ドナルドダック
【どなるどだっく】
ジャンル
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アクションミニゲーム集
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売・開発元
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ケムコ
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発売日
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1988年9月22日
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定価
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5,800円
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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なし
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ポイント
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ミニゲームとしては手軽に遊べてそれなりの出来 とはいえ6種類は少々バリエーション不足 別にドナルドでなくてもいい内容
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ディズニーシリーズリンク
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概要
1988年9月にケムコから発売された6種類のミニゲームでスコアを競い合うという、当時にしては珍しいファミコン初期のようなシンプルなゲーム。
1Pはドナルド、2Pはデイジーダックを操作する。
ゲーム内容はコモドール64のゲームソフト『Alternative World Games』がベースとなっている。
ケムコは『Alternative World Games』の販売元であるGremlin Interactive社と同社ソフトのファミコン移植に関する契約を結んでおり、本作はそのうちの1本である。
モチーフであるドナルドダックには関係なく、恐らくこの当時開催されていた『ソウルオリンピック』を意識して「ちょっとしたオリンピック」のようなゲームになっている。
内容
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6種類のミニゲームで総合点を競うゲームで、各ゲームを個別に行える「セレクトゲーム」と、6種類全てを3周行い、その合計点を競う「トータルゲーム」と2種類のモードがある。
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「セレクトゲーム」は各競技をそれぞれ単発で行う形で実質的な練習モード。
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「トータルゲーム」はクリアポイントがあり6種目終わった時点で1周目は2000点、2周目は5000点、3周目は10000点を超えていないとゲームオーバーとなる。
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3周目をクリアすれば、エンディングの表彰式で10000点以上で銅メダル、12000点以上で銀メダル、15000点以上で金メダルが貰える。
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ゲームの舞台はイタリアとなっている。
ミニゲームの詳細
みのむし
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ドナルドとデイジーが下半身を袋に入って名前の通りみのむしのような格好で、ピョンピョンジャンプしながらゴールを目指すゲーム。制限時間は50秒。
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ジャンプはAボタンで行うがただ連打するだけでなく、Aボタンを長押しして溜めてジャンプすることもでき、またその溜めた力はしばらく残っており、溜めと連打のバランスが重要となる。
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道中にはフタが開閉しているマンホールがいくつもあり、開いた状態でぶつかると転倒してしまうので、ジャンプに合わせて十字ボタン上下でコース取りしてかわすことになる。
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このゲームは2人同時プレイとなる。
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後にゴールした方は、ゴールインと同時に転ぶような格好になる。
くつなげ
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手に持った靴を、遠くに投げてその距離を競うゲーム。
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十字ボタンをグルグル回すように押して、勢いをつけてAボタンで投げる。
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投げる時のタイミングも大事で、ドナルドやデイジーの腕が向いている方向に向かって飛んでいくので腕が下を向いていると当然下に向かって投げるので0mにしかならないし、後ろを向いている時に押しても後ろへ飛ばしてファールになるだけ。
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十字ボタンを回さずいきなりAを押しても真下に落とすだけで記録は0mとなる。
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試技は2回。「トータルゲーム」時は、2回の合計がポイントになる。
ホッピング
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常時ホッピングでジャンプを繰り返している状態で移動し、Aボタンと右で勢いをつけ、タイミングよく大ジャンプして4つの壁を超えるゲーム。
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壁を越えることでスコアとなり、1つも越えられないとファールとなる。
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作中のゲームの中でも1・2を争う難しいゲームだが、最初の1つを超えたら勢いに任せて案外あっさりクリアーできたりもする。
おとしっこ
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ドナルドとデイジーが川に浮かんだボートの上で、落としあいをする。制限時間は50秒。
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移動は左右で前後移動するだけでなく、上下で奥や手前にも有効。
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Aボタンで「押し」、Bボタンで「投げ」ができる。
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投げは相手が押してきた時、それを捌く技でタイミングが合えば柔道の要領のように横へ投げ飛ばすことができる。
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また、この時ボートの揺れによって奥または手前に高低差が生じていると、高い側にいる方が有利となる。
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このゲームは2人同時プレイとなる。
ピザはこび
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タテに積まれたピザ20枚を上手くゴールまでできるだけ早く運ぶのが目的。制限時間は80秒。
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右で前に進み、左ボタンも併せて上手くバランスを取りながら進む。
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もちろん歩くとピザが揺れ、大きく揺らすと上のピザが落下する。スピードに任せて突き進むだけではアッという間に落として手持ちのピザがなくなってしまう(最低4枚は残る)。
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見た目は10枚なので、見た目の1枚が2枚に相当し、落とすのも2枚単位。
かわとび
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棒高跳び(というより当時の人気番組『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』の『跳んでおめでとう!』)に近い要領で、ダッシュして川底に棒を付きそのまま川の向こうへ飛び越す。
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スコアに飛距離は関係なく飛び越せたか飛び越せなかったかで決まる。
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Aボタンで助走して、Bボタンで棒を突き、離したタイミングでドナルドも棒を離しジャンプする。
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離すタイミングが合っていないと、棒を突いたまま川へズリ落ちるし、川へ突くタイミングが早すぎると転倒してしまう。
評価点
