Web(ウェブブラウザ)

▲Webのロゴ
Webは、GNOMEプロジェクトの一環として開発されている、シンプルで使いやすいことを念頭に設計されている
ウェブブラウザ
である。
レンダリングエンジンにはWebKitGTK、ツールキットにはGTK+3を使っており、GNOMEにおける標準ウェブブラウザとなっている。
レンダリングエンジンにはWebKitGTK、ツールキットにはGTK+3を使っており、GNOMEにおける標準ウェブブラウザとなっている。
2012年3月28日のWeb 3.4リリース以前はEpiphanyという名称だった。

▲Web 3.36.1のスクリーンショット
各種データ
各種データ
開発者 | GNOME Developers |
開発状況 | 開発中 |
初版 | 2002年12月24日 |
最新安定版 | 44.4 / 2023年6月29日 (*1)(*2) |
最新開発版 | 45.alpha / 2023年6月29日 |
リポジトリ | https://gitlab.gnome.org/GNOME/epiphany |
ツールキット | GTK(C言語) |
対応OS | UNIX系 |
使用エンジン | WebKitGTK(2.18までは Gecko ) |
対応言語 | 130以上の言語 (*3) |
ライセンス | GPL |
ウェブサイト | https://wiki.gnome.org/Apps/Web |
概要
開発当初はEpiphanyと呼ばれていたが、2012年にGNOME 3.4の一部としてWebにブランド変更された。
Epiphanyの最初のバージョンは、2002年12月24日にリリースされた。
開発開始から一貫して、GNOMEのテーマとその他の設定を用いている。
開発開始から一貫して、GNOMEのテーマとその他の設定を用いている。
WebはGNOMEと深く統合されており、Waylandや最新の主要なGTKバージョンに対応している。
Epiphany 2.14以降は公開時のGNOMEと同じバージョン番号になっている。
Epiphany 2.14以降は公開時のGNOMEと同じバージョン番号になっている。
マルチメディアサポートにはGStreamerを使用し、広告ブロック機能など基本的なブラウザの機能のみを搭載する。
メール、ニュースグループ、ファイル管理、インスタントメッセージングなどの機能は持たず (*4)、いわゆるUNIX哲学に基づいた「一つのことをうまくやる」プログラムとして開発された。
メール、ニュースグループ、ファイル管理、インスタントメッセージングなどの機能は持たず (*4)、いわゆるUNIX哲学に基づいた「一つのことをうまくやる」プログラムとして開発された。
Webは、elementary OSのデフォルトのブラウザになっている。
歴史
Epiphanyは、2002年にGaleonの当初の開発者であるMarco Pesenti Grittiが、Galeonからフォークして開発を開始した。
このフォークは、Grittiと残りのGaleon開発者の間で新機能に関して意見の不一致があったため生じた。
このフォークは、Grittiと残りのGaleon開発者の間で新機能に関して意見の不一致があったため生じた。
同じ頃、GNOMEプロジェクトは、ヒューマン・インターフェース・ガイドラインを適用したが、これはユーザインタフェースの単純化を促進するものであった。
Galeonのモノリシックデザインとユーザー設定可能な機能の数を、Galeonの保守性と使いやすさを制限する要因と見なしていたGrittiがこれに賛同する一方、Galeonはパワーユーザ指向であったため、多くの開発者はこれを認めなかった。
Galeonのモノリシックデザインとユーザー設定可能な機能の数を、Galeonの保守性と使いやすさを制限する要因と見なしていたGrittiがこれに賛同する一方、Galeonはパワーユーザ指向であったため、多くの開発者はこれを認めなかった。
結果として、Grittiが作ったGaleonベースの新たなブラウザからは重要でない多くの特徴は除去され、EpiphanyはGNOMEヒューマン・インターフェース・ガイドラインに従う様に開発された。
Epiphanyは当初、Webページの表示にMozillaプロジェクトの
Gecko
エンジンを使っていたが、インターフェースはMozillaのクロスプラットフォームなインターフェースの代わりに、GNOMEのGUIが提供された。
