モンスターボーイ 呪われた王国

【もんすたーぼーい のろわれたおうこく】

ジャンル アクションRPG


対応機種 Nintendo Switch
Windows (Steam/GOG.com)
プレイステーション4
プレイステーション5
発売元 ダウンロード版 【Switch/Win】FDG Entertainment
【PS4/PS5】アークシステムワークス
パッケージ版 【Switch/PS4】アークシステムワークス
開発元 Game Atelier
発売日 ダウンロード版 【Switch】2018年12月4日
【Win】2019年7月25日
【PS4】2020年8月6日
【PS5】2023年1月26日
パッケージ版 【Switch/PS4】2020年8月6日
定価 ダウンロード版 【Switch】3,980円(税10%込)
【Win】3,499円(税10%込)
【PS4/PS5】4,950円(税10%込)
パッケージ版 【Switch/PS4】4,950円(税10%込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A
備考 海外ではOne/XSX版あり
判定 良作
ポイント シリーズの流れをくむ完全新作
随所に散りばめられた各作品の要素
ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズリンク

概要

ストーリー

主人公の「ジン」は、「伝説の英雄」によって平和が訪れたモンスターワールドで平穏な日々を過ごしていたが、ある日、呪いが降りかかり王国中の人々がさまざまな動物の姿にされ、ジン自身もモンスターの姿へと変えられてしまう。

家族や王国の人たちを救うため、そして自身も元の姿に戻るために5つの「聖なるオーブ」を探す旅に出発する。

果たして、ジンは人間の姿を取り戻し、王国を救う事ができるだろうか?

