SNK 40th Anniversary Collection

【えすえぬけー ふぉーてぃーす あにばーさりー これくしょん】

ジャンル アクション/シューティング
対応機種 Windows(Steam/GOG.com)
プレイステーション4
発売元 SNK
【欧米】NIS AMERICA*1
開発元 Digital Eclipse
発売日 【Win】2019年6月8日
【PS4】2019年6月20日
定価 【Steam】3,980円
【GOG】$29.99
【PS4】5,072円(全て税込)
レーティング ESRB:T
PEGI:16
判定 良作
備考 海外ではSwitch/One版も発売


概要

SNK創業40周年を記念して発売された70~80年代に稼働していたNEOGEO以前のタイトルを収録したオムニバスソフト。
以前、PSP向けに発売された『SNKアーケードクラシックスシリーズ』はAC版のみだったが、本作ではAC版に加えて家庭用移植版も同時収録している。

海外でNintendo Switch版が先行で発売され、無償アップデートにより収録タイトルが追加されていった。
国内向けにはWin版とPS4版が発売されたが、PS4版はアジア版にアートブックを付けて限定販売するという特殊な販売形式であった(現在は販売終了)。
インターフェース等は日本語にも対応しており、ゲーム内容も国内版と海外版を同時収録している*2。他、様々な特典が収録されている。 また、Prime Gaming(Amazon Prime内)でも無料ダウンロードができる様になっている


収録タイトル

タイトル ハード ジャンル 概要 判定
ASO AC STG 戦略性の高さとアイデアセンスが光る良質STG。多彩な「アーマー」を纏って敵を薙ぎ払え!
ASO FC
アテナ AC ACT SNKを代表するヒロインの1人、「アテナ姫」のデビュー作。
アテナ FC 遊べなくはないがさすがに技術的に無謀な移植。元祖『カセットテープのオマケ』 劣化
ゴッド・スレイヤー はるか天空のソナタ FC ARPG 壮大なシナリオが魅力のゼルダライクな王道アクションRPG。
AC ACT ループレバーを採用したトップビューアクション。KOFシリーズでおなじみのラルフとクラークのデビュー作。 なし
FC ACT/STG 劣悪な操作性でこのゲームそのものに「怒」。
怒号層圏 AC ACT/STG シリーズ第2弾。異次元に落ちた二人が悪魔達相手に大暴れ。
怒II DOGOSOKEN FC 変な方向にアレンジされたゲーム性と、よその掲示板でネタにされた空耳。
「ロース! 肉丼!」
劣化
怒III AC ACT シリーズ第3弾。キャラがでかくなり素手で戦うスタイルに変更された異色作。
怒III FC 単品としては良作だが、怒シリーズとしてはガッカリ。 なし
ゲバラ AC ACT 怒シリーズの後継作。
ゲバラ FC SNKの本気。
チェ・ゲバラよ、バティスタを倒してキューバ革命を成功させるのだ!
脱獄 AC ACT 徒手空拳と敵から奪った武器で戦うベルトスクロールアクション。
脱獄 FC
原始島 AC STG 恐ろしく難しいSTG。一度死んだら無理ゲー化。 不安定
サイコソルジャー AC ACT/STG アテナシリーズ第2弾はソンソンライクの歌う横スクロールアクションシューティング。
SNKの人気キャラ、麻宮アテナのデビュー作
なし
ストリートスマート AC FTG SNK格ゲーの元祖と言える格闘アクション。ただしバランス劣悪。
T・A・N・K AC ACT/STG 後のSNKアーケード作品おなじみのループレバーを初採用した戦車STG。
ヴァンガード AC STG 上下左右への撃ち分けや無敵体当たりが特徴の横STG。
航空騎兵物語 AC STG 収録タイトルの中では珍しい純縦スクロールSTG。
ファンタジー AC ACT ステージごとに様々な課題が与えられるアクションミニゲーム集。
ジョイフルロード AC ACT/RCG 腕の生えた車でアイテムを獲得しながらゴールを目指す奇妙奇天烈なドライブゲーム。
サスケ VS コマンダ AC STG 忍者大戦インベーダー。残骸という名の撃ち返し弾。 なし
バトルフィールド AC ACT/STG 様々な時代へタイムトラベルするループレバーアクションSTG。
ビーストバスターズ AC STG ゾンビの群れを撃ちまくるガンシューティング。
バミューダトライアングル AC STG 入力デバイスが弱点。本作自体も次元の狭間に消え行く運命だったか。 なし
オズマウォーズ AC STG インベーダー基板を流用し、独自要素を追加したSTG。
パドルマニア AC SPT 各スポーツを題材にした、当時としては珍しい最大四人プレイに対応した縦型Pong
SAR サーチ・アンド・レスキュー AC ACT/STG スプラッター要素の強いループレバー対応アクションSTG。
ワールドウォーズ AC STG バミューダトライアングルのマイナーチェンジバージョン。自機が小型化され、バランスが見直されている。
グレートタンク FC ACT/STG 『T・A・N・K』のアレンジ移植*3
ベースボールスター めざせ三冠王 FC SPT Xbox One版限定収録。