これは、MozillaのデフォルトのXULベースのインターフェースが、肥大化していて応答が遅かったからだとされる。
これは、MozillaのデフォルトのXULベースのインターフェースが、肥大化していて応答が遅かったからだとされる。
Galeonはフォークの後も続いたが、残りの開発者がMozillaプラットフォームの変更に追いつけなかった為に停滞した。
結局Galeonの開発者たちは、Galeonの高度な機能をEpiphanyに導入するための拡張に取り組むことを決定した。
結局Galeonの開発者たちは、Galeonの高度な機能をEpiphanyに導入するための拡張に取り組むことを決定した。
2007年7月にEpiphanyチームはGeckoの代わりとして使えるレンダリングエンジンとして、WebKitのサポートを追加した。
そして、2008年4月1日にはチームはGeckoを使用してビルドする機能を削除し、WebKitのみを使用して開発を続行すると発表した。
そして、2008年4月1日にはチームはGeckoを使用してビルドする機能を削除し、WebKitのみを使用して開発を続行すると発表した。
これは、MozillaがGeckoを
Firefox
のコンポーネントと見做し、Geckoを利用したいサードパーティのソフトウェアを軽視した開発方針を取った為だとされる。
チームの規模とブラウザのWebkitへの移植の複雑さにより移行は難航したが、2009年9月にGNOME 2.28の一部としてWebkitへの移行が完了した。
特徴
ほとんどのブラウザは、フォルダベースの階層的なブックマークシステムを備えているが、Webはカテゴリ化されたブックマークを備えている。
また、Webアプリケーションのアプリケーションランチャーを作成出来る(GNOME 3.2以降)。
過去には拡張機能があったこともあったが、現在は削除されている。
過去には拡張機能があったこともあったが、現在は削除されている。
GNOME 3.26以降、WebはFirefox Syncをサポートしており、ブックマーク、履歴、パスワード、開いているタブをFirefox Syncと同期し、Firefox SyncにサインインするFirefoxまたはWebで共有することが出来る。
リリース
この節の翻訳を改善する必要があります。
バージョン | 日付 | 主な変更点 |
0.4 | 2002年12月24日 | 初回リリース。 |
0.5 | 2003年4月13日 | ブックマーク、スマートブックマーク、トピックをツールバーにドラッグする機能。 URLバーのオプションの「移動」ボタン。"ヘルプサポート。 |
0.6 | 2003年5月4日 | リンクをタブバーにドラッグアンドドロップします。セキュリティ設定。ユーザー言語の 自動検出。新しい履歴ダイアログ。デフォルトのブックマークツールバー。 |
0.7 | 2003年6月7日 | ツールバーのズームコントロール。キャッシュをバイパスしながらページをリロードする機能 (Shift +リロード)。従来のブックマークメニュー。全画面ボタンを終了します。 |
0.8 | 2003年7月13日 | ツールチップ。改良されたGNOME統合。ブックマークと履歴の高速検索。 ブックマークツールバーにURLをドラッグアンドドロップします。 |
0.9 | 2003年8月22日 | バグ修正のみ。 |
1.0 | 2003年9月8日 | Mozilla 1.6のサポート。GNOME 2.04 |
1.2 | 2004年3月15日 | Mozilla 1.7および1.8、ロックダウンモードのサポート。キャレットナビゲーション。 GNOME 2.06 |
1.4 | 2004年9月13日 | オフラインモード。サイトごとのポップアップブロック。GNOME 2.08 |
1.6 | 2005年3月9日 | 拡張機能マネージャー。GNOME 2.10 |
1.8 | 2005年9月5日 | ロケーションバーに表示されるPythonバインディング、検索ツールバー、ファビコン、 SSL アイコン。Gecko 1.8サポート。エラーメッセージがコンテンツ領域に表示されます。 GNOME印刷システムの使用。GNOME 2.12 |
2.14 | 2006年3月12日 | XULRunnerバックエンドがサポートされています。ブックマークマネージャでの トピックの提案。GNOMEに同期されたバージョン番号。NetworkManager DBUSインターフェースのサポート。 |
