黒く赤く

  • 分類:短編小説
  • 初出:「月刊カドカワ」1987年10月号
  • 雑誌時挿絵:高田麻香
  • 収録短編集:夢ごころ

あらすじ

 白く雪が降っていた。その上に雷鳴までが町を壊すように響きわたって、灰色の重い絨毯のような空を時々青く翻しながら、稲妻が崩れ落ちてきた。降りしきる雪は、稲妻の光で町並が割れるたびに青ざめたような淋しい色に変わった。美しいような恐ろしいようなその色を喫茶店の窓ごしに眺めながら、あの時の俺は数分後に、自分に訪れる運命にわずかでも予感をもっていただろうか。心臓のふちにかすかに震えがあったが、それは喫茶店の隅の席で雪と雷に襲われた町並を眺めていた時だったのか、それとも喫茶店を出てその女を見かけた時だったのか。

不意に崩れた生活を始めた俺は、ある嵐の夜にゆきずりの女を抱いた。女は宝石のついた指輪を俺に渡したが、翌日、俺の部屋を訪ねてきた刑事は、その宝石が強盗事件で盗まれたものだと言い……。

登場人物

    • 真面目な堅物だったが、不意に崩れた生活に流れた会社員。
  • スミ子
    • 「俺」が会社を辞めたあと務めたキャバレーの女。

解題

(スタブ)

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最終更新:2017年06月21日 22:56