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この項目では『グランブルーファンタジー ヴァーサス』・及びそのアッパーバージョンである『グランブルーファンタジー ヴァーサス -ライジング』を取り扱っています。
判定はいずれも 良作 です。



グランブルーファンタジー ヴァーサス

【ぐらんぶるーふぁんたじー ゔぁーさす】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム

対応機種 プレイステーション4
Windows(Steam)
発売元 Cygames
開発元 アークシステムワークス
発売日 2020年2月6日
定価 7,679円→2,178円
(2021年12月より値下げ)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B (12歳以上対象)
判定 良作
ポイント グラブル初の家庭用ゲーム機作品
シンプルなシステムかつあらゆる面で完成度が高い格闘ゲーム
Cygames作品

概要

  • Cygamesが制作・配信しているスマートフォン向けRPG(ソーシャルゲーム)『グランブルーファンタジー』(以下グラブル)のキャラクターが登場する対戦型格闘ゲーム。グラブルでは初めての家庭用ゲーム機向けに製作された作品。略称は「GBVS」。

ゲームシステム

  • 基本的なルール・システムは『ストリートファイターII』を源流とした一般的な2D対戦型格闘ゲームに通じている。攻撃ボタンは弱(L/A)攻撃、中(M/B)攻撃、強(H/C)攻撃、特殊(U/D)攻撃*1の4種類で、これにアビリティボタン、ガードボタンを加えた6ボタンが最低限必要なボタン数である。
  • アビリティ
    • 格闘ゲームにおける必殺技に相当するアクション。アビリティボタンと方向キーの組み合わせ4種*2により、基本的に1キャラ4種類のアビリティ*3を発動できる。
    • 一般的な格闘ゲームのような波動拳・昇龍拳・竜巻旋風脚コマンドなどでもアビリティを発動することができ、これは「テクニカル入力」と呼ばれる。クールタイムがアビリティボタンによる入力と比べて短いなどテクニカル入力によるメリットが存在する。
    • 原作の同名のシステムに準じて、使用すると再使用するまでにクールタイムが発生する。通常のアビリティを使う分にはすぐクールタイムが終了するため、連続使用の制限は発生しない。
    • ボタンの押し分けによって性能を変化させられるが、強版で発動した場合は「アビリティ+」となる。アビリティ+は技の性能が大きく強化される代わりにクールタイムが大きく延長され、しばらく再使用できなくなる。
  • トリプルアタック
    • 本作のボタン連打による自動コンボに相当するシステム。本作の立ち状態の通常技は近距離・遠距離の区別があり、近距離の通常技は続けてボタンを押すと最大2回(初段と合わせて三段)まで連続攻撃を行うことができる。
  • 投げ、オーバーヘッドアタック
    • 相手のガードを崩す共通アクション。投げ(近くにいる相手を掴むガード不能技)は弱攻撃+中攻撃or特殊攻撃、オーバーヘッドアタック(しゃがみガード不可の中段攻撃)は中攻撃+強攻撃で出せる。
    • 相手に投げられたのと同時に投げ入力を行うと相手の投げを抜ける「投げ抜け」が発生する。本作ではここに独自要素があり、通常投げ抜け発生後は五分の状況なのだが、投げ抜けが遅かった場合は投げを抜けながらのけぞるモーションが発生。投げを抜けた側に微ダメージと硬直差不利が発生する。
