園では優等生で通しており、身内にのみ本来の姿を見せる。加えて一登には小悪魔的な誘惑を度々している。
      • お馴染みの料理下手でもあるが、過去作の面々と比べるとマシな部類。
    • 魔法使いの血を引く人物だが、魔法使いとしての正式な訓練は受けていないため、意図的な魔法の行使はできない。
  • 逢見 諳子(おうみ そらね)
    • 常坂家の隣に住む幼馴染。本校1年2組所属。
    • 常坂夫妻が仕事で多忙な上に二乃が料理下手なため、代わりに常坂家の料理を担当している。その腕前は店を出しても通用すると言われるほど。
      • ただし、機械音痴で機械類を使用すると必ず壊してしまうため、その他の家事は一登と二乃が担当している。
    • 常坂家の面々とは昔から家族ぐるみの付き合いをしており、一登と二乃を溺愛している。
    • 上記のように機械音痴だが、作中に登場する携帯端末「TAB」に関しては使い方を覚えており、問題なく使えている。
  • 白河 ひより(しらかわ -)
    • 毎度お馴染み白河性のキャラ。付属3年1組所属。
    • 校内で人の恋愛を助ける恋愛請負人をしており、その成功率は100%。この恋愛請負が同好会「SSR」の発足に繋がった。
      • 成功率100%の恋愛請負人として人気は高いが、残念美人故に本人は色恋沙汰とは無縁。また、自身の活動が騒ぎを起こしやすいため、風紀委員から追い回されるのが日常茶飯事。
    • トラブルメイカーな一方、実家は古くからの武家の名家で、茶道・華道・武道と何でもこなす意外な一面を持つ。
  • 鳳城 詩名(ほうじょう しいな)
    • 季節外れの転校生。付属3年2組所属。
    • 無口な上に近寄りがたい雰囲気を持ち、なおかつ転校生であるため、一人でいる事が多い。しかし、ちよ子とはとある出来事で自分から話しかけて以来、唯一の友人として付き合っている。
      • 季節外れの転校生という点で杉並の興味を引いているが、基本的に取りつく島もなく、いつも毒舌を吐かれている。
    • アナログデジタル問わずゲームが得意。その腕前は杉並も認めるほど。
  • 美嶋 未羽(みしま みう)
    • サブヒロイン。付属2年2組所属。
    • 引っ込み思案で目立つのが苦手なのだが、真面目な性格故に風紀委員長代理の役目を押し付けられている。
      • 風紀委員として日々ひよりや杉並を追いかけており、特にひよりとの追いかけっこは学校の風物詩と化している。しかし、運動音痴のため、成果は上がっていない。
    • 白河家の分家筋の生まれなため、ひよりとは小さな頃からの友人で、プライベートでは非常に仲が良い。なお、二人とも実家を離れて寮暮らしをしている。
  • 日野原 ちよ子(ひのはら ちよこ)
    • サブヒロイン。付属2年3組所属。
    • 「CHOCO」の名で生放送をしているマイチューバ―(生主)。ネタ探しのためにビデオカメラを常に持ち歩く。
      • 配信の内容は主にゲーム実況だが、ゲームは不得意なようでクリアできない事が多い。
    • 非常に前向きで思い立ったが吉日がモットー。実際、ネタを見つけた際はすぐさまビデオに記録するなど、行動力がある。
+ 主なサブキャラ
  • 杉並(すぎなみ)
    • やはり今作にも登場した名物キャラ。一登の悪友その1。付属3年1組所属。
      • 前作の杉並は立ち位置が特殊だったが、今作では再び主人公の悪友として登場した。
    • 今作ではお馴染みの非公式新聞部が存在しない代わりに探偵を自称し、情報収集能力と行動力は過去の杉並と変わらない。そしてやっぱり、イベントの度に問題を起こす。
    • 色々と謎の多い過去の杉並と比べ、今作では寮住まいという点や誕生日が明かされている*1
    • 公式サイトのストーリーページではヒロイン達に混じって杉並を紹介しており、扱いの大きさを窺わせる。
  • 叶方(かなた)
    • 一登の悪友その2。付属3年1組所属。
    • 綺麗な格好をするのが好きで、常に女性服を着ている。もちろん、学園でも女子制服を着ている。
      • ただし、心は普通に男であり、女装は趣味の範疇。
      • この特徴から女子生徒との交流が広く、ちよ子とはプロローグの時点で面識があるのだが、作中で二人が絡む事はない。
    • 格好のせいで目立つため、一登や杉並とセットで三バカと呼ばれる。
  • ちぇし
    • 毎度お馴染み珍獣枠。鳴き声は「にや」で、ぬいぐるみのような見た目をしている。
    • なお、名付け親は一登。名前の由来は「チェシャ猫」だと思われる。

