キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS

【きゃぷてんつばさ らいずおぶにゅーちゃんぴおんず】

ジャンル サッカーアクション

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 タムソフト
発売日 2020年8月27日
定価 7,600円(税抜)
プレイ人数 1~4人
判定 良作
ポイント 初の本格アクション
魅力的なオリジナルストーリー&キャラ
高い原作再現度と原作愛
オンライン要素には問題多し
サッカーは格闘技
キャプテン翼シリーズ


概要

サッカー漫画『キャプテン翼』を題材にしたアクションゲーム。公式での略称は「RONC」。
本作は実に10年振りの家庭用ゲーム化作品であり、最新のアニメ化作品である2018年版『キャプテン翼』を元にしている*1
そのため登場人物がスマートフォンを使用していたり、原作で「西ドイツ」名義だったのが「ドイツ」であったりと現代に基づいた設定となっている。
ストーリーは原作で言うところの「中学生編」を再現したパートから、「ジュニアユース編」を元にしたオリジナルストーリーへと展開していく。
本作の開発を担当したのは、「バンダイナムコ+集英社版権作品」絡みでは過去に『銀魂乱舞』を手掛けたタムソフト。


特徴

DRAMATIC STORY(ドラマチックストーリー)

本作のメインとなるストーリーモード。「EPISODE OF TSUBASA」と「EPISODE OF NEW HERO」の2部構成となっている*2

  • EPISODE OF TSUBASA
    • 大空翼率いる南葛中の選手たちを操作して、3年目の全国中学生サッカー大会での優勝を目指す。「中学生編」の原作再現ストーリー。
      • 試合中、原作での名シーンを再現した行動をとることで「DAD (ドラマチック・アクション・デモ)」と呼ばれる原作再現ムービーが流れる。
    • 基本的なチュートリアルはここで行われるため、公式も初心者向けのモードとしてEPISODE OF NEW HEROより先のプレイを勧めている。
    • 敵CPUが弱く、南葛中のメンバーも他校より能力が高い選手が多い、と難易度は低め。
  • EPISODE OF NEW HERO
    • EPISODE OF TSUBASAから続く、全国中学生サッカー大会の終了後を描いたオリジナルストーリー。
      • キャラクターエディットで作成したプレイヤー自身を主人公(ニューヒーロー)とし、原作やゲームオリジナルキャラクターと交流を深めながら試合を勝ち抜いていく。
    • 交流イベントや試合展開に応じて主人公は強くなっていき、クリア後に他のモードで使用可能になる。育成ゲームとしての要素も併せ持っている。
      • 上手く進めて行けば、最終的には翼にも匹敵するほどの高い能力を持ったキャラを作ることもできる(その分難易度は高くなるが)。
  • ニューヒーローリーグ編
    • ふらの中、武蔵中、東邦学園のいずれかのサッカー部に所属し、日本代表メンバーの選定を目的としたエキシビションリーグ「ニューヒーローリーグ」での全勝を目指す。
      • 試合中のイベントは存在しない。
    • 当然、主にふらのでは松山、武蔵では三杉、東邦では日向とその学校に応じたメンバーでそれぞれ別のストーリーが進展していく。
    • 日本国内の選手なら、他校の選手とも交流できる。日本代表に選ばれないキャラクターはワールドチャレンジ編に入る前にしか交流できない。
    • 12月初頭のアップデート(Ver1.10相当)にて大友中編が新たに追加された。
  • ワールドチャレンジ編
    • 日本代表の一員としてアメリカの国際大会「ジュニアユース・ワールドチャレンジ」に挑む。原作「ジュニアユース編」をアレンジしたオリジナルストーリー*3
      • 開催予定であった「フランス国際ジュニアユース大会」が突如中止され、アメリカで代替となる謎の大会が開かれた、という設定*4
      • サッカーでアメリカ?と思う人もいるかもしれないが、現実でもアメリカ国内でのサッカー人気は野球やバスケに匹敵するものになってきており、決して荒唐無稽ではなくむしろリアリティも感じられる設定である。
    • 「ジュニアユース編」でのライバル国だけでなく、「ワールドユース編」からブラジルとオランダ、更にゲームオリジナルのアメリカとセネガルが優勝をかけて競い合う。
      • アメリカ・セネガルの2国だけでなく、原作シリーズで登場したチームの一部には、新たな戦力としてゲームオリジナルキャラクターが登場する。
    • ムービーではないが、こちらも試合展開によって試合中の会話イベントが発生する。
    • 日本代表の選手の他に、世界中の選手たちと交流イベントが行えるようになる。交流が深まれば、世界の名だたる選手の必殺シュートを教えてもらえることも。
    • また、2周目以降は、特定の選手と交流することでライバル国同士の試合にも影響が起こり…。

試合システム

  • アクションゲームということで、本作の試合は完全にリアルタイム制でありボールがピッチの外に出るなどサッカーのルール上のものを除き時間経過が止まることはない。
    • 選手には「スピリット」と呼ばれるスタミナを表すゲージがあり、これを消費して高速移動できるダッシュ(R1ボタンを押し続ける)や各種アクションを行う。
    • テクモ版で言う「ガッツ」に似たシステムだが、消費が速いが回復も速い、という傾向になっている。
      • これによりスピリットが空になっても短時間休ませておけば満タンまで回復して必殺シュートが撃てるようになっており、試合終盤でガス欠してまともに使えない状態にはならない。
    • 消費が速いということで一見、「ドリブルで何人も抜いてシュート」などの一騎当千のプレーはしにくいように思えるが、以下のドリブルの仕様によりそれも再現できる。