特徴・システム

  • 基本はライフ制のアクションゲームで、これまでのシリーズ同様敵を倒してお金を稼ぎ、装備を整える要素もちゃんとある。
    • ライフが0になると倒れてしまい、最後にセーブしたところから即再開となる。ただし、ペナルティは特にない。
  • 町や村には武器屋、鍛冶屋、魔法屋、薬局があり、武器屋は装備の購入、鍛冶屋は装備のアップグレード、魔法屋は魔法の補充、薬局は回復や復活のポーション、毒消しが買える。
    • 復活のポーションはとある店でレシピを買うことで黄金のポーションに強化できる。
    • ダンジョンにも店や薬局があり、店の方は「インチキ商店」となっていて怪しく感じるがそんなことはなく普通に装備が買える店である。
    • スタート地点であるジンの家は弟のゼケが店を開いていて、復活のポーションを安く買える他、魔法の補充も格安で行える。
  • 装備は剣、盾、鎧、腕、足の5部位があり、それぞれ鍛冶屋でアップグレードすることで能力を引き出せる。アップグレードするには力の宝石か伝説の宝石が必要になる。
    • 同じシリーズの5部位をフルにアップグレードしたうえで全て同時に装備すると特殊なセット効果が得られる。
    • 例えばアイスセットなら溶岩や炎のダメージを無効化でき、黄金セットなら守備力が下がる代わりに攻撃力が倍になる、など。
    • 黄金の装備は各地に散らばっているパーツを集めて専門の鍛冶屋で作ってもらう形で、アップグレードも専用の黄金の宝石が必要になる。
  • 魔法のトリュフを食べることで使えるようになる魔法が5種類あり、同じトリュフを食べることで使用回数が増える。
  • ジンは行く先々でいろいろな姿に変身しながら旅を進めることになる。
+ 変身する姿
  • ブタ
    • 最初に変身する(させられる)姿で、白いもやもやがあるところで匂いをかいで隠し扉やヒントなどを見つけられる。
    • 身体が太く手足が蹄になっているため、腕以外の武器防具は装備できないが、魔法は人間と変わらず使える。太くなった影響で体も重くなっているが、地上での移動速度は他と変わらない。
    • 水の中では匂いをかぐことも泳ぐこともできず沈んでしまうが、沈まないと入れない隠し扉などもあり、カエル以外の他の姿では浮いてしまうためデメリットではない。ただし、身体の重さからか水中では地上よりも動きが鈍る。
    • 上述の魔法のトリュフを食べられるのもこの姿だけである。他の姿では一切干渉できないため、これだけでも役割は十分にある。
    • 一方で武器と防具を使えないため、戦闘は基本的に苦手で被ダメージも大きく、他の変身形態が増えれば戦闘面の役目は自然とそちらへ譲ることになる。
      • 当然だが最低限の攻撃手段はある。蹄のパンチはリーチがかなり短いものの、地上では左右の方向キーと合わせて3回まで連続攻撃が可能。
      • また、空中では下+攻撃ボタンで体重を活かしたヒップドロップも行える。パンチよりも威力が高い他、周辺の敵をスタンさせたりスイッチを押すこともできる。
    • 回数制限こそあるが魔法による遠距離攻撃も可能なので、素の攻撃力の低さも含めて魔法のトリュフを手に入れたときの恩恵は相対的に大きい。
  • ヘビ
    • 小柄なため狭い所を通ることができたり、苔の生えた壁にしがみついたりできる。動きは鈍くなるが歯車を飲み込むこともできる。ブタ同様、腕以外の武器防具は装備できず、ブタと違って魔法も使えない。
    • 攻撃手段は尻尾の近接攻撃と毒吐きと護符を手に入れることで行える体当たりの3つしかないため、戦闘はブタよりも不向き。
      • ただし、毒吐きはある程度の遠距離攻撃が可能で魔法と違って回数制限もない。敵に当てれば状態異常の毒を付与できるため低い攻撃力を補える他、大きな植物を枯らしたりクリスタルに当てると周囲を照らすことも可能。クリスタルは画面内にあるものをすべて照らすことで道が開く仕掛けもある。
    • 上記の通り護符を入手すれば一定距離を体当たりで進む頭突きが可能になる。この頭突きは狭い道をふさいでいる岩も破壊できるようになる。
      • ただし、体当たりは基本的に途中で止まらないため、地形によっては勢い余って落下してしまう可能性がある。なお、苔に掴まっている場合は体当たりしても苔の端で止まる。
  • カエル
