Pizza Tower

【ぴざ たわー】

ジャンル アクション
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売・開発元 Tour De Pizza
発売日 2024年8月28日
定価 2,160円(税込)
レーティング IARC:12+
判定 良作
ポイント 『ワリオランド』にインスパイアされた2Dアクション
『ソニック』並みの超スピードも特徴
良くも悪くもクセが強い絵柄と作風


概要

元々はカナダのインディーゲームスタジオ「Tour De Pizza」によって、2023年1月にSteamでリリースされたインディーゲーム。
2024年8月27日に放送された任天堂の番組「Indie World」において、突如Switch版が発表され、翌日の8月28日に発売された。本稿ではこのSwitch版を基準として紹介する。
本作は『ワリオランド』シリーズからインスパイアを受けており、実際に同シリーズ全般、中でも特に『ワリオランドアドバンス』と似通ったゲームシステムやキャラクターデザインが大きな特徴となっている。


特徴

  • ストーリー
    • ハゲ始めた頭と小太りな体の持ち主にしては機敏すぎるイタリア人*1ペッピーノ・スパゲッティー(Peppino Spaghetti)が主人公。
    • ある日、ペッピーノの前に突如ピザフェイス(Pizza Face)という空飛ぶピザが出現。そしてピザフェイスは「ペッピーノの営むピザ屋をピザタワー(Pizza Tower)の頂上にあるレーザーで破壊する」と宣言した。ペッピーノは自身の店を守るため、ピザタワーへ乗り込んだ。
  • システムは2Dのプラットフォームアクションゲーム。
    • 主人公のペッピーノは基本的には無敵であり、ステージ中はいくらダメージを受けても死ぬ・ゲームオーバーになることはない。奈落に落下しても同様で、落ちた後はエリアの入口に戻されるのみ。
      • ただし、被弾する際にノックバックが発生する他、獲得済みのスコアも減少するため、完全にノーペナルティというわけでもない。
      • また、ボス戦においてはペッピーノにもライフが表示され、ボスからの攻撃を受けてライフが0になると敗北となる。
  • 基本操作
    • Lスティックで移動、Yでつかみ攻撃、Bでジャンプ、そしてZRを押しながら移動することでマッハダッシュができる。
      • 本作ではつかみ攻撃とマッハダッシュから派生するアクションが多数あり、壁をよじ登る、垂直にスーパージャンプする、狭い隙間を転がって通る、などのアクションが用意されている。
    • その他、Xボタンで挑発が行えるなど、チュートリアルで説明されないアクションもいくつかある。
  • 通常ステージ内での仕様・システム
    • ステージの敵を連続で倒す・アイテムを取得することによってコンボが発生し、スコアが増えていく。
    • ステージの道中にはトッピンズ(Toppins)と呼ばれるピザの食材たちが、1ステージごとに5体檻に囚われており、それらを助け出すことで、ボスステージに挑戦するための資金を入手できる。
    • ステージによっては、変身アイテムや特殊な敵が設置されており、それらに触れたり取得することでペッピーノが特別な姿・状態に変身することがある。
      • 変身中は扉を跨いだ移動はできず、元の姿に戻るには、ステージ内にいる僧侶に触れる必要がある。
  • Pizza Time
    • ステージの最奥部には、ピラージョンが待ち構えており、それを攻撃して破壊することによって脱出シークエンス(Pizza Time)が始まる。
    • Pizza Time中は制限時間が設けられ、時間経過でスコアが減少していく。そして、時間切れになるとピザフェイスによる追跡が始まり、それに触れてしまうとタイムアップとなりステージ攻略は失敗となる。
    • 制限時間内にステージ開始直後の入口に戻ることができればステージクリア。ただし、Pizza Time中のみ出現するブロックが道を塞いでいたり、逆に消えているブロックがあるため、帰り道は基本的に来た道とは一部ルートが異なる。
    • Pizza Time中のみ取得できるスコアアイテムもある。なお、このスコアアイテムはタイマーの見た目をしているが、取得しても制限時間が延長されることは一切ない。
  • リザルト・Lap 2
    • 脱出時の最終スコアによってD・C・B・A・Sの6段階の成績が表示される。
      • クリア済みステージ、またはある条件を達成すると、Pizza Time中は入口付近にピラージョンの近くへワープするポータルが出現する。
        それに入ることによって、制限時間はそのままの状態で、アイテムと敵が配置し直された2周目(Lap 2)が始まる。この2周目に入ることを含めた複数の条件をすべて満たしてゴールすると、隠し最高評価のPランクとなる。
      • なお、Pizza Timeの制限時間は1周目をコンボを切らすようなミスをせずに走り切らないと2周目が間に合わないような塩梅となっており、Pランククリアはある程度完璧なプレイを要求する。