ドリブルとタックル

  • 敵味方のボールを持っている選手と持っていない選手が接触すると、双方が行っていたアクションに応じてボールが奪われるかが決まる。
    • ボールを持っている側
      • ダッシュドリブル(ドリブル1):ダッシュ中に敵選手に接触すると発生。敵選手を抜き去る。タックルムーブに勝ちダッシュタックルに負ける。
      • ドリブルムーブ(ドリブル2):ボタンを押した場所から短距離を走る。走っている途中で敵選手に接触すると抜き去る。ダッシュタックルに勝ちにタックルムーブに負ける。
        ダッシュドリブルとは走るモーションが違い、タックル側から区別がつくようになっている。
    • ボールを持っていない側
      • ダッシュタックル(タックル1):ダッシュ中に敵選手に接触すると発生。敵選手からボールを奪う。ダッシュドリブルに勝ちドリブルムーブに負ける。
      • タックルムーブ(タックル2):ボタンを押した場所からスライディングなどで敵選手に突っ込む。接触した敵選手からボールを奪う。ドリブルムーブに勝ちダッシュドリブルに負ける。
    • 「ダッシュドリブル>タックルムーブ>ドリブルムーブ>ダッシュタックル>ダッシュドリブル>…」となっており、基本は2択の反応と読み合い勝負となる。
      • いずれもスピリットを消費するため敵選手が遠い場合使用しないで移動して節約するのも手。ただし敵にスピリット消費の行動で接触されるとどちらの種類に関わらず負ける。
    • ドリブル側が勝利するとドリブル中の選手に使用したドリブル技に応じたバフがかかり、タックル側が勝利すると奪った敵選手にタックル技に応じたデバフを与えられる。
      • さらに、ドリブル側がボールを保持したまま2連続で成功すると、さらなるボーナスとしてスピリットが回復しシュートなどに関わるキックゲージのタメ時間短縮が得られる。
      • これにより再度ドリブルで抜くことも可能になり、大量のスピリット消費やタメ時間が要る必殺シュートも非常に撃ちやすい状態になる。

シュートとパス、セービング

  • シュートとロング・スルーパスはボタンを押し続けるとキックゲージが溜まり、離すとボールを蹴る。蹴る強さは溜めたキックゲージに比例して大きくなる。
    • シュートムーブ・ロングパスムーブ・連携パスムーブ(いわゆる必殺シュートやパス・ワンツー)を装備している選手は、スピリットが一定量以上ある時にそれぞれ最大まで溜めれば必殺技が発動可能。
      • シュートムーブは上位版としてSシュートがあり、さらに溜めることで発動可能。ただし使用できるキャラは限られ、翼や日向も習得イベントを経ないと使用できない。
    • パスの場合は、飛距離が短く溜めが存在しないショートパス・ボールを浮かせ遠くに飛ばすロングパス・選手の前にボールを転がすスルーパスの三種類。
      • 前述の通り、溜めることでロングパスはロングパスムーブに、スルーパスは連携パスムーブになる。
  • シュートがキーパーまで到達するとセービングが入り、キーパーはスピリットを消費してゴールを守る*5
    • スピリットが減れば減るほど、シュートをキャッチできずに弾きやすくなったり、ゴールされる危険性が高まる。
    • つまりキーパーのスピリット=体力ゲージであり、シュートでそれを削っていくというまるで格ゲーか何かのようなシステム。
    • 公式サイト曰く、「鉄壁のゴールキーパーたちを再現するため、本作ではキーパーに体力ゲージ制を導入しています。」とのこと。

Vゾーンゲージ

  • ドリブルとタックルの一対一に勝利する度に、チーム共通のゲージである「Vゾーンゲージ」が溜まる。
    • 満タンになると、ゲージを全て消費して以下のどちらかを任意のタイミングで使用できるようになる。
      • Vゾーン:チーム全員のスピリット回復が速くなり、キックゲージのタメ時間を短縮。キャプテン選手が持っているキャプテンスキルにより、更なる効果を得られる。
      • スーパーセーブ:必殺シュートを撃たれた際に一部のGKが使用可能。シュートの威力やキーパーの能力・残スピリットに関わらず必ずシュートを防いでキャッチする。

評価点

爽快感溢れるゲームシステム

  • ほぼ初となる純粋なキャプテン翼の本格的なアクションゲームだが、そのハチャメチャなサッカーをゲームによく落とし込んでいる。サッカーは格闘技だ!
    • やはりというべきか、強力なシュートやドリブル、タックルでよく人が吹っ飛ぶ。吹っ飛んだ選手は少しの間地面に突っ伏したままになる。そしてそんな中でも試合は平然と続けられる。
      • しかも強烈な必殺シュートを放つとピッチが豪快に抉れ、そのままの状態で試合が続く。そんな状態でまともに試合が出来るのかと言うツッコミは野暮と言うもの。
    • 前述の勝利ボーナスによりドリブル・タックルの1対1に重点を置いたシステムになっており、ボールを持っている側が積極的に相手選手に突っ込むという原作でよく見られたが現実ではあり得ない戦術が成立するようになっている。
      • 連続で抜き去った時の選手の姿はまさにキャプテン翼のエースであり、誰にも止められない無双感を味わえる。その後必殺シュートを簡単に撃てるようになるというリターンの大きさも爽快感に一役買っている。
      • 一方で普通のサッカーのように敵の合間を縫ってパス回しを行い、ボールを取られるリスクを避けるのも有効な戦術。原作のスタンドプレーと現実的なチームプレーが両立されている。
    • 単純なシステムながら、シュートとキーパーの対決も熱い。弱い必殺シュートであってもキーパーのスピリット削りや削り切った際のトドメにできるため、能力差があっても無意味になることがなく、積極的に撃ち込んでいける。
      • 今作は必殺シュートが弱い汎用シュートから超強力なSシュートに至るまで多種多様に用意されており、また必殺シュートを持つモブ選手も多いのでテクモ版で見られたような「ミューラー相手では翼と日向以外は全くの無力」といった事態は発生しづらくなっている。
      • 修哲トリオや石崎といった中学エース級でない選手たちは流石に汎用シュートではあるが、それにより最低限ゴールを狙えるようになっているのは思い入れが強いプレイヤーには嬉しいところ。

