ゴッド・スレイヤー はるか天空のソナタ
【ごっどすれいやー はるかてんくうのそなた】
ジャンル
|
アクションRPG
|

|
対応機種
|
ファミリーコンピュータ
|
発売・開発元
|
SNK
|
発売日
|
1990年4月13日
|
定価
|
7,800円(税別)
|
判定
|
良作
|
概要
SNKがファミコン後期にリリースしたアクションRPG。
文明崩壊後の世界を舞台に、コールドスリープから目覚めた記憶喪失の主人公が自分の正体を探していくうちに、世界征服を目論むドラゴニア帝国と戦っていくストーリー。
システム
基本的には2D見下ろし型のゼルダタイプのARPGだが、以下のような特徴がある。
-
攻撃ボタンを押しっぱなしでフォースゲージをチャージすることで遠距離攻撃を繰り出すことが可能。
-
立ち止まっていないとフォースゲージをチャージすることはできないが、フォースゲージをためたまま移動することは可能。
-
ゲージのレベルは装備の強化で最大3段階までためることが可能。
-
なお、Lv2以上のフォースで剣の属性に応じた障害を突破することが可能。
-
アイテム・魔法に関しては装備して使う形。
-
アイテムは消費アイテム・装備アイテム・イベントアイテムの3種類があり、一部のアイテムについては装備するだけで効果が発揮されるものもある。
-
コンティニューの方法もやや特殊。
-
通常はタイトルでコンティニューを選択すると以前にセーブしたセーブスロットのデータから再開となるが、
ゲームオーバーになってタイトルに戻されたときにコンティニューを選択すると、セーブをしていなくてもゲームオーバーになった場所の入り口から入った状態でスタートする。
評価点
-
王道ながらもところどころで意外性のある展開を見せるストーリー
-
『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』に影響されている展開はあるものの、シナリオの完成度は高い。
-
登場人物のキャラも立っており、台詞パターンも豊富に用意されていることもあってなかなかに飽きさせない。
-
秀逸なグラフィック
-
オープニング等のグラフィック、演出の完成度はFCでもかなり上位の部類。
-
アクション面のレスポンスの良さ、バランスの良さ
-
マップの広さに呼応する形で主人公の操作レスポンスもよく、移動速度が速いうえに8方向に動けることも相まってキャラ操作のストレスは少ない。
-
フォースでの攻撃が強力なこともあり、動かしていて楽しい。
-
難易度設定も良好で、敵の強さや謎解きの難しさなどもかなり絶妙。
-
ゲームオーバー時の再開もデスペナルティがそれほどきつくなくすぐに再開可能なのもうれしい。
-
BGMも全体的に良曲揃い。
-
フィールドBGMや山岳地帯のBGMは特に評価が高い。
問題点
-
戦闘面での煩わしさ
-
ほとんどの敵は単一の属性しか効かない敵が多いうえに弱点属性が別々の敵が同時に複数出てくることが多いため、いちいちメニュー画面を出して装備を切り替えるのがやや面倒。
-
アイテムと攻撃及び魔法のボタンが共通のため、優先順位を把握しないといざというときに想定しないアイテム・魔法の利用が発生してしまうケースもある。
-
もっとも、この辺りはFCのコントローラのボタン数制約もあるので仕方がない面もあるのだが。
-
また、状態異常攻撃を使う敵が多いうえに回復させる手間もかかるため、この方面でもストレスがたまりやすい。
-
弱点属性の武器を持っていたとしても、レベルが低いと攻撃が全く通らないケースがあるのも厳しいところ。
総評
FCのコントローラの制約による戦闘での操作性にやや煩わしさが残るものの操作は快適であり、全体的な完成度の高いアクションRPG。
FC末期のSNKの作品ということで知名度が低いのが惜しまれる作品。
現在は後述の通り遊べる環境も増えてきたので、遊びやすい良質のアクションRPGを遊びたいのであれば触れてみるのもいいだろう。
余談
-
SNKはこの後NEOGEOに注力する形となったため、本作を最後にファミコンからは撤退している。
-
海外では『Crystalis』のタイトルでリリースされ、のちにGBC版も発売されている。
-
本作には『サイコソルジャー』の麻宮アテナと椎拳崇、『怒』シリーズのラルフとクラークをモチーフとした人物が登場している。
-
パッケージイラストは当時SNKに在籍していた、漫画家の横山浩子。
後に『SONIC WINGS』や『すくすく犬福』のキャラクターデザインを担当している。
-
2018年配信のオムニバスソフト『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』に収録されている。
最終更新:2020年07月29日 18:39