LOOPERS
【るーぱーず】
| ジャンル | キネティックノベル |  
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| 対応機種 | Windows 8.1/10 Nintendo Switch
 プレイステーション4
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| 開発元 | Key | 
| 発売元 | 【Win】Key 【Switch/PS4】PROTOTYPE
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| 発売日 | 【Win(Steam以外)】2021年5月28日 【Switch】2022年6月2日
 【PS4】2023年2月16日
 【Win(Steam)】2023年6月27日
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| 定価 | 【Win】1,980円 【Switch】2,980円
 【PS4】2,970円(いずれもDL版)
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| レーティング | 【Win】ソフ倫:全年齢対象 【Switch/PS4】CERO:B(12才以上対象)
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| 判定 | なし | 
| ポイント | 良くも悪くも
竜騎士07 癖の多いキャラ
 全体的にはそれなりの出来
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| Key作品 | 
 
概要
「Key」が贈るキネティックノベルであり、シナリオライターは『なく頃にシリーズ』で有名な「竜騎士07」。イラストは「望月けい」が担当。
特徴
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テキスト対応言語:日本語、英語、中国語がある。
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選択肢による分岐は無しの一本道の構成で6〜8時間でクリアできる。
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「
ジオキャッシング
」という実際のインターネット上の遊びを元にしたゲームが登場し、ジオキャッシング内の専門用語そのままで登場する。
物語
GPSを利用したスマホゲームであるジオハンティングに熱中する高校生である「
タイラ
」は夏休みのある日、小学生の時の友人「
ヒルダ
」と「
レオナ
」と再会し、一緒にジオハンティングをして仲良くなる。その後ヒルダとタイラは不可解な体験に巻き込まれる。隠れ女の幻。狂気に陥るレオナ。明日が今日になる。
二人は『時の渦』に呑み込まれ、今日という一日を無限にループに巻き込まれ、同じくループ世界を体験する「
ルーパーズ
」と呼び合う少年少女たちに出会い、『時の渦』からの脱出を目指す。
世界観
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ジオハンティング
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「ポケモン GO」のようにGPSを利用して、プレイヤーの隠した宝物を見つけるスマホゲーム
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宝物はアクセサリーやぬいぐるみなど他愛のないものである。オーナーと呼ばれる宝物の所有者は宝物を設置して、世界中のプレイヤーにヒントを出す。
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法令やマナー・モラルに違反するような場所・建物などに置くことを禁止されている。
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プレイヤーは見つけたら宝物を持って帰っても良いし、自分の持っている物と交換しても良い。
 
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時の渦
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世界中で起きている一日を繰り返す時間のループの現象。川の流れの逆流のようなものと説明され、台風のような災害と同じとされている。主に若者が多く巻き込まれ、10年から20年近くループすることもある。
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ループに巻き込まれた人間は「ルーパーズ」といい、長い期間のループで精神を病む者も多い。
 
賛否両論点
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竜騎士07節
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竜騎士07氏は『ひぐらしのなく頃に』や『うみねこになく頃に』などで、人気が出た作家であるが、そのシナリオ展開や畳み方は無理矢理「矛盾」や「後付け」」で完結する手法が多く、詳しくはその項目に任せるが、評価に賛否が多い。
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本作は竜騎士07氏が得意とするループものであるが
というかそれしかない。
、
氏の他の作品に触れた人間なら「またか…」と言いたくなるような設定、展開、キャラも多い。
そして、人気作品の
批判された部分も本作にそのまま引き継がれている。
特に主人公のタイラは「ひぐらし」の「前原圭一」そのものである。そもそも彼自体も賛否あるキャラである。そのため賛否も引き継がれている。
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氏の主人公がよく言う「
うおおおおおおおお
」などの叫び声を出す展開もよく見られる。
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とはいえ、氏の持つ「熱い展開」や「どんでん返し」「伏線回収」などの脚本の魅力は惹きつけられる物はあることは事実であり、その魅力を純粋に評価する人間も存在する。
 
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キャラの癖が強すぎる。
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過剰とも言えるほどキャラのアクセントが強く、このノリについていけるかが本作の鍵の一つである。
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タイラは宝探し馬鹿というほど宝探しに熱中する体育会系のタイプ。ヒルダはツッコミするときに頭突きして、メンタルは弱く、頭も悪い。
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キャラの個性が悪目立ちしており、まるで
お笑い芸人の一発ギャグのように過剰である
。これらのキャラがシナリオ中ずっと過剰に会話して、無駄にリアクションにして、キャラの会話に鬱陶しさを感じやすい。さらにキャラ紹介的な下りも繰り返し登場して、短いシナリオであるため、より悪印象を抱きやすい。分かりやすく言えば「ひぐらし」の「可愛もの好きのレナ」や「熱血の圭一」のキャラをさらに脚色させ増長させたキャラと言うべきだろうか。
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タイラやヒルダは狂言回しや主人公的な一般的な主要キャラ設定からは少々外れており、王道とはとても言えない。彼らが一発ネタようなキャラなら分かるが、メインキャラということが合わない人も多い。
 
