セガカラ for ドリームキャスト
【せがから ふぉー どりーむきゃすと】
ジャンル
|
家庭用通信カラオケ
|

|
対応機種
|
ドリームキャスト
|
発売・開発元
|
セガ
|
発売日
|
2001年3月29日
|
定価
|
9,800円
|
判定
|
なし
|
概要
当時のセガのカラオケ事業であるネットワークカラオケ『セガカラ』を自宅でドリームキャストを利用して楽しめるようにしたもので、家庭用ゲーム機では初の通信カラオケソフトとなる。通称「ドリカラ」。
ドリームキャスト下部に接続するボックスタイプのカラオケユニット(マイクミキサーの役割をする)「ドリームキャスト・カラオケ」とマイク1本、専用ソフトウェアの「セガカラ@ドリームキャスト」のセットで販売された。
また、ドリームキャスト本体に最初からカラオケユニットを接続したモデルである「セガカラ@ホーム」も同時発売された。
2006年4月30日にサービス終了。
特徴
-
接続の際には本体のモデムユニットを取り外し、ドリームキャスト本体下部にカラオケユニットを接続、電源とAV出力をカラオケユニット側に接続して電源の給電とAV出力をカラオケユニット側から行えるようにした後、取り外したモデムユニットをカラオケユニットの拡張ポートに接続することで行う。
-
モデムユニットの代わりにブロードバンドアダプタを接続することも可能。
使用料金
-
使用料金は以下の通り。なお、有効時間内であれば何曲歌うことになっても追加料金は発生しない。
料金
|
有効時間
|
500円
|
1日 |
800円
|
1泊2日 |
2,000円
|
30日
|
収録曲
-
公式曰く、収録曲は発売当時は1万6千曲以上で毎月100曲が追加されていくとのこと。J-POP、演歌、アニソン、特撮…と様々なジャンルの曲を収録している。
使用可能機器
-
ピンジャック接続マイク(2本まで接続可能)
-
キーボード
-
ドリームアイ
-
本体に接続することで、カラオケ演奏中にドリームアイからの映像データをリアルタイムで表示可能。
採点機能
-
本ソフトはオンライン採点に対応。全国のセガカラ店舗からの採点データと競い合うことも可能。
-
採点設定も甘めの設定から激辛設定まで変更可能。
評価点
-
当時のセガカラの歌唱環境・収録曲をほぼそのまま再現可能
-
当時のセガカラの収録曲は1万6千曲以上で、後述のように一部制限があるとはいえほぼカバーしているのは大きい。
-
セガカラは収録曲数は当時の競合他社に比べやや少ない部分はあったとはいえ、マニアックな曲やアニメ系楽曲に強い部分もあったので、当時のユーザーの嗜好にも合致しているのは大きい。
-
リーズナブルな価格
-
周辺機器込みの価格であるため他のDCソフトに比べるとやや割高ではあるが、家庭用カラオケとしては当時の競合に比べると非常に安価。
-
利用料に関しても当時としては非常に良心的な価格。
-
オンラインによる採点ランキング
-
インターネット機能を使ってオンラインによるランキングが出るため、非常に楽しい。競い合うことはもちろん、歌を練習しようというモチベーションの向上にも繋がる。
-
こういったオンラインランキングはゲーム機であるが故の強みといえる。
問題点
-
VGAボックス・S端子ボックスの利用不可
-
本ソフトはカラオケユニットとの併用になるため、VGAボックス・S端子ボックス対応ソフトを遊ぶ場合はカラオケユニットへの接続ケーブルを外す必要があり面倒。
-
また、対戦ケーブル等を接続するシリアルポートが電源橋渡しケーブルをまたぐ位置についているため、対戦ケーブル等をつなぐ場合は若干干渉するのが面倒。
-
専用ソフトウェアからの曲の検索ができない
-
曲の検索についてはドリームキャスト上でセガカラforDCのHPから検索するという仕組みをとっているため、検索が面倒。
-
曲の検索結果はVMに登録して本作で呼び出すことはできるものの、検索のたびに一度カラオケを中断する必要があるのは不便。
-
セガカラは歌本に頼らない曲検索機能付きリモコンを他社に先駆けて採用しているので、カラオケソフト上での検索機能は欲しかったところ。
-
とはいえUIの再設計が必要になることや画面の視認性の影響が懸念されることを考えると搭載は厳しかったのかもしれないが。
-
音源がやや貧弱
-
音源に利用しているのはDC本体側のMIDI音源のため、音源のクォリティはあまり高いとは言えない。
-
当時はまだブロードバンドが十分に普及しておらずブロードバンドアダプタの普及率も通販専用ということもあって低かったため、ナローバンドでも問題なく利用できるようにするためには仕方のない側面もある。
-
カラオケ中に流れる映像の制限
-
流れる映像はセガカラで使われていた映像から厳選した40種類の映像がソフトに登録されており、それをランダムで流す方式。そのため映像の更新はない。
-
上記の仕様上、通常のカラオケ店では実装されている『原作番組の映像』は使用されていない。
-
とはいえこれも上記の問題とは別に前述のようにナローバンドでも問題なく利用できるようにするためには仕方のない側面もある。
-
また、ドリームアイの映像を流すということもできるのでそちらに頼るという手段をとることはできる。
-
歌い手の声質により採点が低くなることもある
-
これは仕方がないが、歌っている人の声質によってはマイクが音を拾いにくいのか、点数が低くなってしまうこともある。
-
そのため落ち着いて、はっきりとマイクに向かって歌うことがコツである。
-
また、本作では採点設定を甘くすることでも対応は可能。
総評
家庭用ゲーム機で初の通信カラオケということもあり当時としては非常に格安で通信カラオケができる環境というのはなかなかに魅力はあった。
しかしながらまだまだ機能面では発展途上な面はあり当時のDCの環境ではソフトウェアの更新もできないので、どうしてもかゆいところに手が届かない側面はあったのは惜しまれた。そういう意味では当時のインフラ未整備やハードウェアの制約に悩まされたソフトであるといえる。
それでも前述の通りサービス期間はDC撤退後に開始したDCのネットワークサービスとしては比較的長く続いており、後に『Nintendo×JOYSOUND Wii カラオケ U』などのゲーム機でのカラオケが好評を博していることもあって先見の明があったのも事実である。
開発の経緯が後述の通りやや後ろ向きであるものの、本作もセガ特有の時代が早すぎた作品といえるかもしれない。
余談
-
本作については元々発売を予定していたDC専用のZipドライブとして開発されたが、Zipドライブが発売中止となったためにその外装を再利用して製作されたといわれている。
-
実際、本作の発売が発表されたのと同じタイミングでZipドライブの発売中止が報じられている。
最終更新:2025年09月13日 18:41