評価点

  • 豊富な収録タイトル
    • 全24タイトル+家庭用移植版という形式のため、合計タイトル数は32本と非常に豊富な数が収録されておりお得感が高い*4
    • 特筆すべき点としてはファミコンで発売されていた『怒』や『怒II』等の収録であろう。何故ならばこれ等はSNKではなく” ケイ・アミューズメントリース ”社から発売されていた作品であった。勿論、これは当時の任天堂が年間のソフトリリース本数に規制を強いていた際にSNKが協力会社名義*5で発売していた作品群だったからである。
      • 国内未発売のOne版やSwitch版限定収録のタイトルも存在するが、後者の『グレートタンク』はなぜかPS4版とWin版にも収録されているのでプレイ可能*6
    • 移植度も基本的には良好で、後述する一部を除けばストレスなくプレイ可能。アーケード版と家庭用版の違いも簡単に比較でき、この手のコレクションソフトとして遊びがいのある内容になっている。
    • また、『SNKアーケードクラシックスシリーズ』と違い国内版と海外版を同時収録しているため、国内のプレイヤーにも優しい仕様。
    • 中断セーブの他、プレイ自体を巻き戻すリワインド機能が追加されており、失敗したと思ったらボタンひとつでやり直したい地点まで巻き戻せるようになっている。
      • さらにお手本プレイが収録されており、自由に視聴することが出来る。途中の場面からプレイを引き継ぐことも可能で、ラストステージだけプレイするといった事もできる。これらの機能によって高難易度な収録作品も気楽に楽しめる。
    • その他、ディップスイッチ設定、キーコンフィグ、画面サイズの変更や画面フィルターなど一通りの設定は完備。
      • なお、ループレバー対応タイトルは左スティックで移動、右スティックでレバー回転の「デュアルスティック」とFC版のように1本のスティックのみで操作する「シングルスティック」を選択できる。
  • 豊富かつ貴重な資料集
    • ミュージアムモードでは本作未収録のタイトルまで含めた資料が収録されており、チラシやインスト、画面写真に説明文が付いており読みごたえがある。
      • 他にも筐体のチラシや当時配布されたガイドブック集なども豊富に取り揃えられている。現在ではプレ値で取引される資料も多く、拡大して隅々まで確認可能なのも嬉しいところ。
    • BGMモードではゲーム中の楽曲に加え、未使用曲まで収録する大盤振る舞い。
      • ただし『タングラムQ』の記述に関しては懐疑的な点がある(詳しくは該当の項目を参照)。

問題点

  • 『ビーストバスターズ』は再現度こそ問題ないレベルだが操作性に致命的な難点を抱えている。
    • 照準操作はスティックを使うことになるのだが、スティックを倒した角度で画面内をポイントする*7という方式で反応自体も非常に敏感なため正確に狙いをつけることは実質不可能。Win版もマウス操作に非対応で唯一遊びにくいタイトルになってしまっている。
  • 収録されている家庭用版がFC/NES版限定。
    • MSXやメガドライブ、マスターシステムやアタリVCS等に移植された作品もあるのだが、それらは未収録となっている。移植を担当した会社やエミュレータの都合もあるので致し方ない点ではあるが。
  • タイトル選択画面は海外版表示が基準となっているため、国内版をプレイする際は毎回切り替えが必要で面倒くさい。切り替えたタイトルのバージョンを記憶してくれれば良かったのだが…。
  • 音量調整のオプションだけ存在しない。タイトルによって音量に差異があるので、やや聞き取りにくいタイトルも存在する。
  • 『パドルマニア』の日本版が収録されていない。
    • テニス題材のゲームで対戦相手がナグルワケルワやバッカー*8というのはまずかったようだ。

総評

NEOGEO以外のSNKアーケード/家庭用タイトルを大量に収録し、おまけも充実したお得感の高いオムニバスソフトである。
『ゴッド・スレイヤー』など今回が初復刻となるタイトルもあり、移植度やオプション周り、おまけ要素なども良好で、旧SNKファンなら高い満足度を得られるだろう。

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最終更新:2023年09月21日 02:32

*1 日本一ソフトウェアの米国法人。

*2 但し、『パドルマニア』のみ日本版は未収録。

*3 その為か、『T・A・N・K』とは別扱いで収録されている。

*4 尚、XboxOne版は『ベースボールスター』が収録されている代わりに『グレートタンク』が未収録のため総数は変わらず。PS4は独自追加タイトルもないので総数は32本となっている。

*5 1972年設立の「鈴清商事」が、1983年に現社名へと変更した際にゲーム事業へ業務転換した。また、他社作品の販売も取り扱っていたり、アーケード機器のリースやゲームセンターの委託経営も行っていたが、1997年に倒産。

*6 なお、One版のみFC/NESで発売された『ベースボールスター めざせ三冠王』(北米版タイトルは『Baseball Stars』)が収録されている。

*7 無操作の時は画面中央に固定される。

*8 他にもマッケンナーという名前の対戦相手がいるが…