登録日:2024/12/16 Mon 14:45:21
更新日:2025/04/04 Fri 22:39:23
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概要
SCP Foundationで行われるコンテストは特定のルールやテーマの下、一定期間内に投稿された作品の中からVote評価で優れた作品を選出し、表彰するというもの。
基本的な流れとしては
ルールやテーマなどと共に開催告知がなされる
↓
投稿期間が始まる
↓
批評とVote評価が行われる
↓
締切時のVote数に応じて順位が決定、表彰される
といった具合で行われる。
SCP Foundationのコミュニティにおいては執筆活動を活気付けるというイベントの本分のみならず、SCPスロットを1000番毎に纏めたシリーズの方向性や重要設定の詳細を決定づける非常に重要視されている存在でもある。
本部と支部を問わず毎年複数のコンテストが行われており、特にX000番のキリ番コンテストはサイト内外で大きく話題になると共に、王者の座に輝くことを目指して多くの、そして読み応えのあるオブジェクトが生まれ鎬を削り合う大会になる。
コンテストの対象はSCiPの記事だけではない。TaleやGoI フォーマットはもちろん、新期的な
要注意団体や
カノンハブを生み出すことを競うコンテストが存在する。
歴史
ENにおいては「世界の歴史:Part3」と「コンテストアーカイブ国際版」によると、2010年に複数回行われたTaleコンテストの「グレート・ショート・ストーリー・コンテスト」のうち、1月28日に始まった「SCPocalypse」が最初のコンテストだと思われる。"
SCP-173のRevised Entry"をはじめとする22作が投稿され、最多Voteを得た一位は
Doctor Gearsの"
マリアナ海溝から回収された文書"に与えられた。
当時のコンテストはまだフォーマットも何もあったものではなく、コンテストハブページは用意されていないためコンテストの詳細を知ることは難しいが、コミュニティに新たな概念を生み出し、Taleの執筆に熱狂を与えたと残されている。
SCP部門での最初のコンテストは「Contest for 1000」、つまり
SCP-1000コンテストである。
SCP Foundationが生まれて以来、オブジェクトが割り振られる正規ナンバーはSCP-001からSCP-999までであり、3桁の範囲内に留まっていた。しかし、サイトが賑わいを見せる内にスロットが埋まっていき、低評価記事を削除するだけでは足りなくなったために解放されたのがシリーズⅡのSCP-1000からSCP-1999である。その内、誰もが欲しがった栄えある"SCP-1000"のキリ番を争奪するために行われたのがこのSCP-1000コンテストなのだ。
しかし、このコンテストもハブページではなくフォーラムスレッド上で行われたため、2022年にサイトスタッフがハブページを作成するまで情報を追うのが困難であった。とはいえ、コンテストのテーマが定められていたことと、コンテスト終了時点で+Voteの記事は新しく解放されたナンバーから好きなものを選ぶことができる、という参加賞の試みはこの頃から既に始まっていたことがわかる。
それから2年後、シリーズⅢの解放に先駆けて行われた「
SCP-2000「サイエンス・フィクション」コンテスト」ではルールと運営体制が見直され、現在のコンテストの形が出来上がった。
SCP-2000コンの前後から毎年複数回コンテストが行われるようになり、14年の「要注意団体コンテスト」といった背景設定を練る企画や16年の「Dクラスコンテスト」などテーマ毎に面白い記事を執筆するコンテストが開かれ、
蛇の手や
SCP-2439といった広く知られている作品も多く生まれていった。
現在は1〜2年に一度のキリ番コンテストに加えて様々な規模のイベントが1年に数回行われている。目立つものとしては一定文字数以内で記事を作成するn字コンテストは特に多く行われている。
また、EN発祥のコンテストとして「ジャムコンテスト」というものがある。これは24時間ごとに発表されるテーマに沿ったオブジェクトを、次のテーマが発表される前に作り出して投稿し、複数のテーマで得られた合計Voteを競うというもの。日本支部においても輸入され何度か開催されている。
JPにおいて最初のコンテストはズバリ2014年7月1日、SCP財団日本支部設立一周年を記念して開催された「
SCP-173-JPコンテスト「それはアートから始まった」」である。
日本生まれの芸術作品から始まった、SCPの顔とも言える偉大なオブジェクトと数字を同じくするSCP-173-JPはキリ番と同じく重要なナンバーであり、一周年記念に相応わしいコンテストとなった。
EN本部とは違いTaleコンテストはSCPコンテストよりも後の開催になったが、2015年2月10日の「“無名”職員は語る」をはじめとしていくつかのテーマでコンテストが行われている。
JPでは周年コンテストに力を入れたイベント開催を行っているが、明確に周年記念でSCP部門のコンテストを開催したのは「4年目の死のコンテスト'17 La Danse Macabre」からとなる。
それまではフォトコンテスト、要注意団体コンテスト、イラストコンテストが周年記念で開催されていた。
現在ではJP公式コンテストは最低3回開催され、それぞれ 「春の重賞」「夏の重賞」「秋(冬)の重賞」として大規模コンテストが開催される。財団日本支部の誕生は2013年7月8日であるため、夏の重賞が毎年周年コンテストとして開催されることになる。
他の重賞については多様なテーマで開催されているが、定番のテーマは隔年で開催され新人執筆者を応援する「ベンチャーコンテスト」、ボツや削除されたアイデアにもう一度日の光を当てる「リサイクルコンテスト」などが存在する。
また、冬の重賞は開催時期がエイプリルフールと重なることもある。その場合は4月1日限りのキャンペーンとして、コンテストテーマがその年のエイプリルフールテーマと混ざり合ったジャムコンテストが開催されることも。2021年AF-JP「SCP財産」と「素手喧嘩コンテスト」が合体した結果の「適正価格」コンテストや2024年AF-JP「SCP幕府」と「ジョン・ドゥコンテスト」が混ざり合った「ショウ・グンコンテスト」など。大体ダジャレである
主要なコンテスト紹介
ここからは過去に行われたコンテストの一部を紹介する。
順位は全て掲載するとキリがないので、各部門1位や受賞作と当Wikiで項目が存在するものの一部を紹介させていただく。
本部
1000争奪コンテスト
コンテストテーマ:"伝承/都市伝説"