    • 舌を伸ばして五円玉のような輪っかに掴まってターザンロープの動きができたり、弓のような形をしたパチンコに舌をひっかけてパチンコが向いている方向に飛んだり、ハンドルに引っ掛けて地形を回転させたりできる。敵を倒してドロップしたアイテムも舌で回収可能。
    • 水中適性を唯一持っており、息切れせず無制限に泳ぐことが可能。武器防具も装備できるが、魔法は使えない。なお、泳いでいる間にジャンプボタンを押すと突進攻撃ができる。
    • 護符を手に入れるといろいろなものを口に入れて場所を移動させたり、敵が投げてくる爆弾を吐き返したり、飛んでいる虫を食べてライフを回復できるようになる。*1
  • ライオン
    • ダッシュで壁を壊したり、水や毒沼の上を走れる。パワーが高いため、空中の下攻撃はスイッチを押せるだけでなく、ブロックも破壊できる。
    • カエル同様、武器防具を装備可能で魔法は使えない。また、体が大きいため被弾しやすく、狭い通路も通りにくい。
    • ダッシュ中にジャンプすることも可能で、これで進んで行く所もある。ダッシュするにはスタミナゲージを消耗し、尽きるとそこで止まってしまうが、海賊の証を手に入れればダッシュ必須のポイントでは海賊の魂に触れることでスタミナを回復してくれるようになる。
    • 護符を手に入れると上方向にもダッシュ攻撃ができるようになる。こちらのスタミナ消費量は一定。
  • ドラゴン
    • 炎を吐いて攻撃したり、空を飛びまわることができる。カエルやライオン同様、武器防具を装備可能だが魔法は使えない。
    • ブレスや飛行にはスタミナゲージを消耗し、尽きると止まってしばらく使えなくなってしまう。
    • 炎はボタンを短く押すと火炎弾になり、遠距離攻撃が可能。ボタン押しっぱなしでスタミナのある限り延々と攻撃できるブレスになるが、攻撃範囲は火炎弾よりも短くなる。
      • 因みにブレスは水中でも消えない。これを活かせる場面は少ないものの、攻撃手段としてはかなり強力。
    • 護符を手に入れるとブレスや飛行を無制限に行えるようになる。
  • 人間
    • ジン本来の姿。ゲーム開始時にも少しだけ操作可能だが、すぐモンスターに変身されてしまうため、戻れるのは終盤になる。
    • 特殊能力は持っていないが武器防具を装備でき、魔法も使えるバランスのとれた能力。
    • 装備している武器にもよるが、基本的に攻撃は左右方向キーと合わせて最大4回まで連続攻撃が可能。ライオン同様、空中で下に攻撃することもできる。
    • 英雄の護符を手に入れるとダッシュが可能になり、敵の攻撃や赤外線センサーのようなレーザーをすり抜けたり背後を取ったりできる。ラストダンジョンに侵入するのにも必要になる。
  • ダンジョンに限らずあちこちに宝箱が置かれていて、お金やハートの器、魔法、装備のアップグレードに必要な宝石などが手に入る。
    • 宝箱の中には特定の魔法を決まった数だけ撃ちこむと開くタイプの物もあり、魔法を撃つと残り回数が表示される。この回数は画面を切り替えるとリセットされるためファイヤーボールが15発必要ならちゃんと15発撃てる状態でないと開けられない。
    • 中には複数の魔法を決まった順番で当てないと開かない複雑な箱もある。
  • ダンジョンに置かれているライオンの頭のようなオブジェクトに魔法を当てるとハートを出してくれる。
  • 行く先々には大小2つのセーブポイントがあり、小さい方はセーブのみだが、大きい方はライフを全快し状態異常も解除してくれる。
  • ダンジョンやフィールドの所々に転送装置があり、スイッチを入れて起動すればそこからルピア村や他のダンジョンと行き来できるようになる。
    • また、テレポートの杖を手に入れればポータルを作ることでいつでもワープ可能。ただし、杖で作ったポータルは再度戻ったり新しい物を作ると消えてしまう。
  • ルピア村にいる音楽家のオリーさんがなくした楽譜があちこちに隠されており、見つけて返すことができる。
    • 楽譜は7曲分あり、1つの曲につき3枚ずつに分かれている。1つの曲を3枚すべて集めるとその曲が聞けるようになる。
    • すべて集めると井戸の奥にあるジュークボックスを起動するためのアイテムがもらえ、ジュークボックスを起動するとサウンドテストができる。
  • 各魔法と変身形態は3つ以上手に入れると、オプションから切り替えをリングメニュー式かボタン式か選べるようになる。リングメニューなら各魔法と変身は画面を止めつつ直接切り替えられ、ボタン式なら止まらず順繰りで切り替えられる。

