北京の恋

  • 分類:短編小説
  • 初出:「小説現代」1989年7月号
  • 雑誌時挿絵:宇野亜喜良
  • 収録短編集:萩の雨

あらすじ

 あれから半年が過ぎ、日本はもう夏を迎えようとしています。もちろん北京も今は五月の末で、梁さん、私たちが二人だけで行った北海公園の湖水のように広い池にもかすかに夏の匂いをふくんだ風が吹きわたり、岸辺の柳が人よりもいち早くその匂いに気づいて嬉しそうに葉をそよがせているでしょう。この半年のうちに、梁さん、あなたから受けとった十通近い手紙に私は一度も返事を書きませんでしたが、かといってあの庭園の冬の風の中で交わした約束を忘れたわけではありません。

川田とふたり、四日間の北京旅行に出かけた洋子は、現地でガイドを務めた青年・梁に恋をしていた。けれど、十歳も下の中国人青年への恋は、落ちた瞬間に終わることが決まっている恋だった……。

登場人物

  • 洋子
    • 34歳の女。
  • 川田大樹
    • 夫。建築家。
  • 梁泰遠
    • 北京でガイドを務めた青年。

解題

(スタブ)

掲載号「今月登場」より

 秋の芝居の脚本執筆の前にかたづけておこうと仕事をつめておいたところ、予想以上の過密スケジュールとなり「もうわかりません」。

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最終更新:2017年08月10日 13:24