順位:
1位:
SCP-1000 - ビッグフット by thedeadlymoose
一つの芸術作品に恐ろしげな伝承や都市伝説を与えるところから始まったSCP Foundation。その最初のコンテストテーマは執筆者にとって馴染み深く、それ故に評価されるオブジェクトを生み出すのは難しい戦いとなった。
最終的な勝者となったのは、多くの人が知る都市伝説を元に深みのあるバックストーリーと簡潔に示されたホラーを併せ持った"ビッグフット"。後に夜闇の子らという設定とそれに関連する物語が生まれ、SCP Foundationにおける重要な伝承の一つとして語り続けられることになる。
まだコミュニティの規模が小さかった上に、コンテスト終了直前に多数の作品が削除されたため、現存する参加作品は14個、優勝作に与えられた投票終了時点のVoteは+46という小規模なコンテストであった。
しかし、このコンテストの存在がサイトを超えて10年以上にわたるキリ番への憧れと、新シリーズに一歩を踏み出す期待感を生み出す源泉となったことには間違いない。
なお、優勝作の作者であるthedeadlymoose氏は改稿を除く新規作成したオブジェクトとして初めての作品がSCP-1000となった。
SCP-1000をはじめとするオブジェクトや設定が根底となり、SCP Foundationという伝承はここから広がりを見せていくことになる。
SCP-2000「サイエンス・フィクション」コンテスト
ロボット、光線銃、UFO、サイエンス・フィクションを偉大たらしめる全てを持ち寄りましょう!外宇宙からの侵略者、体に住む目に見えぬほど小さき者達…。宇宙船、平行次元、遠方の惑星、マッドサイエンスな発明品、サイバーパンク…サイエンスフィクションなあらゆるテーマが該当するでしょう。
コンテストテーマ:"サイエンス・フィクション"
SFというSCP-1000とはまた別の馴染みあるテーマでありながら、SCP-1000とは違い自由で広がりのあるテーマで繰り広げられたSCP-2000コンテスト。
前述通りこのコンテストからコンテストハブが作成されて明確にルールが定まっており、同時にエントリーできる作品は1つまでというルールや、コンテスト終了後の大幅な改稿が禁止されるルールなどが追加された。
また、コンテストの参加賞として新シリーズの番号をいち早く手に入れられるという栄誉がコミュニティに浸透し始めたのもこの頃からであり、X001番やX999番といったキリ番に準ずるスロットの争奪戦もこの頃から始まっている。
SFのテーマに恥じず、"異常放送、2485MHz"や"テレフォース"といった多くの異常なテクノロジーがテーマのオブジェクトが投稿されるだけではなく、"レプティリアン・ミーム"に"クロネコとシロウサギ"などのすこしふしぎ感もあるファンタジーなオブジェクトが生まれたSCP-2000コンテスト。その勝利とナンバーは破壊された世界を復元するというインパクトある設定を持ちながら万能ではない上に現在故障中という物語性と謎に満ちた"機械仕掛けの神"に与えられた。
Thaumielの存在を大きく広めることになったこのオブジェクトは多くのユーザーのカノンに組み込まれるほどの絶大な知名度を誇り、シリーズⅢにSF系統のオブジェクトが多数生まれるキッカケになった。財団の明日はどっちだ案件も増えた
短編コンテスト'15
いつの日か、私は正しい言葉を見つけ、そしてそれらはシンプルなものであろう。 - ジャック・ケルアック
テーマ:500単語以内かつメインリストのSCP
順位:
1位:
SCP-2521 - ●●|●●●●●|●●|● by LurkD
17位:
SCP-2690 - 天使の舌 by kinchtheknifeblade
37位:
SCP-2642 - “ゾウ一頭の顔半分” by EldritchCadence
ENでは最初かつ唯一の文字数が指定されたコンテスト。本文だけではなくアイテム番号やオブジェクトクラス、画像キャプションも含めて単語数が500単語以内に収めるという趣旨のコンテストである。更にSCP-173の報告書は237語で作成されていることにあやかって、237語未満に抑えることができた記事はボーナスとして締切時点でのVoteに+10点が加算されるというルールもあった。
開催当時は参加作のナンバーを見てもわかるように長編で難解なオブジェクトが多く投稿された時期ということもあって、ボーナスを狙いつつ評価される記事を書くという難易度が比較的高めな戦いとなっている。
一方で約60という多数のエントリーがあった文字数コンテストが何故2015年以来一度も復活していないのか?……その答えは2位にダブルスコアをつけて優勝したSCP-2521の文字数が0語という非常に秀逸かつ特異な記事だったからだと思われる。
作者は「この記事は+10ボーナスの対象外だと思う(意訳)」としながらも、あの手この手で文字数を削減していた他オブジェクト達を「文字で表現不可能」という異常性一点で蹴散らして1位を勝ち取ったことで、ディスカッションでは「これは"記事を書いた"と言えるのか?」「"フォーマットスクリューや隠し文字を使用して最大文字数を越えようとしてはいけない"というルールに反するのでは?」といった物議を醸すことにもなった。
しかしこれ以上ないほどの奇想天外な発想から生まれた記事であることは確かであるため、コンテスト開催者からの承認も得てENでの文字数コンテスト唯一の優勝作品という栄光を手にし続けている。
SCP-3000コンテスト
名状し難きホラーに遭わずして、3000の収容オブジェクトを得ることなし
コンテストテーマ:"ホラー"
順位:
1位:
SCP-3000 - アナンタチェーシャ by djkaktus, A Random Day, JorethJoreth
2位:
SCP-3001 - レッド・リアリティ by OZ Ouroboros
3位:
SCP-3333 - 塔 by Jekeled
4位:
SCP-3002 - 思考抹殺計画 by MayD
17位:
SCP-3017 - 要注意人物 by WaterfireWaterfire
18位:
SCP-3998 - ウィッカー・ウィッチは生きている by Fantem
3度目となるキリ番コンテストのテーマはホラー。過去開催のテーマと同じく、SCP Foundationの出発点とは切っても切り離せない非常に大切なテーマだったこともあり、コンテスト終了時点で42個ものオブジェクトがエントリーした。
盛り上がりを見せたこのコンテストは参加者が多かったこともあり、参加賞の番号権は上位5位までの執筆者が順番に番号を選んでから、残りのナンバーを先着順で確保するというルールに調整された。
