本項ではアーケード版『ハイパーオリンピック』『ハイパーオリンピック'84』と、ファミリーコンピュータ移植版『ハイパーオリンピック』『ハイパースポーツ』について記述する。
【はいぱーおりんぴっく】
ジャンル | スポーツ(オリンピック) | ![]() |
対応機種 | アーケード | |
発売・開発元 | コナミ | |
稼働開始日 | 1983年10月27日 | |
プレイ人数 | 1~4人 | |
判定 | なし | |
ポイント |
80〜90年代を代表するSPGの起源 シューティングとは違った連打ゲー |
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ハイパーオリンピックシリーズ 初代(AC / MSXI / MSXII / FC)/ '84 / アトランタ / ナガノ(AC / PS / N64)/ GB / 2000 |
1983年にアーケードで導入された、オリンピックを模したスポーツ競技のゲーム。
陸上競技の6種目が収録されている。
100m走
走り幅跳び
槍投げ
110mハードル
ハンマー投げ
走り高跳び
このような陸上競技のゲーム自体初作品で、ゲームそのものは当時の中では可も不可もないような出来ではあるが連打とタイミングを織り交ぜたスタイルは後々のスポーツゲームの礎となったことが大いに評価できる。
根本的に連打勝負のゲームなので競技の特性上単調になるのは否めないが、そんな中でタイミングも重要な「ハンマー投げ」や角度を調整しながら跳ぶ「走り高跳び」などが織り交ぜられ初作品ながら単調さを緩和する工夫がみられる。
【はいぱーおりんぴっくはちじゅうよん】
ジャンル | スポーツ(オリンピック) | ![]() |
対応機種 | アーケード | |
発売・開発元 | コナミ | |
稼働開始日 | 1984年7月28日 | |
プレイ人数 | 1~4人 | |
判定 | なし | |
ポイント |
陸上以外の競技も続々登場し種目数もアップ リアルなオリンピックと並行した初作品 一部世界記録が独自基準 |
前年アーケード導入された『ハイパーオリンピック』の続編。
この年行われた第23回ロサンゼルス夏季オリンピックに合わせて作られた。
前作は専ら陸上競技だったが、連打が重視され「こすり」など筐体を痛めるテクニックが横行したため、本作はタイミング重視の競技を含め7種目が収録されている。
100m自由形水泳
クレー射撃
跳馬
アーチェリー
三段跳び
重要上げ
棒高跳び
前作は完全に基本形だったことに対して、それを活かして様々な競技を実現した発展形。操作のポイントは増えたものの連打とタイミングによる全体的にシンプルな構成は変わらず。
競技のバリエーションが増えただけでなく、その中身はより特色や個性のある様々な競技になったことで、陸上一本だった前作よりも華やかになったことは間違いないだろう。
また全競技のスコアが有効化したことでゲームとしてスコアアタックの幅を広げたことはプレイヤーにとっても濃い内容になったとも言える。
【はいぱーおりんぴっく】
ジャンル | スポーツ(オリンピック) | ![]() ![]() |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
発売・開発元 | コナミ | |
発売日 |
【一般版】1985年6月27日 【殿様版】1985年11月16日 |
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定価 | 4,500円 | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
周辺機器 | 「ハイパーショット」(2,000円)専用 | |
判定 | 劣化ゲー | |
ポイント |
任天堂以外では初の専用コントローラー ハードルの繊細さがなくなった 超人的な記録が可能になった 限定なのにレアではない「殿様版」 |
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TBS関連作品リンク |
コナミが1985年6月に発売した上記『ハイパーオリンピック』のファミリーコンピュータ移植版。
ゲーム性は引き継いでいるが種目は4種類に絞られている。
専用コントローラーである『ハイパーショット』が必須であり、普通のコントローラーではプレイできない。
本項目ではAC版からの変更点のみを扱うものとする。
当時最終回が迫っていたTBSのバラエティ番組『8時だヨ!全員集合』1985年9月14日放送回用に作られた通称「殿様版」も番組でプレゼントとして用意され、後に限定販売された。
カセットやパッケージに「限定版!」と書かれた殿様のシールが貼られている。
こちらは1Pの白人選手が殿様に置き換わっているだけで、ゲーム性自体は全く変わりない。
元々単調な競技だったAC版の中でも特に単調なものばかりが選ばれての移植で、いくらファミコン初期に加えて対象の専用コントローラー初作品とはいえ単調さは否めない内容。
そんな中でもハードルの挙動は「0か100」か「YES」or「NO」のような極端なものになるなど、当時のファミコンらしくアーケードからの移植によるレベルダウン感が明白。
本作のネームバリューは伝説的バラエティ番組に由来した特別の『殿様版』あってのものと言い切って過言ではない。
【はいぱーすぽーつ】
ジャンル | スポーツ(オリンピック) | ![]() |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
