一条の死角
【いちじょうのしかく】
ジャンル
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ノベルゲーム
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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HERO GAME
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発売日
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2025年4月3日
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定価
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100円(税込)
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レーティング
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IARC:3+
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セーブデータ
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作成不可
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判定
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クソゲー
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ポイント
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誇張抜きで100円でも元が取れない極小ボリューム スッカスカすぎる文章と滅茶苦茶すぎるシナリオ 実は勇気の推理シリーズの関連作でもある
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勇気の推理シリーズ
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概要
『勇気の推理 海苔』などの、低品質なノベルゲームを多数リリースしているHERO GAMEによるミステリーノベルゲーム。
特徴
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「一条」という男を主人公に物語が展開されていくノベルゲーム。
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ミステリーノベルとあるが、本作では一条が犯罪を犯す犯人として描かれており、犯人視点で物語が進んでいく。
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ストーリーの大まかな流れは、一条が不死山という雪山の山小屋にターゲットを含む登山客をおびき出して、殺害を実行するという流れ。
問題点
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100円でも元が取れない極小ボリューム
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本作のストーリーを読み終わるまでにかかる時間は僅か10分前後。下手をすれば6~8分で読み終わる人もいるだろう。
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100円というSwitchソフトの中ではかなりの低価格で販売されているとはいえ、とても2020年代の家庭用ゲーム機で販売していいボリュームではない。
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特徴に記した通り選択肢なども無い。誇張抜きで文章を10分読んだらこのゲームは遊び終わる。
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テキストボックスに対して文章量が少なすぎる。
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これも誇張や比喩などではなく、三行程度は文字の入りそうなテキストボックスの中に、一度に10~15文字程度しか文字を表示しないため、テキストボックスに余白が余りまくっている。
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これだけでも十分問題なのだが、比較的長めの台詞や文章も、わざわざ10文字程度に分割して表示される。「せめてテキストボックスの端まで文字を書け」と、言いたくなること間違いなし。
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ストーリーも滅茶苦茶
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一応ネタバレ注意
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一条が犯行を終えた後、たまたま登山客の中にいた探偵が犯人を特定するのだが、その流れというのは……
被害者は温泉に浸かっていた→温泉の中に餅があった→探偵は一条が犯人と断定→一条の持ち物を調べると注射器と睡眠薬が見つかる→一条が証拠を出すように求める→探偵は餅の中に入っていた折れた注射針を証拠として突き付ける……どこからツッコむべきなのだろうか。
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上記の流れを見てわかるだろうが、探偵の推理・犯人の自白・証拠の突き付けなどの順番が滅茶苦茶であり、話の構成すらまともにできていない。
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また探偵は、一条を一目見て犯人だとわかったと言うのだが、その理由は一条がドレッドヘアーだからというもの。偏見が酷い。
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挙句の果てに、証拠を突き付けられた一条は、口の中のボタンを押して自爆する。そしてそのまま事件解決という流れに……あまりにも展開が雑過ぎる。
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その他の問題点。
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ある場面では台詞の鍵括弧を閉じる場所を間違えており、一条が心の声を口に出してるように見えるシーンがある。
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ある場面で、温泉の背景が表示されるが、
ちょうどいいフリー画像が見つからなかったのか、どう見てもプールにしか見えない。
評価点
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勇気の推理シリーズを知っていると、ちょっとしたサプライズがある。
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詳細、一応ネタバレ
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物語の中盤、犯行を終えた一条が招いた客の中にたまたまいた探偵とは、勇気の推理シリーズの主人公である勇気であり、「勇気の推理海苔闇を切り裂く海苔」のタイトルと共に登場する。
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ストアページに勇気の推理シリーズとの関連は一切書かれておらず、勇気の推理を知っている人からすると、一種のサプライズになっている。この点に関しては勇気の推理を知っている人からは比較的好評。
逆に知らない人からすると、意味不明な流れに見えるが。
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もっとも、問題点にして記述したように、その推理や解決方法はあまりにも無理があるものなのだが……。
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総評
定価100円という超低価格で販売されている本作であるが、そのクオリティーは明らかに100円という価格と見合っていない。
ボリューム・シナリオ・文章どれをとっても赤点で、とてもNintendo Switchというゲーム機で発売していいクオリティーではない一作である。
最終更新:2025年08月10日 17:56