評価点

  • パワフルかつスピーディーなアクション
    • 公式で『ワリオランド』シリーズに影響を受けたと言っている通り、「基本的に主人公が無敵」「最奥部に到達後、制限時間内に入口に戻る」「アイテムなどによって主人公が変身する」などの『ワリオランド』シリーズの良さを引き継いでいる。
    • その一方で、ペッピーノの機動力は2Dアクションゲームとしてはかなり高性能で、スピードもさながら青いハリネズミ並みの速度を誇る。
      • 特にマッハダッシュ中にも攻撃判定があるため、ステージ内を上手く高速で通り抜けることができれば、数々の敵を吹っ飛ばしながら突き抜けることができ、非常に爽快。
    • 基本アクションの数も多く用意されており、操作にさえ慣れれば、様々な技やテクニックを使用できる。
  • 作り込まれたアニメーションと、滑らかなキャラクターの動き
    • キャラクターなどのアニメーションは(後述するように画風の好みを抜きにすれば)作り込まれており高クオリティ。
    • キャラクターのリアクションも多彩で、ステージ攻略中には画面右上にあるテレビで、様々な表情や状況を見せてくれる。
    • ペッピーノを含めたプレイアブルキャラクターやボスキャラクターたちのアニメーション枚数は特に多く、前述したパワフルかつスピーディーなゲーム体験の向上に一役買っている。
  • レパートリーの広いステージの数々
    • ステージの舞台は城、遺跡、宇宙、戦場といったポピュラーなものから巨大な冷凍庫、ゴルフ場といった2Dアクションゲームとしては珍しいモチーフのものも存在。
      • 中には「ピザ屋が舞台の某ホラーゲーム」をオマージュしたステージも。ステージタイトルカードとの乖離が大きいが、そこも含め*2再現度、リスペクトの度合いは地味に高い。
    • ステージ毎の固有のギミックも豊富で飽きさせない。
  • ゲーム設計もなかなかユーザーフレンドリー。
    • 本作はハイスピード2Dアクションという性質上初見では壁やトラップに引っかかったりすることも多いジャンルのゲームであり、「最初から最後まで爽快に走りぬく」のはやや難易度が高めではある。その一方で、何度もミスをしてゲームオーバーになったり、低評価を連発してモチベーションが下がったりすることが比較的起こりにくいデザインになっており、この手のジャンルのゲームとしては初心者に勧めやすい部類のゲームとなっている。
      • 上述した通り、基本的にはペッピーノは不死身であり、何度も攻撃を食らっても、何度も奈落に落ちても死ぬことは無い。流石にスコアやPizza Timeのことを考えると何度も被弾や落下するのは避けたいが、何度も同じところでやられるということが起こらないのは有難いところ。
      • アクション自体もシビアな入力を要する箇所は少なく、ほとんどのアクションには先行入力と入力猶予の余裕が十分に取られている。
    • Pizza Time中の時間制限は2周目の存在も考慮してか(1周でステージを脱出するだけなら)余裕のある長さで、Pizza Timeによって実体化した時計のアイテムや道中に出現する味方キャラの道案内を参考に進んでいれば、大抵は問題なく脱出することが出来る。時間切れになっても即アウトとならず、まだクリアのチャンスが残っており、Pランクに関しても多少リカバーの余地を持たせてある。