発売・開発元 | コナミ | |
発売日 | 1985年9月27日 | |
定価 | 4,500円 | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
周辺機器 | 「ハイパーショット」(2,000円)専用 | |
判定 | 劣化ゲー | |
ポイント |
『オリンピック』と冠していないがオリンピック スコアアタック要素がアップ 世界記録は独自のものが多い |
上記『ハイパーオリンピック』同様アーケード既存作から4種目をファミリーコンピュータ用に移植したものコナミから1985年9月に発売された。
『ハイパーオリンピック』同様専用コントローラーである『ハイパーショット』が必須であり、普通のコントローラーではプレイできない。
本項目では上記AC版及びFC版『ハイパーオリンピック』からの変更点のみを扱うものとする。
競技単体で見ると移植の質はなかなか高い方で、6月発売の『ハイパーオリンピック』を思うと競技の個性は出ておりスコアアタックの重みが増したものの、やっぱり大元のAC版を思うと種目数が少ないのは否めずといったところ。
ある意味で上記と合わせてやっとAC版一作品分ぐらいな感覚ではある。また4人対戦ができない点もやはりAC版に遠く及ばないイメージを強めている。
*1 IOCが「Olympic」や、日本語の「オリンピック」「五輪」を商標登録したため。過日の「東京2020」などの不自然な表記は、IOCが制定した「オフィシャルスポンサーとは無関係な広告主や企業がイベントに便乗して広告活動を行うアンブッシュマーケティングを禁止する」という規制の賜物である。
*2 余談ではあるが、首都圏を中心に展開しているスーパー/ホームセンターの「オリンピック」は創業が1962年と古く、IOCによる規制が本格化するよりも前に命名した歴史的経緯があり、JOCとの協議も経ていることから現状社名と店舗名に使用することを特別措置として認めている。
*3 1980年のモスクワ大会のマスコット「ミーシャ」と、このロサンゼルス大会の「イーグルサム」は、日本国内で製作されたアニメが放映されたのだが、各大会のマスコットは大会終了時に権利がIOCに移管されてしまうため、ソフト化も配信も行われていない。2020年の東京大会が1年遅れで開催された後、「ミライトワ」「ソメイティ」の関連商品が一斉に市場から消えたのも、キャラクター管理がJOCからIOC/IPCに移管されたためである。
*4 ただし当時は手動時計のため1/10までの計測で記録は「9秒9」という扱い。またメキシコオリンピック当時は同じアメリカでチャールズ・グリーンとロニー・スミスが同じ手動時計9秒9を出しており「9秒9トリオ」と呼ばれた。
*5 この記録はカール・ルイス(アメリカ)が第24回ソウル夏季オリンピック(1988年)で9秒92を出すまで5年間維持されていた。取り消された記録を含めてもカナダのベン・ジョンソンが9秒83(1989年に抹消)を出した1987年の世界陸上まで4年間維持。
*6 アドリブ一切なしで完全に筋書き通りにこなさなければならず、生放送のために失敗できないことから木曜のネタ会議、金曜のリハーサルなどで、出演者、スタッフとも相当な労力を強いられたとのこと。実際、メンバーの加藤茶は長年続いた番組が終わる時「終わってみれば寂しいなどとは少しも思わなかった」「これから好きなことをやれるという嬉しい気持ちしかなかった」と後年語っている。また同時期にはリーダーのいかりや長介がネタ会議を欠席することが増えて、メンバー間で不満が蓄積していたのもやる気の低下した原因として挙げられている。
*7 「視聴率が低迷して打ち切られた」と表現されることもあるが、終了発表前までの1985年内平均でも15%程度はキープしており、強制的に打ち切られるような視聴率ではなかったので「自分たちの意思で打ち切った」と言った方が正しい。前述の通り当事者たちにとっては苦痛の方が強かったため、「それまでは高視聴率のためやめられなかったが、ようやくやめられるようになった」という感じだった。
*8 終了告知後の放送回全11回中7回で『ひょうきん族』を上回っている。ただしこの間『ひょうきん族』の視聴率は下がっていなかったため(参考までに『全員集合』最終回の視聴率34.0%に対し同日の『ひょうきん族』は20.9%とこの年の年間平均よりも高かった)、戻ってきたのは「『ひょうきん族』に乗り換えた層」ではなく「どちらも見なくなった層」が中心と思われる。「『全員集合』離れ即ち『ひょうきん族』乗り換え」というイメージが強い、が1984年あたりからは『ひょうきん族』も伸び悩んでおり『全員集合』から離れた分をほとんど吸収できず前年比で微増(19.0%→19.5%)にとどまっており、同年に逆転したとはいえ『全員集合』の前年同様大幅ダウン(20.8%→18.2%)に起因するところが大きい。
*9 後に単独番組として独立し特別番組ながら三十数年続いた『志村けんのバカ殿様』では家老は東八郎(1988年に死去してからは「クワマン」こと桑野信義)が演じているが、ドリフとしてのバカ殿様では主にリーダーのいかりや長介が演じていた。
*10 1991年世界陸上で打ち立てられた100m走の9秒86(カール・ルイス)、走り幅跳びの8m95(マイク・パウエル)、1989年の陸上ワールドカップで打ち立てられた110mハードルの12秒92(ロジャー・キングダム)、1987年の世界選手権で打ち立てられた走り高跳びの2m42(パトリック・ジョベリー)。