「
悪趣味なホラー作家」たちがこぞって秀逸なホラーを極め競ったこのコンテスト。化け物に襲われる恐怖、世界が終わる恐怖、意味不明で何もわからない恐怖といった様々な恐怖が集まる中飛び抜けて評価されたのが、全てを忘れてしまう恐怖の"アナンタチェーシャ"と、絶望の中に溶けていく恐怖の"レッド・リアリティ"だった。
それぞれ
記憶処理薬と
スクラントン現実錨という重要設定に関わる作品だったこともあって両者共に非常にハイレベルな作品に仕上がっており、最終Voteは+318 vs +305という僅差で"アナンタチェーシャ"の勝利となった。
これらの作品に影響されてか、後のキリ番コンテストではそれまで詳細が定められていなかった設定を深掘りし描くオブジェクトが投稿されるようにもなった。
他にも多くある秀逸なエントリー作品の存在が、シリーズⅣの重厚長大なオブジェクトの誕生を後押しすることになる。
余談だが、このコンテストに関連して投稿されたオブジェクトに
SCP-3000-EX - 改造された医療用ベッド が存在する。EXナンバーから察することができるように非異常性のオブジェクトであり、「恐怖というものが異常を必要とせずとも存在できる」事実に敬意を示して生み出された作品だ。興味を持った方はこちらも参照されたし。
SCP-4000コンテスト
私たちのwikiは誕生から約10年の時を過ごしました。しかし財団やGOI、アノマリー、世界はそれよりもずっと遥かに長い時を過ごしています。20年前はどのような姿だったのでしょうか? 200年前は? 2,000年前は? 20,000年前は? 私たちは皆さんがそれを語ってくださるのを楽しみにしています。
コンテストテーマ:"歴史"
6位:
SCP-4500 - ソクラテス式収容プロトコル by MathBrush
22位:
SCP-4002: - 黒き月は烏兎の果てより吼ゆる by Modern_Erasmus
コンテスト開催時点でSCP Foundationが生まれて10年という記念すべき年に開催されたコンテストのテーマは歴史。
現存する作品数は68と3000コンテストを大きく超える数字にのぼる。3000コンテストから1年強程度しか間が開いていないこともあってか、2024年現在も翻訳が追いついていないほど壮大な作品が多く投稿され、様々な歴史が描かれた。
「財団の歴史」は
SCP-001でよく取り扱われるテーマ。この歴史コンテストにおいても栄冠は"マン博士の提言"と"ブライトの提言"の2つの提言をヘッドカノンに財団の歴史を描いた"禁忌"が勝ち取った。
キリ番はオブジェクトとTaleの二枚看板を備える大型記事が勝ち取ったものの、"私たちを見守るもの"など簡潔なオブジェクトもランクインした影響を受けてか、シリーズVはシンプルなオブジェクトへと原点回帰した風潮になっている。
SCP-5000コンテスト
そもそもとして、SCP Wikiは10年以上前に/x/板で投稿されたSCP-173が提示した謎や問いかけについて説明を重ね、時にはそれを解こうとしてきました。財団とは何か? SCPオブジェクトとは何物で、どこからやって来るのか? 「HMCL主任代理」とは一体何なのか? 物語は広がりを見せ、謎はより複雑になる一方です。という訳でSCP-5000のために、皆さんにはもっと多くの謎を提示していただきます。ひょっとすると謎を解くこともあるでしょう。それは皆さん次第です。
コンテストテーマ:"謎"
財団という謎多き世界観を持つコミュニティに更なる謎を生まれさせるべく、SCP-5000のコンテストテーマは「謎」に決定された。
基本的にキリ番コンテストの投稿期間はこれまで1ヶ月ほど設けられていたが、今回は1週間という非常に短い期間設定で行われた。にも関わらず68という大量のオブジェクトがエントリーしており、翻訳もアニヲタ支部の解説も間に合っていないほどである。
今回の参加賞である番号権はエントリー時に希望する番号を5つ提出するというルールで行われた。優勝作はこのルールすらもオブジェクトの謎を解く鍵になっている。
謎が謎を呼ぶというには生易しいオブジェクトがひしめく今回の優勝作は、300Voteという2位のスコアに対し596Voteとダブルスコアを叩きつけた"どうして?"が勝ち取った。
財団が人類に牙を向く衝撃的な設定はサイトの垣根を超えて広まり考察されただけに留まらず、SCP-CN-2000を皮切りに多くの後発オブジェクトに影響を与えた。
英語版コンテストハブではコンテスト終了後に統計・トリビアという補足が追記されている。
ディスカッションページのコメント数やクエスチョンマークの数といった様々なテーマ別のランキングや統計が残されている。興味あれば覗いてみると面白いだろう。
SCP-6000コンテスト
自然!地球上に棲む生物の基本たる動植物から、より大きな構成要素たる生態系、絶滅、大気圏まで。このサイトには自然界について言及していたり、或いは影響を受けていたりする記事が豊富に存在します。それ以上に、基礎に立ち返ってみれば、SCPをSCP足らしめているのは自然法則に反していることではないでしょうか?このテーマで出来ることは様々あるでしょうが、みなさんがどのような作品を書かれるのか、楽しみにしています。
コンテストテーマ:"自然"
順位:
1位:
SCP-6000 - 蛇、箆鹿、放浪者の図書館 by Rounderhouse
2位:
SCP-6666 - 魔性のヘクトールと恐怖のティターニア by djkaktus
3位:
SCP-6140 - 真の帝国 by stormbreath
6度目のキリ番コンテストのテーマは自然。
ただし、このテーマの訳語には"Nature"という単語にあるもう一つの意味、『本質』が抜けている。エントリー作品には単に自然に関係するだけでなく、何かの本質を描いた作品も見られる。
SCP-5000コンテストと同じく1週間の投稿期間であったが、蓋を開けてみれば上位3作品が
蛇の手、
夜闇の子、
ダエーバイト文明の根幹に関わる大型作品の大乱戦となり、特に1位争いは熾烈なものになった。
最終的にはRounderhouse氏が運営する兄弟サイト「放浪者の図書館」と同名の設定をもつ蛇の手を元に描いた"蛇、箆鹿、放浪者の図書館"が僅差で勝利を手にした。
SCP-7000コンテスト
辞書では、運を「幸や不幸をもたらす力」と定義しています。このサイトには、素晴らしい記事、コンテンツ、深い友情、これらの10年以上に渡る幸運があります! 機会と運命のどちらだとしても、あなたをSCP財団に迎えることが出来たのは幸運であることは知っておいて下さい。人生は既に機会と危険に満ちているので、7000コンテストで運試しをしていきませんか?
