怪獣王ゴジラ
【かいじゅうおうごじら】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | バンダイ | 
| 開発元 | 日本アートメディア | 
| 発売日 | 1993年12月17日 | 
| 定価 | 3,800円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | ゴジラらしい重量感たっぷりで魅せるド迫力バトル 回復待ちが多いのと少々打たれ弱いのが気になる
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| ゴジラシリーズリンク | 
 
概要
1993年12月にバンダイから発売された日本の特撮映画の看板作品『ゴジラ』を題材にしたゲームボーイのアクションゲーム。
プレイヤーはゴジラを操作して、防衛軍や怪獣たちと戦う。
『怪獣王ゴジラ』のタイトルは映画でも『ゴジラ』(1954年公開)をベースにアメリカ向けにレイモンド・バー出演シーンを追加して1956年に公開したものや、講談社の月刊漫画誌『デラックスボンボン』の1992年8月号~1993年5月号まで連載された(単行本も全2巻発行)同タイトルの漫画『怪獣王ゴジラ』(作:河本ひろし)が存在するが本作はいずれとも関連はないオリジナル作品である。
ストーリー
史上最大の怪獣王ゴジラ出現!太平洋の海底で深い眠りから覚めたゴジラが、ついに日本に上陸する…。
大都会のビルを破壊し、自衛隊のスーパーメカや、立ちはだかる巨大怪獣たちを蹴散らし、さらに強力になって突き進むゴジラ。
止まるところを知らないゴジラのスーパーパワーは、平和な日本を完膚なきまでに叩き潰し、人類をかつて経験したことのない恐怖の底に落とし込むのだった。
(取扱説明書2頁より)
1993年、小笠原沖でマグニチュード5の地震を観測。
警戒中の海上自衛隊P-3Cのソナーに巨大な影が映し出された。
臨時国会が召集されGの活動を確認、全自衛隊にデフコン1を発令。
伊勢湾にGが出現。そして・・・
(タイトルデモより)
内容
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横方向に長いステージでスクロールして進むベルトスクロール方式のアクションゲーム。
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様々な怪獣や防衛軍兵器を突破し最後まで走り切ればステージクリアーとなる。全5ステージ構成。
 
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プレイヤーはゴジラを操作して防衛軍の兵器や怪獣たちと戦う。
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画面下にHPゲージが2段にあり上段がゴジラのもの、下段が敵のもの。対象の敵の名称も表示される。
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兵器のみならず、建造物を攻撃して破壊することもできる。
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ゴジラが陸の上を歩くと、地響き音とともに画面が揺れ、水中に入ると体が沈んだ格好になる。
 
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Aボタン「放射火炎」(HPを消耗し、一定の量を切ると回復するまで吐けない)
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Aのみで真正面に向かって吐く、十字ボタンの上下と組み合わせて画面斜め上や、斜め下に向かって吐くこともできる。
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単発で押すだけでなく押続けることで長い間吐くこともできる。
 
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Bボタン「パンチ」
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十字ボタン左「防御」
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防御の構えを取って被弾や体当りのダメージを軽減できる。
 
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A+B「超強力放射火炎」(HPを消耗し、一定の量を切ると回復するまで吐けない)
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足元(斜め下)に向かって強力な火炎を連続で吐く。Aボタンのみの放射火炎よりもHP消耗が激しい。陸に上がった状態でないと使えない。
 
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B+十字ボタン左「尻尾攻撃」
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ヨコに一回転して尻尾で攻撃。パンチよりも攻撃範囲が広いが陸に上がった状態でないと使えない。
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また、この動作中は敵の攻撃が当らないので回避として使うことも可能。
 
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上記の通り、放射火炎による攻撃はHPを消耗するが、止まっているとHPはジワジワ回復していく。
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また、ビルやタワーなどを破壊するとアイテムが出てくることがあり、それを取ることでも回復できる。
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反対に破壊した反動で爆発が発生することがあり、それによるダメージを受けることもある。
 
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他に怪獣系の敵や「スーパーX」などの大型兵器を倒すことでもHPが一定量回復する。
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体当りをすれば戦車などは足蹴りなどで破壊できるが、ゴジラ自身もダメージを受ける。
 
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HPが尽きるとゲームオーバーだが、コンティニューが3回までできる。
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ステージ1「ゴジラVSモスラ」
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エビラ・バトラ幼虫・モスラ卵・モスラ幼虫・バトラ成虫・モスラ成虫
 
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ステージ2「ゴジラVSビオランテ」
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スーパーX・アンギラス・ビオランテ花獣・スーパーXII・ビオランテ植獣
 
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ステージ3「ゴジラVSヘドラ」
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ヘドラ飛行形態・マンダ・ガバラ・カマキラス・クモンガ・ヘドラ歩行形態
 
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ステージ4「ゴジラVSキングギドラ」
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キングギドラ・キングシーサー・ガイガン・ジェットジャガー・メガロ・ゲソラ・ガニメ・ゲソラ・メカキングギドラ
 
