この項目では以下を扱います。判定は全て「
賛否両論
」「
ゲームバランスが不安定
」です。
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『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』(AC版)
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『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』(DC版)
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『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産 HD Ver.』
ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産
【じょじょのきみょうなぼうけん みらいへのいさん】
ジャンル
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対戦格闘アクション
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対応機種
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アーケード
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使用基板
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CPシステムIII
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販売・開発元
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カプコン
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稼働開始日
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1999年9月
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判定
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賛否両論
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ゲームバランスが不安定
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ジョジョの奇妙な冒険シリーズ
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概要
荒木飛呂彦先生の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』の格闘ゲームタイトル『ジョジョの奇妙な冒険』のアッパーバージョン。
主に新モード追加やバランス調整を施された上で9人の新キャラクターが追加された。前作のキャラクター達にも新たな必殺技やギミックが搭載されている。
システム
基本的なシステムは前作のページを参照。
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スタンドゲージのキャラ個別化
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前作ではスタンドゲージが全キャラ共通だったが、キャラごとにゲージ量に差ができた。
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チャレンジモードの追加
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体力ゲージ1本でどこまで戦えるかというモード。
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勝利時に体力回復かゲージ増加を選択でき、戦闘内容次第で最終評価が決まる。10人倒すか戦闘不能になった時点で終了。
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対戦相手は前作キャラ(イベント専用ボスは除く)13人中10人がランダムで選ばれる。
追加キャラクター
通常キャラクター
ホル・ホース
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拳銃のスタンド「エンペラー」を持つガンマン。「一番よりNo.2」を哲学としており、1人では戦わず必ず誰かと組んで戦う。
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ガンマンらしくすべての必殺技が遠距離技となっており、遠距離戦を得意とする。画面(プレイヤー側)を撃ってハングドマンを呼び出す技と勝利演出がある。
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原作で披露した弾丸の軌道を自在に操る能力も再現されており、飛び道具の死角が存在しない。
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通常はJ・ガイルの「ハングドマン」とコンビを組む形式で登場するが、それ以外に隠しキャラクター(裏キャラクター)としてボインゴと組んだ別バージョンが居る(後述)。
ペット・ショップ
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DIOの館で番鳥を営む鳥で、氷を操る「ホルス神」のスタンド使い。
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非常に打たれ弱い代わりに、豊富な射撃攻撃と飛びぬけた機動力を持つ。しかしこの2つの要素がこの鳥を格ゲー史上に残る壊れ性能キャラとして悪名高くしている。詳細は問題点にて。
マライア
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相手に磁力を与える「バステト女神」のスタンド使い。
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スタンドボタンでコンセントを設置する技を持ち、それを相手に当てる度に必殺技の性能が上昇する。設置トラップや固め技と飛び道具を得意としており、原作通り「つかず離れず戦うタイプ」「徐々に危険度が上がっていく」点を再現している。
アヌビス二刀流ポルナレフ
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アヌビス神の宿った剣を誤って拾ってしまい、その結果操られたポルナレフ。通常のポルナレフと色が異なり、戦い方も異なる。
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戦闘モーションもポルナレフから大幅に変更されており、通常のポルナレフとは使い勝手が全く異なる。ほかのアヌビス神使いより多段ヒットに優れた技が多い。「勝ったッ 仕留めたッ!」などの名台詞も再現している。なお、通常版とは違いスタンドモードが存在しない。