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タイラ賛美が強い
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ループ時に様々な問題が起こるが、その問題に対してタイラのやること、成すこと全て上手くいく。さらにタイラの行動でみんなの精神も改善する。そして、タイラの行動で脱出する。
それを仲間を全肯定して、タイラを称えるという展開になる
。さらにみんながジオハンティングに夢中になるというのも少々ご都合主義。
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言ってしまえばメアリー・スーや異世界転生物に近く、描写が過剰とも言える。
 
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サイモンがご都合主義過ぎる
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サイモンは暗記能力があり、非常に頭が良く、大金持ちという設定。
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そのためループの対応などの解説役だが、資金不足、状況把握などループもので陥る問題をサイモン一人で解決している。
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プレイヤーの中ではご都合主義過ぎるという声も聞かれる。一方、時間をまとめるためこういうチートキャラが必要だったと擁護する声も。
 
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予測しやすいシナリオ
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シナリオの話運びは非常に単純であり、中盤を進めれば、大体話の流れは読める。また、よくある展開やよくある設定というものもある。
 
問題点
    
    
        | + | ネタバレ注意 | 
この作品のループは、台風のように自然界にごく稀に発生するもの事象であり、世界中どこでも起こる物とされている。
だが、終盤で
ループはミアが願ったから発生したということに変化してしまった。
ミアのおまじないが原因なら「
他の国の現象はどうやって起こった
」のか、「
ミアのループとは別物なのか
」など説明不足な部分も多い。
無理矢理擁護するならミアのおまじないが過去の世界にまで影響を与えたということだろうか……。
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日常パートが少ない
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日常パートが体感3分の1程度であり、その部分で仲間と仲良くなるのだが、どうも駆け足気味。
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後半から一致団結するが「
いつからそんなに仲良くなった?
」と言いたくなる。
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一応ループ世界で何十日も過ごしている設定だが、
プレイヤーからは数回遊んだ程度で親友のような振る舞いをしていて違和感を覚えやすい。
 
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カイとクロ
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同じルーパーズであるが、立ち絵がないので、少々寂しい
 
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サブキャラの描写不足
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脇役の描写が少なく、彼らの背景もよくわからない部分も多い。
 
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問題解決があっさり
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ミアの昏睡状態やループの脱出などあっさりと解決してしまう。非常に難解な問題と説明されるので、余計に「こんな方法でいいのか?」と肩透かしするユーザーも多い。ひと悶着ぐらいあれば説得力があるのだが
 
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少年の声
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本作の序盤で登場する少年の時代のタイラの声が成人男性である。そのため、喉太い声の少年ボイスであり、少々不自然。
 
評価点
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ほどよく完成されたシナリオ
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本作は王道的なループものであるが、映画よりは長く、ゲームでは短いという時間でまとめられている。
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ループ作品の面白さと苦痛、精神的に追い込まれる感覚、閉塞感などが十分に表現されている。
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そこから至る、開放感とオチも熱いものがある。ループという長時間になりがちな題材をこのプレイ時間でまとめたことは評価される。
 
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キャラ
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非常に個性的で覚えやすい。問題点にあるキャラの背景が知りたいというのは、キャラが評価が良い傍証である。
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不快になるようなキャラもなく、スムーズに進められる。
 
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ジオハンティング
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ジオハンティングの設定はよく練られており、実際にスマホゲーにして欲しいという声もしばしば。
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キャラが宝探しにハマるが、共感しやすい。
 
総評
ループものの一本道ADV。竜騎士07氏の人気作品をそのままリメイクしたようなシナリオであり、残念ながら悪い部分も良い部分も引き継いでおり、これがゲームの賛否分かれる評価になった。
また個性的なキャラがメインを張る本作であるが、キャラの演出が過剰と言えるほどのシナリオ運びであり、「鬱陶しい」「気にならない」「面白い」と見事に分かれた。
だが、総合的には凡作という完成度であり、致命的なクソゲーとは言い切れない内容である。
余談
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Keyブランドのキネティックノベル『LOOPERS』『LUNARiA -Virtualized Moonchild-』『終のステラ』の3作品は同時に発表されており、本作は2016年の『Harmonia』以来久々の新作キネティックノベルとして皮切りとなった。
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竜騎士07スペシャルインタビューがビジュアルアーツに掲載されている。(該当ページ)
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新規要素を加えた『LOOPERS PLUS』が2025年10月24日に発売された。
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原作のDL販売は終了し、PLUS版のみが配信されている。
 
最終更新:2025年10月24日 10:26