      • 遅投げ抜けの猶予は長く慣れたプレイヤーなら投げられたのを見てから投げ抜けを行えるが、遅投げ抜けを行っていても状況が好転しにくいため、遅投げ抜けをしながら耐えるか、早投げ抜けで状況を打開するかという駆け引きが発生する。
    • オーバーヘッドアタックは中段技であるのと同時に投げ無敵効果があり、早投げ抜けを狙った相手にカウンターヒットする(カウンターヒット時は追撃可能)という構造になっている。
  • ガード
    • 本作では方向キー後ろによるガードとガードボタンによるガードが両方存在する。
      • ガードボタンでのガードは裏周りによる左右のガード方向の変化に対応できるが後ろ歩きができないため投げに弱くなるため、方向キーによるガードと比べて一長一短である。
    • ガードボタンを使ったアクションとしてその場避け(後ろ+ガード)と回り込み(前+ガード)などの回避アクションも使用できる。
  • 奥義
    • 攻撃を当てる/受ける、前進するなどの行動で奥義ゲージが増加し、100%になるとそのゲージを全て消費して超必殺技である奥義を使用できる。また、体力が30%以下の時は奥義に加えて解放奥義も使用できる。
    • 解放奥義は一部キャラを除いてヒットするとムービー演出に移行し、これでKOして2本目の勝利ポイントを獲得すると専用勝利演出になる。
  • 追加システム
    • 発売から2年経ってのアップデートで以下のゲームシステムが追加された。発売当初からあった「奥義ゲージの使用用途が少ない」という意見に応えてか、いずれも奥義ゲージを奥義以外に用いるものである。
    • タクティカルムーブ
      • 奥義ゲージを50%消費して使える前後ダッシュの強化版。無敵時間が付与されており、相手の攻撃を回避するのに使える。前方へのタクティカルムーブはラッシュ、後方へのタクティカルムーブはバックシフトと呼ばれる。
      • ラッシュは相手に近づくと攻撃を行い、ガードさせて有利な上に通常技と同様にアビリティへのキャンセルも可能。また、ラッシュ自体も通常技からキャンセルできるため連続技にも使うことができる。
    • オーバードライブ
      • 奥義ゲージが100%ある時に使えるパワーアップシステム。発動すると周囲に衝撃波を発した後にオーバードライブ(OD)状態になる。OD中はダメージが上昇、通常技で削りダメージを与えるなど攻撃力が強化される。
      • ODを発動すると奥義ゲージがオーバードライブゲージに変化。ODゲージは時間で消費していくODの残り時間となる。OD中にダメージを受けるとODゲージが減少する。また、OD中は一回だけ奥義・解放奥義を使用することができるが、発動するとODゲージは0になり解除となる。
      • OD発動時の衝撃波は発動直後から無敵時間がありガードさせて有利なため安定した切り返しとなるが、ガードされずに避けで回避された場合は大きな後隙を晒すため相手の反撃が確定してしまうという弱点もある。
  • 登場キャラ
    • 製品版のみで使用できる初期キャラクターは11体。発売後に順次追加キャラが追加され、最終的な使用キャラ数は23体。最後に追加された2キャラを除き、シーズンパス1(5体)・シーズンパス2(6体)としてまとめ買いが可能。