    • ボスに挑むステージに入るには規定数の「トッピンズ」というキャラクターを救出する必要があるのだが、ほとんどのトッピンズはステージを走破しているうちに見かける場所に囚われている。救出に複雑なテクニックを要するトッピンズも実在しない。
    • ボス戦は難易度が高めではあるが、決して理不尽な強さではなく、何度か挑んで行動パターンを把握すれば自ずと攻略の手口が見えてくる。クリアランクを気にしないのであれば多少のゴリ押しも可能という塩梅になっている。
  • ボリュームはかなりのもの。
    • 各ステージにはトッピンズの他にシークレットエリアに繋がる「目のポータル」と「ジェロームの秘宝」が存在。取得すれば高得点であり、すべて集めることでちょっとした隠し要素が解放されるため、探して集める価値がある。
    • 最高ランクであるPランクはまさしく「ステージを完全にやりこんだ証」であり、達成難易度はかなりのもの。
      • 「Pランク取得は実績に関わるが自己満足の範疇」というスタンスになっており、*3達成度にはほとんど影響しない。
      • ボス戦にもランクの概念があり、ダメージを受けた回数に応じてランクが決定される。Pランクを取るなら一度もダメージを受ける事は許されない。ボスの攻撃への対処と立ち回りのパターンを熟知してようやくPランクへのスタートラインといったところ。
    • クリアランクや収集要素を集める事で達成度が上昇していく。この達成度はゲームクリア後の最終評価の主因となる。
    + さらにエンディングを迎えると…(ネタバレ注意)
    • ボスとして登場していたキャラクターである「ノイズ」をプレイアブルキャラクターとして遊べるモード「ノイズモード」が解禁される。
    • 基本的な操作や内容はペッピーノと同じだが、「壁のぼりが下手になっている代わりにスーパージャンプが常に使える」「操作次第でペッピーノより短い助走距離で高速ダッシュ状態に移行できる」「垂直落下がしやすくなっている」等ペッピーノとはまるで別物と言っても良い縦移動に長けた性能になっており、ペッピーノと違ったゲームプレイが楽しめる。
    • 総じて「豊富なステージとやりこみ要素」「操作感が大きく変わるキャラクター」と、価格を考慮すればそのボリュームは破格。定価で買っても十二分に元は取れるだろう。
  • BGMも高評価
    • 後述するようにクセの強い作風ではあるものの、BGMはその作風にピッタリとマッチしているだけでなく、純粋にかっこいいボス戦曲などもあり、全体的に高評価。
    • 中でも、各ステージの脱出シークエンス(Pizza Time)中に流れるBGM「It's Pizza Time」は特に人気。本作のメインテーマ的な曲でもあり、一部フレーズが他のBGMにも使用されている。
    • その他、ラスボス戦の曲も高評価。3段階ある形態のうち、2つ目と3つ目に流れるBGMの評価は特に高い。