ヴァニラ・アイス(プレイヤー仕様)
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前作で登場済みだが、それとは別にプレイヤーキャラクター用に技構成を大きく変更して調整したもの。前作仕様のヴァニラ・アイスもCPU専用キャラクターとして残っているため、本作には2種類のヴァニラ・アイスが居ることになる。ちなみに性能だけではなく実はグラフィックからして異なっている。
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スタンドを使った攻撃は発生後無敵や多段ヒット、ガード不能など非常に強力だが攻撃終わりに大きなスキが生まれやすい。
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クリームに飲み込まれ身を隠すのは前作同様、原作でイギーに対してキレた「ド畜生がッ!」がゲージ技に。ご丁寧にキレ方も4タイプある。
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前作では岸祐二氏がボイスを担当していたが、今作では速水奨氏に変更されている。余談だが、今作で演じた速水氏は2015年放映のテレビアニメ版で再び彼の声を担当しており、本作を知るファンの間で話題となった。
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隠しキャラクター
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ラバーソール
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自身のスタンド「イエロー・テンパランス」で花京院に化けたスタンド使い。
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ゲームでも花京院に良く似た外見と技を再現しているが、一部の通常技と必殺技が全く違う。勝利後の台詞場面では本体のハンサム顔をたっぷり拝む事が出来る。
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原作では名前が無かったが、本作に追加される際に名前が付けられた。
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ハイエロファントグリーンのモーションによく似たスタンド技を多数繰り出す。しかし威力や射程、弾速が全く違ううえ、花京院と同じモーションのスタンド技を出すためのコマンドまで違う。相手のスタンドゲージを削りやすい。
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よく見ると通常の花京院よりも身長が高い、原作で承太郎よりも大きくなっているシーンを再現している。
カーン
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チャカと同じく、ふとしたなりゆきでアヌビス神を手にしてしまった床屋の親父。
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何故か使用キャラクターに抜擢。全体的な性能は微妙だが、「アゴごと剃ってやるぜッ!」や若返り時の姿が原作の牛になるなど小ネタが満載。
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チャカよりも大振りながら踏み込みの間合いが広く、一撃の威力に優れるが、スタンドモードがないため防御力で劣る。
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こちらもラバーソール同様、追加キャラクターになる際に名前が付けられた。しかも2015年に放映されたテレビアニメ版ではモブの男性が彼の名を呼ぶシーンが追加されている。
ホル・ホース&ボインゴ
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ホル・ホースの別バージョン。こちらはJ・ガイルではなく、「トト神」のボインゴと組んでいる。
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背景でボインゴが木箱に隠れて漫画(スタンド)を読んでいる。原作通り鼻に指を入れる、パイプに銃弾を放つ技があるとこちらも原作再現に力が入っているが、J・ガイル版と比べ主戦力となる技(「弾丸の軌道」など)が削られているため、全体的に弱体化している。
恐怖をのり越えた花京院
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花京院の別バージョン。原作中盤で目を負傷して一時離脱した後、サングラスをかけて最終決戦に参戦した姿。
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画面全体への攻撃技を手にいれたが、全体的に弱体化している。恐怖を乗り越えたのにとも言われるが、素の花京院自体が非常に強かったためこちらも十分戦える性能は残っている。
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通常の花京院とスタンドの通常攻撃や技が大幅に変化している。
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評価点
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多数の追加キャラクター。
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今作では実に5キャラ、隠しキャラクターを含めれば計9キャラが追加され、遊びの幅はもちろんのこと、該当キャラクターのファンに嬉しいものと言えるだろう。
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ジョジョ3部の格ゲーとしての出来の良さは引き続き
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上記の追加キャラも含め、そのキャラらしさはしっかりと作られており、声もイメージ通りの配役がなされている。
賛否両論点
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長いコンボへの対策として追加された仕様
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前作とは異なり、コンボ数が一定以上になるとダメージを受けたときにランダムで仰け反りが異常に短くなる。
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これにより前作のように永久コンボで死ぬということが少なくなるが、ランダムなのでいつ仰け反りが短くなるのか分からなかったり、「そもそもそんな仕様を追加せずに永久コンボにならないように調整すべき」と言われている。