主なゲームモード

  • RPGモード
    • 物語を進めながら遊べるモード。2人での協力プレイも可能。
    • 雑魚敵の他にもボスキャラとしてプレイヤーキャラ(倒すことでRPGモードのプレイヤーキャラとして使える)や星晶獣として大型の敵も登場する。
    • キャラ強化システムとして10本までの武器編成ができその武器は武器チケットというガチャで入手する、戦闘中に原作のアビリティに相当するサポートアクションを発動できるなど原作お馴染みのシステムも用意されている。
      • 特定の武器を入手するとRPGモード以外でも使える武器スキンが解禁される。
  • オンライン
    • インターネット対戦を行うモード。内容は『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』と同様で、ランクマッチ・プレイヤーマッチの他、オンラインロビーも存在。

評価点

  • シンプルで遊びやすいゲーム性
    • 『ストII』のように遊びやすいゲーム内容にするというコンセプトのもと、アークシステムワークス製の格ゲーとしては珍しく所謂「エアダッシャー」から離れたゲームシステムが構築されている。
      • コンボゲー定番の「エリアル」のようなお互い空中にいる状態で連続攻撃を与えるようなシステムは無いが、浮かせた相手に地上で攻撃を与えて拾えるような空中コンボシステムも理解しやすい形で用意されている。
      • 地上戦重視のゲームだが、トリプルアタックやダッシュなどジリジリとした動きに寄りすぎない軽快な操作性となっており、操作する楽しさも堅持している。
    • 格ゲーの基本システムに原作のフレーバーを加えたアビリティシステムは全ての必殺技をアビリティボタン一つでという初心者に優しい統一した操作性と本作独自のかけひきを形成している。
      • 「アビリティ+」は技自体の性能が高くなる他、相手を浮かせる効果があり連続技に使うことができたり相手を強制ダウンさせて起き攻めに移行できるなどの高い効果を発揮するが、使用すると一定時間再使用ができなくなりキャラの動きの幅が狭くなる、リスクとリターンが明確な完成度の高いシステムである。
  • グラフィック
    • GGXrd』や『DBFZ』など過去作品に比べると大きなインパクトこそないものの、原作イラスト風のキャラクターを格闘ゲーム内で躍動させており、品質は非常に高い。
      • ファンタジー世界のRPGということでデザインされた鎧などの細かい装飾が原作通りに再現されている点は本作の制作で苦労した点と言われており、隠れた評価点である。
    • 原作を再現した演出・モーションなども多数見られる一方、原作がRPGという関係で各種アクションなどは本作で一から作られているものが多いのだが、サイゲームス側の監修もあって全く違和感がなく仕上がっている。
    • 本作の優れた特徴として武器スキンがある。同様の2D風3Dグラフィックを用いたアーク製の格闘ゲームは、セルアニメと同様の手作業にてキャラクターのモーションを作っているため、全キャラ分の別コスチュームなどを作る事が工数的に非現実的であり、同じ3Dグラフィックの格闘ゲームに比べてキャラクターのドレスアップしてカスタマイズする要素が少ないという弱点があったが、本作ではキャラの武器を原作にもある別の武器などに変えられることで部分的だがドレスアップのカスタマイズが可能になった。
  • BGM
    • 主に原作のBGMがアレンジされて使用されている。RPGモードで戦う星晶獣戦も同様で、特にコロッサスのテーマは原作のイベントBGMでボーカルを務めたSTEVE氏が歌い上げるというアレンジがされた。
      • 一部キャラのBGMにはキャラクターソングやキャラを象徴する曲をインストアレンジしたものが使われている。内容もフェリの「ソラのミチシルベ」やDLCで追加されたナルメアの「泡沫夢幻・胡蝶刃」といった人気キャラから、同じくDLCで追加されたソリッズが出演したイベントのテーマソング「三羽鳥漢唄」といったツボを押さえた選曲で好評。
    • 今作でボスを務めるベルゼバブのテーマ「Existence」は、壮大な曲長とベルゼバブの心情を表現した歌詞、それを見事に歌い上げるnana hatori氏の凄まじく高い歌唱力で屈指の人気を得た。
    • 一方、アバター戦で流れる「paradise Lost」やDLCキャラの一人ベリアルの「Parade's Lust」などは原曲が使われている。当然歌付きであり、原作での壮大な戦いをバックに戦う事が可能。*4
  • 演出面
    • キャラゲーとしての側面もある本作だけに、演出面にも思わずにやりとできるものが多数。例を挙げると…
      • 全キャラ全組み合わせに個別の戦闘前掛け合いがある。それ自体は他ゲーでも見られるが、今作は 1P側と2P側の配置順で掛け合いが変化する という珍しい仕様となっている。これは今作の戦闘前掛け合いが2P側から話しかけ1P側が答えるという流れになっているため。
      • 勝利演出は普通に倒した際と開放奥義で倒した際専用の2種類が存在する。前者には更に組み合わせ次第で差分が生じるキャラがおり、中でもネタキャラのローアインは 全キャラに個別の勝利演出がある という謎の優遇を受けている。勝利台詞も当然の如く全キャラ全組み合わせに存在しておりぬかりない。