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6種目それぞれが、異なったゲーム性で求められるテクニックも多種多様。
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そのため、ちょっとしたパーティゲームとして重宝する。
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しかも6種類いずれも、要素が被るような種目はない。
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ドナルドをはじめキャラの表情やアクションも細かく、そのコミカルさが活かされている。
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特に「おとしっこ」でのドナルドやデイジーの表情の変化も細かいなど、こういった部分はファンを大事にしている。
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失敗してビックリする表情だったり「かわとび」でも失敗してズリ落ちていく様だったりなど、キャラの特徴が良く出せている。
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スコアアタックで楽しむのに向いたゲーム性で対戦ゲームとしては盛り上がりやすい。
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前述の通り、様々な競技がそれぞれ個性があり、それでいてスコアのバランスも絶妙なので、プレイヤーそれぞれの得意不得意の偏りで不公平が発生しにくい。
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描き込まれたイタリアの背景の美しさ。
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特に有名なピサの斜塔やコロシアムなどはまさにイメージ通り。
賛否両論点
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「ピザはこび」のガマンゲーのような一面。
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ピザをゆっくり運ばなければ多い枚数だとすぐ落ちてしまうので、どうしても焦れやすい。
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ただ、焦れる気持ちに耐えながら多くの枚数を維持するためにゆっくり運ぶ、または落とす覚悟でタイム重視でダッシュするか、これも駆け引きのうちとして考えると違った面白味が見えてくる。
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特に最初はゆっくり運ぼうとしていても、うっかり焦って落としてしまい「結局落とすならスピードで突っ切ればよかった」ということにもなるので、その決断を試している一面もある。
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また80秒という時間も絶妙で、これもプレイヤー心理を揺さぶってくるので、落とさずゆっくりならそれに負けないように集中力を維持しなければならないのも案外奥深さがある。
問題点
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非常に短時間で終わるバランスでありながらバリエーションが6種類しかないのは少々ボリューム不足気味に感じるかも。
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ファミコン草創期ならばまだしも、この時期だと少々不足気味に感じられる。
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とはいえ、ゲームの中身そのものは、ちゃんとバランスが取れており、クリアーやハイスコアを取るにはコツが必要でそれを掴むのはちょっとやそっとでできるようなヌルゲーではないため、ロクに楽しめないまま終わるようなものでもない。
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「かわとび」の記録が成功か失敗のどちらかしかない。
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他の種目はいろいろスコアのバリエーションが豊富なだけに、単調さを感じてしまいやすい。
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「おとしっこ」は1Pと2Pの対戦形式であるため、トータルモードの二人プレイ時は勝った方しかポイントを得られない。
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逆にこれを利用してあえて二人プレイで始め、片方を操作せず速攻で落としてしまうことでスコアを稼ぐという手もある。
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ゲーム自体はドナルドダックである必要がないもの。
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折角ドナルドらしいコミカルなアクションは取り込めているものの、ドナルドダックらしさがゲームに落とし込めているかと言われると疑問を感じる内容。
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ドナルドといえば、ゴルフや車、釣りや船などゲームに取り込めそうなものはいくらでもある。
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恐らく当時開催されていた1988年ソウルオリンピックを意識したため、こうなったものと思われるが、ただそれにしてもオリンピックらしい雰囲気を感じるほどではない。
総評
1つ1つは個性あるゲームばかりで、それぞれの重要要素が被らない構成がされているが1回あたり短時間で終わる割には6種類しかないなど、もうちょっとバリエーションが欲しくなる内容。
ドナルドダックのキャラゲーとしても、キャラクターのコミカルさは取り入れられているものの原作らしさが出せそうなものがもっとあるにもかかわらず使われていないなど今一つ消化不良感がある。
ただ対戦ゲームとしてはシンプルながら要素の複合バランスがそれぞれ被らずスコアアタックの面白味があるので、本作の醍醐味はそこに集約されていると言っても過言ではない。
余談
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基本的に外付けの連射パッドは使用不可だが、外付けの端子を使わないものであれば連射機能を使うことができる。
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具体的にはコントローラーに連射機能が搭載された後期版ツインファミコン、ニューファミコン(1993年12月発売)専用ホリコマンダー(メインコントローラーの端子に繋ぐ)といったものが該当する。
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「ドナルド」と付くゲームは同年1月にデータイーストから『ドナルドランド』というゲームが発売れているが、こちらは大手ハンバーガーチェーン店『マクドナルド』のピエロのようなキャラクター「ドナルド・マクドナルド」なので無関係。
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オリンピックのゲームは同時期コナミから『ハイパーオリンピック』の流れを汲んだ『コナミックスポーツ イン ソウル』が発売されている。
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本作の舞台はイタリアだが、意外にもオリンピックには縁遠く過去に開催されたのは第17回(1960年)のローマオリンピックのみ。冬季を含めても第9回(1956年)コルチナ・ダンペッツォオリンピックの計2回。
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なお、『ハイパーオリンピック』の欧州版『Track & Field in Barcelona』はケムコから発売されている。
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当時のキャンペーンとして金メダルを獲得した画面写真をケムコに送ることで500名にオリジナルテレホンカードが貰えるキャンペーンが行われた。
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しかし、その後テレカがオークションなどで特に出回っている様子がない。実際このようなプレミアなモノなら数多のディズニーマニアが血眼になって探すと思われるので中止となった可能性が考えられる。
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本作が発売された1988年は、日本で『東京ディズニーランド』の開園5周年という節目の年だった。
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そのため、本作に関しても原作である『Alternative World Games』を移植していたところに、上記の話題性を意識して無理矢理ドナルドを当て込んだのでは?という説がある。
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問題点にある通り本作はドナルドダック本来の設定がまるで活かされていないため、このような邪推をされてしまうのも仕方がない。
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海外ではキャラクターをスヌーピーに差し替えて販売している。これは当時海外において、カプコンUSAがディズニーのゲームを製作する権利を取得していたため。
最終更新:2024年03月12日 12:36