コンテストテーマ:"運"
11位:
SCP-7726 - さようなら、いままで魚をありがとう by Uncle Nicolini
ラッキーセブンなSCP-7000コンテストのテーマは運。
この回よりコンテストハブページにカスタムテーマが適用されており、リッチなデザインで記念すべきコンテストを彩るようになった。
また、SCP-5000コンテストと同じく統計・トリビア項目が追記されている。この項目では最幸運賞などの独自賞が贈られている。もちろん最幸運賞の選考対象は最も幸運なオブジェクトに与えられるよう、無作為に選出された。
とうとう100エントリー数を超えたキリ番コンテストにて優勝した"負け犬"は、シリアスな作品が多かったこれまでのキリ番オブジェクトと違いギャグテイストな作品であると同時に、カノンハブに属するはじめてのキリ番オブジェクト。キリ番としては異例尽くしの優勝作である。
SCP-8000コンテスト
我々と同じように多様な歴史を持つサイトですが、驚くべきことに今までこのテーマでコンテストを開催したことは一度もありませんでした。それは何度も何度もリクエストされ、そして長きにわたり却下されてきたため、数々の著者たちはこのテーマが選ばれるのは夢のまた夢であり、100年経とうと実現することはないのだと思ってきました。さぁ、目覚めの刻です、これは幻などではありません。SCP-8000コンテストのテーマは 幻想 です!
コンテストテーマ:"幻想"
順位:
1位:
SCP-8000 - 雨のち、アザラシ by PlaguePJP
2位:
SCP-8999 - トロールに餌やり by walksoldi
8度目のキリ番コンテストのテーマは「幻想」。SCP-3000-JPコンテストと同一テーマであり、EN-JP間で大型コンテストのテーマ被りが起こった最初の事例。
近年キリ番コンテストの開催間隔が1年〜1年半と非常に短くなってきている影響もあり、この記事が作成された時点ではまだアニヲタwikiではSCP-8000の解説記事は作成されていない。
優勝作はこれまたカノンハブに属するオブジェクトである。
JP支部
SCP-173-JPコンテスト「それはアートから始まった」
コンテストテーマ:『何らかの芸術作品を写した画像』をメインに用いたSCP報告書
財団日本支部一周年記念で開催されたSCP-JPでは初となるコンテスト。偉大なる先人SCP-173の成り立ちに倣って、芸術を写す画像を必ず含むというレギュレーションで開催された。
特筆すべき点として、コンテスト開催者側から5つの芸術作品を写した画像が提供されていた。この画像を使って報告書を書いてもよいが、他オブジェクトと画像が重複した場合順位が高い方が優先的に使用できるルールとなる。
優勝した『"恐竜" - イミテーション』もそのうちの一つだったが、後年に提供された画像の権利関係を見直したところ、SCP-173-JPに使われていた画像を含む3つの画像がライセンス違反で削除されてしまっている。SCP-173-JPは奇しくもSCP-173と同じく画像が差し止めされた報告書となってしまった。
SCP-1000-JPコンテスト
コンテストテーマ:"日本"
財団日本支部の3周年に開催されたSCP-1000-JPコンテスト。それはEN本部を除く全世界の支部サイトにおいて初めて行われたキリ番コンテストという、栄誉ある戦いでもあった。
コンテストテーマはそのものズバリ「日本」。他のコンテストにはない独特のテーマながら多種多様な解釈ができることから、神道やアニミズムをモチーフとしたもの、第二次世界大戦を持ち出すもの、日本支部の成り立ちに関わるもの、滋賀県をブッ飛ばしたものなどそれぞれの日本観を元に熾烈な戦いが繰り広げられた。
結果的に、当時日本を感動させた
探査機「はやぶさ」を主軸に構えながら「擬人化」「同調圧力」「迂遠で回りくどい」といった良くも悪くも日本らしい要素をふんだんに詰め込んだ"特別回収任務"が優勝の座に輝いた。非常に密接な関係を持つTaleが2つあるというコンテスト当時にはあまり見られない複雑難解な大型記事が大きくヒットしたことで、シリーズⅡ-JPはENとはまた別の長大化・複雑化路線に広がりを見せていくことになる。
なお、旧SCP-1686-JPもコンテスト参加作品だったが、執筆者が元記事を削除したため順位から除外されている。以降のコンテストもアニヲタWikiに項目が存在するが元記事削除済みの項目は欠格として表示する。
4年目の死のコンテスト'17 La Danse Macabre
コンテストテーマ:"死"
Tale部門
1位:[データ削除済]への追悼 by Dr_Knotty
4周年目から始まった周年記念の大型コンテスト。第一回のテーマは「死」となった。
SCP部門のみならず同テーマでTale部門も開催されているのが大きな特徴であり、今回は5作品が投稿されている。優勝作は死と記憶処理と[削除済]に溢れる財団の日常を描いた物語。
1000-JPコンにおいて、Voteのみで順位を競う手法は「早期投稿されたものほど目について評価されやすい」「雑にVoteするユーザーがいると一票の価値が軽くなってしまう」という意見が出たこともあってか、決選投票フェーズが追加された。
これは一定以上(今回は+44以上)のVoteを獲得している作品は優勝条件を満たしたと看做され、もし該当作品が1つであれば即座にその作品が優勝、複数ある場合は決選投票フェーズに移行する。そこではコンテストテーマの最優秀作に相応わしいかどうかを決定する決選投票を行い、記事のVoteとの合計値で優勝作品が決定されるというJP独自のルール。
ちなみに誰も優勝条件を満たせなければ優勝者なしがあり得るルールでもある。まさに死の死
という新たなルールのもと素晴らしい作品たちが戦いを繰り広げ、決選投票に勝ち進んだ作品はJokeにExplainedに001提言枠に特殊/物語風クラスにとハイレベルな戦いを見せたこのコンテスト。しかし、上記の通り現在1位の座が空位となっている。
これはこのコンテストより2年後の2019年2月に優勝作品だったSCP-1682-JPの執筆者が引退に伴い、全ての作品を削除したことによる。これを受けて主催の判断により当時2位の"solvexの提言"が順位繰り上げとなるも、当人としても望まない優勝を固辞する形で辞退し、優勝が空位というイレギュラーな結果となった。
この影響を受けて、2019年以降のコンテストでは後述する辞退禁止事項がルールに追加されることになる。
ベンチャーコンテスト2018
参加条件:著作ページの作成条件を満たしていない
もしくはSCP部門/Tale部門でそれぞれRateが+1以上の作品を持っていない著者は該当部門
順位:
SCP部門
最優秀新人賞:
SCP-1210-JP-J - キメラれねぇ by bamboon
優秀新人賞:SCP-1654-JP - 全米が泣いたし俺も泣いた by Hasuma_S
優秀新人賞:SCP-1414-JP - 希望 by highbriku
まだ財団で作成した記事が少ない新人執筆者たちのために行われる新人執筆者コンテスト、その第二弾。日本支部が大きく盛り上がりを見せ成長している時期の開催ということもあってか、50作品以上ものエントリーがあった。
いきなり第二弾からの紹介だが、今後のコンテストに影響を与えた特筆すべき出来事があったためここで紹介する。ちなみに第一回の優勝作品は名に恥じぬダークホースっぷりで優勝をかっさらった
SCP-973-JP - エターナル・ダークホース。
というのも、Joke記事であるSCP-1210-JP-Jが投稿期間開始直後から首位を独走し、圧倒的なVoteを得て優勝に輝いたことが良くも悪くも話題となったことにある。
勿論、評価されるJoke記事を書くということはかなりのハードルがある上に新人執筆者ともなると想像を絶する難易度であることには間違いない。このコンテストでは他にJoke記事が1つ、001提言枠が2つエントリーしているが、それらとも競った上で高評価を叩き出したSCP-1210-JP-Jが優秀であることに異論を挟む余地はない。
しかしクラシックなオブジェクトも相応に評価されるコンテスト作りも開催者には求められることになった。
ちなみにTale部門では、一つのオブジェクトから派生したTale二つがどちらも優秀新人賞を獲得するという、ちょっと珍しい光景が見られた。一方の最優秀新人賞は、他者の記憶に作用する水生オブジェクトという共通点を持つ2つのSCiPの対比を描いた作品が勝利を手にした。
5周年目の悪のコンテスト
The worst is not, So long as we can say, ‘This is the worst.’.