賛否両論点

  • 地味なゲーム内容
    • ボタン数の少なさ・システム上の1キャラの必殺技数の制約などから、1キャラあたりのアクションは現代の他の格ゲーに比べると少なめ。初心者向けを目指した反面、熟練した際のやり応えの乏しさにも繋がっている。
    • 避けや回り込みは攻められている状況で使いにくいことから防御システムに乏しく、一旦受けに回った時の対抗手段が少ない。対抗手段としては隙は大きいが全身無敵のあるアビリティで切り返すというものがあるが、それすら持っていないキャラもいるため、特に発売初期の調整では一度近づかれた時点で大幅不利という展開になりやすかった。
      • 遠距離キャラなのに無敵切り返しアビリティのあるフェリと、大型鈍重キャラなのに無敵切り返しアビリティの無いバザラガの差は特に顕著だった。
      • プレイヤーからは「奥義ゲージを使ったガードキャンセルの追加」が希望されていたが、後に奥義ゲージを使った無敵動作としてバックシフトやオーバードライブなど切り返し手段の追加が行われた。システムとしてガードキャンセルが追加されたのは次回作の「ライジング」から。
    • アビリティシステムのUI上、アビリティを出す度にアイコンの見た目が変化するため、アイコンが変化したのを確認して無敵のあるアビリティや奥義を出す「アイコン確認」というテクニックがあり、上級者帯になりこれが活用されると窮屈な立ち回りを強制されることになる。
    • なお、発売初期はランスロットやフェリ、グランのM版ドライブバースト(通称ヤクザキック)やカタリナの近距離Mなど、単純に調整不足のキャラや技が多数散見され、単純に技の強さを押し付けるのが強さと言わんばかりのある意味ピュアなゲーム内容となっていた。
  • DLCも含めたキャラクター選抜
    • 原作がソシャゲという性質上非常に大量のキャラがおり、それらを全て出すのは現実的に不可能という前提はあるが、単純に人気キャラを出すというより性能的な多様さを目指した選抜が行われていると思われ、結果として原作で(相対的に見て)人気の高くないように見えるキャラが登場している。
  • 主人公(グラン、ジータ)について
    • 原作のグラブルでは主人公のスキンを男性・女性から選ぶことができるのだが、本作では初期キャラとして男性主人公の「グラン」が、有料DLCの追加キャラとして女性主人公の「ジータ」がそれぞれ登場している。性能としては「スタンダードなキャラクター」という共通した特徴を持つのだが、必殺技の性能が大きく異なる*5ため単なるコンパチキャラではない。
    • ジータはDLCキャラとしての登場であるためか、奥義が原作のエンドコンテンツ「十天衆」に因んだものになっている豪華仕様。グランは無課金勢、ジータは重課金勢と演出の格差を揶揄されている。
    • 原作では主人公キャラはジョブによってスキンや性能を変えられるシステムがあるが、本作ではそれに因んだシステムは未搭載。これは『P4U』と同じ措置と言える。
    • シーズン2で追加された「ベリアル」は、グラン・ジータと同じく波動昇龍という必殺技構成ながら非常に多彩な動きのできる性能を持っており、特にグランはベリアルの登場によって使用率が大きく低下している。

問題点

  • 各種奥義を出す際に波動拳コマンドを必ず入力しなければならない
    • テクニカル入力ではいわゆる真空波動コマンドだが、アビリティボタンを使う場合でも波動拳コマンドを入力する必要がある。
    • これ自体は「1ボタンによる簡単な操作による割り込みで大ダメージ」という守り側が強くなる事を懸念した内容とも思われ、発売当時は「波動拳も出せないなんて」と格ゲーマーに一蹴された意見だが、後に『ストリートファイター6』がコマンドを廃したモダン操作が好評だった事を考えると本作での取り組みはやや半端なものだったと評することができる。
  • RPGモードのロード時間が非常に長い
    • 会話画面やゲーム画面への移動など、あらゆる画面遷移の度に長めのロード時間が発生するため、テンポが非常に悪い。PS4で遊ぶ場合SSDへの換装は必須、それでも十分長いと言われていたほど。
    • RPGモードの評価を下げている最大の要因。

総評

サイゲームス側としてはIPの家庭用ゲーム機向けの展開や自社eSports大会(RAGE)の種目として、格闘ゲーム制作に長けたアーク側としては格闘ゲーム対戦人口の裾野を広げる作品として、両者の思惑が噛み合った良質なコラボレーションと言える作品であり、作品としてのクオリティは高い。
一方、原作ファンとしてはキャラゲーとしての半端となってしまった事やRPGと対戦アクションというジャンルの差異から、格闘ゲームファンとしてはシンプルなゲーム内容からやり応えの不足から、両者から広範囲な強い支持を得るには至らず、ヒットこそしたものの残念な結果も残った「惜しい作品」としての側面も本作にある。


その後の展開

  • 2023年12月14日には続編として『グランブルーファンタジー ヴァーサス ライジング』が発売された。
  • 2025年1月18日には『ケツバトラー』にベルゼバブとナルメアが参戦した。

オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。アップデートによる評価等の追記は1ヶ月経過してからお願いします。


グランブルーファンタジー ヴァーサス -ライジング-

【ぐらんぶるーふぁんたじー ヴぁーさす -らいじんぐ-】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム
対応機種 PlayStation4
PlayStation5
Windows(Steam)
発売元 Cygames
開発元 アークシステムワークス
配信日 2023年12月14日
定価 6,600円
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント 初心者でも遊びやすい操作体系
リソース管理が勝敗を左右する設計
Cygames作品

概要(ライジング)