ゲームの流れ

本作は『II』と同じく3部構成。
第2部で二人のどちらかを選び、第3部から個別ルートになるのも同様。
一方、目覚ましシステムはなくなっているため、攻略の難易度は『III』と同じく低い。
全ヒロインのエンディングを見ると最終シナリオ「D.C.」が解放される。


本作の特徴

「D.C.」と言えば桜が特徴的であり、今作でも公式サイトのストーリーページで真っ先に触れられている。
しかし、今作で特徴的なのは鏡である。
公式サイトやOPムービーで鏡写しの演出があったり、
一登の魔法が鏡を使うもので、そのために動かない鏡付きの懐中時計を常に持っていたりする。
また、作中に登場する「ワンダーランド」は「不思議の国のアリス」をモチーフにしているのだが、作中では「鏡の国のアリス」をモチーフにした新アトラクションが考案されていたりもする。
ちなみに、島の名前も香々見(かがみ)。


評価点

  • ボーカル曲はやはり良曲揃い。この辺りは流石の一言。
    • BGMは流用がなくなり、全て新規。アレンジもほぼないが、出来は良好。
  • 本シリーズは後からヒロインが増えるのがお約束だが、今作は最初から7人+1人とヒロインが多く、その分だけシナリオを楽しめる。
    • この内2人はサブヒロイン故にシナリオは短めだが、全体的なボリュームはシリーズ随一。
  • 過去作とは物語が繋がっていないものの、シリーズのお約束は守られている。
    • 主人公が目覚めるところから始まる物語、猫かぶりの妹、学園のアイドル、名物キャラの杉並、白河性のキャラや珍獣など、初代から続く伝統は健在。
+ 最終シナリオ
  • 今作の「D.C.」シナリオは『I』の「D.C.」シナリオを意識したものになっている。
    • 『I』と同様のショートストーリーであり、CGの構図が『I』と類似している。
    • 極めつけには『I』の「D.C.」シナリオで使われていたBGMのアレンジが使われている*2。『I』をプレイしたユーザーは懐かしさを感じずにはいられないだろう。
  • このシナリオを終わらせると、起動時に入力したアドレスにメールが届く。この斬新な仕掛けは素晴らしい演出であり、終わった時の読了感もひとしおである。

賛否両論点

  • ヒロインの出番の差
    • SSRに所属していない3人のヒロインは、第2部で一緒になるヒロインと自身のルート以外では第1部でしか登場しない。つまり、第2部に入ると出番がなくなる*3
    • サブヒロインの2人はまだしも、主要なヒロインであるはずの詩名は他の4人と比べて著しく出番に差ができてしまっている。
      • 設定的に他キャラと絡ませにくいのは分かるのだが、作中では登場してもおかしくないシチュエーションもあるため、一切登場しなくなるのはやや不自然に見える。
  • 過去作キャラの扱い
    • 本作には『I』から音夢、さくら、ことり、美春の4人が登場しているのだが、扱いには結構な差がある。
      • ことりと美春は別人としての登場。ことりは主にアバターの姿とは言えそこそこ出番がある一方、美春は特定のルートで背景のパソコンのモニターに顔が映るのみで、ほぼ声だけの出演。
      • 音夢とさくらは夢の中でのみの登場。さくらは今までより地味ではあるが関わりを見せる一方、音夢はシナリオ的に意味のある部分がなく、何のために登場させたのか分からない。
    • 総じて、さくらとことりに比べて音夢と美春はわざわざ登場させる必要性が感じられず、ファンサービスにしても扱いが雑である。
      • 違う世界の物語であるため、過去作のキャラがあまり目立つのはよくないが、せめて登場することに意味を持たせるぐらいはしてほしいものである。