これが最悪などと嘯けるようならば、それは真の最悪ではない。
コンテストテーマ:"悪(Villain, Vice, Evil)"
順位:
SCP部門
極惡非道賞:
SCP-1970-JP -
13 by Fennecist
襲弊賞:SCP-1573-JP - 最愛の事故物件と無辜なる人々 by locker
11位:
SCP-1881-JP - ※個人の感想であり、効果・効能を保証するものではありません。 by Utsuki_K
死のコンテストに続いた5年目のテーマは「悪」。テーマに恥じず様々な悪を詰め込んだ悪趣味なホラー作家達が腕を奮ってコンテストに挑んだ。
このコンテストの注目点として、漢字が難しすぎる特別な名前の賞が設立されるようになったことが挙げられる。これは前述のベンチャーコンテスト2018において"非クラシック"なオブジェクトが話題を呼んだことへの対応策となる。
今回は「極悪賞」「襲弊賞」「非道賞」の3つが設けられ、それぞれ
極悪賞:全作品の中で最高得点のSCiPに与えられる
他の賞と連結する
襲弊賞:クラシック作品で最高得点のSCiPに与えられる
クラシック作品と全オブジェクトの両方で最高得点を獲得した場合、極悪賞と連結して「黝堊丹漆賞」となる
非道賞:非クラシック作品で最高得点のSCiPに与えられる
非クラシック作品と全オブジェクトの両方で最高得点を獲得した場合、極悪賞と連結して「極惡非道賞」となる
という内容になっている。そしてクラシック作品とは以下のものとなる。
- 001提言枠・Explained・Jokeではない
- メタ要素やフォーマットスクリュー要素を含まない
- オブジェクトクラスがSafe, Euclid, Keterのいずれか
決選投票フェーズも続投しており、より洗練されたルールによって多面的な観点から素晴らしい作品を表彰することができるようになった。
様々な人物が悪役となり凶悪な物語が紡がれたこのコンテストで最も得点を集めた、人類の保護の為に悪の手段を選んだ財団を描く"13"に極惡非道賞が贈られた。
ちなみに決選投票フェーズに進んだSCiPの内、クラシック:非クラシックの割合は9:4とクラシックが多い結果となった。
また、GoIフォーマット部門もこのコンテストから追加された。残念ながらTale部門共々かっこいい名前の賞は用意されていない。
Tale部門の優勝作は終わらない英雄譚のモブ視点を描いたもの。ある場所に思いもよらないメッセージが秘められているギミックもあるので探してみよう。
GoI部門はハーマン・フラーの不思議サーカスと田中先生を絡ませた悪辣な作品が優勝した。
余談だが、コンテストハブのページが白を基調としたシンプルで悪らしからぬ様相なのには、「悪→惡→堊→白堊→白亜→白」という連想ゲームから来ているという理由があるとのこと。
無のコンテスト19
はなやかなものはことごとく消え失せた
この季節のたそがれ 彼方に漁夫の草屋は傾き
心は非在の境にいざなはれる
美とは虚無のまたの名であつたらうか
コンテストテーマ:"無"
順位:
SCP部門
虚無賞:
SCP-1645-JP - 祝・██町交通死亡ゼロ記録9999日達成 by aobasity17852
Tale部門
1位:角宇野記録官のどこにもない昨日 by Dr_Knotty
GoIフォーマット部門
1位:第〇九一四番 by shirasutaro-
3度目となる日本支部周年コンテスト。そのテーマは"無"であり、この漢字が持つあらゆる無がコンテストの対象となった。
上記の画像は設定のミスではなく、そういう画像である。
死のコンテストの項で述べた優勝返上問題を受けて対応が執られたのもこのコンテストの時期である。
このコンテスト以降、優勝賞などの受賞を辞退すると永久欠格処分となり、コンテストに参加できなくなってしまう。また、受賞者がもし辞退や記事を削除した場合は次点の記事が繰り上げ受賞となり、これも辞退した場合は同様に永久欠格処分となるようになった。
コンテストへのバンダリズム(破壊)を防ぐため少々キツいようなルールが定められたが、2度とコンテストが混乱することのないように定められたルールでもある。
また前回の特別な名前のついた賞の制度も続投している。
今回は最高得点への「虚賞」、クラシック作品最高得点への「無賞」、非クラシック作品最高得点への「空賞」が用意され、それぞれ合体して「虚無賞」「空虚賞」が贈られる。
肝心のコンテストの中身だが、Tale形式も含めて5つの001提言枠が投稿されたのが目を引く。その内オブジェクトの無力化に伴う破壊的事象を収容すべく財団やGOCごと隔離を行う様を描いたOkaka_Onigiriの提言Ⅱ "隔絶"が空賞に輝いた。
そしてより得点を手にし虚無賞を手にした"祝・██町交通死亡ゼロ記録9999日達成"は「何も無い」が台無しになる町の異常さとじっとりとした不快感を描いたオブジェクトである。
Tale部門の"角宇野記録官のどこにもない昨日"は角宇野記録官という業務上記憶処理を頻繁に受ける職員の日常を綴ったお話。三好達治の詩と共に語られる、何も覚えて無いという無情感に満ちた物語。
GoI部門の"第〇九一四番"は蒐集院が収容していた座敷童を蒐集院のフォーマットで描写した作品。どうやら収容が財団に移ってから異常性に変化が見られたようだが……?