2.16 | 2006年9月6日 | 新しいタブで開かれたリンクの履歴が保持されます。スペルチェックのサポート。 証明書拡張機能からのページセキュリティ情報ダイアログ。新しいGTK印刷ダイアログ。 安定性の向上。 |
2.18 | 2007年3月14日 | オンラインストレージをブックマークします。Ad BlockerのUI。 |
2.20 | 2007年9月19日 | GeckoからWebKitへの移行。PDF印刷。GnomeVFSからGIOへの移行。 |
2.22 | 2008年3月12日 | |
2.24 | 2008年9月24日 | |
2.26 | 2009年3月31日 | |
2.28 | 2009年9月24日 | Geckoバックエンドが削除されました。Python拡張機能のサポートが削除されました。 WebInspector。 |
2.30 | 2010年3月31日 | 壊れたSSL証明書の警告、カスタムページメニューのサポート。 |
2.32 | 2010年9月29日 | バグ修正のみ。 |
3.0 | 2011年4月6日 | ユーザーインターフェイスのクロムの量を減らしました。ジオロケーションのサポート。 テキストズームからフルコンテンツズームに切り替えました。新しいダウンロードマネージャー。 GTK 3およびGNOME 3テクノロジーへの移行。 |
3.2 | 2011年9月28日 | 個別のフォント設定。WebKitのページソースビューアがデフォルトになりました。 Webアプリケーションモードが導入されました。 |
3.4 | 2012年3月28日 | EpiphanyからWebに名前が変更されました。主要なインターフェースの見直し。パフォーマンスの改善。 スーパーメニューを導入。 |
3.6 | 2012年9月26日 | 概要画面と全画面モードが導入されました。 |
3.8 | 2013年3月27日 | WebKit2を使用してAdobe Flashおよびその他のプラグインをサポートします。 プライバシーモード。新しいタブボタン。JavaScriptを無効にする機能を削除。 |
3.10 | 2013年9月26日 | 新しいGNOMEタイトルバーデザインである「ヘッダーバー」への新しいツールバーの配置。 |
3.12 | 2014年3月25日 | パフォーマンスの向上とユーザーインターフェイスの強化を含むメジャーアップデート バージョン。各タブに単一のプロセスを実装しました。 |
3.14 | 2014年9月24日 | 無効なSSL証明書をブロックするサポートを追加するマイナーアップデート、 セキュリティの向上のための混合コンテンツに関するユーザーへの警告、adblockerの パフォーマンスの改善、全体的な小さなUIの改善と洗練。 |
3.16 | 2015年3月23日 | UIが更新され、シークレットモードのプライバシーと検出可能性が向上するように修正されました。 |
3.18 | 2015年9月23日 | UIの改善。Do Not Trackと広告ブロッカーをデフォルトで有効にします。 |
3.20 | 2016年3月23日 | UIの改善。セッションの復元。 |
3.22 | 2016年9月21日 | UIの改善。 |
3.30 | 2018年9月6日 | リーダーモード、その他。 |
3.34 | 2019年9月12日 | WebKitのコンテンツフィルタリングを使用する、改良された広告ブロッカー。 セキュリティを向上させるWebプロセスのサンドボックス化。お気に入りのタブを固定できます。 プラグインのサポートが削除されました。 |
3.36 | 2020年3月7日 | 小さな画面のユーザーインターフェイスの改善。PDFドキュメントのネイティブサポート。 暗いGTKテーマの処理のサポートが改善されました。Webページソースのネイティブ表示。 痕跡的なNPAPIサポートの削除。サービスワーカーのサポート。Cookieのより安全な処理。 タブプロセスでサイトを互いにより適切に分離するためのセキュリティの改善。 |
3.38 | 2020年9月11日 | |
40 | 2021年3月19日 | |
41 | 2021年9月16日 |
関連項目
外部リンク
脚注に記載されているウェブサイトへのリンク
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