問題点

  • 季節に合わない服装
    • 本作の季節は冬から春なのだが、一部キャラの私服はそれに合わないノースリーブになっている。全員が軽装気味ならまだしも、普通に長袖のキャラもいるため、見た目が非常にちぐはぐ。
    • 舞台となる香々見島は気候などが調整されているそうだが、それでも冬は普通に寒いらしい描写がある。いくらフィクションとは言え、ノースリーブは無茶があるだろう。
  • 諳子はとある理由から水が怖いのだが、それが判明するルートとは別のルートでは普通にプールに来ており、設定的に不自然*4
    • 水への恐怖については、不意の出来事とは言えかなり浅い池に落ちただけでパニックになるレベル。アフターストーリーでもそれが理由で泳げないことが語られているため、ライター間での設定の共有がしっかりされていない可能性がある。
  • 色々と謎の残るシナリオ
    • ファンディスクなど、これからの展開を見据えているのか、本作の段階では謎な部分が多い。
      + 謎の数々(次作以降で完全に判明したものは●、部分的に判明したものは▲をつけている)
    • 有里栖&有里咲ルート
      • 有里栖とのキス未遂をアリスがじっと見ていた事とその後のアリスの不調に関して一切の説明がない。
        • 一登達はこれをきっかけに有里咲へとたどり着いているのだが、この件に有里咲が関わっていた描写はなく、意味深なだけで謎のまま終わっている。
      • 再登場した有里咲の髪が金色になっている事に関する説明がなく、後に一登が「魔法の影響」と独白で明かすだけで終わっている。
        • ▲一登の祖父「元」と有里咲の祖母が知り合いらしい事と過去の回想で元が魔法を使用した時に髪が金色になっている描写があるものの、具体的な関連性は謎。
    • 二乃ルート
      • 一登が見ていた夢の中で音夢が登場するのだが、一登達と音夢に関係性がある描写は一切ない。『I』を知る人にとっても知らない人にとっても意味が分からない。
      • 一登と二乃のやり取りを見ていたひよりが何を考えている伏線っぽい描写があるのだが、それ以降ひよりの出番はないため、何を考えていたのかは不明のまま。
    • 諳子ルート
      • 諳子の正体は大昔に神から呪いをかけられたウサギ。因幡の白兎がモチーフと思われる諳子は、最終的に消滅する結末を迎える。
        • このバッドエンドは不可避であり、後に条件を満たす事で消滅を免れるトゥルーエンドを見られるようになるのだが、消滅寸前だった諳子がどのようにして助かったのかは一切描写がない。一応、理由は語られるものの、具体的には分からずに終わってしまう。ご都合主義ここに極まれり。
        • 余談だが、バッドエンドの際に諳子が残したビデオカメラのパスワードが表示され、エピローグの選択肢でそれを選ばせるのだが、正解を選ぶまでループするため選ばせる必要がない。超シリアスな場面でこのような無意味な選択肢を作る理由はどこにあったのだろうか。
    • 詩名ルート
      • 詩名の正体は別の世界の魔法使い。個別ルートでは詩名が元の世界に戻る方法を見つけて実行に移すのだが、失敗。詩名はそのまま残る事になる。
        • 詩名自身、元の世界に帰るより一登と一緒にいる事を望んでいるように見えるため、物語の結末としては悪くない。ただ、失敗してしまった理由についての説明はなく、詩名がこちらの世界に来てしまった理由も明確には分かっていないまま。
    • その他
      • 諳子は不老であり、一登と二乃だけでなく二人の父が生まれる前から今の姿だった事が分かるのだが、とある回想シーンでは幼い姿で登場しているらしき描写がある。
        • ●諳子が人間時の姿を変えられる描写はなく、仮に一登達が子供の頃から今と同じ姿をしていたなら、何故一登達がその事に触れないのかと言う疑問が発生してしまう。
      • 本作におけるさくらの役どころがハッキリとは分からない。また、ちぇしがさくらのような口調で喋るシーンがあるのだが、両者の関係性もやはり不明。

過去作からの劣化

  • 挿入歌がない
    • 挿入歌はここぞと言うタイミングで流して物語を盛り上げるのに一役買っていた。それが本作にはなく、過去作と比べて盛り上がりに欠ける感は否めない。
  • あらすじモードがない
    • 既読のシーンをダイジェストで飛ばす便利な機能なのだが、何故か未実装。このせいで周回プレイが少々面倒になっている。

総評

シナリオには粗が見られるものの、致命的と言えるほどではない。
過去作と比べると微妙な点もいくらかあるものの、読み進める面白さは健在と言える。
気になったのなら手に取っても損はないだろう。


余談

  • 本作にはシリーズの関連作品『D.S. -Dal Segno-』に由来する要素が組み込まれている。
    • あちらは過去作と同じ世界観の作品のため、本作との繋がりは今のところ不明。

その後の展開

  • 2019年12月19日にCS版がPS4とSwitchで発売された。
    • 追加要素として各ヒロインとの後日談となるショートストーリーが収録。代わりに最終シナリオにあった仕掛けは削除されている。
  • 2021年2月26日に本作の初のファンディスク『D.C.4 Fortunate Departures ~ダ・カーポ4~ フォーチュネイトデパーチャーズ』が発売。
  • 2021年8月27日に本作の18禁版『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』が発売。
    • 2022年4月28日にファンディスクの18禁版『D.C.4 Sweet Harmony ~ダ・カーポ4~ スイートハーモニー』も発売された。
  • 2023年1月27日に非18禁ソフト『D.C.5 ~ダ・カーポ5~』が発売。
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  • D.C. ~ダ・カーポ~

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最終更新:2024年04月26日 13:44

*1 ただし、誕生日については一登から真実か疑われている。

*2 厳密に言えば本作のタイトルBGMとのハイブリッドである。

*3 厳密に言えば、未羽だけは別のルートで出番があるものの、本当に少ししか出番がない。

*4 後に発売されたCS版『F.D.』の追加シナリオでは海に来ているが、こちらは砂浜でやっているイベントに参加しているだけで海に入るわけではないため、設定との矛盾は生じない。