あらすじ
鉄路は月の光に濡れながらどこまでも延びていた。夜。まだ天頂へと上りきれず、いい加減な位置に漂っていた満月。木々の影。黒い風のざわめき。そしてある秋の終わり。私はその線路を、二本の鉄の線に挟まれた道を歩き出していた。
あの時、線路に横たわっていた私は、どうして列車に轢かれて死ななかったのだろう――。岩湯谷に暮らす私は、東京からやってきた永井夕子という娘に、過去に遭遇した〝幽霊列車〟事件のことを語った。私の身体を轢いたはずの列車は、腕時計と私の鼓膜だけを壊して消えたのだ……。
登場人物
解題
(スタブ)
収録アンソロジー
- 山前譲編『愛憎発殺人事件 鉄道ミステリー名作館』(2004年、徳間文庫)
関連作品
- 鉄道ミステリ
- 同種の謎が登場する作品
- 『紫の傷』収録作
最終更新:2018年12月12日 00:40