戦国Spirits 主君伝/軍師伝/猛将伝
【せんごくすぴりっつ しゅくんでん/ぐんしでん/もうしょうでん】
ジャンル
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戦国シミュレーション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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タスケ
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発売日
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2010年3月18日
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定価
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各2,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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バグだらけ 強引に分けられた3バージョン バグに我慢できるならそこそこ楽しめる
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概要
ニンテンドーDSで発売された戦国シミュレーション。3つのバージョンが同時発売された。
プロデューサーは元カプコンの岡本吉起氏、ゲームデザインは『不如帰』のディレクターである岡野修身氏が担当しており、戦国ファンから期待されたのだが……。
特徴
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「キャンペーンシナリオ」「ミニシナリオ」「ストーリーモード」の3つのモードがある。
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キャンペーンシナリオは全国統一を目指すモード、ミニシナリオは地方統一を目指すモード、ストーリーモードは選んだ武将を追体験するモードとなる。
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キャンペーンシナリオのシナリオは群雄割拠1557、魔王の誕生1570、後継者戦争1582の3本。
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ミニシナリオとストーリーモードのシナリオについては後述。
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『不如帰』や『天下統一シリーズ』と同様、フェイズ方式を採用している。
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1年の流れは「経略」→「徴税」→「移動」(1)→「戦闘」(1)→「政略」→「移動」(2)→「戦闘」(2)→「移動」(3)→「戦闘」(3)→「軍備」と『不如帰』と同じ方式となっている。
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大名を選んだ後に能力ボーナスを決定する。与えられた5ポイントを「作戦力」「戦闘力」「政治力」「人望」の各能力に振り分ける。
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本作の登場武将は史実武将1000人と架空武将多数と多い。ただし一つの大名が雇える家臣は最大36人のみ。
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基本的な仕様は同一だが、バージョンによって内容が微妙に異なる。
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ミニシナリオとストーリーモードのシナリオはバージョンごとに異なっている。
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ミニシナリオとストーリーモードのシナリオ一覧
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バージョン
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ミニシナリオ
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ストーリーモード
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主君伝
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北条記1562(東日本)、秀吉疾風録1582(近畿周辺)、謀将1574(西日本)
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武田信玄、織田信長、上杉謙信
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軍師伝
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独眼竜1584(東北)、天下布武1564(近畿)、姫若子1575(四国)
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直江兼続、山本勘助、石田三成
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猛将伝
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関東騒乱1567(関東)、剣豪将軍1564(近畿)、九州三国志1579(九州)
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前田利家、本多忠勝、島津義弘
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各バージョンごとにバージョン固有のシステムがある。
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主君伝は全国の大名・武将がシャッフルされるランダムシナリオ、軍師伝は家臣プレイ、猛将伝はリアルタイムシステム「局地戦モード」が採用されている。
問題点
バグの多さ
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フリーズ地獄。
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本作に於ける最大の問題点。主に合戦時にフリーズが起こりやすいが、それ以外のフェイズでもフリーズは発生する。
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起きるときは何度も繰り返し発生する場合もあるし、しないときはゲームクリアまで全くフリーズしない。
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故にこまめにセーブする事で回避したい。
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武将が分裂したり、無関係の武将がいつの間にかいることがある。
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それだけならまだしも、分裂した武将に上書きされて、別の武将がいなくなってしまうことも。
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また後継者選択で無関係の武将しか表示されないことがある。しぶしぶ選択すると本来の後継者が跡を継ぐ。
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それ以外のバグもある。
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家臣が何の前触れもなく独立する。普通ならメッセージがでるはずなのだが。
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自分の領地なのに表示されないこともある。
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同盟を組んだCOM大名が裏切って攻めてきて同盟解除されても、全体マップ上では同盟ありの表示のままであることがある。
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取得したはずの官位がいつのまにか消失する。
史実再現度の低さ
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全体的に史実再現度が低く、勢力図が混沌化する。
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公式サイトでは「最新の歴史観を大胆に反映」と宣伝されていたが、史実再現度が低いせいで本当に反映されているか疑わしくなってしまっている。
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部隊長である有力武将や大名ですら簡単に討死する。
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また武将ごとの寿命の概念はないためか、毛利元就などの高齢な武将だと史実より早く病死する。
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武将が死にまくるため、ゲーム中盤以降になると架空武将ばかりになってしまう。
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複数の国を所有している大名が亡くなって新しい当主が跡を継ぐと、家臣が謀反を起こして家中分裂する確率が高い。
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COM大名がなかなか勢力を広げない原因にもなっている。
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COM大名は同盟の有無に関わらず攻め込むため、同盟がほぼ意味を成していない。
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甲相駿三国同盟や織田・徳川同盟ですら開始早々に崩壊する。
露骨なバージョン商法
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主君伝・軍師伝・猛将伝の3つのバージョンが同時発売されたのだが、いずれもやる事は基本的に同じ。
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一応各バージョンには細かい違いがある。ミニシナリオとストーリーモードがバージョンごとに異なっているほか、システムの細かい部分が微妙に違う。
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が、わざわざバージョンを分ける必要があるほどの特徴は見られない。これなら1本のソフトに纏めれば済む話である。
その他の問題点
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操作性もあまりよくはないため、操作に慣れないうちは戸惑いやすい。
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オプション項目が「メッセージスピード」しかない。
評価点
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実績のある人がゲームデザインを行っているため、アイデアは悪くない。
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システムはシンプルにまとまっており、コマンド入力や他国命令の待ちがほとんどないため、スピーディーに進む。
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武将ごとにスキル(隠し特技)があり、武将の個性を表現できている。
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登場武将は史実武将に限っても1000人と多く、他のゲームでは見かけない武将に出くわす事もある。
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問題は武将の死亡率が高いせいで、マイナーな史実武将と架空武将の区別が付かないことだが……。
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山間部が多い飛騨・伊賀・紀伊や本願寺の本拠地である摂津に攻め込んだ場合、士気が大きく減った状態で戦闘開始になる。
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合戦時の部隊は凸型で表示される。『信長の野望 覇王伝』のように部隊を動かして戦うわけではないが、雰囲気を盛り上げてくれる。
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最大6軍団を構成でき、1戦闘フェーズにつき最大6カ国攻められるため、戦略的・戦術的に考える面白さがある。
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選べる戦国大名も多く、さまざまな大名を使って本作をやりこむ事も可能。
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セレクトボタンで見れる各フェイズごとの解説も充実しており、説明書がなくても本作のシステムを理解しやすくなっている。
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バグ自体は多いものの発生頻度はそこまで高くなく、クリアできないほど酷くはない。
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ゲームクリアまでバグに一度も遭遇しなかったという報告もある。
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クソゲーのお約束というべきかBGMは良い。グラフィックも値段を考慮すれば及第点。
総評
アイデアは悪くないが、バグの多さ、史実再現度の低さ、露骨なバージョン商法が原因で評価を落としてしまった。
幸いバグの頻度は高くなく、バグや史実再現度の低さに我慢できるなら遊べなくはない出来にはなっている。
余談
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DSiウェアとして2010年5月19日に『愛…戦国Spirits外伝 信長編』および『愛…戦国Spirits外伝 秀吉編』が、6月2日に『愛…戦国Spirits外伝 謙信編』配信された。
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また、2011年4月13日に本作のDSiウェア版に当たる『哀…戦国Spirits EX』が配信された。
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パッケージ版同様に主君伝・軍師伝・猛将伝の3バージョンに分けられているが、ストーリーモードなどがカットされている。
最終更新:2023年12月05日 17:55