SCP-2000-JPコンテスト
πάντα χωρεῖ καὶ οὐδὲν μένει.
あらゆるものは去り、何物も留まらない。
- Πλάτων『Κρατύλος』
コンテストテーマ:"変遷"
平成から令和へ、時代が変遷した2019-2020年を跨いだ年の瀬、財団日本支部にて行われた記念すべき2度目となるキリ番コンテスト。そのテーマはコンテストに対するユーザーの意識調査から得られた単語を元に、闇から光へ、伝統から変革へ、過去から未来へと流れる大いなる「変遷」に決まった。
コンテストの形式は低評価削除なしという今回限りの特別ルールが定められたほかは 、投稿期間1ヶ月・投票期間2週間・決戦投票フェーズ無し・クラシック/非クラシックの区別無しというEN本部と同じ伝統墨守な様相で行われた。
そのため、決選投票フェーズが設立された経緯であるところの「開始直後に投稿された作品が評価されやすい」という多くのユーザーの認識通り、先行逃げ切りが決まるかと思われていた。2位の「何故、異常性を持つ職員が財団に勤務しているのか?」という問いにこたえた"アノマリー・ハラスメント"や3位のSCP Foundationコミュニティに対する愛に溢れた"灯"はその筆頭である。
しかし、投稿期間最終日に全体の半数を超えるエントリーが雪崩れ込む。その中の一つである"伝書使"は明るい未来への時代の変遷を描くと共に、SCP-2000コンテストとSCP-3000コンテストにエントリーした作品とクロスリンクし、このナンバーでなければならない理由をもって最終日に現れた。その後投票期間でVoteをぐんぐん伸ばし、決着時点で2位と1.5倍のVote差をつけて優勝を勝ち取ったのである。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
嘘のコンテスト2020
コンテストテーマ:"嘘"
Tale部門
空言乱惑賞:
原点 by nemo111
造言賞:攀縁 by Pear_QU
妄言賞:妖怪 by Mitan
GoIフォーマット部門
GoIフォーマット部門
讒訴誣告賞:生き物プロフィール: ブルンゴ! by WagnasCousin
詭詐賞:闇寿司ファイルNo.303 "ジーコ" by indonootoko
騙詐賞:生き物プロフィール: ファッキンクソダック! by ykamikura
七周年記念となるこのコンテストのテーマは「嘘」。七周年要素は……?と思ったあなたは嘘という漢字をよ〜く見つめてみよう。
このコンテストでは複数エントリーが可能になったり、他言語版のエントリーもできるようになるといった幾つかのルール変更が見られた。
その中でも目立つのが上記の順位でもよくわかるように、Tale部門/GoI部門にも漢字が読めない賞が与えられるようになったことと、銅賞に値する次点賞が増えたことだろう。
今回贈られる賞は以下。
SCP部門
- クラシック:偽証賞→空想虚構賞
- 非クラシック:偽筆賞→舞文曲筆賞
- 最高得点:虚偽賞
- 次点:偽装賞
Tale部門
- クラシック:造言賞→巧言令色賞
- 非クラシック:虚言賞→空言乱惑賞
- 最高得点:戯言賞
- 次点:妄言賞
GoIフォーマット部門
- クラシック:詭詐賞→排斥擠陥賞
- 非クラシック:巧詐賞→讒訴誣告賞
- 最高得点:詐欺賞
- 次点:騙詐賞
なんて?
それぞれ上から順に「クラシック記事」「非クラシック記事」「最高得点に贈られ合体する賞」「前3つを受賞していない作品のうち最高得点」となる。
次点賞の設立は順位が「1位クラシック、2位クラシック、3位非クラシック」となった場合、1位と3位に賞が贈られ2位には何もないという不自然さを埋め合わせるために行われたものだと思われる。
クラシック/非クラシックの基準も改めて定められ、SCP部門ではアノマリー分類システム等はクラシックに分類されるようになった。Tale部門では新聞・報告書といったフォーマット形式か小説形式か、GoI部門ではJP発祥の要注意団体か否かで分類されることになった。
かくして行われた嘘のコンテスト。結果を見てみると優勝争いをしていた2作品がコンテスト終了時点で同点となり、かつ一方がクラシック作品でもう一方が非クラシック作品であったため、両者に虚偽賞が贈られ同点優勝という幕引きとなった。
特にクラシック作品優勝のSCP-2616-JPの筆者は
CN支部からの刺客であり、同時に4位となったSCP-CN-1616-JをCNに投稿しつつ翻訳してコンテストにエントリーするという超人っぷりを発揮している。
Tale部門では"アベル"の原点を文字通り描いた"原点"が優勝した。彼の過去と存在事由に含まれているかもしれない嘘を意外な観点から切り込んだ作品だ。
GoI部門は金賞と銅賞に
ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズによるフォーマットがランクイン。財団(WWSからは監督者と呼ばれている)とWWSが協力して管理している動物系アノマリーの記録の1つであり、好奇心のまま行動する人間へ突きつけられる嘘を優勝作の"ブルンゴ"は描いている。
嘘というものがなければ、人間は絶望と退屈で死んでしまうであろう。
夜のコンテスト2021
コンテストテーマ:"夜"
順位:
SCP部門/闇夜部門
金賞:SCP-2332-JP - あさなしさまきたる by Fennecist
銀賞:SCP-2644-JP - 逝く前にもう一度会いたかった by Tsukiyomizuku
銅賞:
SCP-2931-JP - あの子だけのおともだち by Mitan
Tale部門/月夜部門
金賞:蛍池のほとりにて by mojamoja
銀賞:該当なし
銅賞:順縁 by Pear_QU
GoIフォーマット部門/夕闇部門
金賞:
鼓動の時計 by Dr_Knotty
銀賞:ワイ、創作美少女界の最高峰に挑む by indonootoko
銅賞:GoGoGo!And Go's On! by hey_kounoike
死・悪・無・嘘と物騒なコンテストテーマが続いた財団日本支部周年記念も5度目。テーマは「夜」という今までとは違い平穏な方向性にも解釈できるものに決まった。
今回は賞に特別な名前が定められておらず金銀銅で統一されている代わりに、部門名に夜を元にした名前が決められている。