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ちなみにコンボ数が少ないうちにタンデムアタックを利用すればこの現象は起こらず、即死コンボが可能となってしまう。
問題点
ゲームバランスの問題
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前作から全体的な調整が行われ、ややマイルド気味なバランスとなった。
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マイルドになったとは言えなお対戦バランスは悪く、タンデムのあるなしの格差は前作から引き続きそのまま。本作でタンデム無しのキャラクターが増えたという意味では格差はさらに広がっている。
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それでも前作同様に尖った部分をぶつける事である程度の格差であれば覆せるチャンスも残っている為、下位のキャラでも他のキャラ相手にどうやっても勝てないという程ではない。
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…と言ったものの、実際の所上記の評価は下記に挙げる1人と1匹を除いた全体的な話であり、完全にぶっ壊れ性能と言える彼ら相手ではほとんどのキャラは格差を覆すのはまず不可能。
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格ゲー史上に残る壊れキャラ「ペット・ショップ」
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一匹だけ別次元の強さを誇る鳥。その強さは全キャラクターに対して有利、それも7:3~10:0クラスの超高性能。
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実際には後述するように影ディオや花京院等理論上ペット・ショップが不利になるとされる組み合わせもあるのだが、実戦値では扱いやすいペット・ショップが圧倒的に上回る。
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その主な要因は設置型飛び道具の必殺技「アイスィクルピック」。攻撃ボタン押しっぱなしでつららを設置し、成長後にボタンを離すことで任意につららを落とす飛び道具なのだが、中段技であるため設置したまま本体が攻め込んでダッシュ下段技を同時に当てると実質ガード不能、コンボの中継にも最適で威力も高い、ガード中に設置してガードしたまま発射でき相手の攻めを簡単に切り返せる、設置硬直はほとんど無し、1ボタンで発動できるため弱・中・強で同時に最大3本設置可能、とやりたい放題できる異常な性能を誇る。
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勿論上記のつららだけのキャラクターという訳ではなく、通常技が全体的に素早くて使い勝手が良く、さらにスタンドボタン1つのみで連射できる&レバーで射ち分け可能な飛び道具「キルフリーズ」、相手をホーミングする飛び道具の「フリーゾン」、相手の足下を氷漬けにし追撃可能な「デスフリーズ」、ゲージを腐らせること無く色々な状況に対応できる各種スーパーコンボなど、各種技性能が何から何まで優秀、コンボ火力も非常に高い(ガード不能連携から6割、優秀な通常技から8割削る)、1人だけ空を飛んでいて食らい判定も小さいので攻撃が当たりにくい(このゲームは地上から出せる対空技が全体的に弱め、さらに浮いているため下段技も当てづらい)など強い部分しかない。たとえスタンドガードで固めていたとしても連打が容易なスーパーコンボ「デスペナルティ」2発でスタンドクラッシュさせられる。
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一応つららにも欠点はあり、設置中のつららは相手から攻撃を喰らった時点で消滅する(ただしガードはセーフ)他、コマンドの関係上つららを1本でも設置していると回り込みやアドバンシングガードができず、2本以上設置しているとスーパーコンボが一時的に使用不能という欠点こそあるが、おあつらえ向きに余ったスタンドボタンで出せる攻撃が優秀で充分フォロー可能なレベルであるため、ほとんど弱みになっておらず超強力である。
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他に弱点としては防御力の低さ、空中ガード不可、ケズリ能力が皆無などがあるものの、当たり判定の小ささと機動力、攻撃力の高さで相殺され、ほとんど弱点になっていない。
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同じくぶっ壊れキャラとして知られる『北斗の拳』の「トキ」、『戦国BASARA X』の「毛利元就」、『KOF2001』の「フォクシー」の3人とひとくくりにされ、「病人・オクラ・鳥・狐」などと揶揄されることも多い。このためデフォルトキャラクターにもかかわらず大会では使用禁止という措置が取られることも多かった。
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熟練したペット・ショップだとこんな事になる
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動画タイトルからも解るが、これらはすべて実戦での出来事である…。
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こんな性能だが、現在では極まったプレイヤーの花京院はペット・ショップに並ぶか超えると言われている。また、影ディオも相性的には理論上有利とされている。
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他にも、承太郎やDIO辺りはペット・ショップの防御力の低さや切り返しの弱さにつけ込んでゴリ押すことでペースを握ることができなくもない。
もっともその境地まで辿り着くには花京院以外のキャラでも大幅な熟練を必要とするため、お手軽最強キャラクターであるペット・ショップの地位が揺らぐ事はないが。
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最悪のバグ技「アンクアヴ」
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アヴドゥルの新技「灼熱のアンク」には長い無敵時間がある上にボタンを押しっぱなしにすると出現にタイムラグをかけられると言う仕様があるのだが、この溜め状態では無敵状態のまま2秒間も自由に動けると言うバグがある。発動には1ゲージ消費する必要があるが、このゲームは試合開始時にすでに1ゲージがあり、さらに実際にゲージを消費するのは「アンクが出現した時」。つまり、この状態で相手を投げると技がキャンセルされてゲージを消費しなくなる。このためこの現象を利用し完全無敵のまま近づいてひたすら投げを狙う「アンク投げ」と呼ばれる理不尽な戦法が横行してしまった。
