Gardenscapes つくろう!大庭園

【がーでんすけいぷ つくろう だいていえん】

ジャンル テーブル&箱庭ゲーム
対応機種 ニンテンドー3DS
開発元 Playrix
発売元 アークシステムワークス
発売日 2014年9月3日
定価 713円
プレイ人数 1人
セーブデータ 5個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント あのスマホゲーの原作
(アイテムを探して)つくろう!
庭園要素は希薄


概要

スマートフォンでこの記事を読んでいる人なら、おそらく『ガーデンスケイプ』というタイトルを一度は目にしたことがあるだろう。ピンを抜いておじさんを助ける広告でお馴染みの、あの詐欺*1スマホゲームである。

本作はそのスマホ版よりも先にリリースされた、いわば『ガーデンスケイプ』の原作である…のだが、「ガーデンの発展」という目標こそ同じであれゲーム内容は大きく異なる。
祖父の邸宅を相続することになったプレイヤーが、ガレージセールで資金を集めながら庭園を修復していくというストーリーである。

システム

  • ガレージセール(アイテム探しゲーム)によって資金を集め、その資金を投入して庭園を修復することが目的。全20個のオブジェクトを修復した時点でクリアとなる。
    • アイテム探しでは次々に依頼者が現れ、部屋にあるものを指定していく。下画面に部屋の様子が表示されており、そこからアイテムを見つけてタッチすると代金がもらえる。金額は、依頼が出てから早く見つけるほど高くなる。
    • はじめのうちは依頼は文字でのみ書かれているが、ヒントを使うことで画像で表示させることができる。また、フラッシュが焚かれて見つけるアイテムだけを表示させられる「カメラ」、画面中央付近にある対象アイテムが分かる「温度計」も見つければ利用できる。
      • 制限時間は5分間となっており、依頼の数にも上限があるが、5分間で全ての依頼をこなせなくても、途中でゲームをやめても代金はもらえる。クリア時にヒントを使用していなかったり、多く待ち時間を残したりすることでもボーナスが得られるほか、ステージに落ちているコインを拾っても資金に追加される。
    • 庭園パートでは、お金を消費してオブジェクトを修復・設置していく。オブジェクトはいくつかの種類から選ぶことができ、設置後に変更することもできる。
      • 設置後のオブジェクトに執事のオースティンを移動させ、彼が庭園を楽しむ様子を観察することもできる。

評価点

  • アイテム探しゲームは面白い
    • よくあるゲーム内容ではあるが、まずは文字ベースで「これはどういうアイテムなんだ?」と考え、そこから見つけるべきアイテムを探していく経過は意外と面白い。
    • 大邸宅という設定を生かして様々なシチュエーションのステージが用意されており、700円のゲームと考えれば十分遊べる内容である。同じアイテムでも見た目が違っていることがあるため、ひととおりプレイするだけなら飽きにくい。
    • 5分間はゲームの1ステージとしては長めだが、途中で打ち切っても報酬はきちんともらえるというシステムも地味に嬉しい。
  • 翻訳の質が良好
    • やや回りくどい言い回しも一部で見られるが、日本語としてはかなり自然であり、翻訳はそれなりに高品質。

問題点

  • 日本に合っていない依頼
    • 海外製のゲームゆえに一部のアイテムは日本のそれと見た目が大きく違っており、「いやこれは違うだろう」という理不尽さを感じることもしばしば。
    • 『ミッケ!』などをよく遊んだ人であれば得意かもしれないが…
  • 箱庭要素が不十分
    • あくまで「修復」だからかオブジェクトの設置場所を選んだりはできず、庭の広さも一定である。
    • 修復を進めることで新聞記者の取材を受けるシーンがあり、「紹介されれば依頼者が増える」という説明があるが、実際にはそのようなことはない。
    • 執事のオースティンが「家を修復しなければ」などと言う場面があるが、家そのものを直すシーンはない。

総評

アイテム探しの部分は十分面白いゲームシステムであり、洋ゲーっぽさを感じさせない翻訳の質もおすすめできるポイント。詐欺ゲーの印象が強いタイトルではあるが、プロモーションに偽りなく手軽に楽しむことができる。
ただ、肝心の「ガーデン」部分はかなり貧弱。庭づくりのゲームとしてはあまりにも機能不足であり、クリアにありがたみを感じにくい。アイテム探しだけであればより安いゲームがいくらでも存在するため、ここを我慢できるかどうかで本作を楽しめるかも決まるだろう。

余談

  • 海外を中心に本作は大ヒットしたらしく、先述のスマホアプリ版の展開につながった。そして内容が全く違うのに「続編」を謳い、多くの人を騙した。
    • スマホではさらに「スケイプシリーズ」としてシリーズ化され、『ホームスケイプ』『ファームスケイプ』といった作品がリリースされている。そして広告は多くの人を(ry
最終更新:2024年10月16日 04:34

*1 本来は色合わせパズルゲームであり、当初はピンを抜くゲームなど存在しなかった。そのため一部地域で広告が差し止められる事態になったが、のちにミニゲームという形でピン抜きが実装され、現在ではしれっと広告が復活している。