また、財団日本支部で開催されるイベント全体の動きとしては重賞制度が定められたのもこの年からである。
昨今の日本支部の執筆レベルの上昇に伴い、決選投票フェーズに進出する作品が非常に多くなっていることへの対応も行われた。昨年の嘘のコンテストではSCP部門で21作品が決選投票フェーズに進出するなどもあって、今回のコンテストではVoteが+50以上の上位8作品のみが決選投票フェーズに進出できるルールに変更されている。
清少納言も言う通り開催時期の夏は夜が輝く季節ではあるが、夏の夜といえば怪談が一際恐ろしさを増す時期でもある。同時期にPear_UQ氏の個人コンテスト『「梨雪」怪談文学賞』が開催されていたこともあってか、ホラーテイストを多分に含むオブジェクトやTaleが多数投稿された。
SCP部門優勝の"あさなしさまきたる"も夜更かしする子供たちを無理やり眠らせる怪異と戦う財団の顛末が収められている。収容のために行われた"ゴーストリータイム・プロトコル"は特に必見。
Tale部門は決選投票フェーズに上がった作品全てが小説形式だったため銀賞が存在しない。金賞の"蛍池のほとりにて"は一年に一度、真夏の夜に幽霊が現れ蛍を眺めるという異常性を持つ池で、異常性維持のために蛍の保護に取り組んだ研究員と新人の対話を綴った作品。美しき蛍と共に描かれる研究員の胸の内をぜひ読み取っていただきたい。
GoI部門金賞の"鼓動の時計"は
黒の女王に属するもので、多元宇宙で観測される一つの異常存在を複数人の黒の女王が会話しながらカタログに編纂していくというフォーマットである。この作品では
SCP-001-JP "飯落の提言" - 時刻にかかわることになった4人の黒の女王が極夜をもたらす時計に触れ、振り回され、記録を残すことになる。黒の女王という特異なフォーマットを巧みに利用して組み込まれた秀逸な展開を見せ堂々の金賞を手にした。
Qのコンテスト2022
コンテストテーマ:"Q"を主軸にした単語
順位:
SCP部門
金賞:SCP-1790-JP - 事故再発防止講習士クエスチョナー・モープ by KABOOM1103
銀賞:SCP-2478-JP - シュレディンガーの猫のパーフェクト量子力学教室 by Okaka_Onigiri, solvex
銅賞:SCP-1376-JP - ストレンジなドクターとマルチバース・オブ・シックネス by FattyAcid
Tale部門
金賞:カンテサンス by Pear_QU
銀賞:ひとの祈りよ喜びよ by Dr_Knotty
銅賞:たぃだん by snoj
GoIフォーマット部門
金賞:企画案2024-429: "私という遺作" by Jiraku_Mogana
銀賞:どうして僕たちは生まれて来れなかったの? by amamiel
銅賞:
メモ: 何者も逃れられない by snoj
9周年記念に合わせて行われたコンテスト。今回は趣向を変えて「Q」という文字から連想した単語をテーマにした作品がコンテスト対象となった。前回に引き続き特別な名前の賞は存在せず、部門名もS部門・T部門・G部門とシンプルであり、各部門でのクラシックの区別も撤廃されたシンプルなコンテストになっている。
また、決戦投票フェーズに進出できるのは上位6作品のみ。 数が絞られた代わりか決選投票フェーズに進出した作品はSCP財団Wiki日本語版公式Twitterにて執筆者提供の紹介文とともに紹介ツイートが投稿されるようになった。
S部門金賞の"事故再発防止講習士クエスチョナー・モープ"のテーマは
Question。
超電救助隊HEROが救助した人物の元に現れ、事故を防ぐにはどのような行動を取ればよかったのか質問形式で講習を行う人型オブジェクト。特別収容プロトコルによると、現在は救助された人物以外は無人の医療施設に患者と一緒に収容されているようだが……。
G部門金賞の『企画案2024-429: "私という遺作"』は
AWCYのフォーマットでありテーマは
Quit。自身の血肉で絵画を生み出すショーによって死を芸術化しようとする試みの作品案である。……果たしてそれは本当にCoolなのか?
SCP-3000-JPコンテスト
未来の世界は幻想からしか生まれ育たない。
我々が創造するものの中でこそ、我々は自由なのだ。
コンテストテーマ:"幻想"
2022年の暮れ、日本支部では3度目となるキリ番コンテストが開催された。今回のテーマも調査によって集まったテーマ募集より「幻想」に決まった。
開催告知から投稿開始までは半年ほど期間が空いた代わりに投稿期間は約半月と短くなっており、投票期間が1ヶ月という設定で行われた。また、今回は採用されなかったが投票期間終了時点で1位と2位のVote差が20以下であった場合、1週間の延長線が開催されるという仕様もあった。
EN本部と同じく、参加賞である番号権はエントリー時に希望する番号を5つ提出するというルールがこちらでも採用されている。更に非正式な賞として16個の特別賞もENと同じく指定されており、最多受賞作には「幻想的に幻想的な幻想の金一封」が幻想的に送られる。もちろん幻想なので実態が伴わないし存在も認知できない
投稿日はコンテスト開始日の0時16分という2番目に投稿されながら2位と2倍近いVote差をつけて優勝したのは"常世の国"。日本国民が幻に消えた異常事態において、唯一財団職員以外で消失を免れた一般人が平穏な日常を取り戻すために尽力する様を描きだして優勝と相なった。
Xのコンテスト
テーマ: 「日本」「変遷」「幻想」「死」「悪」「無」「嘘」「夜」「Q」「怪」のうちいずれか
Tale部門
金賞:夜が降る by 1NAR1
銀賞:雑草 by kei_comet
銅賞:あなたが不死種、長命種を諦めるべき一つの理由 by KABOOM1103
GoIフォーマット部門
金賞:ワイがスーパーレスバマスターになった経緯wwwwww by Syutaro
銀賞:演目-とこしえの憩い by Dr_Knotty
銅賞:安歩路家 by snoj
10周年という記念すべき節目の重賞コンテスト。これまでのキリ番コンテストと周年コンテストで採用された9つのテーマに加え、χから連想された怪奇創作の"怪"をあわせた計10個のテーマで行われた。各部門の上位賞の他に各テーマの中で最も高いVoteを獲得した作品には特別賞が贈られている。