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更に、灼熱のアンクの溜め設置中に再度同じコマンドを入力すると、最初の入力をキャンセルして再設置することができるので、コマンド入力するたびに再度無敵時間が発生する。つまり、理論上試合開始から終了までずっと無敵でいる事が出来る。これに勝つにはアンクアヴ側が入力ミスをすることを祈るしか無い。
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こちらはバグなので、当然多くの公式大会で禁止。このせいでアンクを使わない普通のアヴドゥル使いまでもが使用を敬遠される羽目に。
その他の問題
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新規追加キャラクターのストーリーとエンディングが全体的に手抜き
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新規キャラクターのストーリーモードは基本的にステージ途中の会話デモはない(無印のPS移植版と同様)。エンディンググラフィックが用意されているキャラクターは恵まれている方である。なお、無印からだがカリスマボスであるDIOのエンディングも素材の使いまわしで専用グラフィックは無い。
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また、新規キャラクターのうち、通常版のホル・ホースとアヌビス二刀流ポルナレフ、恐怖を乗り越えた花京院以外にはヴァニラ・アイス戦とDIO戦が用意されていない事も拍車をかけている。
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新規追加キャラクターがCPU戦に登場しない
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無印キャラクターのストーリーモードは基本的に前作から全く変更がないため、戦う敵の構成も前作と同じ(若ジョセフのみストーリー追加の影響で変更)。
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そのため、例えばイギーのストーリーに原作で大きな見せ場だったペット・ショップ戦が組み込まれていないなど、片手落ちな印象がある。
その一方でペット・ショップの方もストーリー途中の会話デモがないため、イギーVSペット・ショップという原作カードにデモが全くないという有様。
同様のことがホル・ホースやマライアなど新規キャラクター全般にも言える。
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前作準拠のストーリーモードだけでなく、相手がランダムで決まる新規追加のチャレンジモードを選んでも、同様にCPU側には前作キャラクターしか登場しない。
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元々原作はスタンドというアイデアのおかげで、単なる肉弾戦だけではないさまざまなパターンのバトルが繰り広げられる漫画であり、格ゲーに落とし込めないようなキャラクターも多く存在する。そのため、参戦キャラクターは原作ではかなりマイナーな存在であったり、既存キャラクターのバージョン違いであったりと、スタッフが苦慮したあとが見られる。
総評
前作譲りの原作再現をそのままに、新たな追加キャラや新モードを引っさげた上で、ただのアッパーバージョンに収まらない内容でバージョンアップ。ゲームバランス面でも調整が入ったため、前作と比べれば平易なバランスに。
ところがごく一部の壊れキャラの存在により、結局格闘ゲームとしてのバランスは一気に歪なものに。それでも、欠点を上回るほどに爽快感とジョジョらしさにあふれていることには依然変わりないため、良くも悪くも更にファン向けゲームとなったと言える。
その後の展開
同時期開発であるPS版『ジョジョの奇妙な冒険』は、タイトルやシステムのベースこそ無印だが、『遺産』の追加キャラクターも全員参戦している。
その後、DCにて2作品カップリング移植版、PS3/360にて『HD Ver.』が発売されている。これらの詳細は後述。
ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産(DC移植版)
ジャンル
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対戦格闘アクション
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対応機種
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ドリームキャスト
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メディア
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GD-ROM 1枚
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販売・開発元
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カプコン
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発売日
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1999年11月25日
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価格
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5,800円(税別)
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通信対戦版
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for Matching Service 2000年10月26日/3,800円(税別)
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判定
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賛否両論
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ゲームバランスが不安定
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概要(DC)
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タイトルは『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』だが、アーケード版の無印『ジョジョ』と『未来への遺産』のカップリング同時収録。2作ともAC版のほぼ完全移植でロード時間も短め。
評価点(DC)
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AC版とは別物状態であったPS版と違い、再現度が高くほぼAC版と同じ環境で対戦ができるようになっている。また一部バグも修正されている。
