- 分類:短編小説
- 初出:「週刊小説」1982年10月22日号
- 雑誌時挿絵:中沢潮
- 収録短編集:『夜よ鼠たちのために』
あらすじ
その時まで俺たちは幸福だった。
俺たち、俺と妻の信子。
ほんとうは信子なんて名前じゃない。けれど俺はここ何年間か妻をそう呼び続けてきた。一匹の鼠のためだった。八歳のとき、俺はこっそり飼っていた鼠を同じ名で呼んでいたんだ。子供の俺の手に乗るほど小さな鼠だった。そこらへんのドブ鼠と同じ色だったが、右の耳だけが何故か白かった。その白い耳に俺はいつも信子と呼びかけていた……
病院の院長とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた格好で殺された。それは妻を病院に殺された男の、壮絶な復讐劇だった……。
登場人物
- 横住忠雄
- 横住広江
- 石津洋子
- 石津純一
- 田原京子
- 中田昭代
- 津村民子
- 津村庄一
- 伊原貞夫
- 伊原文代
- 堀部
解題
(スタブ)
掲載号「筆者の近況」より
今まで、夜、仕事をしていた連城さん、最近は朝五時頃から夕方までを執筆時間にあてている。というのも観賞の秋になったとあって夜は市街に出て、映画、歌舞伎、文楽を見に行くため。近々、乱歩賞受賞パーティーに出席のため上京の予定だが、歌舞伎を見るのが楽しみとのことだ。
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最終更新:2017年08月10日 14:48