前作から約3年半後に発売されたアッパーバージョン。前作の基本システムをベースにしつつ、新アクションやリソース管理要素が追加されている。操作は前作での特徴だった簡易入力を中心としており、ただ動かすだけなら初心者でも扱いやすい一方で、各種ゲージの使い方が勝敗に大きく関わるため、対戦面での駆け引きもより強化されている。


システム(ライジング)

  • 基本移動と攻撃システム
    • 基本移動は歩行・ダッシュ・ジャンプの3種類。ダッシュ中にL・M・Hを入力するとダッシュ攻撃が出て、性能はキャラクターごとに異なる。ジャンプ中は空中攻撃が可能で、相手の打点を避けながら攻勢をかける手段として使える。
    • 攻撃ボタンはL(弱)・M(中)・H(強)・U(特殊技)の4種類。Lは発生が早くガード時に有利を取りやすい。M・Hはダメージが高い反面、ガードされると不利になりやすい。Uはキャラクターごとに異なる固有行動で、攻撃・投げ・移動・強化など用途は幅広い。しゃがみUは全キャラ共通の足払いで、ダウンを奪える。
    • 攻撃ボタンを連打するとダブルアタック・トリプルアタックへ自動で派生する。トリプルアタックはアビリティや奥義へキャンセルでき、基本コンボの締めに使われる。
    • 投げはガード不能の近距離攻撃で、投げ抜けにも対応している。
  • アビリティ(必殺技)システム
    • 各キャラクターにはL・M・H・Uの4種類のアビリティが用意されており、専用ボタンによるワンボタン入力とコマンド入力のどちらでも出せる。発動後はクールタイムが発生し、H版は特に長め。
    • アビリティをH(強攻撃)と同時入力すると強化版の「アビリティ+」になり、性能が上がる代わりにクールタイムも通常より長くなる。
    • 奥義ゲージを50%消費して発動する「アルティメットアビリティ(Uアビ)」はアビリティのさらなる強化版で、演出・性能ともに一段上がる。立ち回りやコンボの幅を広げる重要なシステムで、使いこなせるようになると面白さが格段に上がる。
  • ゲージシステム
    • 奥義ゲージ(SBAゲージ):HPゲージ下部に表示される。攻撃の命中や被弾で蓄積され、ラウンド開始時は0%。ラウンド間での持ち越しはない。
      • 奥義:奥義ゲージ100%消費で発動する超必殺技。近距離でヒットすると相手のBPを削りつつ自身のBPを1回復する。
      • 解放奥義:奥義ゲージ100%かつHP30%以下で発動できる、さらに高威力の技。
    • ブレイブポイント(BP):HPゲージ上部のひし形マークで管理される。ラウンド開始時に3個持ち、こちらもラウンド間で持ち越しはない。BPが減ると被ダメージが増加し、BP1以下で1.2倍・BP0で1.5倍になる。回復手段は奥義ヒット時などに限られており、使いどころの判断が駆け引きの核になる。
  • BPを活用した強力アクション
    • レイジングストライク(RS):M+H同時押しでBPを1消費して発動。ガードを打ち破るガードクラッシュ効果を持ち、ヒット時は追撃できる。ガードされた場合でも相手のBPを1削れるため、当たっても防がれてもリターンが見込める。コンボ中にも組み込め、大ダメージを狙える。
    • レイジングチェイン(RC):RSヒット後に奥義ゲージ25%を消費して追撃する。距離や高度を問わず相手をサーチして繋がるため、画面中央でもフルコンボが安定して完結する。
    • ブレイブカウンター:ガード中またはガードクラッシュ時にM+HでBPを1消費。相手を吹き飛ばして距離を取り、攻めを一度リセットする防御的な手段。
  • 投げ抜けの仕様について
    • 前作の投げ抜けの仕様(通称:遅投げ抜け)が形を変えて引き継がれており、本作も他の格ゲーには見られない独自仕様になっている。
    • 本作では投げ(L+M同時押し)コマンドだけでなく、方向入力を問わずLMHいずれかの攻撃ボタンを押していれば投げ抜けが成立する。しかし、投げコマンドではない投げ抜けの場合は抜けた側が尻もちをついて動き出しが遅くなる(前作の「遅投げ抜け」と同様)。
    • システム的に単純に投げが通りづらく、逆にガード側の割り込み打撃が強力になるように作られているため、打撃による攻め(いわゆる暴れ潰し)が相対的に有効になりやすい。
  • リカバリー
    • 相手のコンボ中に吹き飛ばされた際、受け身を取って体勢を整える防御要素。空中リカバリーと地上リカバリーの2種類がある。
    • 空中リカバリーは一定時間後に自動で発動し、着地まで無敵になる。
    • 地上リカバリーはダウン時に入力することで、その場または後方に受け身を取れる。
    • 一部の攻撃ではリカバリー不能のダウンが発生し、起き攻めの展開に移行する。
  • 操作タイプ
    • プレイスタイルに応じて3種類から選べる。
      • スマート:ボタン連打でコンボが自動成立する、操作に不慣れなプレイヤー向け。
      • スーパーアルティメット:簡易操作でキャラを動かせる入門向けタイプ。あまりに簡単すぎるためかオンライン対戦では使用できない。
      • マニュアル:従来の格闘ゲームに近い、すべて手動で操作する上級者向けタイプ。
  • 防御・その他
    • 防御には立ちガード(高・中段)・しゃがみガード(中・下段)・回避(無敵時間あり)・投げ抜けなど標準的な手段が揃っている。避けはガードボタン+後ろ入力でその場回避、回り込みはガード+前入力で打点の高い攻撃をかわしつつ接近できる。
    • 攻撃同士が衝突すると相殺モードが発生し、画面暗転後に通常攻撃・アビリティ・投げ・避けによる高速の読み合いになる。入力がない場合は相手の通常攻撃でペナルティを受ける。
    • トレーニングモードにはリアルタイムフレームデータ表示・ヒットボックス可視化・コンボ録画再生など各種機能が揃っており、初心者から上級者まで段階的に上達できる。
    • オンライン対戦にはロールバック方式のネットコードが採用されている。
    • RPGモードに代わり『Fall Guys』を彷彿とさせる多人数モード『ぐらばとっ!』が追加。