賛否両論点

  • キャラクターデザイン・画風・作風について
    • 本作のキャラクターデザインは、前述した『ワリオランド』シリーズの他にも90年代のカートゥーンアニメーションからも影響を受けており、非常にバタ臭くてクセが強いものとなっている。
      • リスペクト元であるワリオシリーズも、元より下品な作風のものもあったが、本作ではそれに90年代のカートゥーンアニメーション特有のバタ臭さが追加されているため、より一層クセが強くなっている。
      • たとえるなら『ワリオランド』に『スポンジ・ボブ』を足して混ぜたような感じと言えばわかりやすいだろうか。
      • ボス戦前のカットインなど、キャラクターのデッサンや雰囲気が大きく変わることもある。これはこれで、ある意味「カートゥーンアニメらしい」とも受け取れなくもないが。
    • そしてこれらの破天荒なグラフィック・アニメーション自体が、全体的にWindowsのペイントソフトなど、アンチエイリアス無しで描いたようなドット絵をしており、前述したキャラデザと合わせて良くも悪くも非常に「味」のあるビジュアルとなっている。
      • 誤解のないように補足しておくと、評価点に書いたようにアニメーションそのものは、作り込まれておりとても良く出来ている。あくまでも絵柄やデザインがプレイヤー個人ごとの好み・感性によって賛否が分かれやすいということである。
  • そもそも、キャラデザ・ゲームデザイン等の作風が『ワリオランド』シリーズに類似していること自体も賛否両論分かれている。
    • いわゆる「パクリゲー」として否定的な意見もある一方、2024年時点で肝心の本家『ワリオランド』シリーズの新作は、2008年の『ワリオランドシェイク』を最後に途絶えているため、『ワリオランド』ライクなゲームが新たに遊べることに好意的な意見を持つユーザーも多数いる。
      • と言っても、これに関しては、2Dの『ソニック』を模倣した『Freedom Planet』、RPGの『ペーパーマリオ』を模倣した『Bug Fables』などのように、昔の有名人気ゲームをリスペクト・オマージュしたインディーゲーム全般に付いて回る風評でもあるが。
    • ただ、確実に言えることは、概要で記述したように、Nintendo Switchに移植されて任天堂の公式番組「Indie World」で直々に紹介されている辺り、任天堂から本作が悪く見られていることは、まず無いであろう。
  • ジャンプスケア等、恐怖をあおる演出が多数存在するため、心臓の弱い方は要注意。
    • 特に終盤のステージ「サイレント・ピザ」(評価点で触れたホラーゲームオマージュのステージ)は察しが付く人もいると思われるが、特定の敵に捕まるとジャンプスケアが発生する仕組みになっている。この手のホラー演出が苦手な方にはどうしてもハードルが高くなる。
    • 他にも4面ボス、ニセペッピーノを撃破した瞬間に発生する逃走パートは人によってはトラウマものになりうる。
    • ちなみに普通にプレイするとまず見つからないであろうイースターエッグ的なドッキリ要素もあったりする。ゲーム開始直後に放置し続けていると…
      • 他にもとある期間限定の隠しステージでとある条件を満たすと異様に冷めた顔のペッピーノのバストアップが表示される。赤黒い配色も相まってなかなか怖い*4
  • 通常ステージのランクの基準が甘いきらいがある。
    • 本作のステージ毎のクリアランクはDからS及びPランクがあると上述したが、大抵はBランク以上でクリアになることが多く、余程狙ってプレイしない限りCやDランクになることがない。
    • これは全体的にC~Aランクの線引きがかなり甘いこと*5、トッピンズの救出が容易な割に得られる点数が1000点と非常に高いことが挙げられる。
      • 仮に一度のステージプレイでトッピンズを4,5体助ければ4000~5000点となり、大抵のステージではそれだけでBランク相当の点数になる。
      • また、トッピンズの救出はゲームの進行に関わるため、あえて救出しないで進む理由が無い。*6
    • もっとも評価の基準を厳しくした場合、人によっては初見のステージで低ランクを連発してしまいモチベーションの低下につながる可能性があるため、難しいところではある。