演出面

  • 10年ぶりの家庭用ゲーム作品ということでグラフィックは相応に進化。キャラクターの造形は総じて良く、原作やアニメの絵の再現度が高い。
    • 各種必殺シュートの演出はもちろんド派手。モーションやカメラワーク、エフェクト全てに気合が入っており、非常にカッコいい仕上がりになっている。
    • 特にエース選手にのみ用意された通常の必殺シュートを超える最強技のSシュートは更に派手で、ゴールが決まった時の爽快感は抜群。
      • 日向の「ネオ・タイガーショット」などが該当するが、ゲームオリジナルキャラのSシュートはディアスばりにハッタリの効いたアクロバットなモーションが多い。
    • 負けじとキーパー達のスーパーセーブの演出も派手。どのキーパーのキャラクター性もよく出ている。
      • 押されながらもゴールライン手前で踏みとどまる若林、岩が砕け散る幻影とともにボールを鷲掴みするミューラー、「身体のどこかにあたってくれ!」の後跳ね返ってきたボールを必死に抑える森崎。
      • 若島津に関しては特に凝っており、通常セーブで正拳ディフェンス、スーパーセーブで三角飛び&手刀ディフェンス。果ては小学生編でのキャッチ後のパフォーマンスまで行う徹底再現っぷり。

高い原作再現度と原作愛

  • 演出面の欄でも触れたが、どのキャラもアクションの再現度が高く、原作からかなり細かくモーションを拾ってきている。
    • 原作エース選手達はシュートは勿論、ドリブルも大抵固有技となっておりほぼ全員が独自の方法で相手を抜き去る、もしくは吹っ飛ばしていく。DF達はタックルにも固有技が多い。
      • 例えばシュナイダーは、どう見てもぶん殴ったようにしか見えない原作のコマを忠実に再現した「カイザードリブル」や、すれ違いざまに日向の腹部にボールを撃ち付けてドリブルを阻止したシーンをその通りに行う「カイザーチャージ」を使う。
      • 余りにも原作のトンデモシーンを再現しすぎていて、カッコいいと共に一種の笑いどころにもなっているレベル*6
    • 日向と次藤を始めとした単純に「勢いで吹っ飛ばすドリブル」であっても、ひとりひとり技が区別されており、モーションや演出、性能に至るまで差異がある。
    • 本来ワールドユース編の人物であるカルロス・サンターナは、時系列に合わせて原作では回想で言及されるだけの「カルロス・バーラ」名義になっており、それに伴い得意の「サンターナターン」も「カルロスターン」という名称になって登場している*7
    • 中学生編の再現シナリオ「EPISODE OF TSUBASA」も上手く原作のシーンを拾い纏め上げている。取捨選択が上手く、DADや他イベントも試合のテンポを損ねない範囲で名シーンが挟まれる*8

オリジナルストーリーとオリジナルキャラ

  • EPISODE OF NEW HEROのオリジナルストーリーは原作ファンからも評価は高い。
    • ニューヒーロー編ではまさに自身が部の一員として、原作でのライバルたちの夢を叶えるために戦うため、プレイヤーのテンションも上がる。
      • 受験や家業の手伝いで小学校からのチームメイトが離れていく中、残った仲間と主人公で最後のふらのの思い出を最高のものにするために奮闘する松山。
      • 遂に手に入った翼との再戦の機会を最高のものにするために、また日本代表の選手として自身の体が耐えられることを証明するために立ち上がる三杉。
      • 今度は追われる身として、タケシを中心とした次の世代のため、そして翼との真の決着を付けるため王者の戦いに挑む日向。
      • ニューヒーローリーグでは、大空翼率いる南葛が最後の敵として立ち塞がる。敵に回して初めて分かる南葛の、そして翼の絶望的な強さはかなり新鮮。
    • ワールドチャレンジ編も、ジュニアユース編にオリジナルキャラやワールドユース編の2国、ゲームオリジナルの2国を加えてかなりボリュームが増している。多くの強豪国がぶつかり合うオールスター。
      • 単に日本で勝ち進むだけでなく、他国同士の試合の様子も描かれる。イタリアvsオランダ、ドイツvsブラジルといった強豪同士の試合は原作ファンも納得できる名勝負。
      • 決勝の相手は3パターン用意されており、原作のラスボス国2つはどちらにも勝ち上がってくるルートがあるとファンにきっちり配慮されている。
      • シナリオチャレンジは、原作「ジュニアユース編」では試合出場が無かったキャラや見せ場に乏しかったキャラにもスポットが当たる内容になっている。その性質上、多くは達成難易度が高いが。
      • 地味な変更点として、浦辺がジュニアユース代表に選出されている。石崎とは息の合った漫才を見せてくれるし、シナリオチャレンジでは新田とともに熱い見せ場が描かれている。
    • エンディングでは、ゲームの進め方によって主人公に複数の未来が用意されている。サッカー部の次の代の中心を担うか、または強豪国からのスカウトを受け海外に出るか、もしくは…。
  • それ以外にも、本筋にはあまり絡まないシーンや選手との交流イベントなどで原作の補間や小ネタを拾っている場面も多く、原作ファンならばニヤリと来る。
    • 海外の選手と話せる事の理由付けにワイアレスイヤホン型翻訳機*9、本職でない自分がDFの指揮をすることを悩む松山、守備の練習をする井沢とその光景を目撃する三上、など。
    • 過去の話である小学生編はもちろん、ワールドユース編以降やなんと現在連載中の「ライジングサン」を意識しているネタも存在する。例えば、ヒールリフトの習得条件やイベント内容に石崎が絡んでくるなど。
  • テクモ版がそうであったように、本作のオリジナルキャラクターたちも非常に魅力的に描かれている。
    • 見た目、性格とともに絶妙に原作と被らないようなキャラ付けがされており、モーションや性能面も原作キャラに負けない特徴的な個性付けがされている。
    • さらに所属チームや日本の選手との絡みも多く作られており、絶妙にキャプテン翼の世界観に溶け込んでいる。
      • これにより原作チーム、ゲームオリジナルチームと共にそれぞれのチームが持つドラマが原作以上に確立されている。
    • 原作に詳しくない人だと、あまりにも馴染みすぎていて原作キャラとオリジナルキャラの判断がつかないかもしれない。
+ 新たなるライバルたち