評価点(ライジング)

  • キャラの演出と数
    • 登場キャラクターの豊富さと、戦闘時の華やかな演出が大きな魅力。2026年3月時点で39体(DLC含む)が揃っており、前作の登場キャラに加えて新規キャラも多数参戦している。新キャラも、原作で絶大な人気を誇る天司サンダルフォンやアーカルムの十賢者の一人にしてヤンデレ気味に愛を向けるニーア、中二病溢れる緒方恵美氏の演技が光る美形星晶獣グリームニル、煽情的な見た目と漢字2文字熟語の言い回し*6、そして「祝福」と称しキスを迫る六竜の一体ガレヲンなど個性と人気を両立した、好みのキャラが見つかりやすいラインナップになっている。
    • 演出面では必殺技や奥義の演出が特に凝っており、ダイナミックなアニメーションと派手なエフェクトで原作の世界観をよく再現している。視覚的な迫力も高く、戦闘中はまるでアニメを観ているような感覚になれる。キャラゲーとしての完成度も高い。
  • 新アクションの追加で独自の個性を確立
    • 前作の特徴であった簡単な操作をある程度維持しつつ、UアビやRSといった派手な攻撃アクション、ダッシュ攻撃(特に突進攻撃から有利フレームが取れるダッシュL)やブレイブカウンターといった攻防ともに強力なアクションを追加したことで、シンプル故に味が薄いとも言われかねなかった前作と比べても派手な展開も行えるゲーム性を獲得した。
    • 格闘ゲームとしての基礎固めのためかシンプルな性能のキャラが多かった前作と比べても、グリームニルやニーア、DLCキャラの2B(NieR:Automataからのゲスト参戦)やサンダルフォンなど、固有ギミックを持った特徴的なキャラが多数新登場している。
  • コンボの間口の広さ
    • クイック入力とトリプルアタックのおかげで、コマンドを覚えていなくてもすぐにコンボが繋がる。初心者でも早い段階で「コンボを決めた」という感覚を得られるため、格闘ゲームに不慣れなプレイヤーが挫折しにくい作りになっている。
  • トレーニングモードとキャラ別チュートリアルが優秀
    • トレーニングモードはリアルタイムフレームデータ表示・ヒットボックス可視化・コンボ録画再生・リバーサル練習・ガード設定など機能が充実しており、効率よく反復練習できる。初心者から上級者まで幅広く活用できる内容となっている。
    • キャラクター別チュートリアルでは、操作の基礎から特殊技の使い方・固有コンボまで段階的に解説される。キャラの特性を理解しながら自然に上達できるため、「新キャラに乗り換えたが何から練習すればいいかわからない」という状況になりにくい。