問題点

  • キャラの操作が難しく、最初は慣れが必要
    • 評価点や特徴で記したように、マッハダッシュ中の速度がかなり速い上に、ペッピーノが使用できるアクションが数多くあるため、最初の内はペッピーノの制御が難しい。
      • マッハダッシュ中に方向転換する際に大きく滑るという仕様の他、マッハダッシュを維持しないと発動できないアクションが複数あるため、思い通りに操作するにはかなりの慣れが必要。
    • 「壁を登る際にスロープ(坂)が無い場合、直前にジャンプしないと壁に衝突してしまい壁を登ることができない」「つかみ攻撃からダッシュを入力することでマッハダッシュを通常より早く出せる」といった仕様はチュートリアルで解説はあるものの、ついつい忘れがち。是非とも覚えておきたいところ。
    • とはいえ、前述したように通常ステージ中の主人公は基本的に無敵であり、ごく一部のステージを除き、Pizza Time以外は時間制限もないため、ハイスコア・高ランクを目指すことを意識しなければ、ゆっくり自分のペースで操作や仕様を覚えることはできる。
    • 操作の制御が効かなくなりがちな要因の一つとして、初心者はZRで発動するマッハダッシュを多用し過ぎる傾向がある。
      • 実際、マッハダッシュを使用しない間のペッピーノの操作性はかなりよい。ZRを常に押しっぱなしにせずに、適宜マッハダッシュが必要な場面とそうでない場面を上手く切り替えることができれば、十分制御可能な操作性となっている。
  • チュートリアルで説明されない操作・テクニックがある
    • 中でもXボタンを押すことで発動する「挑発」に関するシステム・操作・仕様がチュートリアルステージで全く説明されないのが大問題。
      • 10コンボ以上維持している際にペッピーノがオーラを纏い、この時に上入力と共に挑発を行うと、超挑発という画面全体攻撃ができるのだが、これの具体的な説明が無い。*7
      • 敵から攻撃を受ける直前に挑発を行うと、ダメージを受けずに攻撃を跳ね返すことができるパリィが使える……のだが、このテクニックに関する説明もない。ボス戦では反撃はできないものの、攻撃を防ぐことは可能である。
    • ゲーム攻略に有用なテクニックとなるだけに、上記2点の具体的な仕様がゲーム内で説明されていないのはかなり不親切。
    • 他にも空中で上+Yでアッパー攻撃ができる、敵をつかんでいる最中下入力でパイルドライバーによって急降下しながら敵を倒せるなど、クリアに必須ではないが、チュートリアルで解説のないテクニックやアクションがいくつかある。
      • (超挑発、パリィを含め、)これらのテクニックはフロア毎にランダムに表れる「ピザ・グラニー*8」が教えてくれることがあるのだが、会話テキストは場所ごとに異なり、テクニックに関係ないものも多い。そのため運が悪いと全く知らずにクリアしてしまうことも考えられる。
  • ステージフロアの仕様
    • 本作では5つのフロアレベルに3,4個のステージとボスステージが存在しており、ボスを倒すと現れるカギを用いてエレベーターのカギを開けることで次のフロアに行ける仕様になっている。だが、何故か別のエレベーターを利用して階層を登っていく形になっており、エレベーター自体も一部を除いて離れた位置にあるため、一気に複数階層の行き来をするには少々不便な構造になっている。
      • ボスを倒して手に入れたカギを使ってエレベーターの扉を開ける形で上の階層を開放することから恐らく「ボスを倒すことで次の階層に行ける」仕様にしたかったのだろうと思われる。確かにその仕様は間違ってはいないのだが、「ボスが落とすものをエレベーターのボタンにする」等、他に良いやりかたがあったと思われる。
    • また、ゲームを再開する度に同じ場所、それも毎回1階の入り口からリスタートする仕様になっている。
      • このため、上述したエレベーターの仕様も相まって、行きたい階層に行くのに時間がかかってしまう。
      • また、本作にはゲームクリア時の最終評価の中に「2時間以内クリア」「4時間以内に達成度を95%以上クリア」というものがあるため、これらを狙おうとするとゲームを通しでプレイする羽目になる。幸いSwitch本体のスリープモードを利用すれば一時的に中断することもできるのが救い。
    + なお、これは意図した仕様であると思われ…(ネタバレ注意。)
    • ラスボス戦後の最終ステージにて、ゲーム再開時のリスタート地点にされていた入り口が該当ステージのゴールとしての役割を担っている。*9該当ステージのシチュエーションも相まってなかなか憎い演出となっている。
    • ちなみに最終ステージの内容は道中で仄めかされており、予想が出来た人も少なくはないだろう。
  • バグや不具合
    • 確率は低いがSwitch版では一部のステージの開始時にエラー落ちが起こることがある。
      • 現時点では「Secrets Of The World(世界の秘密)」「Don't make a sound(サイレント・ピザ)」の2つでエラー落ちが発生することを確認済み。
    • 期間限定で遊べるハロウィンステージには上述した小ネタが仕込まれているのだが、Switch版で実行しようとするとエラー落ちが発生する。Steam版でも最終的にはゲームが落ちるため、ある意味仕様ではあるが…
      • それとは別にゲームが強制終了する小ネタが存在してるのだが、Switch版ではエラー落ちが発生しない様になっている。件のハロウィンステージは期間限定で発生するおまけステージであるため、移植の際にテストプレイの段階で見落としが発生した可能性が高い。