評価点

  • 各変身形態を活かした謎解き要素が多く、飽きさせにくい作り。
    • ドラゴンの罠にも各変身形態による役割自体はあったが、進行上必須の箇所自体がそもそも少ないという難点があった。
    • 対して本作はそれぞれの形態でないと解けない謎解き要素が多くなっており、どの形態にも何かしらの役割があるよう調整されている。手に入れた変身形態が常時自由に行えるのも大きい。
  • あちこちに散りばめられたシリーズ要素。
    • メインの拠点になるルピア村の教会のステンドグラスに歴代の主人公(ボーイ、ブック、シオン、アーシャ)が描かれている。
      • アーシャ以外の3人はストーリーにも顔を出してくれるうえ、それぞれにちなんだアイテムが3種の神器として登場する。シオンはジンにメッセージまで残してくれる。
    • 火山に向かう時に通るアエリアの空の途中の壁にモンスター・レアーの主人公レオとプラプリルのレリーフがある。
  • 他にも、火山から降りる時に大量にブロックを破壊しながら落ちるのだが、そのブロックには伝説の剣や盾、主人公の顔などが書かれている。
  • 落ちていくときはすごいスピードなので見にくいが、ドラゴンの護符を手に入れた後*2に下からじっくり確認することができる。
  • ただし、入り口まで戻ることは想定されておらず、変身形態によっては戻った瞬間に壁の中で即死してしまう。
  • ジンが最初に変身させられるブタの姿はドラゴンの罠のショップ店員が元になっており、スカーフと眼帯と横縞模様の服が一致している。
  • また、ラストダンジョンで力を取り戻す際にブタのみ他と違う場所に隔離されているが、これはブタが伝説のオーブの力ではなく呪いで変身させられたものだからという理由があり、ラスボス戦に備えてアイテムなどを集める際にブタも必要なのだと気づかされ、失った影響の大きさを実感させるが取り戻せたときの喜びも感じられる巧みな設計になっている。
  • ヘビ、キノコ、上から炎を落としてくる雲、サイクロプス等お馴染みの敵たちがそろって登場してくるのもシリーズを知るファンにはうれしい要素。色によって強さが異なる点も共通している。
  • ドラゴンに変身した直後にシューティングステージがあるが、ここのボスもシリーズおなじみの巨大魚ウロコンダが務めている。
  • モンスターワールドIV』に登場したペペログゥが本作にも登場している。ジンとはストーリー序盤で知り合い、呪いの館でジンと行動を共にする。ペペログゥは幽霊を食べることで得たエネルギーを光線にして撃てる力があり、これを利用した謎解きもある。
    • このペペログゥはアーシャとともに旅をした青いペペログゥと同じ姿であり、緑の髪の少女を探しているという設定。
    • 本作ではペペログゥも「~グゥ」という特徴的な語尾*3の人間の言葉で喋ってくれるので、より親近感がわく。
  • シリーズおなじみの名曲の数々も健在。
    • ゲームを開始するとモンスターランドの5面の曲の落ち着いたアレンジで「モンスターワールドへようこそ」と迎えてくれるのを筆頭に、呪いの館のマック・マリノの部屋はモンスターランドの2面~5面のダンスアレンジメドレーになっていて、背景で幽霊が楽しそうに踊っていたり*4と挙げればきりがない。
    • 先述のオリーさんに楽譜を渡すと聴ける曲もゲーム中で流れるものとは違ったアレンジになっていて飽きさせない。
    • そして最終ダンジョンの曲は言わずもがな。ドラゴン城のかなり壮大なアレンジになっていて決戦を後押ししてくれる。
    • ジュークボックスも当時の音楽をいくつか聴くことができる。
  • 懐かしさを感じるドット絵ステージ。
    • 最終ダンジョンで奪われた力を取り戻すために短いステージをクリアする必要があるのだが、そのステージはなんとドラゴンの罠を思わせるドット絵で描かれており、懐かしい雰囲気に浸れる。
    • キャラのグラフィックや仕掛けなどもドット絵の物に変わっており芸が細かい。
    • 他にも、シオンゆかりのアイテムであるオカリナを手に入れる時にアルセイド村のソニアの家に飛ばされるのだが、ここもモンスターワールドIIIのドット絵で再現されていて、ジンのドット絵も用意されている芸の細かさ。
  • 取り返しのつかない要素がほぼ存在せず、後から回収しやすい。
    • 本作では、宝箱などを取りこぼしてもすべて後から回収することができる。回収できないのはボスを倒したときに出るお金と虹のしずく位のものである。
    • 宝箱やボスから取れたり、店で買えることもある虹のしずくというアイテムをアエリア村の怪しい店に持っていくと、1個につき100ゴールドに換金するか、1個につき宝の地図1枚と交換できる。
      • この宝の地図は行ったことのある場所のまだ取ってない宝箱*5を1つマップに表示する効果がある親切設計で、宝箱をすべて回収すると地図は売り切れになるのでわかりやすい。
    • 黄金の装備のパーツは、ラストダンジョンにある仕掛けを作動させることで未取得のパーツの大まかな位置がマップに表示されるので、宝の地図と合わせればすぐに揃えられる。
      • 仕掛けは2つの場所にあり、1つ目では剣と鎧、2つ目では盾、腕、足の場所が分かる*6
  • 画面奥にも仕掛けがあるマップ構成。
    • フィールドには扉やバネを使って手前と奥とを行ったり来たりできる場所があり、動きもスムーズで驚かされる。
      • 奥の方にも扉があったり、手前からギミックを使って奥から手前側に飛ばすことで取れる宝箱もある。
      • 落ちるとダメージを受ける谷を飛び越える手段がないためバネで奥に跳び、反対側のバネから手前に戻ることで先に進むことになる場所があるが、ドラゴンになってから奥に跳ばずに谷を飛んでみると宝箱があるという盲点を突いた心憎い仕掛けもある。
  • いろんなものがよく動いてイキイキしている。
    • 動きのある背景、揺れる宝箱、スタンすると目を回す、敵の攻撃に予備動作がある、など。
    • ジンのモンスター形態もいろんな動きがあり、適当に動かしても飽きさせない。
      • 因みに一切操作していない待機中のモーションも全形態あり、カエルだと目の前に飛んできた小さな虫を食べたり、ライオンだと咆哮したりと特徴的。