問題点(ライジング)

  • レイジングストライク・レイジングチェインによる攻勢継続システム
    • RS・RCは前作から大きく変化した本作の中核システムであり、ガードクラッシュを起点に攻めを継続しやすく、ターンを維持したままダメージを積み重ねやすい仕様になっている。
    • RS・RCの基本仕様はゲームシステム節を参照。通常技からキャンセルして出した場合は割り込みが難しく、ガード時にはガードクラッシュを誘発して有利状況からRCの追撃に繋げやすい。さらにBP0で被ダメージ+50%、BP1で+20%のペナルティが加わるため、一度不利になると状況がどんどん悪化しやすい。
    • この影響で防御側は対応を迫られる場面が増え、ガードしても攻めが続く展開になりがち。従来の投げや中下段の択に加えてRSを軸とした攻防の比重が高まった結果、慣れてくるとどの対戦も似たような展開になりやすいとする指摘もある。
    • 調整によりRSの発生が遅く調整され、RC後にはペナルティも追加されたため、極端な攻め継続はある程度緩和されている。ただ、守っている側の窮屈さは依然として残っている。
  • ゲージシステムへの依存度が高い
    • 本作ではUアビ(50%消費)・RC(25%消費)・SBA(100%消費)がすべて同一のSBAゲージに依存しており、前作より役割が大幅に増えた。戦略面でのゲージ管理の比重は相当高い。
    • UアビとRCは費用対効果が高く、立ち回りやコンボで積極的に使われるため、ゲージは50%単位で減っていきやすい。SBAは逆転の切り札として機能するものの、倒しきれないリスクやUアビの即効性との兼ね合いから、実際に撃つ場面は意外と少ない。
    • またゲージ回収効率にはキャラクター間で差があり、回収の遅いキャラはゲージが尽きたときの選択肢が一気に絞られる。慣れないうちは「やれることがない」と感じる局面も出てくる。
  • 投げ技のリターンが相対的に低い
    • 投げ技はダメージが低めで、投げ抜けも比較的通りやすいため、他の選択肢と比べてリターンが見劣りしやすい。
    • RSによるガードクラッシュが強力な崩し手段として機能している分、相対的に投げの出番はさらに減っている。近距離の読み合いでは飛び道具などの安定行動や通常連撃が選ばれやすく、「投げ」という択の存在感は薄め。

総評(ライジング)

前作『グランブルーファンタジー ヴァーサス』をベースに、攻めの継続力とリソース管理を強化した続編。
簡易入力やトリプルアタックのおかげで初心者でもコンボを楽しみやすく、RS・RCやゲージ運用が絡むことで対戦の駆け引きも前作より一段と濃くなっている。
キャラクター演出や操作の間口の広さは素直に優秀で、格闘ゲームに不慣れなプレイヤーでも直感的に遊べる。
一方で、攻め継続を軸に据えた設計の都合上、守り側の負担はそれなりに重く、展開の偏りやゲージへの依存度については人を選ぶ面もある。
とはいえ遊びやすさと対戦の奥深さをバランスよくまとめた良作で、格ゲー入門にも、やり込みたい層にも勧めやすい作品である。

最終更新:2026年05月05日 18:05

*1 地上で出した場合はキャラごとに異なる性能の特殊攻撃アクション、しゃがんで出した場合は相手をダウンさせる「しゃがみ強キック、足払い」に準ずる性能に、空中で出した場合は地上で出す場合ほど特殊ではないが特殊な性能のジャンプ攻撃となる。

*2 方向ニュートラル、後ろ、下、前

*3 一部3種類しかアビリティがないキャラが存在したり、地上版と空中版で同じ操作でも違うアビリティを発動できるキャラもいる。

*4 もっとも後者は歌詞の内容が大変卑猥なため、別の意味で集中できなくなるかもしれないが……

*5 後ろ必殺技はグランが大きく突進する「ドライブバースト」、ジータがその場で攻撃して連続入力で複数回攻撃する「ボーパルブレード」。

*6 「解説」(このような言い回しを行っている。なお登場時の演出では二字熟語部分のみを言っているように見える他、演じる三森すずこ氏のボイスは後者の内容部分が読み上げられる)