総評

『ワリオランド』をオマージュしたパワフルで多彩なアクションとスピーディーな高速移動、そして描き込まれた豊富なアニメーションと良質なBGMによって、2Dのインディーアクションゲームの中でも随一の爽快感と完成度を誇る作品。
その一方で、クセの強い絵柄や世界観・キャラクターデザインなど、少なからず人を選ぶ要素も存在するが、それらもインディーゲームであるが故に、ある程度自由にできたモノとして、解釈することも可能だろう。
2Dアクションとしての出来は折り紙つきなので、絵柄や作風で毛嫌いせずに、興味があればプレイして頂きたい。


余談

  • 本作が発表された2024年8月27日の「Indie World」の紹介動画は、ナレーションが、前回までは安元洋貴氏だったのに対し、今回は子安武人氏に変更されている。
    • そして、本作が紹介される際の語りは、本作の作風に合わせてか、子安氏が明るくノリノリのハイテンションでゲームの解説をする、というものとなっている。
      • そのハイテンションな子安氏の紹介を聞いて、子安氏が主役を演じたギャグアニメ『ボボボーボ・ボーボボ』を思いだした人も少なくなかった模様。
    • また、本作が紹介された順番も、直前がPLAYISMの『未解決事件は終わらせないといけないから』、直後が集英社ゲームズの『都市伝説解体センター』という、どちらもシリアスな作風・ストーリーのゲームであった。
      • 故に、それらの作品の子安氏のナレーションも当然シリアスかつ落ち着いた語りとなっており、その間に挟まれた本作のハイテンションな紹介がより浮いたものとなっていた。
最終更新:2025年06月14日 02:17

*1 公式ストアでの紹介文より。

*2 件のゲームの舞台のピザ屋は「子供も大人も夢見る、魔法の(ように楽しい)国」を謳い文句にしている。という設定。

*3 存在が示唆されるのは終盤であり、同時に「Pランクが取れなくても気にするな(意訳)」と言われる。

*4 ちなみにこれは没データのリサイクルだったりする。

*5 Sランクを基準(100%)とした場合、12.5%以上でC,25%以上でB,50%以上でAランクとなる。

*6 中には地形の都合上「救出しない」ことすら不可能なトッピンズも実在している。

*7 一応ゲームデータごとに超挑発をつかっていない限り、超挑発が出せるようになると一応操作の説明が入るのだが、さりげなくコマンドが出てくる上に、一度でも超挑発を使うと二度と表示されなくなる。そのためしばらく本作をプレイせず、久々に再開した場合、人によっては超挑発のコマンドを忘れることもあり得る。

*8 チュートリアルステージに出てきたピザの精霊みたいなキャラクター

*9 同様に「『Pizza Tower』というゲームのゴール」でもある。