イタリア

  • ルチアーノ(FW)
    • イタリア代表の攻撃力不足を解消するために追加で招集された選手。性格に難があり、代表の試合を自身のビッグクラブ移籍のための踏み台としか考えておらず協調性に欠ける。
    • 原作のナポレオンに似た設定に見えるが、そのプレースタイルは「ファンタジスタ」と称されるハイレベルなテクニックを武器としたもの。
    • 敵の目の前でリフティングをし、あっけにとられている相手を股抜きする「クラウンリフティング」や、ヒールリフトで浮かせたボールに強烈な踵落としをぶつける「カーテンコールショット」など独創的な技を持つ。

セネガル

  • 本作のオリジナルチームの1つ。チーム全体が高い身体能力を持ち、サンゴールが前に大きく蹴りゴール前に走りこんだ選手が決めるシンプルな戦術を主とする。
    • サンゴール(MF)
      • セネガルのキャプテン。チーム内で例外的に身体能力が優れていないが、代わりに世界でも有数である屈指のテクニックを持つ。
      • しかし監督が組んだ単純すぎる戦術や、それに反対できない気弱な性格も相まってその才能を活かせていない。
      • 全力を引き出した時は、ボールに何重にも回転をかけたシュート「アークブリッジシュート」や味方の良さを活かすパスセンスによる猛攻を見せる。
    • ジャロ(FW)
      • セネガルでも特に身体能力に優れた選手。セネガルの戦術により、スピードとジャンプ力を活かし高い打点からのヘディングで得点役を担当する。
      • サンゴールとは幼馴染で、彼の力を引き出せない状況に苛立ちを感じている。性格は正反対の強気で、大人でも恐れずに自分の意見を言うタイプ。
      • エース格のFWとしてはSシュートを持たないなどゲーム中の強さはあまり高くはないが、他のチームメイト達とキャプテンのサンゴールを支えて共に力を発揮していく。

フランス

  • ジャン(DF)
    • 練習試合で致命的な守備力のなさを露呈したフランスが、緊急で行った追加選考会で合格した選手。アモロに替わるゴールキーパーはいなかったらしい…。協調性が無いわけではないが、歯に衣を着せない物言いで孤立気味。当然ナポレオンとは犬猿の仲。
    • スキルの構成上守備時限定ではあるが、ゲーム中屈指のスピードを持つDF。画面外からジェット機のようにスライディングで突っ込んでくる様がプレイヤーの度肝を抜く。
    • 密着時はもう一つのタックル「アッパータックル」でボールを奪う。昇龍拳、もしくは飛び膝蹴りにしか見えないモーションはいろんな意味でインパクト抜群。

ドイツ

  • ハイネ(MF)
    • 東ドイツのクラブチーム、ドレスデンに所属する『ドレスデンの妖精』。国内大会でシェスターのブレーメンに勝ち、シュナイダー・若林・カルツの居るハンブルグを苦しめたというとてつもない実力者。
    • 性格はかなりの自信家でお調子者。しかし、国内大会での怪我を必死にリハビリしワールドチャレンジに間に合わせるなど、サッカーに真摯な姿勢も持ち合わせている。
    • シュナイダーとコンビを組みトップ下から中盤の支配と正確なボール供給を行うドイツの新たなる攻守の要。彼自身も強力なシュート「ヘヴンリーシュート」を持ち、あらゆるプレーが脅威となる。

ブラジル

  • ケイジーニョ(GK)
    • 常に笑顔を絶やさない、ブラジルのムードメーカーでもあるGK。強いシュートと戦うことを楽しみにしており、ポジションは違えど翼とよく似たサッカーを愛する心を持つ少年。
    • カポエイラの使い手でもあり、若島津とはまた違った格闘技をミックスしたセービングを行う。スーパーセーブでは脚でシュートをバウンドさせずに落とすという神業を見せる。
    • スキル「リズミカルセーブ」によりシュートを防げば防ぐほど強くなっていき、調子に乗らせると手が付けられなくなってしまう。

アメリカ

  • もう一つのゲームオリジナルチーム。カージナルの設立したサッカースクールの生徒が主力を務め、最新の設備と科学を用いたトレーニングによって強靭な肉体と身体能力を持つ。
    一方で、チームの連携面で穴が見られるが…?
    • ブレイク(FW)
      • アメリカでも特に体格に優れる巨漢FW。軟弱な肉体の日本代表を馬鹿にするなどの面もあるが、本質的にはキャプテンシーにも溢れるアメリカの兄貴分。
      • 見た目通りパワー勝負に拘る信条を掲げている。しかし脳筋一辺倒ではなく守備陣の指示を行ったり、根性論ではなく現代的なスポーツ知識を元にトレーニング理論を持っていたりと、所々頭の良さも見える。
      • 「ブレイクドリブル」「ブレイクタックル」「ブレイクシュート」とアズワンにも頭が悪いと呼ばれる独特のネーミングセンスの技を持つ。*10しかしそのどれもが脅威的なパワー。
  • アズワン(GK)
    • 長い手足を持ち、広い守備範囲を誇るアメリカの守護神。前髪を赤と青で塗ったドレッドヘアーが実に特徴的。
    • シュートした敵選手を挑発しまくるダーティな性格。性能でも反映されており、「ペナルティエリア内に敵選手が入ると自身が強くなる」という若林と真逆の性質を持つ。
    • 両手を独特に使い牙で噛みつくが如くボールを掴み取る。スーパーセーブではキャッチしたボールを背中で回すという取られた側からは屈辱的なパフォーマンスを行う。
  • カージナル
    • ジュニアユース・ワールドチャレンジのスポンサーである世界的IT企業の社長を務める中年男性。
    • 大会開催地である人工島自体が彼の私有地であり、それを参加国に無償で提供するという豪快な行動をしている。いずれはアメリカとこの島を世界のサッカーの中心地にするつもりらしい。
    • 同時にその異様とも言える気前の良さと、フランス国際ジュニアユース大会を強引に中止させた手腕など、どこか怪しさも感じられる人物である。

