- 分類:短編小説
- 初出:「幻影城」1978年8月号
- 雑誌時挿絵:大竹明輝
- 収録短編集:『変調二人羽織』
あらすじ
「ねえ、きのうの晩、あなた、わたしを殺そうとしなかった?」
二流俳優の夫と、元人気女優の妻。ある朝、妻の首には絞められた跡が残っていた。夫の殺意を恐れる妻と、身に覚えのない疑惑に戸惑う夫。やがて事態はさらに緊迫していき……。
登場人物
- 夫
- 妻のコネで仕事を回してもらうが、ことごとく失敗する二流のテレビ俳優。
- 妻
- 元人気女優。人気俳優のTを愛していたが捨てられ、あてつけで夫と結婚した。
解題
「幻影城」1978年8月号に、《特集・連城三紀彦》の一作として「
藤の香」「
消えた新幹線」とともに掲載された短編。
登場人物はほぼ夫と妻(どちらも名前はない)のみの密室劇。
この後の連城作品の中心となる夫婦サスペンスの嚆矢であるが、『
変調二人羽織』収録作の中では語られることは少ない。連城作品における「俳優」というテーマや、90年代の連城の舞台演出への進出、そして両義的な結末など、その位置づけについてまだまだ検討の余地の多い作品といえるだろう。
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最終更新:2017年05月18日 23:31