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追加要素はあまり無いが、無印に勝ち抜きバトルの「サバイバルモード」が増えている他、両作品に隠し要素で常に子供化状態で対戦できる「アレッシーモード」が追加されている。
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隠しキャラクターの解禁方法が「対応する特定キャラを使用してクリア」と簡便な物へと変更されている。
問題点(DC)
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VSモードで相手をCPU設定にできる項目があるが、アーケード版準拠のため『遺産』追加キャラクターについてはCPU設定にすることができない。
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「VSモードに限り全キャラの防御力が同じになる」というバグ(仕様?)がある。これにより元々強かったペット・ショップから弱点が消滅してしまっている。
総評(DC)
非常に再現度が高く、家庭用ゲーム機においてAC版と同じ環境で対戦ができる点は非常に大きい。惜しむらくはDC自体の普及率が低かった事であろうか。
余談(DC)
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後に、通信対戦に対応した「for Matching Service」バージョンも発売された(現在はサービス終了済)。
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通信対戦版は前述の「アンクアヴ」ができなくなっている(アンクの無敵時間が削除されている)。
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中古市場では通常版ともにプレミア価格が付いていたが、実は「for Matching Service」版はセガダイレクトに定価で新品在庫が結構あり、2007年に売り切れた。
ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産 HD Ver.
ジャンル
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対戦格闘アクション
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対応機種
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プレイステーション3 Xbox360
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販売・開発元
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カプコン
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配信開始日
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【PS3】2012年8月21日 【360】2012年8月22日 ※2014年9月4日配信終了 |
価格
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【PS3】2,100円(税込) 【360】1,600MSP
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判定
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賛否両論
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ゲームバランスが不安定
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概要(HD Ver.)
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『未来への遺産』の単体移植。内容はアーケード版準拠(DC通信対戦版同様に「アンクアヴ」は削除)。そのためスーパーストーリーやアレッシーモードなどの追加要素がない。
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移植にあたりネットワーク通信対戦機能が追加されている。
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ネットワーク通信対戦機能には世界中のプレイヤーがランキングされるランクマッチと、結果が表示されないプレイヤーマッチの2つがある。またシングルプレイモードを遊びながら対戦相手の乱入を待つ待ち受け機能が追加されている。
評価点(HD Ver.)
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グラフィックがHDリファインされ、なめらかな高画質になっている(原作と同じ画質のドット絵も選択可能)。
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またロード時間もほとんどなく、非常にストレスレスで遊ぶ事ができる。
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対戦内容の保存・鑑賞ができるリプレイ機能の他に、他プレイヤーのリプレイを検索して鑑賞・保存する機能もあり、戦い方の参考にする事ができるようになった。
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DC版から更に一部のバグが修正されており独自の調整がなされている。
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PS3版でトロフィー機能が用意されているが、入手条件及びタイトルがこれまた原作愛を感じさせる。
問題点(HD Ver.)
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DC版からの変更点として全てのモードにおいて防御力が全キャラクターで統一されるようになった。これによりオンライン対戦機能があるのにただでさえ強すぎたペット・ショップから弱点が消失するという多くのプレイヤーが望んでいなかったであろう調整がされている。
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ペット・ショップによるバランス崩壊は開発側でも問題になっていたようで、調整案や相手がペット・ショップであれば試合を破棄できるシステムの導入案といった対策についての協議はあったものの、結果的に当時の再現度を重視して無調整となった。
総評(HD Ver.)
良くも悪くも12年前のゲームを上手く移植しつつ痒い所に手が届く機能を追加しており、2年という非常に短い間ではあったものの、名作と言われつつも入手が困難であった本作を当時の現行機で遊ぶ事ができるようになった点は非常に大きいといえる。
最終更新:2023年06月06日 00:32