賛否両論点

シナリオ関連
全体的に高評価のオリジナルストーリーだが、ワールドチャレンジ編はあくまで原作ジュニアユース編が元となっているためいくつか気になる点もある。

  • 翼や日本ジュニアユース視点から見た場合、ストーリーの展開はジュニアユース編とほぼ同じ。
    • 「世界との力の差を思い知らされる日本 → 成長しながら大会を勝ち進む → ロベルトが観戦していることを知る翼 → 優勝後、ロベルトと再会し翼は共にブラジルへ」と、この流れはそのままである。
      • プレマッチにおけるアメリカやドイツ以外のラスボスチームなど、原作における配役が代わっている例は幾つか存在するが日本及び翼から見たストーリーの本筋はどのルートでも変わらない。
      • そのため、原作ファンからすればジュニアユース編の展開が再現されていて嬉しい一方、ニューヒーローリーグ編に比べるとオリジナルキャラ以外のオリジナル要素が薄いため展開自体は読みやすい。
    • 岬と若林の加入シーンは再現されておらず、原作に比べあっさりしている。
      • 岬に関しては、舞台がフランスからアメリカに変更された事で翼とエッフェル塔で再会する展開を再現できなかったためと思われる。
      • 若林も、原作再現を徹底すると決勝まで使用不可能になってしまうというゲームとしての事情は考えられる。原作の様に日本に檄を飛ばしながらも、大会初戦から正GKとして出場してくれる。
  • せっかくのワールドユース編から参戦したオランダとブラジルだが、扱いが少々中途半端な印象を受ける。
    • オランダはラスボスチームの1つではなく、あくまでイタリアなどと同じライバルチーム1つという枠に収まっている。近年の扱いを反映しているとも言えるが。
      • クライフォートのシュートは全てオリジナル技。これはワールドユース編でのクライフォート自体、まともな試合描写がなく退場したためだと考えられる。
      • だが、現在では必殺シュートに関しても描かれているのにもかかわらず再現されていない。「スティンガー」「ハイスティンガー」自体はモーションも特徴的で好評ではある。
      • 続編では「若林の腕を破壊した」というエピソードに反して、テクニカルという印象が強かったため前者のイメージが優先されたのだろうか。
      • ドールマンは原作では中々の強GKであったが、本作では交流可能なGKの中で唯一スーパーセーブが使用不可になっており冷遇気味。能力やストーリーの影の薄さ的にも、パッとしない。
      • しかし、オランダの交流可能キャラは多めの6人とオリジナルキャラが加わっているドイツと同数。オランダ全体で見れば、扱いは良いと言える。
    • ブラジルはラスボスチームの1つという扱いであるが、こちらもワールドユース編の再現要素は少なめ。
      • サリナスとナトゥレーザは登場しない。カルロスも「ゴールデンイーグルショット」などはなくシュートは全てオリジナル。
      • 闇を抱えているカルロスの救済はどのルートでもされずに終わる。そのため、ブラジルルートのみ若干の後味の悪さを残してシナリオが終了する。ここで救われてしまうとワールドユース編に繋がらなくなるため、あえて避けたのではあろうが。
      • また、ラスボスチームにもかかわらず最強技であるSシュートを持った選手が存在しないという弱点を持つ*11
      • カルロスとアルベルトの連携シュート「ダブルフォースシュート」が代わりとなっているが、2人が近くにいないと発動できない連携技の性質上、ポジションが遠い(カルロスがFW、アルベルトがDF)2人では使用頻度が低く補い切れているとは言えない。
      • それ以外の必殺シュートは後述のストーリー補正がかかった上でも若林がそこそこ止められてしまうため、攻撃力が明らかに低くなっている。
      • 3人居るラスボスのうちシュナイダーは連携シュート、カルロスはSシュート、もう1人は連携パスが存在しないため、技数的には一応バランスは取られているが、ゲーム中の強さではブラジル(とカルロス)は他のラスボスチームと比べ冷遇気味なのは否めない。
    • ちなみに、DLCで追加されたスウェーデンのレヴィンも、本編中で闇堕ちしている原因の出来事がまだ起こっていないため、それをきっかけに開発したレヴィンの代名詞たる殺人技「レヴィンシュート」は使用せず、性格も本来の温厚なものになっている。
      • 総じて、「ジュニアユースの時系列上あり得ない物事は登場させない」という方針を厳守していることが覗える。
  • ニューヒーローリーグ編と比べると、主人公(ニューヒーロー)の影が薄い。試合外ではしっかりと絡むが、「サッカー部の期待の後輩」から「日本代表の1人」という扱いになる。
    • これもジュニアユース編ベースであるがゆえの弊害といえる。ニューヒーローリーグ編と違い試合中イベントが存在するが、そこでもほぼ出演しないため、イベント中は原作の日本選手で試合を進めている感覚が強い。
    • ただし、ラスボスの一人にもなっているあるキャラは明確に「主人公のライバル」として位置付けられており、そのルート限定ではあるがちゃんと主人公も大きく扱われている。

ゲームシステム

  • 原作再現度は高いが、ゲームシステムの都合上サッカーゲームとして見ると粗さや自由度の低い部分が見られる。本作のジャンルは「サッカーアクション」なため、本格的なサッカーの再現を求めること自体間違っているとは言えるがそれでも気になる部分はある。
    • オフサイド以外の反則や退場がない。原作再現という声もあるが、取る取らないがかなり曖昧なだけで普通に原作でもファウルやカードはある。
      • 試合のテンポが悪くならない一方、シナリオで「足を引っかけた」という理由でファウルが取られる場面が複数回あり、ゲーム上で散々吹っ飛ばしているのに思い出したかのように笛を吹かれる光景はシュール。
    • シュートコースという概念が基本的にない。ほぼ毎回キーパーのセービング演出が入るため、取られにくいコースを狙うという駆け引きは一部シュートを除き存在しない。
    • キーパーをドリブル技で抜くことができない。「キーパーを抜いてゴール」という原作再現もほぼ不可能。
  • サッカーとして、ではなく原作ファンの視点から違和感のある点もある。
    • エース選手でも読み負ければあっさりとモブからボールを取られる。もしくは抜かれる。もちろんエース選手から全くボールが取れないとゲームとして成立させにくくなってしまうが。
      • 共通システムなため身体の弱い三杉がショルダーチャージで敵選手を吹き飛ばしたり、学が日向を転ばせてボールを取れる光景も見られる。
    • キーパーがシュートに跳びつくが届かないというゴール演出が基本的に発生しない。基本的にキーパーごと押し込まれるか、手が弾かれるか、一歩も動けずに決められるかのどれかであり、現実的にも原作的にもかなり不自然。
      • 一応、セービングが届かないゴールも発生することはするが、裏技的な方法でありキーパーのセービング演出および凝ったゴール演出が行われないため単に地味なものとなる。