問題点

  • アクションロールプレイングとしては難しい。
    • 全般的に敵やギミックで受けるダメージが大きく、死にやすくなっている。死んだときのペナルティがほぼないとはいえ何回も死にながら進むことになりやすい。
    • ドラゴンの罠では復活のポーションを最大3つまで持てたが、本作では復活のポーションを1つしか持てないのも難しさを上げている一因。また、このポーションの効果は中盤から体力全快に強化できるが、それも別途お金が必要になっている。
      • 中には強制スクロールになっている箇所もいくつかあり、遅れるとポーションの有無に関わらず一発で出発地点からのやり直しや即死になってしまうことも。
    • ボス戦も力押しで倒せるボスは少なく、ギミックのあるボスが多い。ギミックにはタイミングが難しい物や時間制限つきの物もあり、ヒントが少ないため時間もかかってしまいやすい。
      • ただし、救済措置が全くないワケではなく、ボス前には体力全快のセーブや魔法屋がある他、ボス戦で何度か死ぬとゼケからライフ回復などの支援も発生するようになる。
    • モンスターワールド経験者に刺さる描写が多いのは前述の通りだが、プレイ経験もそれらを何作かクリアして腕が鈍っていない経験者でちょうどいい程度。そうでなければ死にゲーになりがち。
  • 仕掛けの解き方が分かりにくい。
    • フィールドやダンジョンにはさまざまな仕掛けがあるが、ヒントの少なさも相まって解法は分かりにくいものが多い。
      • ブタで匂いをかげば背景にヒントが表示される箇所もあるにはあるが、当然ながら後半になるとこのようなヒントも減る。
+ 必須箇所の分かりにくい例
  • 中盤に差し掛かるところで眠りこけている船員を起こすためにポークシチューを作ることになるが、材料を集めて鍋に入れて火を入れても完成しない。ではどうするのかというと……。
    レシピを見た時点で察する人もいると思うが、『 ジンがブタの姿になって鍋に入ることでこのレシピは初めて完成する 』というもの。いわば変身を利用した面白い仕掛けなのだが、この手の収集要素は基本すべてどこかにあるものと思われやすいため、自身も材料の対象になっているということには気づきにくい。
    なお、煮込まれてもダメージを受けることはなく、そのまま鍋から出て船員に話しかければ匂いにつられて目を覚ましてくれる。
  • 終盤の呪いの館の主は幽霊でありそのままでは言葉が分からないのだが、判明させる手段は『 オプションから変更する 』というメタさ。このダンジョン自体も謎解き要素が非常に多い場所なので、これを自力で判明するのは困難だろう。
+ 必須箇所以外の分かりにくい例

