恋は駆け引き
【こいはかけひき】
| ジャンル | パズル |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | ポニーキャニオン | 
| 開発元 | グラフィックリサーチ | 
| 発売日 | 1991年7月21日 | 
| 定価 | 3,000円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | その名の通り「かけひき」だが… 対戦向きなのに対戦できない
 同じ内容を3回繰り返すだけで薄すぎな中身
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概要
1991年7月にポニーキャニオンが発売したゲームボーイソフトのパズルゲーム。
タイトルから想像するとテキストアドベンチャーっぽい印象を感じられるが、恋愛要素は内部的な設定のみでゲームそのものには無関係。
内容
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6×6のフィールドが最初は白と黒がチェッカーフラッグのように並んでいて、左上にプレイヤーの少年、右上にライバルのモヒカンっぽい男がいる。そして、それぞれの目的とする女の子がそれぞれ斜向かい側の角にいる。
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彼女の顔は2通りから選択可能。
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プレイヤーとその対象の彼女は白、ライバルとその対象の彼女は黒固定で両端は動かすことができず、それを除いた真ん中の4マスをそれぞれ交代で1マスずつ動かすことができる。
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これはタテまたはヨコ1列をまるまる動かす(ズラす)形となる。
 
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唯一、動かせないパターンが前回動かしたのを、反対に1マス動かす(まんま一手戻す)こと。
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動かした時に「休」カードが出てしまうと、1回休みとなり相手が2回続けて動かすことができる。
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このように白と黒のマス目の色を動かしていき、プレイヤーが対象の女の子まで白い色を道のようにつなぐことができればクリアーとなり、反対に相手の黒い道が繋がってしまうとゲームオーバーとなる。
 
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難易度は「EASY」「NORMAL」「HARD」から選択可能。
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これはそれぞれターン数に対応している。「EASY」は400、「NORMAL」は200、「HARD」は100ターン以内に決着がつかないとゲームオーバーとなる。
 
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操作法はA・Bで押す方向を決め、十字ボタンでカーソルを動かすのと、その逆のパターンから選択できる。
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他にサウンドテストが標準装備されているが、そのNo1~10のうちNo9のみ、HARDをクリアしないと選択できない。
問題点
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携帯機ゲームボーイ向きのパズルゲームという意味でシンプルなのは悪くはないが、いかんせん単調さが顕著なのは否定できない。
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しかも難易度レベルによって思考ロジックが変化するわけではなく、ターン数が変わるのみ。
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隠れレベルの「SPECIAL」もターンが無制限なので、あまり特別な感じはしない。
 
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それでいて定価は3,000円。一応当時のゲームボーイソフトの中ではどちらかといえば安い方ではあるが特段際立つ安さというわけではない。
 
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このような対戦形式のゲーム性で折角対戦要素があるのに対戦プレイができない。
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人間との対戦ができれば、CPU相手にはない面白味が出てくるので、それができないのは持ち味を殺している。
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しかも本作の場合、相手に対して特に画面を隠す必要もないことから1台の本体使い回し(通信ケーブル不要)でもできるだけに、より手軽にできたので一層もったいなくなく感じる。
 
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ゲーム内容自体も、特にサブゲームがあるわけではないため、薄すぎな感が否めない。
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実際開始時の条件は同じだし、取り分けロジックが変わったりするわけではないので3ステージ制とはいえ同じことを3度繰り返しているに過ぎない
 
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グラフィックもかなり地味な作り。
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エンディングで出てくる一枚絵の女の子はそれなりに美人で良く描けているが他は男女ともSDキャラの頭だけ。
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なお、そのエンディングの美女もどのレベルをクリアしようと同じ(違いはHARDならスタッフロールが出るのみ)。
 
 
評価点
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ゲーム自体はシンプルで頭を使うゲーム性なのでハードとの相性は良い。
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ゲームボーイの小さい画面でも視認性が良い。
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内容も、1コマズラして道を繋げばいいだけとシンプル。しかも相手が動かした方向のまんま戻しはできないなど最低限ながら千日手対策も出来ている。
 
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逆転要素あり。
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単に道を繋げるだけならば、わざわざコンピュータゲームである必要はないが、時として出てくる「休」カードにより、その不定期で訪れるチャンスをどう活かすかも勝利のカギとなる。
 
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シンプルながらもかけひきあり。
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タイトルの通り相手の一歩先を読んで動かす必要があるため、単純な揃えるパズルにはないタイトル通り「かけひき」が要求される。
 
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BGMのクオリティは高い。
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サウンドテストではレベルメーターが再現されており、この時代にしてはこだわりが見られる。
 
総評
当時既にスーパーファミコン発売によりゲーム市場の主役がそちらへの移行が目に見えていたため、ファミコンやゲームボーイは初心者向きのエントリー志向や、お手軽路線へ向かっていたこともあり時代に即したものではある。
とはいえ、3ステージで全く同じことを繰り返しているにすぎず、ゲーム全体の構成や中身はシンプルというよりも貧相すぎる感は否めない。
また折角対戦向きで通信ケーブルなしでもできるゲーム性なのに1人プレイ専用と、本来できる楽しみ方もできなくしている。
定価3,000円は当時のゲームボーイソフトの相場では安い方なのだが、これでは高く感じてしまうだろう。
余談
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本作で使われている合成音声は後に開発スタッフが同じ『ザードの伝説』で「モンスターの断末魔」に流用されている。
最終更新:2024年12月14日 17:49