問題点

難易度

  • 現在はEPISODE OF TSUBASAとEPISODE OF NEW HEROのニューヒーローリーグ編の難易度はそれなりではあるものの、ワールドチャレンジ編は難易度的に厳しい部分がある。
    • CPUに強烈なステータス補正がかかり、シュートが爆速でチャージされる。そこから放たれるSシュートは当然強力で、ブロックが入るかスーパーセーブを使用しないとまず1点取られる。
      • この被害を最も受けているのは何といっても若林。原作通りに味方に檄を飛ばしておいて、大会中は敵のSシュートであっさりPA外から点を取られる情けなさを見せてしまう…。
      • 森崎や若島津が正GKのシナリオでは2人ともそれなりに止める*12ため、余計に頼りなく見えることに*13。対戦モードではSシュートもそれなりに止めてくれるし、PA外のシュートに対し補正がかかりミューラーと並ぶ最強格GKなのだが、それをもってしても敵のシナリオ補正の前に無力と化している。
      • 主人公のそれまでの試合評価によって難易度は変化するが、高評価を続けているとワールドチャレンジ予選開始から難易度最高になる。こうなるとCPUが超反応になりほとんどボールを取れなくなり理不尽の域になる。
        その性質上、意外にも2周目以降の方が高難易度になりやすい。
      • よりにもよって予選初戦の相手は強GKのヘルナンデスがいるイタリア。時期的に主人公がSシュートなしで攻めなくてはいけないためゴールが難しい。後半から日向がSシュート習得&1点確定イベントがあるが、逆に言うと前半は誰もSシュートを使えない。
      • 反面、敵のルチアーノはSシュート持ちなため若林からあっさり点を取ってくるなど攻撃も決してヌルくない。
    • そもそもEPISODE OF NEW HEROは試合中にやらなきゃいけないことが多く、主人公の育成を考えるとさらにシビア。
      • EPISODE OF NEW HEROの仕様として試合中活躍したプレーの評価が付きそれに応じて能力が向上する。しかし守備関連の評価を伸ばしたければ、まず相手にボールをわざと渡すリスクを負う必要がありDF育成が難しい。
      • ワールドチャレンジ編から加わるシナリオチャレンジも大量のPPが貰えるとはいえ、「特定の選手(能力的に2軍クラス)でゴール」「後半時かつ同点」「延長戦時」など試合内容を犠牲にしなければいけない条件が普通に出てくる。イベント自体は凝っているのだが一部を除き、選手育成との両立は不可能になっておりモードの性質と噛み合っていない*14
      • 一応試合をリトライすることによってCPUの難易度は下がるがリトライボーナスが貰えなくなり育成面では不利になる。
    • 発売当初はEPISODE OF TSUBASAにおける大友中戦と花輪中戦の難易度が高すぎる*15と言われ、アップデートで難易度が抑えられた。現在ではEPISODE OF TSUBASAの難易度は初心者向けとして適切な低さになっている。
  • プラクティスの出し方がやや不親切。
    • 自分からプラクティスモードをやらないとチュートリアルが小出しに出てくるため、多すぎて混乱はしにくいが初心者でも必要なアクションを教えるのが遅くなってしまう傾向がある。
      • 例として操作が複雑で使いにくいワンツーパスが早々に教えられる、システム上重要度の高いスーパーセーブが決勝の東邦学園戦でやっと出てくるなど。
      • 使用できるキャラがそれまで登場しないとはいえ、EPISODE OF NEW HEROのワールドチャレンジ編でもチュートリアルが出てくる。
  • 全体的に現在の一般的なサッカーゲームやテクモ版に慣れ親しんだ人ほど操作やクセに慣れが必要なゲームシステムになっており、そこで慣れられず上述の大友中や花輪中に勝てないまま投げてしまうプレイヤーもいた。

試合外での全体的なテンポの悪さ

  • ロードが多く、個々も結構な長さがある。ロード画面が挟まれない時でもメニュー操作などで数秒待たされることがある。
    • ロード画面ではキャラクター紹介を挿入することでプレイヤーの負担を軽減する工夫もされているが、十分とは言えない。
  • さらに頻繁にネットワーク接続を行うため、余計に待ち時間が多くなってしまっている。
    • ネットワーク接続自体妙に多い。カードパック購入時や育成アイテム使用画面を開いた時など、ネットワーク接続の必要性が疑問なタイミングでも挟まるため、ストレスになる。
      • ゲーム開始後、最初のネットワーク接続を行う際に通信を切っておけばオフラインモードが使える。待ち時間をいくらか短縮できるので、オンライン機能を使わないモードを遊ぶ際には覚えておきたい裏技。
  • EPISODE OF NEW HEROのワールドチャレンジ編は同モードのニューヒーローリーグ編とEPISODE OF TSUBASAに比べ試合と試合の間のイベントが長すぎる。という意見が多い。
    • 特にワールドチャレンジ編開始時から次の試合までは非常に長くイベントが続く。全日本の初試合となるプレマッチ一戦目がイベントで済まされるため、プレイヤーが選手を操作できない時間が続く。
    • さらにフレンドシップで選択した選手との交流イベントもガンガン挟まる。ニューヒーローリーグ編と比べるとシナリオ本筋のイベントも長いため、中々次の試合に進めない。
    • イベントスキップはあるので、2周目以降はそれを使えば比較的サクサク進められる。が、選択肢のあるシーンは自動的にランダム選択されるため「いつの間にか練習をサボっていて叱られるイベントが発生していた」などの被害が発生することも。エピローグの分岐にも望まない影響を及ぼす可能性もある。
      • また選択肢や所属校が違うことによる豊富な差分なども一緒にスキップしてしまうため、細かいイベントの違いも楽しみたいというプレイヤーは結局封印せざるを得ない。
      • 既読スキップはあるが、所属校の差分や選択肢の手前でストップといった機能はなくやはり自動選択されてスキップされてしまう。