全部門合計で117作品が投稿された本コンテストの優勝作は「変遷」をテーマにした"アシッドの提言"となった。執筆者が2000-JPコンテスト当時多忙だったことのリベンジとして投稿されたこの作品は、回避不可能なLK-クラス"捲られたヴェール"シナリオの発生に直面した財団がどのようにしてゴールを迎えんとするかを描いた作品である。
余談だが、この記事は同時開催の過去コンテスト優勝経験者のみが参加して大型記事を作成する「オーバーロード・キャンペーン」にも参加しており、そちらでも最多評価を得ている。
Tale部門金賞の"夜が降る"のテーマはタイトル通りの「夜」。Apollyonオブジェクトを乗り越えんとする財団職員の夜を、アノマリーによって混沌と化す第一次世界大戦を見届ける兵士の夜を、出会うべきでなかった化け物の恐ろしさを語り継ぐ男の夜のお話。
GoI部門は
PAMWACフォーマットかつ「
Quarrel」テーマで執筆された"ワイがスーパーレスバマスターになった経緯wwwwww"が金賞を獲得。いかにして波動拳が出したかったスレ主がスーパーレスバマスターとなったのか、その顛末は一見の価値アリ。
恐怖のコンテスト
テーマ:"読者を恐怖させる記事"
順位:
SCP部門/恐怖部門
顔色蒼然賞:
SCP-3991-JP - お人形あそび by WagnasCousin
震撼賞:SCP-2445-JP - あの下り坂 by indonootoko
銅賞:SCP-3963-JP - 長じた巌、さざれ石となりて by Something_funya2
Tale部門/畏懼部門
畏憚脅息賞:全国一斉霊的感知力テスト by drikara
銀賞:相談役 by teruteru_5
怪詒賞:アイデア by 1NAR1
GoIフォーマット部門/戦慄部門
戦戦慄慄賞:ミルグラム忠誠度テスト by yzkrt
銀賞:軽井沢女児行方不明事件から30年 by indonootoko
銅賞:DEAL(ディール) ストアページ by eggplantisnasu
10周年の区切りを経て装い新たに開催された11周年目のコンテストテーマは"恐怖"……ではなく、"読者に恐怖を与える"ものとなった。SCP-3000コンテストの参加作品や「何かに恐怖する人の滑稽さを書いたJoke記事」などではなくちゃんと読むと怖い思いをする作品が求められた戦いである。「Qのコンテスト」「Xのコンテスト」と自由度の高いテーマが続いたことを受けて、単純なテーマではない高難易度なコンテストとして行われた。
決選投票フェーズに進出できるのはQのコンテストより上位6位のみに限定されていたが、前回のXのコンテストにてボーダーラインに順位タイが発生したため、UV数の多い方が決選進出作品に選ばれたというちょっとしたハプニングがあった。この措置が本意では無かった運営委員会により、予選終了時点で6位と同票もしくは僅差の作品があった場合は繰り上げ進出が発生する可能性がある旨が今回よりルールに追加。これによりSCP部門では7位の作品が6位と1点差で予選を終えたため繰り上げとなり、上位7作品での決選投票フェーズと相なった。
また、嘘のコンテスト以来に復活した難読漢字賞だが、今回の分類はクラシック/非クラシックではなく、ギミックの有無によって分かれている。すなわち、文章と静止画というドストレートな構成で恐ろしさを表現したものと、動画・音声のみならず自動的なページ遷移や折りたたみ機能にソース機能などなどあらゆる手段で読者を恐怖させるものを区別した形になる。
よって本コンテストの賞は以下のようになっている。なお、GoI部門にはギミックでの区別を付けずに開催されたため、金賞の名前のみ変化する形で贈られた。
SCP部門/恐怖部門
- ギミック有り:蒼褪賞→顔色蒼然賞
- ギミック無し:震撼賞→恐怖震撼賞
Tale部門/畏懼部門
- ギミック有り:脅息賞→畏憚脅息賞
- ギミック無し:怪詒賞→怖駭怪詒賞
GoIフォーマット部門/戦慄部門
かくして7作品での戦いとなった恐怖部門。そのうち最も高い票を集めたのは"お人形遊び"であった。説明文が必ず「SCP-XXXX-JPは20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体です。」という一文から始まるのが特徴の連作"コウプス・コウパス"に属するオブジェクトである。アノマリーが怖いのが財団世界の常であるが、ヒトが怖いのも怪談の常である。では、ヒト型アノマリーの場合は……?
畏憚部門で最も読者を恐怖させたのは"全国一斉霊的感知力テスト"。霊的感知力なるモノを試験形式で測る作品であり、読者も回答することができる。全投稿作品の中でも一、二を争う恐ろしさを秘めたシャレにならない作品なため読む際は注意されたし。
戦慄部門の優勝作はなんと財団内部部門は倫理委員会による"ミルグラム忠誠度テスト"である。様々な作品で単語だけは出現すれども内容が明かされることのなかったミルグラム忠誠度テストを、こちらも読者自身が回答することができる。……あなたは本当に財団に忠誠を誓いますか?
追記・修正はコンテストで優勝してからお願いします。
- 無に揺蕩うがokaka氏の提言になってたり、無コンの画像出典が悪コンのになってたりでちょっとあちこち間違いがあります。あまり慌てずに -- 名無しさん (2024-12-16 15:50:04)
- 文字数の少なさを競う短編コンテストを掟破りのアレで優勝した件も書いていいかも -- 名無しさん (2024-12-17 08:24:41)
- 個人開催のコンテストについても説明してほしいなあ -- 名無しさん (2024-12-17 11:34:58)
- 2018のベンチャーコン以降、20,22,24にも新人向けコンテストあるから誰か追記してくれ -- 名無しさん (2024-12-17 17:12:47)
- 終末コンいいよね -- 名無しさん (2024-12-17 18:32:52)
- 君が探している引き継ぎ文書も著者はk-cal氏だったはず -- 名無しさん (2024-12-17 23:34:05)
- ↑↑↑新人コンテストは正直別記事にしても十分に語れる分量はあるはず -- 名無しさん (2024-12-18 01:42:29)
- SCP-173-JPはアニヲタ支部にまだ無いのでは -- 名無しさん (2025-03-19 01:18:29)
最終更新:2025年04月04日 22:39