呪いの館の望遠鏡とルピアの村の井戸が挙げられる。いずれもクリアに必須ではないが、後述の100%クリアには必要になる。

  • 呪いの館の望遠鏡は奥まで行っても何もなく、スイッチを押しても解決したように見えず、しかも触れると入口に戻される丸いオブジェクトが迫ってくる。
    • 答えは『スイッチを2つとも押した後、入り口付近まで戻ってペペログゥに(レンズの奥まで届くように)光線を撃たせる。』こうすることで普通に光線を当てても反応しない電球に望遠鏡のレンズで強化した光線を当てて反応させ、道を開くことができる。ペペログゥと合流する前に来てしまいやすい場所なので混乱しやすく、分かりにくすぎるだろう。
  • ルピア村の井戸は何かあることが示唆されているが、開けるのには非常に苦労させられる。
    • 村のフィールドに隠されているスイッチ5つ*7を見つけるのだけでも難しいが、その後龍のレリーフの所に出るハンドル操作も複雑*8
    • 竜のレリーフの額の光がヒントにはなっているが、これがまた分かりにくすぎる。
    • 井戸に入ると奥の部屋を閉ざしている燭台がある。白いもやもやの近くでにおいをかぐと時計が表示されるが、これは背景のアーチにある時計がヒントになっており、左から3、1、4、2、5番目の順に火を付ければ壁が開く。
  • ミスティキャットと決着が付けられない。
    • ミスティキャットは序盤から登場し、ジンに5つのオーブを集めるように進言してくれるのだが、終盤オーブが揃った途端に裏切り、ジンたちを石化させてオーブを奪いラスボスを復活させてしまう。
    • その後復活したラスボスに「褒美をやろう」と切り捨てられ、そのままどこかへ行ってしまい最後まで姿を現さずに終わってしまう。せめてラスボス復活前に一戦交える展開ならよかったのだが、因縁が中途半端な形で切られてしまっている。
  • 井戸の奥のステージが物足りない。
    • 井戸の奥の部屋のコンピューターを調べると画面がバグった上にエラーメッセージが出るが、このメッセージは壊せるようになっていて時間内に全て破壊しきるとドラゴンの罠のオープニングを模したドット絵ステージが始まり、奥でドラゴンを倒すとハートの器が手に入るのだが、ドラゴンと戦えるのは一度きりなのが物足りない。
  • 井戸の奥以外のドット絵ステージは、1度クリアすると再度入れない。
    • グラフィックが凝っているだけに、数少ない取り返しのつかない要素になっているのは惜しい。
      • 尤も、最終ダンジョンのドット絵ステージは奪われた力を取り戻すのが主なので、ファンサービス的な面が強く仕方がないところではある。
  • クリア後の後日談がなく、やり込みに対するオマケ要素も少ない。
    • オープニングとエンディングにムービーはあるため、クリア後の記録と世界がないのは違和感が残る。
    • コンプリート率が100%になっても解放されるのはエンディング後の一枚絵(後述)しかなく、やり込み要素としては少々寂しい。
  • 日本語の翻訳に粗がある。(Switch版)
    • 開発元が海外だからなのか、Switch版は他ハードと比べても日本語の翻訳が明らかにおかしくなっている。
    • ジンの一人称が定まっていない、ペペログゥのセリフに語尾がないといった没個性化や、セリフの脱字程度で済んでいたらまだマシだったが、セリフの口調がおかしくなっているという分かりやすいミスやアイテムの名前や説明文などUIにも少なからず悪影響を及ぼしているのは流石に目に付き、無視できない問題点の1つだろう*9

総評

シリーズの世界観や雰囲気をしっかりと継承して新たな主人公の活躍を描いた作品。
やり応えのあるアクションと謎解きでシリーズのファンだけでなく新規の人にも遊びやすい良作であるといえる。


余談

  • 本作にはコンプリート率があり、エンディング後に表示される。これを100%にしてクリアすると光を放つ巨大なアーシャの絵*10と傍に佇むペペログゥの一枚絵が見られる。
    • 本作にはアーシャは登場せず、ペペログゥが彼女と再会することはない*11
最終更新:2025年03月22日 11:33

*1 ただし、氷や雷をまとう虫は食べようとすると逆にダメージを受けてしまい、クモも食べることはできない

*2 護符を手に入れる前だと時間制限がきつく、間隔も結構あるので届かない所も出てくる

*3 Switch版を除く

*4 この幽霊には当たり判定はない

*5 ゲーム中でもこの表記だが、実際には魔法のトリュフの位置も表示してくれる。

*6 2つ目の方から1つ目につながる道を開通させることで、ラスボスへのショートカットになる。

*7 武器屋の箱の裏、オリーさんの右(ブタで匂いを嗅ぐ)、教会のドアの屋根の下の右寄りの所、宿屋の高い屋根の右の壁、風車の上空左の宝箱の横(ブタで匂いを嗅ぐ)押すとそれぞれ電灯に明かりが灯る

*8 右に1回、左に2回、右に2回、左に1回、右に2回、左に1回、右に1回、左に2回、右に1回と回してやっと開く。

*9 例としてアイテムの毒消しは「抗苦痛ポーション」に変わっており、文面ではどんな効果なのかかえって分かりづらくなっている。マップ上の大きなセーブポイントに至っては「セーブポイントを回復」と、一目でおかしいことが見て分かるものも多い

*10 教会のステンドグラスとはレイアウトが異なる

*11 エンディングムービーでペペログゥに起こされる緑髪の人物はジンの弟ゼケである。