バグの多さ

  • 本作は非常にバグが多い。
    • 「ゴールパフォーマンス時にその場でダッシュモーションをしている選手が出る」「ボールを持った選手が固まってスライド移動する(ホバーバグ)*16」「キーパーが反転しスローインでオウンゴール」と言ったものから、「アメリカ戦のハーフタイムでゲームが強制終了」「選手からボールが離れなくなりパスも奪うことも不可能に」「キーパーがフリーズするバグ」といったかなり深刻なものも多い。特にキーパーがボール持ったままフリーズするとそのまま何もできずにゲームを無理矢理終わらせないとかなり致命的である。
      • 実際、オンライン対戦でボールが離れなくなり仕方なくスローインにして仕切り直すか、それもできずに切断するしかなくなったケースも存在する。
      • 発売当初こそバグの多さが指摘されていたが、現在では度重なるアップデートにより、これらの問題はほぼ解消されている。

PP(プレイポイント)・CC(キャプテンコイン)関連

  • ゲーム内通貨であるPPはフレンドシップイベント、チャレンジやシナリオチャレンジの達成で手に入るが、オフライン環境での入手量がかなり渋い。
    • 使用用途はEPISODE OF NEW HEROの育成に有利な育成アイテムや選手カードパック*17、主人公の見た目を変えるエディットパーツなのだが必要量に対して価格がかなり高く、満足な育成を行うハードルが上がってしまっている。
    • ただでさえカツカツな上育成アイテムは消耗品で、とてもエディットパーツまで回す余裕がないので、大幅な緩和が望まれている。チャレンジは一度クリアすると同じものは達成できないのも痛い。
  • CCはオンライン環境でのみ使用可能なもう1つの通貨で、エディットパーツとオンライン対戦用のアイテム(試合が有利になるものはない)、上位育成アイテムが買える。
    • 上位育成アイテムはPPで手に入る育成アイテムより性能が高く、こちらでもオンライン環境の有無で育成環境の格差が発生している。
    • CCは後に入手手段が増えたが、やはりというべきか課金要素。

オンライン関連

  • 対戦を行うことやオンラインチャレンジを行うことでPPや育成用のアイテムが手に入るのだが、稼ぎ目的で連射コントローラなどを用いた放置が発生している。
    • 対戦を盛り上げるための措置とも考えられるので仕方ない部分もあるが、オフとの稼ぎ環境の格差によりマトモに対戦しないプレイヤーが出てしまうのは本末転倒と言える。
  • それ以外でも早々に過疎化が進んでおり、中々マッチングしないせいでオンライン対戦を用いた育成用のアイテム・通貨集めも苦しくなっているという状況になっている。
    • 結果的に発売当時のオンライン人口が多い中で対戦が行えたプレイヤーとそうでないプレイヤーの育成環境の格差が生まれており、対戦のハードルが余計に上がっている。オフでのPP入手量の増加を求める声も、さもありなん。
  • オンライン対戦前提で見ると目立ったバランスブレイカーが存在し、かなりバランスが悪い。
    • システム面がガチの対戦に耐えうる完成度であっただけにバランス面での問題が早々に見つかってしまい、現在ではこれらを押し付ける極端な対戦環境と化している。
    • 12月初頭のアップデートにて以下に挙げられているものは殆ど下方修正が入っており、現在のバージョンでは当てはまらない可能性があるので注意。
      + 代表的なバランスブレイカー

      エディットプレイヤー

      • そもそもの問題として、オンライン対戦でエディットプレイヤーが自由に使用できる事自体が問題という意見がある。
        • ゲーム中の全選手が持っているスキルやムーブ(技)を自由に獲得してセットできる*18ため、強いものだけをセットしたり、複数のキャラから相性が良いものを並べられる。
        • ディヴィジョンマッチのルールとしてチーム内のコスト制限というものがあるが、「高コストだが比較的弱いもの」「低コストでも強いもの」といったものも自由に厳選できるため、エディットプレイヤーの制限にはなっていない。
        • そうして特化させたエディットプレイヤーは通常の選手では不可能な戦術が取れ、中には本来のゲーム性を崩壊させてしまうものもある。
          • 例.「超高速で動き回る」「バフをひたすらかけたシュートでどんなGKもワンパン(通常シュートならばスーパーセーブすら不可に)」「タックルのスピリット削りが強すぎてドリブルに読み負けても確定でボール奪取」
          • そしてゲームシステム的に重要なGKはエディット不可なため、結果として総合的に最強のミューラーやPA外からのシュートに限り最強の若林でさえ、シュート力のインフレに全く追いつけていない環境になってしまっている。
        • チーム内におけるエディットプレイヤーの人数は8人まで、という制限が付いて全員を埋めるのは不可能だが、むしろ多すぎる。
          • エディットプレイヤーを作成できないGKを除けばスタメンにはあと2人通常の選手を入れるだけでよいため、同じくバランスブレイカーなスカイラブ要員として立花兄弟を入れたり、強DFのジャンとアルベルトを入れたりすれば簡単に埋まる。
        • 通常のキャラに比べ、セットしているスキルやムーブが分かりにくいという情報アドバンテージも地味だが見逃せない。同じ見た目や名前のエディットプレイヤーで並べて混乱させるという嫌がらせもできる。

      スカイラブツインシュート

      • 本作のバランスブレイカー筆頭。本作の連携シュートは該当の選手全員が近くにいないと発動できないという条件がある。
        • この技の大きな長所として、センタリングから発動可能というものがある。複数選手が必要とはいえ、2段階の溜めが必要なSシュートに比べるとかなり発動しやすい。
        • さらにシュート自体の威力が完全に調整ミスで、多くのSシュートと同等以上。その分立花兄弟や次藤は攻撃能力は低くしてはあるが…。
          • しかしエディットプレイヤーも習得可能で、発射台となる次藤の役割を担える。DFの次藤をオーバーラップさせるリスクを軽減できる上、本来の使い手3人のステータス不足をカバーできてしまい、ミューラーすら2発はまず耐えられない威力となる。
        • そして立花兄弟を入れることに関してだが彼らは非常に広いカバー範囲を誇るブロック「スカイラブブロック」を使用でき、こちらもかなり強い。決してスカイラブツインの一発屋でないことがさらに問題になっている。