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ステージ5「ゴジラVSメカゴジラ」
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メカゴジラ飛行携帯・メカゴジラ歩行形態・バラン・チタノザウルス・ラドン・メカゴジラ
 
評価点
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操作そのものはシンプルでわかりやすい。
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後ろとBで尻尾、AB同時押しで強力な放射熱線だったりは少々わかりにくいが、他はいずれも直感的でシンプル。
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方向の調整は少々コツがいるものの基本的にはAボタンで炎を吐き、上下と組み合わせるというのもさほど難しくない。
 
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グラフィックの美麗さ。
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怪獣自身もさることながら、背景も細かい所までモノクロのGBながらも描き込まれており、目を見張るほどのクオリティ。
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それぞれの怪獣もしっかり特徴が捉えられており、そんな巨大怪獣同士が背景に広がる景色を背に激突し、その迫力を存分に演出できている。
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タイトルやゲームオーバーの画面にしても、そのグラフィックに魅了されるほど。
 
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映画などで見るゴジラのタフさや重量感がたっぷり感じられる。
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後述の問題はあれども、攻撃をよけるよりも喰らいながら怯むことなく重量感たっぷりに進む姿はゴジラらしい姿に違いない。
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また敵キャラだけでなく建造物すら豪快に破壊する様には爽快感すら感じられるほど。
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ゲームの上ではマイナスな面もあるが海から半身見えるゴジラや、地上に上がれば歩くごとに地響きを伴い、大地を揺るがす様はまさにゴジラらしい風格がある。
 
 
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ステージ数は5と決して多いとは言い切れないものの1ステージの内容はかなり濃密。
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実際1ステージの間に何体もの怪獣と、ド迫力なバトルを繰り広げるので、そのやりごたえは抜群。
 
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細かい兵器の名称までがしっかり表示される。
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怪獣の名称はこれまでのゲームでも触れられてきたが、防衛軍の兵器は所謂ザコ敵扱いで名称はほとんど無視されていた。その点、本作ではそれらの詳細な名称まで表示される。
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知らない人にとっては、それを知る機会になるしファンとしてはよりイメージを膨らませやすい。
 
問題点
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初見殺しや待ちゲーになりやすいバランス。
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説明書でどんな敵が出てくるかは大まかには書かれているものの、どこで出るかはやってみないとわからないため、うっかり早まって進むとHPが充分にないまま戦うハメになり、それが死に直結することもある。
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怪獣やスーパーXに出くわしてから回復を待とうにも攻撃は激しく悠長に待っていると、回復よりもダメージが勝ることが多いので自殺行為となる。
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念には念を入れて道中で立ち止まって回復を待つにしても、それをいちいち待っているとなると時間がかかり待ちゲーのようになる。
 
 
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全体的に動きが鈍く、特に水中に半身潜った姿勢でいると非常に攻撃がかわしにくい。
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特に防御の発動がシビアで大体フルにダメージを喰らってしまう。
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元々ゴジラは重量感からズシンズシンという歩き方や攻撃をものともせず威圧感たっぷりに突き進むのが特徴ではあるので軽々しく回避する動きはらしくないにしても、せめてゲームとして防御の発動はもっと手軽にしてもらいたかったところ。
 
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「超強力放射火炎」があまり役に立たない。
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切り札的な技であるにもかかわらず攻撃が足元に限られるため方向の指定ができず、それでいて吐く時間が一定でHP消耗も大きく、外した時のリスクが大きい。
 
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踏みつぶしているのにゴジラ自身がダメージを受ける仕様。しかもこれが地味に大きめ。
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攻撃を喰らいながらでこうなるならまだしも、踏んで攻撃しているような感覚なのに大きめなダメージを喰らうのはいただけない。
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しかも、説明書にまでこれも攻撃の1つと公式に認めているのだから尚更。
 
 
総評
美麗なグラフィックに重厚なサウンド、ゴジラらしい重量感や力強さがたっぷりと感じられ、再現度では原作ファンに期待以上とも言い切れるほどの出来。
ゲーム内容もステージ数は少ないものの中身は濃密で巨大怪獣同士のバトルをたっぷり堪能出来てGBにしておくには勿体なく感じられるほど。
当時完全にSFCが席巻し、GBはハード自身が振るわない時期で任天堂作品など一部ビッグタイトル以外は注目度が極端に低かったが、まぎれもなく正統派な名作だろう。
余談
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同時期スーパーファミコンでもゴジラを題材にした同等のスタイルのゲーム『超ゴジラ』が発売されているが、こちらは東宝、東芝EMIによる発売なので特に関連はない。
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ゴジラといえば当然のごとくラスボスはキングギドラなのだが本作ではメカゴジラとなっており、キングギドラはその前のステージのボスに降格している。
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これは同時期に劇場公開された映画が『ゴジラVSメカゴジラ』だったため、それに合わせて今が旬なメカゴジラをラストに持ってきたものと思われる。
 
最終更新:2023年12月28日 16:51