      アナライズシュート

      • ある意味で、スカイラブツイン以上に問題のある技。
        • 通称「確定位置」と呼ばれる、キーパーのセービングが発生しない撃ち方が存在する*19
          • これをマスターしてしまったが最後、ブロックが入らなければ確定でゴールできる技になる。撃った選手とキーパーの能力に全く関係ないため、これも本来のゲーム性を崩壊させてしまう。
        • 獲得元となる選手の設定や強さ、「キーパーの苦手なコースに飛びやすい」という説明文からおそらく仕様と思われるのだが完全にやりすぎている。覚えているだけで凶悪なため、エディットプレイヤーでない本来の使い手*20でもバランスブレイカー。
        • おまけにこのシュートもSシュートではなく普通のシュートムーブ、つまり一段階の溜めで撃ててしまう。これではスカイラブツイン同様、Sシュートの立場がない。

総評

テクモ版の影響からか、シミュレーション要素が含まれたゲームばかりであった中登場した『キャプテン翼』の本格アクション。
単純なサッカーゲームというよりも、サッカーを題材としたキャプテン翼のアクションゲームといった印象。それでも試合形式はしっかり練り込まれており、簡単操作ながらキャプテン翼「らしい」サッカーを楽しめる。

グラフィックは言うまでもなく満点である。
ゲームシステムはキャプテン翼「らしさ」だけでなく、細かい部分にまで非常に気合が入った作りであり、ゲーム全体から原作愛を感じられる。
原作ストーリー編、オリジナルキャラクター作成して育成できるオリジナルストーリー編のどちらも魅力的で、試合中に発生するイベントや、特殊なシチュエーションで習得可能な必殺技も数多く存在する。原作を良く読み込んでいることがうかがえる。

問題の多いオンライン環境やゲームバランスなど、欠点もあるがオフラインでも十分に遊べるボリュームになっており、サッカー風のアクションを楽しみたい人、1からキャプテン翼を学びたい人だけでなく、原作ファンにこそおすすめしたい一作。
最初こそロードの遅さやバグが指摘されていたが、現在は度重なるアップデートにより改善されており、良作との評価を獲得している。


余談

  • 公式サイトでは、CHARACTER欄にゲームオリジナルキャラの存在する国のチームを主役とした前日談が掲載されている。
    • ゲームシナリオ中でも簡単に説明されるが、大会前のオリジナルキャラの背景などが詳しく描かれているため本作のオリジナルキャラクターを魅力に感じたのなら読んでみることをお勧めする。
  • 本作はWin版もSteamで配信されているがいつものバンナム+集英社版権作品の縛り(?)故、日本からは購入もプレイも出来ない「おま国」である。
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最終更新:2023年11月22日 00:14

*1 ボイスキャストも2018年版に準拠している。

*2 「EPISODE OF NEW HERO」自体も「ニューヒーローリーグ編」「ワールドチャレンジ編」の2部構成となっているため、実質的には3部構成。

*3 2018アニメ版は中学生編で終了し、ジュニアユース編は制作されず。

*4 「ニューヒーローリーグ」開催もこれを受けてのもの。

*5 キーパーはセービング以外ではスピリットを消費しないが時間経過で回復もしない。例外としてVゾーン発動時にヘルナンデスのキャプテンスキル「カテナチオ」が発動した場合はキーパーのスピリットが回復する。

*6 外国人が該当するシーンを見て爆笑していたプレイ動画がSNSで上がっているほど。

*7 アニメ → テクモ版 → 原作の順で登場して設定が別物というややこしいキャラで、主に原作では「サンターナ」、テクモ版では「カルロス」と呼ばれるのだが、本作ではこの都合上、原作設定だが「カルロス」と呼ばれる形になっている。

*8 PS2版では比良戸戦が「3点取られた上で後半戦からスタートする」と言う、かなりの逆境状態から始まる。原作再現とは言え、やっていてかなりしんどい物であった。

*9 原作の時代設定からすれば異次元のハイテクだが、前述の通り本作はアニメ版の現代準拠設定なので強引ではあるが納得できなくはない設定になっている。

*10 英語版で確認できる技名の綴りはbreak(破壊する)ではなくblake。自分の名前を技名にしているのである。

*11 他のラスボスチームとフランスにはSシュート持ちが2人居る。それどころか大会中に対戦する国はブラジル以外必ず一人は居る。

*12 特に本作の森崎はスピリットゲージ満タン状態ならタイガーショットも普通に止める上スキル「素晴らしきがんばり」によってスピリットゲージが空であってもシュートを止めることがあるのでEPISODE OF TSUBASAではかなり頼りになり、またEPISODE OF NEW HEROでは相応に厄介な相手となっている。

*13 間違っても2人より若林が弱いわけではない。ちょうど若林加入のタイミングで敵のステータスインフレが起こる&Sシュート持ちが登場するという間の悪さが原因。

*14 特に東邦学園は点差をつけるノルマが存在し、完全に不可能。

*15 大友中は新田の隼ボレー、花輪中は立花兄弟のスカイラブハリケーンと序盤にもかかわらず特殊な必殺シュートを使用してくるため対策どころか基本的な操作やコツが分からないままやられてしまうケースが多かった。

*16 ポーズ次第では原作にも登場したセグウェイドリブルのような見た目になることも。

*17 同じキャラの所持枚数が一定を超えるとそのキャラの発生するイベントや獲得できるスキル・ムーブが増える。

*18 一部GK用で獲得不可のものもある。

*19 アナライズシュート以外にも存在するが、アナライズシュートは非常に狙いやすい。

*20 ちなみに、本来の使い手はSシュートも撃てる。